タイタンの戦い
※三銃士とアップ順間違えました。ホントはこっちが先だった。
※ネタバレまくり。
今度っていうか今「タイタンの逆襲」がやってるらしいので、前作であるところのタイタンの戦いを、ようやっと見た。
DVD自体は随分前にリリースされており、オリジナルであるところのレイ・ハリーハウゼンのタイタンの戦いは大好きだったため、当然のようにチェックはしていたのだが、
なぜかずっとスルーしていた。
で、見てみてその理由がわかった気がした。
このリメイク版タイタンの戦いの主演はサム・ワーシントン。アバター主演やターミネーター4で主演を食った活躍をし、2009年~2010年の№1ゴリ押し俳優だったのだが、
いかんせん柄じゃなかった。
僕の中のタイタンの戦いのイメージが、
色白の二枚目ハンサムペルセウスが白馬にまたがり、これまたブロンド碧眼美女のアンドロメダを救う
というものだったのに対し、サムのペルセウスはあまりにもムサい。丸坊主で浅黒く、ガタイがマッチョというわけでもない。顔つきは力強さがあるが、二枚目ではないし、「ペルセウス」という語感とギャップを感じるのは僕だけじゃないはず。正直現在絶賛ゴリ押し中のテイラー・キッチュを金髪に染めて配役した方が、遙かに「ペルセウスっぽい」と思った。
映像は当然アーマチュアのコマ撮りアニメではなく、SFXはオールCG。絵的に迫力のあるシーンはいくつもあったし、劇場の大画面ならば唸るだろうなという演出もあったが、
いかんせん構成が悪い。
というか、一番美人のヒロインがアンドロメダなのは変わらないのに、何故ペルセウスの意中の人が別にいるのか。っていうか、彼女はいったい誰なの?って感じ。
序盤育ての親を失うシーケンスも結構唐突だし、
※魔法の直撃を受けて船が沈むんだけど、甲板にいたはずの家族がなぜか船内に閉じ込められているという・・・。オイオイな感じ。
せっかく漁師という設定ながらポセイドンが一切顔を出さないのもなんか違和感が残った。
ハデスを倒す方法を探すため、魔女を訪れ、メデューサの首を切り、ペガサスを駆って、クラーケンを倒す。
言葉にすればこれだけのことなのだけど、ゾンビのような種族と協力してデカイサソリを乗り物にするネタ、その道中にかなりの尺を取る演出など、正直「要るか?」って思ったし、サソリとの戦いも、ぶっちゃけ長すぎる。中型を倒して直後デカイのが出てくるテンプレートで十分でしょって思った。あとメデューサの対抗策に盾の裏を鏡に使って倒すテンプレート。
いつの間に盾の裏が鏡仕様に!?
サソリの皮で作った=だから裏側は鏡になってますって、、いくらなんでもムリがあるでしょ。っていうか、
オカズが少なすぎ。
昔のまま、サソリ、魔女、メデューサ、ペガサス、クラーケンでは、正直尺を埋めるのに物足りなさが残る。道中オリジナルのクリーチャーをもう2種類くらい挟み込んで、その分個々のエピソードをもっとシェイプした方が、絶対テンポよく楽しめるようになったと思う。
美男美女のペルセウスとアンドロメダ、もしくは謎のヒロインなのに、
※ちなみに「謎のヒロイン」の方がむしろ日本人には受けがいい顔立ち。
キスシーンがないのもなんか物足りない。っていうかそうそう言い忘れてたけど、
なんでペガサスが黒やねん!
意味がわからない。監督が「みどりのマキバオー」のファンで、カスケードをリスペクトしてたって言うなら、まぁ納得だけど。
ゼウスの剣も今一つ「ゼウスらしさ」に欠けてた気がするし、クライマックスで民衆を扇動してたキチガイが思わせぶりな動きをしつつ結局何にもしなかったのも引っかかった。
ただ、全てダメだったということもない。
特にメデューサ戦。クラーケンは確かに大きさによる派手さはあったものの、正直何が何だかよくわからなかった感が強かった。3Dならば遠近感を上手く感じる映像だったのかなぁと好意的に判断出来なくもないけど、、、。
だがメデューサはよかった!
オリジナルでもメデューサは出てきて、アーマチュアの「気持ちいい動き」が印象深かったが、今作のメデューサは、
とにかく長い!
いわゆる「ヘビ物」のB級映画のような、なめらかかつスピーディな動きで移動してくる様は、
思わずウットリ。
マスクも美人で、パーシージャクソンに出てきたユマ・サーマンのメデューサに優るとも劣らない。っていうか彼女のような有名女優じゃなかったからあまりアップがなかった、
※もしくは完全CGキャラだったからかも?
のかも知れないけど、それがもったいないくらい、
素敵なメデューサ
だったな。雑兵を何人も同行させて、ガンガン石化させていくのも痛快だし、
※オリジナルはそういう演出が弱かった。
この映画一番の見せ場はここって感じだったな。
まぁゾンビみたいな味方の無駄死にはちょっと・・・って感じだったけど。
トータルすると評価は★★。映画館で3Dで見てたらプラス★★くらいあったかも知れないけど、いかんせんテンポが悪く、いい意味での安っぽさみたいなのがもっと欲しかった。腕のある監督と脚本家なら、もっとずっと面白く撮れたっぽい素材だっただけに、なんかもったいない感じすらしたな。
ぶっちゃけこういう冒険物として比較するなら、「シンドバッド七つの海の伝説」の方が数倍面白い。サムはもっと実直な戦士の方が似合う気がするなぁ。
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