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2012年1月31日 (火)

ちはやふる

以前からタイトルくらいは知っていたのだけど、週アスかなんかでこれが、

 百人一首の漫画である

ということがわかってから俄然興味が沸き、娘に貸本屋で借りてきて貰った。
※便宜上「貸本屋」としちゃったけど、今はたぶん別の呼称があるはず。

 で、とりあえず読み始めたわけだけど、、、

 これがスンゲェ面白れー!

例えて言うなら、「シャカリキ」が一番近いかな。自分が知らないジャンルの競技で、かつ「プロという存在が希薄」。
※結果的にシャカリキはプロが見えてきたけど、序盤は全く「将来の足しになる」感じはしなかったし。
そして何より、

 純度の高いスポ根であること。

主人公千早は、モデルの姉を持ちつつその美貌をきっちり受け継いだ、漫画では珍しい「美女主人公」。
※まぁ「B型H系」の山田もそうっちゃそうだけど。
ただ当然性格は愚直かつ直情的で、ある意味桜木花道寄り。一見すると「生徒諸君!」のナッキーを彷彿とさせるが、彼女ほど知的で達観してるわけでもなく、まぁ花道のように好きな子を振り向かせるという要素はないか。っていうか今思いだしたけど、「ヒカルの碁」のヒカルに近いと言えば近いかも。っていうか作品としても、

 美形が目白押しな点、絵のタッチにも共通点が感じられる点、日本古来の遊び(≒競技)を題材にしている点、

 そしてスポ根テイストである点など、

共通点が非常に多い。

だから、ぶっちゃけヒカ碁が大好きであれば、ちはやふるもかなりの確率で楽しめると思われる。というか、ヒカ碁がどれだけ好きかによって、ちはらもどれだけ大きく評価出来るかに繋がってしまうほど、お互いのテイストは似通っている。

 でもマネではない。

そこはやはりオカルティックな幽霊などではなく、純粋に自分を磨いていく、強くなっていく過程をきっちり描いている点と、基本1対1であった「碁」と比べ、「チーム」という存在が大きい点、そして少女漫画らしく恋愛要素があるところなどが異なる。

ただ、言っても「それほどラブコメ寄りではない」わけで、やっぱり面白さの根幹は、

 努力、友情、勝利のジャンプワード。

ほとんどソレしかないと言うくらいその三つのウェイトが高く、そして、個人的に非常に重要な点として、

 マイナスの溜めがほとんどない

ことが挙げられる。メンバーには冴えないガリ勉くんと、意志の弱めなデブなども出てきて、主人公ともどもところどころでくじけそうになったりもするのだが、

 復活が超早い。

そして「頭の悪い奴」が全く出てこない!読んでいてイラつくヤツがひとりもいない、何とも幸せ満開なパラダイス構造。そんなんでカタルシスを得られるのかって思われるかも知れないけど、

 そこは百人一首の素晴らしい「競技性」&「和歌というバックボーン」が活きてくる。

僕は小学中学の、それもクラスマッチくらいしか百人一首を嗜んだことがないのだけど、とにかくその「スピード感」「緊張感」そして何より、
※漫画でも言われるのだけど、

 運動オンチな僕でもまともにやり合える「スポーツ感」があった。

実際最強の名を欲しいままにした子は女の子だったし、運動が出来るヤツが強いということもなかった。

正直その場は「校内大会」を最後にブームが沈静化してしまったのだけど、もし何かのきっかけで「続けられる環境」にあったなら、僕はもっとその道に入っていったかも知れないって強く思う。今と違って記憶力もよかったし、反射はボチボチでも情熱はかなり高かった。漫画読んでいて出てくる「得意な札」という感覚も凄くよくわかるし、
※特に紫式部だけは絶対取りたくて、「最強の子」と戦ったときも、その札だけは取った記憶がある。もっとも漫画にあるような「静寂や吐息」に対するこだわりまではたどり着けなかったけど。

ともかく、そんな自分だからこそ、この漫画が面白いのは当然のことだったのかも、とも思う。そして、他の人に「勧めづらい」ことも・・・。

 でも僕の評価は★★★★。

借りてきた分は読み尽くしてしまったので、続きを早く借りに行って欲しいのだけど、その点かみさんが気まぐれなのがネック。だったら自分で行けよ、と思われるだろうが、

 そこはそれで面倒くさい女心をわかって欲しい・・・

って感じでしょうかね(^^;。

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