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2012年4月29日 (日)

ほこ×たて

まぁ鮮度があまり求められない僕のブログなので、数日前(実時間では昨夜)放送していた「たて×ほこ」のことをいまさら書き込む。「いまさら」というのは、これをアップする日が放送からそれなりに経ってからになるだろうという予感に基づくが、確かなことなど何ひとつ無い。

「ほこ×たて」とは、まぁタカトシ司会進行のバラエティ番組で、要は「どっちが勝ってもおかしくない勝負をガチで見せる」もの。あまりテレビを見ない僕はつい最近この番組を知ったばかりで、いわゆる名勝負をそれほど知らないのだけど、昨夜の、

 最強の金属VS最強のドリル対決

はなかなかに見応えがあった。

最強の金属は九州にある「日本タングステン」という会社の若手技術者が設計(でいいのかな)した超高硬度の金属で、過去何度も「最強のドリル」と謳われた相手を破ってきているという。
※もちろん同じ金属ではないと思うが。

ルールはこう。

「厚さ2cmの金属板に穴を開けたらドリルの勝ち。ドリルが折れたり、穴が空かなかったら金属の勝ち。時間は無制限」

過去の映像を見て唸るのは、この金属がほとんどの戦いにおいて、「無敵なまでの強さ」を誇っていたことだ。立ち向かうドリルはことごとく刃先を削りきられ、ただの鉄の棒になってしまう。

 どんだけ硬いんだよ

と思う。

しかし、そんな無敵を誇った金属に、一矢報いたのが、前回対戦した愛知県豊橋市にある世界のドリルシェアナンバー1という触れ込みの「オーエスジー」製ドリル。
※ちなみに僕の住んでるところの割と近くで、知ってる会社がそんな凄いところだとはつゆ知らず、ビックリ。

穴を開けることは叶わなかったものの、無敵の金属を、

 たたき割る

ことに成功。しかし「ドリルは穴を空けてナンボ」。ドリル側は自ら負けを認め、それに追うように金属側も「割れてしまっては負けも同然」と、両者(番組初の)引き分けとなった。

 そして今回、そのリベンジマッチ。

ドリル側は、前回の対戦時に飛び散った破片を分析。その金属が熱に極端に強く、ドリルを「溶かしてしまう」ことを発見し、

・先端部分を長く
・定期的にヘッドを上げ、温度を下げる
・水流の噴射口を広くし、少しでも高温になるのを抑える

実際、系列会社が破片を元に作り出した「仮想日本タングステン」の金属は、見事に風穴を空けることに成功し、プロジェクトチームの口元には笑みがこぼれた。

 最強の金属が、前回のままならば。

もちろん金属側も改良をする。ただでさえ硬い金属をそれ以上硬くするというのは、既に素人からは想像を逸脱するレベルだが、

 「硬い粉」

を混ぜ、かつ、

・円柱状にして強度を増し
・かつそれをもう一つ別の種類の金属で囲むことで、割れを防ぐ

なんだか文章にするとドリル側と比べ、イマイチ迫力に欠けるが、既に最強の名を欲しいままにしたディフェンディングチャンピオンなのだ。それ以上を求めるハードルは、スプリンターがコンマ1秒を縮めるような厳しさを伴うのだろう。

ちなみにドリルと言っても、今回使われたものの形状は、僕らがイメージするそれとは全く異なる。当然のように「グレンラガンやゲッター2のドリル」のような形ではなく、模型に使われるピンバイスのような細いものでも、電動工具でポピュラーなスパイラルがイカすドリルでもない。

 鉄の筒の先っぽに超硬度のヤスリが付いたような形状

それを大型の機械で「先端を回しつつ、その先端ごと円運動で回す」。直径2cmほどの筒を直径3cmほどの円の中をグルグルと回すように動かして、「削り空けていく」。このレベルまでいくと、もはや「最初に鋭利な先端でとっかかりを作って」などという策は通じない。超高硬度の戦いは、「超高温での戦い」でもあるのだ。

勝負が始まって凄まじい水流がカメラに飛ぶ。ドリルはゆったりとしたグラインドを描きながら高速で回転し、金属を押さえ込んでいく・・・。

途中から水流の角度が変わり、ドリルの先端が金属の中へ埋もれていく。笑みをこぼすドリル側。少しずつ少しずつドリルは金属に埋もれていく。金属側の表情が曇る。別室で応援するドリル側の社員たちも旗を振りながら歓声を上げる。
※会場はオーエスジーの工場内で行われた。

ドリルのヘッドが半分以上埋もれた時点で、金属側の技術者が少しだけうなずく。これはいったい何を意味するのか、、、。

基部近くまで金属の中に埋まり、音が急変した刹那、ドリルの回転が止まる。歓声に沸くドリル側。果たして穴は空いたのか・・・。

ゆっくりとスタッフの女性が金属板を取り出し、二人の技術者に見せる。そこには、、、
 ・・・

  ・・・あと3mmで耐えた、最強の金属があった。

そしてドリルの先は完全に軸まで削り取られていた。

「惜しいっ」

ドリル側の社員が思わず口にする。確かにそうだ。あと3mm。もう少しドリルの先の砥石部分が長ければ、この勝負はドリル側の勝利に終わったかも知れないのだ。だが、

 勝負は勝負。

どちらも「勝つために出来る全てをやって臨んだ」のだ。

 伊達に無敗を築いてきてない。

対戦の前の識者のコメントで、「金属側が勝つ」と言った助教が、

 2cmを削りきる前にドリルが燃え尽きる

と言い、その通りになった。ドリルの砥石は800度が融点なのだという。スタジオの芸能人はこれまでの実績から金属7のドリル3の予想。会場に出向いた金属関連の会社スタッフ10社は、9:1でドリルが勝つと予想した。

果たして金属の勝利に終わったわけだが、ついさっき調べてみたら、

 タングステンの融点は3000度を超える。

対戦車用の「徹甲弾」にも用いられるという。ある意味「ドリル、よくやった」とも思うが、対戦終了後、別れ際にオーエスジーの技術者が、「今度九州までお邪魔します」と言った。直後は気にも留めなかったが、今ならわかる。

 最強の金属で最強のドリルを作るつもりかっ!

絶対に貫く矛と、絶対に貫かせない盾。「矛盾」。最強の金属を作った時点で、ある意味勝負は付いていたのかも知れないな。

余談だけど、そこまで「最強に硬い金属」ってことは、例えば、

 タングステンの金床にタングステンのハンマーで叩けば、力の加減はともかく、

 つぶれない(もしくは割れない)物はない

ってことなのかな。例えば鉄の釘だったら、

 クレープのように平たく伸びてしまうんだろうか。

希少金属らしいから実際にそんなことに試すことは出来ないけど、ちょっと興味深い。

あと、僕の記憶に「タングステンカーバイト鉱」て言葉が残ってたんだよね。最高に硬い物質として、何かのマンガに出てきたと思うんだけど、そのとき漠然と「スゲェ硬そう」って思ったのを覚えてる。何の根拠もなく。でもこうしてリアルに目の当たりにすると、

 ああ本当に硬かったんだなって思った。

つか、

 「最強に硬い」ってロマンだよな。

文鎮に欲しいくらいだ。文鎮使わないけど。

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コメント

これは面白い!

Halo3に「90mmのタングステンの感触はどうだ!」という、戦車の大砲がヒットしたときに聞こえるセリフがあるんですよね。
あれは2500年代の架空の話ですけど、意外と近いうちに実用化?されるのかもしれないですね。

投稿: nyaru | 2012年4月29日 (日) 14時58分

クリスさん、こんにちは。
 僕も、たまたま見たことがある程度ですが、この番組は面白かったです。
 『ドリル対金属』の他にも、『弾丸』対『防弾ガラス』とか色々やってますよね。
 CMがウザイのが難点ですが、昨今珍しく芸No人だけじゃない番組だと思います。

投稿: じあんとー | 2012年4月30日 (月) 17時17分

ちすnyaruさん、じあんとーさん、クリスですまいど。

>nyaruさん

一瞬番組ではなく、僕のブログを「面白い」と褒められた気になりましたが、番組のことですよね?微妙に勘違いしてありがとうございます(^^。

タングステンの弾丸は既に実用化されていて、ウィキペを見ると価格まで載っていますが、90mmってのがミソなんでしょうね。直径90mm。単純に考えて「堅い金属=重い金属」でしょうから、90mmの戦車砲を飛ばすには、相応の砲台と強度が必要なんだろうなぁと素人考えでも思います。

あと似た話で、金属によっては、着弾時に「先鋭化」して突き刺さるように食い込むものとか、割とというか、当然のように奥深い世界がありますよね。ディスカバーチャンネルとかで扱ったことがありそうですが、なかなか日本語で見る機会がないのが残念なところです。


>じあんとーさん

金属系のほこたてはどれも面白そうですね。弾丸と防弾ガラスは、見てないけど、弾丸の形状、防弾ガラスの構造(単一素材じゃないと思うんですよ。当然)、撃ち出す砲台の形とかいろんな「興味ポイント」がありそうです。つか、僕の勝手な想像ですが、

 本当に凄まじい弾丸なら、そっちが勝つ気がします。

理由は、「ガラスは継ぎ足せないけど、弾丸は継ぎ足せるから」。番組上のルールではきっと制限時間や弾数があったと思うんですが、実際の戦闘や暗殺!?では弾とかも相応に使えますよね。無制限とはいかないまでも。

アニメのゴルゴ13でも、一点を集中的に撃ち込むことで穴を開けて暗殺する話もありましたし、こないだのドリルでも「砥石が長ければ穴を開けることが出来なくはなかった」結果でしたからね。「一対一」ではなく「一対多」の戦いになる可能性を考えたら、やっぱり攻める側の方が有利かなぁと思ったりしますね。

投稿: クリス | 2012年4月30日 (月) 21時17分

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