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2012年8月 1日 (水)

オリンピック柔道

海老沼の3回戦だったかで、延長後判定になり、主審副審の3本の旗は全て敵方の青。しかしビデオだかでチェックしている側から物言いが入り、結果今度は3本とも白に。解説してた人も、「一旦旗判定で決まったもの、それも3本上がって決まったものが覆ったことは、今までに一度もないですね」と言っていたことが、完全に覆り、日本の勝利に終わった。

その後審判員は畳を下り、納得いかない敵方の選手とコーチは底に立ちすくむ。審判が畳を下りたら、その判定はどうあっても覆らないのだが。

なんかいろいろ考えたので触れてみる。というか、最近これと言ったネタがないからだが、まぁいい。

今年のオリンピックは、たまたま実家のお祭りと重なって交通規制により自宅へ戻れなかったこともあり、柔道を中心に珍しくまともに見ていたりもするのだが、正直、

 こんなに止められるの?

って感じだった。ちょっと攻めなきゃすぐ指導。掛け逃げっぽければすぐ指導。寝技に入ろうとしてるのに待て。場外に逃げるような戦い方も、指導を取られなきゃ戦略になる・・・。

 面白みに欠けるのは事実。

ただ、オリンピックに、それも柔道で出場するメンバーというのは、

 「日本代表」

だ。日本の武道である柔道の日本代表として、ともすれば世界一になるより日本一になる方が難しいとさえ言われる日本代表の選手達だ。

 強いに決まってる。

実際世界選手権で金メダルを取ってる、銀メダルを取ってる、みたいな肩書きは多いし、記憶力の弱い僕でも、谷亮子が、

 この10年で負けたのはオリンピックの決勝だけ。
 ※年数はちと怪しい

ってエピソードがあるほど、オリンピックでの勝利は難しく、意味があるし、重い。

だから一番軽量級であろうと、いくら僕等の目に「強そうに」映らなかろうと、彼ら、彼女らは強い。ただ、同時にその強さ以上のプレッシャーものし掛かる。

組み手争いがこれほど厳しくなったのは、いろんなルールの改変によるものなんだろうと思う。寝技を止められやすくなったから、立ち技で勝負しなければならないケースが増え、どんどん攻めて行かなきゃ指導が取られるから、じっくり構えて戦えなくなった。なんつか、

 ほとんど高速で繰り返される組み手争いの勝負みたいになった。

もちろん投げられた時の身体の角度とか、絶妙な返し技とか、「印象に残る失敗」など、派手な側面もあるけれど、そういうのはあくまで組み手争いの先にある「ご褒美」のようなもので、

 何か、審判側にも求められるスキルが変わってきてるんじゃないかって気になった。

要するに、「綺麗にワザを決めた方が勝つ」柔道の、そのワザの綺麗さ、上手さをジャッジするのではなく、それこそボクシングのポイント制のように、「ルール上点数を稼いだ方が勝つ」とする判断力。洞察力。

 ただ疑問なのは、主審副審の3人以外に、そのジャッジに影響力を持つ存在。

人間だもの間違いや見損なうこともあるだろう。でも、そこに別の視点を用意するのって、「アリ」なのかなぁって思う。っていうか、

 アリなんだろうけど、それって「強い柔道」にとってプラスなのかなぁって。

ケガをさせたり、反則とか、明らかにマズい行為(罵詈雑言とか)はもちろんダメだけど、カメラで3人の旗が覆るほどの説得力を持たせ得るのなら、

 大概のことは機械にジャッジさせりゃいいんじゃねぇの?

って気になった。同時に、

 でもそんなの柔道じゃねぇんじゃねぇの?

とも。

日本が勝ったらそれで全てOKみたいな視点で、オリンピックを見てる人もそりゃ中にはいるんだろうけど、僕に関して言えば、きれい事じゃなく、

 あれはねぇよな。

と思った。人間だもの間違いはあると思うし、その点を踏まえてジャッジを変えることもあるだろうけど、

 どっちの選手だってスンゲェ才能があって、スンゲェ情熱をもって、スンゲェスンゲェ努力してきてるんだよ。たぶん間違いなく。

 畳の上にいない人間(カメラ)に、運命を左右されたくないんじゃないかって思った。

まぁ結果論だけど、そのあと海老沼が金メダル取ってたらまた話は変わったかなぁとも思ったけどさ。

ありゃ後味悪過ぎだったよな、と。

ちなみに30日~31日も見ていて、日本人初の金メダルの瞬間もしっかり見ましたが、こちらも何というか、燃え切れない勝利でしたね。ただ、彼女の場合は海老沼と違って、
 勝つべくして勝った。取るべくして取った。

って感じで、判断や結果に関しては文句の付けようもなかったですけどね。
※その後の男子は残念でしたけど。途中で腕をヤラレチャッタのが敗因=結局は相手のが強かったってことなのかな。

本人たちしか本当の気持ちはわからないから、僕みたいにニワカウォッチャーがとやかく言ったところで、ガキの戯れ言にすらならないとは思うけど、最近特に、「主人公以外」にも目が行くようになったって話。判定を覆した3人の審判。今後彼らが韓国人とかに刺されたりしないか心配。判定で負けた本人も酒に溺れたりしないか心配。その家族も国内で「オマエがもっとしっかり戦って勝っていれば・・・」とか、、、。日本人はその点優しい気がするけど、、、今の世の中わからないしね。

ともかく、金がひとつでも、それも柔道で取れてホントによかった。ここ数回のオリンピックを見返すと、

 少なくとも3つの金メダルを取っていて、柔道で金を取ってない大会は見あたらなかった。

もし取れなきゃ、

 「日本の柔道も終わりだな」

とか言われ出しかねない。みんながみんな敗戦を糧に強くなれるわけじゃないと思うし、母国を応援することと、相手国をおとしめることは、全く別だと思う。

直接バッシングの記事やコメントを見たわけじゃないけど、なんかAKBのアンチコメントが脳裏をよぎったよ。やっぱ勝った人には(たとえ日本人じゃなくても)おめでとうって言いたいかな、と。あくまで僕の感性では、だけどさ。

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