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2012年7月30日 (月)

宇宙人ポール

ネットの評判がすこぶるよろしいようなので、リリースを心待ちにしていた、、、がスッカリ忘れていた1本。SFオタクの二人の野郎と、ひょんなことから一緒に旅をすることになった宇宙人ポールとのロードムービー。つか「ロードムービー」って単語は割とよく目にするけど、なんかちょっとかっこつけすぎな気がしてあまり好きではない。が、かといって「珍道中」ってすると、これまたクレイジーキャッツとか純国産なフレーバーにまみれてしまうので、致し方なく使う感じ。ちなみに「ロードムービーっぽい何か」は、基本嫌いじゃない。それほどたくさんの本数を見てるわけじゃないけど。

宇宙人はいわゆる昔から「宇宙人のイメージ」として描かれ続けている「グレイ」そのものをCGで作っていて、まぁ親しみやすいというか、抵抗が少ないというか。

映画の紹介にもあるけど、このポール、普通に人間の言葉もしゃべるし、タバコやマリファナも吸う。下ネタもしゃべるし、踊りも踊る。結構陽気な、ある意味「アメリカ人っぽい」宇宙人。宇宙人がホントに彼みたいな性格なら、割と簡単に仲良くなれるんじゃないかってくらいフランクで、全編通してシリアスになる場面はほとんどない。

主演の人間二人の内一人は、「どっかで見たことある・・・」と思っていたら、ミッションインポッシブルゴーストプロトコルで、イーサンとチームを組んでいたメンバーの一人。ジェレミーレナーでも紅一点でもない人。なかなか人なつっこい感じで、この映画にもピッタリ。もう一人のデブは、印象になかったのだけど、スノーホワイトとかタンタンの冒険に出てたらしい。そこそこの知名度。

ただ、どちらにしてもメジャーどころは出ておらず、ポール以外のCGやエフェクトは、宇宙船も含めてさほど強烈にコストが掛かってる感じはしない。
※今調べたら「感じはしない」だけで、結構掛かってたけど>30億円くらい。
アメリカの田舎町を、キャンピングカーに乗って、割と気ままなドライブ、、、というか、実際はポールは自分の星へ帰る為に移動しているし、政府だか秘密組織だかから追われていたりもするので、「気ままなはずはない」のだけど、彼の性格と、SFオタクという設定が、そのシチュエーションをライトな物に仕上げている。

・・・

最初から最後までかなりさわやかに仕上げられているので、見終わった感想が重苦しくはならないのだけど、とにかく言えるのは、

 有名なSF映画へのオマージュ、パロディが非常に多い。

わかるものもあれば、「これって絶対パロディだよな・・・わからないけど」というものも多くて、正直ちょっと悔しい気持ちになった。というか、過去においてSF映画を有名無名問わず結構な本数見てるつもりの僕でもこんな感じなので、

 そういう知識がない人が見ると、「違和感を感じる笑い」がかなりたくさんある気がした。

そういう場面で疎外感を感じてしまうとこの映画はどんどんつまらなくなっていく。でもわかればそれなりにニヤリと出来る。だから、正直おすすめ出来る層というのは、かなり限られてくるし、逆に言えば自分から進んで「そういう映画」だとわかって見る人にとっては、まず裏切られないだろうとも言える。

 クリス的には★★くらいかな~。

こないだ見たおおかみこどもと同じくらい。

ただ、もちろんそれだけで構成されてるわけじゃなく、伏線の張り方拾い方も悪くないし、シガニー・ウィーバーが面白い役所で出てくるのもいい。ところどころで何人か死んじゃうのはちょっと気になったけど、「軽めのダークな笑い」として消化できる能力というのも、SF映画好きならそこそこ持っていそうな気はする。

直前に見たレビューに、「せめて未知との遭遇だけでも見てから、、、」というコメントがあったが、まさに「その知識」は欲しいかな、と思った。が、実際今未知との遭遇を見るのはあまりにもハードルが高いことも、僕は知ってるんだよね。結構間延びしてるというか、展開が遅くて眠くなると言うか、、、。だから、勢いこの映画を見れる人ってのは、

 過去未知との遭遇やスターウォーズやエイリアンやその他多くのSF映画を摂取した経験のある人

ってことになるかなぁとは思った。今からこの映画の為だけに未知との遭遇を見るほど、凄い映画じゃあないと思うな。悪くはなかったけど。ポール超イイヤツだし。友達になりたいくらいだし。

・・・

アップまで時間があったので、実家の昔録画したビデオテープを漁って「未知との遭遇」も見てみた。律儀にCMを飛ばす昔の自分に乾杯。

ただ、話自体は、

 今も昔もよく分からない。

少なくともオヤジがこんなだったらショックだよな、というか、「全然まともじゃない」。「オレは正気だ」って言われてもな、みたいな。あと覚えていたのは、

 僕は立体のモデルを作ったから、西側に上まで登れる・・・

みたいなセリフ。ぶっちゃけこれだけしか覚えてなかったというくらい他のことは忘れ去っていたのだけど、逆に言えばここがそれほど当時の僕にも印象的だったんだな、と。「宇宙人なんかスゲェ」と。

相変わらず昔の映画なのでテンポは悪く、前述の通りチンプンカンプンなところも散見されたけど、それでもさしたる前例がない状況でこれだけリアリティのある「未知なる者との遭遇」を描いたのは、やっぱスゲェな、って思った。つか、

 別段コレ見た方が宇宙人ポールが楽しめるってこともなかったと思った。

ただあのデビルズピーク(てっぺんが折れてるような例の山)が宇宙人とのコンタクトには、「最適というお約束」をすり込むという意味くらいかな。

まぁたまには昔の映画を見るのもいいかなって話。つかテープも大概ヤバかったけど、むしろデッキの方の寿命のが早く来そうだったな。変な音とかしたし。

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