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2011年11月 9日 (水)

娘の話

まぁささやかな話だけど。

読者様の中でお子さんがいらっしゃる方がどのくらいいるのかわかりませんが、ウチの娘は今小六だったりするわけです。そろそろ思春期と申しましょうか、父親との接点が極端に少なくなるお年頃だったりもするかなぁと思うわけですが、今のところ辛うじてコミュニケーションは維持されております。今日はそんなコミュニケーションの話。

これは女の子に限った話ではないと思いますが、勉強に関してはあまり訊いてきたりはしません。というか、「最底辺」の学力ではないと思いつつ、長男ほどは勤勉でないし、僕ら両親が「小学生の頃のテストは普通100点でしょ」みたいな感覚からすれば、多少の劣等感もあるだろうし、実際「ボクは兄ちゃんとは違う」と言ったこともありました。つか個人的にはそんなことは百も承知だったし、本人にもそれは確実に伝わっていただろうと思いますので、口にした時も、「取りあえずそういうことを言っておく」感じだったように思います。

 重要なのは、どうすれば毎日が楽しくなるか

勉強でも運動会でも修学旅行でも音楽でも、自分のスタンスいかんで楽しさというのは大きく変動するものです。だから、(これは自分の子供に限った話ではないのですが)小学生や中学生くらいの、たとえば子供の友達たちと話す時も、「気持ち悪い中年のオッサン、ではあるが、言ってることはあながち間違ってない」と思われるよう、気を配ったりします。特に運動会などで一緒に写真を撮るときなど、

 娘から父親が「どっか行って欲しい」と思われないようにしたい。友達と普通に話をし、キャラクターとして受け入れられるオッサンでありたい。

と思ったりします。というか、「そう出来る時間」は残り少ないとは思いますが。

そんな娘との距離感なのですが、この二日ほどの間に、「とりたてて騒ぎ立てるほどのことはない、が、ブログとして残しておいてもいいかも」と思うことがあったので、まさに記録として、日記として書き記しておこうと思います。

先日紹介したsupercellの「星が瞬くこんな夜に」は、僕AKB好き、娘初音ミク好きの二人の数少ない共通の「良さを認めるアーティスト」の曲で、実のところ新曲ではないのですが、まぁたまたま数日前に見つけた直後、やっきになって娘にプレゼン。

 「いい曲見つけたよ!」

 「ん?」

こういう時、娘は大概あまりピンと来ない様子で、ある種経験則が大きいのかなぁとも思いますが、「自分が良さを感じる曲であっても、最初の1回でそれに気づけない感じ」が流れてきました。ふむ。君も経験を積めばわかるようになるよ、などと思いつつ、勢いでアルバムも聴かせてみたところ、、、
※既に認識されている「君の知らない物語」「さよならメモリーズ」は別として

 「(星が瞬くこんな夜に)・・・これだけ別格って感じだね」

ニヤリ(^^。

ブログの文章を読ませ、笑いを得る喜びに関しては、正直娘は長男ほどリアクションが派手じゃないので、さほど多くの機会を得られてはいないのですが、音楽に関しては、何度か、こういうことがあります。歌詞をプリントアウトし、いつでもヘビーローテーション出来る状態に。

二日ほどすると、、、というかこの二日間、娘は僕が思っていた以上にこのアルバムが気に入ったらしく、

 既に歌詞を見ずに「星が瞬くこんな夜に」を歌えるようになっていました。

個人差はあるでしょうが、「気に入って歌えるようになりたいと思う歌」はそれほど多くはありません。ましてやそれが僕が勧めた曲だと思うと、恥ずかしながらやっぱり嬉しくなります。

 で、

気持ちよく娘が歌っているのを横で聞いていたわけですが、、、

続きを書く前にひとつこの歌を歌っているnagiさんについても触れておきたいことがあります。

ニコニコの「歌ってみた」のメルトやワールドイズマインを歌っていた頃は「ガゼル」さんという名前だった彼女の魅力は、

 何と言ってもその声。

僕は歌に関しての語彙が弱いので、適切な表現が出来かねるのですが、少しだけハスキーがかっていて、切なさや優しさを保ちつつ、「フレーズの語尾を少しだけファルセットで抜けるような」歌い方が大好きでした。

誰にも聞かせない車の中で口ずさむ時は、そこを意識するだけで「随分気持ちよく歌える」。距離が狭まるような感覚。

誰かが「歌に上手い下手はない。あるのは好きか嫌いかだけだ」と書いてましたが、まぁ僕はその歌い方が大好きでした。

※ちなみにsupercellは、作詞作曲を手がけるryoさんを中心としたクリエイターグループですが、ボーカルは基本ゲスト扱いで、11月23日にリリースされる新曲では、「こゑださん」という方がボーカルとなり、それまで僕らが大好きだったnagiさんからは変わってしまいました。
※こゑださんも悪くはないんですが。

で、

僕は娘にもそのことを以前から伝えていて、「そうやって歌うと気持ちがいいよ」と何度も言っていたのですが、どうにもピンと来てくれない。長男は僕が言いたいことがわかってもらえたのですが、「ファルセット=裏声」の意味がわかっていない様子。何でわからないのかがずっとわからなかったのですが、

 昨日その謎がついに解けました。

それまでは娘が歌っていた歌をそれほど真剣に聞いたことがなかったというのも大きいし、正直幼少時の娘は「音痴」と言ってはばからないレベル
※かつそれに触れるとちょっと怒るのでアンタッチャブルな領域
だったので、あまり意識していなかったのですが、

 娘は無意識のうちに、常に裏声で歌っているようでした。

そりゃ確かに「語尾をファルセットで抜けるように」のニュアンスが伝わらないわけです。というかそもそも、

 本人には裏声と地声の区別が付いていないようでした。

この点は幼少時の音痴が影響してるのかもなぁと親としてやや申し訳ない気持ちになりつつも、

 現状娘本人の歌声がどれだけ「変」なのか、思い切って伝えてみました。

最初はそれでもピンと来てないようでしたが、僕が裏声で歌ってみせると、

 「凄く変」

 「それが○○さん(我が家では子供をさん付けで呼ぶ)の歌い方なんだけど」

 「マジで!?」

以前であれば、面倒とかどうでもいいとかで逃げていたのですが、僕的には(親としてではなくむしろ友人として)「普通の歌い方」を理解し、出来るようになって欲しい。地声がそもそも低く、キーが高い歌を歌うのが苦しいことを差し引いても、

 基本裏声は変。

という、「よほど上手くない限り違和感が強い」ということを理解してもらいたい。

それでも最初は全然感覚が掴めないようでしたが、何とか低い声を無理矢理絞り出すように歌う娘。

 そっちのが全然いいよ。

リップサービスではなく、そっちのが「全然歌になってる」感じがしました。もちろん「初めて歌を歌う」ようなものですから、上手くはないのですが、少なくとも友達に、微妙な顔をされることは減るはず。というか裏声で歌ってるのを聞かせるときっと変な空気になるよ、という僕の言葉には少なからずショックを受けていたようで、

 ちょっと真剣に歌ってみたいな、という気持ちになっていたようでした。

・・・

僕自身声は非常に低い方で、かつ歌も上手くないので、人に聞かせる、という点においては、とてもじゃないけどいばれたもんじゃないのですが、「女の子」というだけでも、ある種男性とは違った「声のメリット」があるはずだと思うわけで、実はかなり前から、

 娘にはもっと真剣に歌を歌って欲しいなぁ

と思っていました。別に歌手になるとかそういうんじゃなくて、もっと些細なところ、たとえば友達とカラオケに行ったとき、恥ずかしい思いをしない程度には歌えて欲しい。マジメに「歌が歌えるようになりたい」と思ったとき、近くにそれをジャッジしてくれる人がいるケースってそんなに多くないと思うんだよね。ジャッジしたいと思う人も少ないと思うし。

 でも僕はそれなりでも歌えるようになって欲しいと思っている。

まぁだからこそ「語尾をファルセットで抜く」なんて話を真剣にしてしまったわけなんだけど。

幼稚園だと「元気に」。小学校だと「丁寧に」。中学校だと「パートを間違えず、強弱をしっかりと」みたいなレベルが「教育課程」で、「上手く」というキーワードは事実上存在しなかったと思う。でも、実際友達で歌が上手いヤツらってのは、そこから先のところに踏み込んでたっていうか、やっぱり「僕が知らない上達法」をやってたんだろうと思う。同姓の友人に聞かせるとか、家族に聞かせるとか。感想をもらって自省するとか。

歌を歌うのって凄く楽しい。それが校歌でも、AKBでも、テンションが振り切れるほど気持ちよく歌えると、ちょっと自分で自分に感動したりする。涙が出たりする。

 そう言う楽しさを娘にもわかって欲しい。

男親とのコミュニケーションが取れる時間はそれほど多くないと思う。せめて高校で初めてみんなとカラオケに行ったとき、「○○(娘の名前)、アンタちょっとヤヴァイよ」とか言われないで欲しいなぁと思う次第です(^^;。

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