リアルスティール
良くも悪くも期待通り。というかやっぱり面白かった!クリス評価は★★★☆かな~。映画館で一切トレーラーを見ずに見てたらプラス★あったかも。
とにかくトレーラーが良すぎ。2012年ナンバーワントレーラー間違いなしってレベルでかっこいいんだけど、
ぶっちゃけそれだけで満足してしまうレベル。
もちろん本編も見たくなるんだけど、あまりに上出来すぎてつい何度も見てしまった結果、
話がほとんどわかってしまうワナ。
でもトレーラーを見なければDVDを借りることもなかったわけで、微妙なパラドックス。
あらすじ的にはよくあるシングルファーザーと子供が近未来のロボットボクシングという競技を通じて打ち解ける、お涙頂戴サクセスストーリー。つか見る気がある人は、もう読むのを止めて、今すぐ借りてきてください。一番ツボるジャストミート世代は、
間違いなくロッキー世代。
もうね、ヒロイン役の女優さんなんて、最後の方、エイドリアンに見えてくるくらい雰囲気が似てます。顔をよくよく見ると別人なんですけどね(当然)。
話の流れも、まぁ子供を絡めてるという違いはあれど、基本ロッキー。監督もそれをかなり意識してるというか、リスペクトしてるシーンもいくつかあったり。
※地味にアナウンサーが「アポロ」に似てるのもニヤっとした。もちろん僕の記憶の中のアポロで、実際の彼とは似てないのかも知れないけど。
そして、ロッキー世代以外にもジャストミートする方たちがいるとすれば、それは間違いなく、、、
ショタ。
もう子役のダコタくん、最高です。僕の中のショタ心が満開になるレベルの「超絶天使」。っていうか、こんな子が普通に町に歩いてたら間違いなくガン見しちゃいますね。青い眼にサラサラの金髪ショート。何つか話の筋的にはアトムにダンスをさせるシーケンスは正直蛇足だったと思うんですが、
あまりにもダコタくんが良すぎて、こういうシーンを入れざるを得なかったんだろうなって思った。
僕は基本ヒュー・ジャックマン大好きな人ですが、途中何回も彼を食ってましたからね。演技というより、「オーラ」で。思わず目が行ってしまうのはウルヴィじゃなくてマックス(役名)。
以下徐々にネタバレに入っていきますが、、、
最初はもう目を覆いたくなるほどの「マイナスの溜め」。今回は見る前からこれがあるのを承知だったにも関わらず、辛くて辛くて逃げ出しそうでした。でも絶対報われるのがわかってたからがんばって耐えた。耐え抜いた。っていうか、
ダコタくんのキャラが良くて凄く救われた。
「心を開かない11歳」みたいな触れ込みだったから、さぞや内向的で無口でめんどくさいヤツかと思いきや、
最初からロボットボクシング大好きっ子。
でもって自分の意見もはきはき言うし、意志の強さは親譲り。冷静な判断力は母親譲り?オヤジがダメっぷりをいかんなく発揮してこちらのテンションがゲンナリダウンしてるときも、ダコタくんがキラキラした目で演技してくれるから、おじさん空だって飛べるさって感じです。
この感覚は妖怪大戦争の時の神木君以来。
アナキン役の子は大人になってグレてしまいましたが、
※役のことでいじめられて最悪の学校時代を過ごしたんだそうな。つかそれって本人のキャラなんじゃね?って思うけどな。まぁ「子役は大成しない」って言われてるから、キャラ以外の要因も少なからずあるんだろうけど。
ダコタ・ゴヨくんには、ホントすくすくとまっすぐ育って欲しいです。
ちなみに彼の新作はCG映画の吹き替え。同じくドリームワークスで、これまた同じくヒュー・ジャックマンと共演のご様子。タイトルは「不思議の国のガーディアン」。何か日本のライトノベルみたいなタイトル。
本編の話へリターン。
出会いはそんなわけで最悪なのですが、二人ともロボットが大好きという点では共通していて、、、って実はこの共通点、
たぶん監督にも共通してる。
要するに当たり前の話ではあるんだけど、この映画は、「ロボット好きの監督のマインドを投影した親子の物語」。だから登場するロボットが本当に愛に溢れている。っていうか今変換して表示されたけど、「AI」には溢れてないです。完全操作型ね。
スピルバーグのアドバイスで実際に制作したという数々のリアルロボットのクオリティも最高。っていうか僕はこの映画のロボットたちを、割とニュートラルな感覚で見ていたのだけど、メイキング特典を見て、
※珍しく全部の特典を見た。なかなか見応えがあったし、ファンサービスも良かった。NGシーンとか、ロボット制作とか。
「やっぱり実物があったのか」
って思った。もうなんつかノイジーボーイの表面のテカり方とか、文字通り「リアルスティール=本物の鉄」。高級車の塗装のような感じがたまらなくて、(バブシカさんはご存じだと思いますが)グロス(ツヤ有り)塗装大好きな自分にもジャストミート。
主役ロボのATOMはさすがにボロボロなんだけど、途中あるシーンでアップになった時の表情はホントタマラナイ。これはアイアンジャイアントの良さに通じるかな。
正直ロボット系の映画というと、真っ先にアイアンマンが頭に浮かぶと思うけど、なんだろ、なんつんだろ、
いい勝負だと思います。
どちらもとても魅力的で、かっこいいです。っていうか、今回のボスロボット「ゼウス」のかっこよさがそのままアイアンマンMK3に通じる感じのスパルタンな魅力で、でも同時にゼウスにはプラレス三四郎の悪役ロボットにも通じる「デザインのお約束」も含まれていたりもして、、、。
メイキングを見るとわかりますが、一部のシーンでは本当に裏で操作してロボットを動かしていたりするみたいで、エイリアンじゃないですけど、「リアルに見てるからこその演技」ってものも、この作品には上手く出てるんじゃないかと思う次第です。
マイナスの溜めを除くと概ね満足度が高くて、特に練習シーン、破竹の勢いで勝ち上がっていくシーン、起動時のダコタくんの魅力爆発のシーンも良かったですね。そしてクライマックスの2連戦など、溜飲が下がるところもいっぱいあります。ただ、一方で「あと0.5秒短くて良くね?」というシーンも2、3カ所。
※ダンスシーンや、クライマックスでのアップスローモーションなど。
あと、バーで観戦してた元恋人(一応ヒロイン)の後ろの男性とかいらないと思いましたし、僕はまず字幕で見て、吹き替えで美味しいとこだけ見たのですが、最後の二人の会話が今ひとつ意味がわからなかった気がしました。両方見比べてみると、全く違うことを言ってる気がします。
イマイチというと、ダコタくんの吹き替えをやってくれた子も12歳という実年齢相応の役ではありましたが、技術的にまだまだ甘くて、これだったらクレヨンしんちゃんの矢島晶子さんにやって貰った方が絶対良かったと思う。っていうか、矢島さんは=子役アナキンね。豆知識。
っていうかまぁ最初から「英語の方が盛り上がる系の映画」だろうと思って字幕で見たんだよね。あ、あと吹き替えで字幕を消してたときに、主人公チャーリーが元恋人に家賃を送る場面で手紙が映るんだけど、字幕の時には「利子を付けといたぜ」って表示されたのが、吹き替え時は表示されてなかったのもちょっと気になった。つか、
字幕も吹き替えもどちらも翻訳は今ひとつだったような気がする。
マックスが父親を呼ぶ時の言葉使いも、無理に荒くする必要ないだろって空気になったりしたし、
※役柄上背伸びをしてる、って範囲を逸脱して。
もう少しウルヴィじゃなくマックスの方に寄せて脚本を紡いだ方が、しっくりと完成度が高まった気がしたな。ラストの「攻めて」「ガードだ」のやりとりも何かあざとく見えちゃったし。まぁ最後盛り上げるのはどうしてもオヤジになっちゃうから仕方なかったのかも知れないけど。って、そうそう
最後のヒュー・ジャックマンのシャドーボクシングのシーンも何か嫌だった。なんであんなに単発のパンチを繰り返してたのか。コンボとかワンツーとかチャーリースペシャルとかいろんなワザを途中いっぱい習得してたはずなのに、
さては、、、実際の試合を見ながら打ってないな!(当たり前)
監督がまだまだ若手(44歳)ってこともあるのかも知れないけど、やっぱいろいろ惜しいところもあったかな、と。まぁ映画館で見てたら気にならなかったんだろうとは思うけどね。
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ともかく、最初に言ったように、「基本ロッキー」。ロッキーのような無骨なサクセスストーリーを期待して見れば間違いなく楽しめる。ついでに僕の様に多少ショタコンであれば、まぁ言うことはないだろうな。
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