ハック&スラッシュ~嬉しいとき~
ディアブロIIIをやっていて嬉しくなるのは、やはり黄色いアイテムが出たとき。名前が黄色というだけで、ひとまずテンションは上がる。鑑定してみてそれが今の自分の装備を揺るがす物だったりすると、その喜びもひとしおとなるはず、、、だが、実際今の状態では、交換すると言ってもせいぜい上位互換で、次元の違う強さや便利さを得ることは少ない。
その理由のひとつに、数値のインフレがある。例えばウィザードリィでは、初期の頃の武器が1~8のダメージで、ちょっと良くて4~12とか。ブレードカシナートの20~24くらいだっけ?高値安定は異次元の強さであり、その上となるとムラマサの2~50か、手裏剣、もしくは素手で首を切り落とすくらいしかなかった。でもだからこそムラマサは嬉しかったし、外伝2辺りで出た「虎殺しの槍」の後衛から使える上にダメージ20~30みたいな武器にウットリしまくることが出来た。
だが、今回のディアブロは、ゴールが明確にインフェルノに設定されている。ノーマルではレジェンダリーアイテムもセットアイテムも出ない。レアの出現はボチボチだが、マジックに関しては過去のディアブロを含む多くのハクスラの中でももっともたくさんドロップするのではないかというくらい出る。
結果その効果は非常になだらかなスロープをもって上昇することになる。WIZにおけるダメージ1~8の武器を持つキャラは、文字通り相手に1~8(×攻撃回数)分のダメージを与えられるが、ディアブロでは相手の防御力や耐性にも大きく影響を受けるので、パラメータ上で400となっていても、クリティカルで65しか与えられないということが出てくる。
こうなってくるともはや400が500になっても、さほど嬉しくはない。よくよく考えてみれば、ノーマルのACTIとナイトメアのACTIの敵のせん滅速度がほぼ同じくらいという時点で、凄まじいまでの底上げが為されているのは間違いないのだが、言ってしまえば相手の見た目は同じなのである。マナの自動回復が付いていれば、敵と戦わずに移動する間にもバフ系のスキルを使い、会敵する頃にはマナ満タンで戦うことが出来るが、戦闘中に1秒1ポイント回復する速度というのは、正直あまりあてに出来るものではない。直接攻撃を数回叩き込めばすぐさま回復しきるレベルの速度なのだ。
※通常攻撃を1撃当てるとマナ6回復。通常攻撃は種類にもよるけど秒間3発とか打てる。
分母が大きくインフレしたことで、日々の嬉しさは目減りしてしまった気がする。マジックひとつ、指輪1個にワクワクしながらプレイできた初代ディアブロの方が、「見つける喜び」という点では間違いなく上だったと思う。ウインドフォースやグランドファーザーを求めて、そして手に入れられるバランス。なかなかKSOHが出なくて、それでもそれを求めて周回する感覚。
そう言う意味で言えば、ファンタシースターオンライン2は、かなり「そこ」を理解した作りになっていた。クエストを始める段階で、そのクエスト内でドロップされたアイテムを見ることが出来る。中には数十万個という回数ドロップしているものがある一方で、わずか数個~数十個という奇跡のような低確率のものも存在する。
夢を見つつ戦うことが、叶ったときの喜びをブーストする。
またもWIZの話で恐縮だが、こちらもゲームアーツが出した攻略本を側面が浅黒くなるくらい読み返し、未だ見ぬムラマサブレードやガーブオブローズに思いを馳せていた。
そう言う意味で言えば、ディアブロ3のオークションも、
※現在リアルマネーによるオクは始まっていないが、ゲーム内通貨のものは機能しているらしい。
「欲しいな~欲しいな~」と思いながら入札したり落札したりするわけだから、むしろそちらの方が、ストレートに入手の喜びを感じることが出来るかも知れない。ゲーム内通貨を利用するわけだから、その為の資金集めにこそモチベーションのメインがあるスタイル。
でもお金はそうそう貯まらない。少なくとも拾ったり店に売っているだけでは。
※ホントはここまでDIA3の話を掘り下げるつもりはなかったのだけど、流れで触れていく。
ディアブロ3のアイテム集めは、敵からのドロップや、こうしたオークションで買うこと以外に、鍛冶屋に作らせるというものもある。前作にあったギャンブル要素をはらんだショップのようなものだが、これがなかなか良く出来ている。
流れとしてはこんな感じ。
まず、敵からマジック以上のアイテムを手に入れる。そしてそれを売らずに鍛冶屋に持って行き、サルベージと呼ばれる「分解」を依頼すると、その価値に見合った素材を、
1種1個、もしくは2種各1個手に入れられる。
50円のクズのような盾でも、400円のレア武器でも、その手に入る素材のクオリティの善し悪しこそあれ、手に入る数そのものは非常に少ない。
そしてその素材とゲーム内通貨を使って、鍛冶屋に武具を作ってもらうのだけど、この作ってもらう武具は、ダイレクトに種類を指定することが出来る。ザックリと短剣ではなく、「攻撃力が1-8。レベル1の短剣」のように。
もちろんただその作ってもらうだけでは何も魅力はないが、鍛冶屋で作ってもらうアイテムには、最初から「ランダムでいくつかのフィクスが付く」。
※いくつ付くかも最初から明記されている。確認した中では2~5種。
そして、その作ってもらうことが出来る武具をより高レベルにするためには、「鍛冶屋をトレーニングする」必要が出て来る。最初はお金だけだが、途中からナイトメア以降でしか手に入らないチケットが必要になってくる。
※これは宝石屋も同様。チケットにもランクがある模様。また、作ってもらう段階でもそのチケットが必要になるケースもある模様。
多額の予算を投じ、鍛冶屋を鍛え、武器を分解しまくって素材を集め、そしてようやっとギャンブルで装備を作ってもらう。
かなりハイリスクだが、逆に言えば確実に自分が装備出来る武具を、連続で見つけることが出来るとも言える。こないだ移動速度UPのブーツ目当てに10回チャレンジしてもろくも崩れ去ったが、
夢は見られる。
重要なのはそこだ。
明確にパラメータが明かされたものを目指すのは、それはそれで入手の喜びをブーストするが、いかんせん高確率にしては意味がないし、低確率ではゲームの進行テンポそのものを滞らせる。言ってしまえばそれをやるなら、最後の最後、袋小路のインフェルノでやればいい。そして、
そこまでのモチベーターを用意する必要があった。
鍛冶屋はまさにそういうシステムなんだと思う。が、
やはりお金が掛かりすぎる。
かれこれ数十万分をつぎ込んで育てているが、冷静にこの金額をオークションにぶつけたら、どれほどの装備が買えただろうか、とも思う。むしろそうして得た強い装備で、より高い難度へより早く到達する方が、結果的にお金を集めるペースも上がるのではないか、とも。
まぁその辺りこそがDIA3のジレンマなのかも知れないが。
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