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2012年7月 2日 (月)

今僕は、、、

大阪市中央区の船場にある問屋さんのシャッターの前に座って、ノートを広げブログを書いているところ。時刻は午前1時27分。明日の朝オープンの特価を買うべく、順番待ちの列に並んでいる次第。

起きた時刻は0時46分。目覚ましを掛けたのは0時47分。眠った時刻は午後6時。こう言うと自分の体内時計の精度をアピールしてるかに聞こえるかも知れないが、実際は何度も目が覚めている。つか毎日2時、4時に寝ていたらそんな簡単にサイクルを変えられるもんじゃない。もっとも一緒に並んでる方の中には、一睡もしていないという方もいたけど。

開店時間は朝8時。7時45分に最終点呼。6時に整理券。3時に並べられたイスのあるエリアへ誘導される。

 今はコンクリの上だけど。

6時に整理券を貰えば、1時間40分ほどは自由時間になるので、その間に徒歩2分のところにあるホテルに戻って仮眠や朝食を摂ることも可能。だが、6時までは、基本この場所に詰めなければならない。

 1時から並んだので、5時間。

ぶっちゃけ、大したことない。なぜなら、

 既に8人が並んでいるから。

ドラクエの時のひとりで並んでた5時間とは全く意味が違う。心強いし、寂しくない。安い商品を買うためのライバルではありつつも、直接の競合店ではないし、そもそもあと1時間半で屋内へ移動出来る。
※つっても開け放しだけど。

順番待ちの暇つぶしに、久々にVITAを充電したり、
※充電がカラになってる状態だと、VITAは電源すら入らないんだよね。挿して1時間くらいしないと立ち上がらない。
スマホにAKB0048の未見の回を入れたり、予備の電池パックもフル充電で持ってきてる。

でも別にそこに逃げなくても大丈夫。つか、むしろ温度も適温だし、雨も降ってないし、カトリス持ってきてるから蚊に刺される心配も薄いし、灯りもあるから暗くないし、手元にはポカリもあるし、

 ちょっと楽しい自分がいる。

ホントは一緒に並んでる人とくだらない話でもしたいくらいなんだけど、

 僕と話が合う人がいるとは思えない事実。

みんなまじめだもんな。きっと。あとオサレだし。オッサンも多いけど。

職業によっては早朝どころか深夜から早朝が稼ぎ時とか、何日もぶっ通しで働き続けるような方もいらっしゃるだろうから、こうした環境にストレスや不遇を感じたりはしない。むしろたまにしかないことに感謝したりもするし、変化のある仕入れに楽しさすら感じたりする。

 でも、

 ホントに安い品が買えるかどうかはわからない。

システムは、こうなっている。

8時になると、待合室から20人単位で店頭へ案内され、そこからヨーイドンで1階から3階の売場にある特価品を目指す。

商品には、DSライトくらいの大きさの紙が十枚~百枚ほどリングに付けられていて、それをちぎって最後に提出する。チケットがあれば「確保」だし、なければどんなに欲しい商品であっても買えない。

この時間からこれだけの準備と「煽り」をして為される売り出しの場合は、本当に安い品が並ぶ「可能性がある」。実際にどの程度の安さかは、蓋を開けてみるまでわからないが、まぁ列の長さが期待の長さ。通常の仕入れとは全く異次元の安さであることを、少なからず期待してしまう。が、

 まぁ実際は好きで並んでるところもあるけどさ。

3フロアに分けられての販売だと、正直ひとりではフォロー出来る範囲は知れている。だからいくら早く並んでも、ろくな成果も得られないことは十分考えられるが、好きでやってると思えば、裏切られたときの傷も浅くて済む。まぁこんなご時世だから、少しでも安い物が買えればいいや、という思いがあるのも事実だけど。

ただいまの時刻は1時52分。あと1時間10分は、

 スパイダーソリティアでもやって過ごすかな。



のらりくらりと過ごしていたら雨が本降りに。でもここは濡れないのでNO問題。適当に暇つぶしを持ってきていたけど、さすがに

 AKBのアニメを見る空気にはならなかったな。

2時50分ほどになって、問屋さんの見知ったバイヤーたちが顔を出し、ほどなくしてシャッターが開いて一同着席。ここから6時までの長丁場をどうして過ごそうかと思案していたら、

 イスに貼られた番号に名前を書いて頂ければ、あとは整理券配る6時の、、そうですねぇ15分くらい前までに戻ってくだされば結構ですので。

なんとナイスな判断。ありがたや。そこから泊まっている東横イン船場まではわずか50mほど。雨が降っていてもあまり気にならない程度の距離であり、

 2時間以上眠れてしまう。

っていうか、6時に整理券もらってからも7時の朝食まで1時間弱寝てしまったし、前日の6時から1時前まで寝てたことを考えると、

 たぶんここにいる誰よりも寝てる。

一番に並んだ人は一睡もせずにいたというのに。あまつさえコンクリの上で30分くらいうたた寝しちゃったくらいだというのに。

ともかく、そんなこんなでバイヤーから、

 「クリスさん、寝てないんでしょう?」

 「いえいえ、まったくもってそんなことはないです。つか普通の日より寝てます」

そんな状況でいざ8時からスタート。でもこういうところ、こすい(方言「ずるい」のような意。ちょっと軽い)のは、開始前に目玉商品がある場所を綿密に聞き込みし、かつその商品に貼られている札の確認を怠らず、その上でバイヤーの中でプライベートの携帯を知ってる人に連絡をして、「目玉品が買いやすくなるように」準備をしてもらう手はずを整える。

念のために言うけど、これは合法(ズルくない)。「お一人様一セット限り」という商品を一気に札を大量に取っていくような輩が多い中、「各一枚集めておいてもらう」のは、余分に取らないことを明言しつつ、無用なトラブルも避けられる。言っちゃ何だけど、大売り出しの日とかだと、

 あまりに店主が大挙して目玉品に集中するあまり、ハンガーごと倒れたり、過去においては死人が出たことがあるとすら、まことしやかにささやかれているのだ。

連続する売り場の担当バイヤーにも、「早く来ているのは僕だけじゃないから、10組くらいセットを作っておくと、絶対スムーズに流れるし、お互いにメリットがあるはず。もっとも僕の分を渡し忘れるのは勘弁して欲しいけど、、、」

 みたいな?

遠回しに自分を優位に立たせつつ、「まぁ確かにそういう面もあるよな」

 みたいな?

ゲートが開き、各馬一斉にスタート。最短距離で階段に向かうが、ダッシュで前3人をかわし、二人目で階段に入る。目的地は3階。階段で「抜けるなら抜いてやる」くらいの意気込みだったが、さすがに速く。そのままターゲットに。

 ここからはさすがオレ。

 「クリスさん、これです!」

複数のバイヤーに事前連絡が行き届き、トップ以上の早さで寝具の売り場を後にする。きびすを返し、タオル、パジャマ、靴下、肌着と次々に超目玉をゲット。

ここでちょっとだけ、みなさんに「どのくらいの価格」が超目玉なのかをお話しますと、
※つってもオフで僕の正体を知ってる方もいらっしゃるので、あえて「買わなかった、でも売り切れていた」商品で、

 レディースの柄トレンカ(足の下にひっかけて履くスパッツみたいなヤツ)。通常価格299円。小売価格580円の品、

 69円。

 綿100%紳士しじら甚平 399円

 キティ変わり織り甚平 メーカー4800円の品 1180円

 紳士リップル半袖パジャマ 330円

等々。つか僕が買わなかった品という点で言えば、魅力が薄かった品と言えなくもないのだけど(^^;、まぁ安かったわけですわ。

3階を一通り巡り階下へ降りていくさなか、もう一人別の人と併走。

 「僕も大概マッハだと思ったけど、それに追従するほどとは、、この人やるな!」

と何上から目線なんだよと思いつつ2階もチェック。さすがに2階は「間に合うと思ってなかった分」セット組がされてなかったけど、

 ぶっちゃけ店内にまだ入れない人がいるレベルの時間しか経ってない。

200人ほどの行列を吸収する間に、メインを済ませ、第二コーナー入り。

 問題無く全ての目玉品をゲット。

そのまま1階へ。

さすがにここまで来ると売り切れが多いが、戸惑いやためらいは許されない。マッハで周回して再度3階へ。今度は「準目玉」を漁るが、

 むしろ準目玉のがいいじゃん・・・

みたいなのが散見され、やや悔しい思いに。

シニア(おばあちゃん)の綿100%七分袖パジャマ 399円

買えずにガックリ。バイヤーにひとしきり愚痴をこぼしつつ周回してると、さっき僕と一緒に2階へ降りていったバイヤーが、

 「すっかり肌着のことを忘れてた」

だよな~いくらなんでも「僕より速く回れるワケねぇよな~」などと、何様だオマエという思いが去来。ちょっとニヤリ。

基本的に超目玉はバイヤーが「お一人様一セット」を徹底するために、手配りでチケットを渡してくれていたのだけど、特にそれに関して厳しかったバイヤーの一人が、

 普通に2セット僕にチケットをくれていてニヤリ。
※この場合のニヤリは「得した」ではないですよ。念のため。

「人間ミスはありますよ」。全くその通りだと思いますが、割とルーズだった担当がきっちり1枚ずつ配っていたのに対し、ナーバスだった彼がミスをする滑稽さ。僕が持っていて売り切れていた品は、ちゃんと他の「欲しいけど取れなかったんだよね~」の方に分配しましたよ(^^。

そんなこんなで、「たった一人」だったけど、
※会社によっては複数の人数で仕入れに来てるところや、グループで買っているところも少なくない。

 欲しいモノの99%は取った感じ。

やっぱり大事なのは人だよなって思いました。

それは、開始直前僕のすぐ前を並んでいた店主(常連。顔見知り)に、僕が、

「きっとこうして早くに並んでることが、相手の印象に影響するから、もし売り切れでも何とかしてくれるかも知れないじゃん」

って話した際、

「ここの担当にそんな殊勝なところがあるか。『勝手に並んでるだけだろ』って言われるのが関の山だよ」

と言われたのだけど、やっぱ実際は違ってたんだよね。

僕が2回目に訪れた際、「クリスさん、さっきこれ渡し忘れました」って既に売り切れてた品のチケットをくれたバイヤーもいたし、「もし売り切れていても何とかメーカーに1セットくらい交渉してみます」って言ってくれたバイヤーもいた。嫌われるようなことは言わないし、見た目は悪いけど、相手に対する気遣いは、、、少なくとも上層部には伝わらなくても、バイヤー単位では伝わってたかなって思った。

この問屋の後で行った別の問屋でも、

 「裏切りと、疑いは絶対やっちゃダメだよな」

って話で意気投合。なんだかんだ言って人対人。僕の買う金額は、大手と比べたら微々たるものかも知れないけど、「クリスに売って損した」とは絶対思われないようにしたい。むしろ、「あいつにだけは何とか回してやらないと」って思われたいくらい。<これはなかなか難しいけど。

 「クリスさんが来るのを3時間くらい待っていました」

って他のバイヤーから言われて、すごく嬉しくなった。いつも僕にだけ出してくれる特価の話。

 僕以外の人でも、勧めればきっと多くの人が食いつくレベルの特価の話。

つながりを無下にしない。心遣いを大切にする。期待を裏切らない。

 今日の仕入れは、「楽しかった」。でもそれは値打ちな品が買えたからってだけじゃないぜ!?

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