中森明菜
大阪出張の夜、なにげに点けたテレビでやっちた「よみがえる昭和の歌姫伝説3」。ピンクレディーから見始めたのだけど、その構成は「振り付け師」に着眼した稀有なもので、とても新鮮みがあり、これまでのピンクレディーを取り上げた番組のどれとも違う、言うなれば、
AKB48との距離感にも似た「内側をのぞき見る」ような感覚を得た。
他には梓みちよやザ・ピーナッツなど、やや世代が離れる歌手の方も放送されたようだったが、
中森明菜はやはり別格だった。
僕は今42歳で、明菜のデビューは僕が中一の頃。当時16歳の明菜はとても清純な、「白い」スローモーションというスローバラードで、僕的には、
既にこの時から結構好きだった。
まぁ清純なのが良いというよりは、単純に来生たかおのメロディが生理的に好きだったのかも知れないが、
いい歌歌うなぁ、と。
そして、
いや、、、上手いな、と。
続く「少女A」はむしろヤンキー系のやんちゃな「黒曲」で、僕的には今ひとつ。でも明菜はこの曲でブレイクし、
※番組に出てきた地方回りの握手会=サイン会の様子は、まさにAKBのそれとかぶる。歌の合いの手もそうだし、距離感のそれも、30年前のものとは思えないほど、
強い普遍性を持っていた。
番組で放送された映像は、当然と言えばそれまでだが、全て生歌で、歌番組に出て口を開く彼女の言葉は、どれも、
かすれるようなか細い明菜のそれ。
そして、
歌は、空気を震わせるほど厚みがあって、鳥肌物のあれ。
「やっぱり中森明菜って凄かったんだ」
と改めて痛感するに十分な内容だった。というか、ウットリと聞き惚れてしまった。
レコードジャケット、衣装、振り付け、、、明菜が自らのプロデュースで「自分を演出」してたことなんて全然知らなかったし、アイドルの中でも、別格は別格だけど、「歌が上手いアイドル」というカテゴリの中でのものだと思っていたけど、
それらの多くが彼女自身のセンスによるものだったと思うと、
なんつか結構マジで凄いと思った。つか、
明菜△。
まぁ年上なんだから「さん付け」で読んでなんらおかしくはないのだけど、、、。
この番組の良かったところは、当時の歌番組で放送された、「1曲の枠」を、ほぼカットせずにしっかり聴かせてくれたこと。ワンシーンサビだけ放送する「回顧的懐古」ではなく、当時を知る者にしっかりと「届ける構成」。それが凄くよかった。
・スローモーション
・少女A
・セカンドラブ<これとか超好きだった
・1/2の神話
・Desire
・禁区
・十戒
・飾りじゃないのよ涙は
・ミ・アモーレ
1番だけだけど、しっかりと聴かせてくれて、そして、しっかりと感動させてくれた。
2度のレコード大賞のシーンは、涙でろくに声も出ないほどだったけど、ファンの歓声と、それでもがんばって歌おうとする彼女のコントラストが、
既視感としてまさしく「よみがえる」ようだった。
僕がAKBを好きになった源流は、彼女達だったのかも知れないな、と。
しかし今回放送されなかった中にも、「北ウイング」「サザン・ウインド」「難破船」、、、ホント好き。でもあらためて聴いてみると、
1/2の神話も、禁区も、十戒も、Desireもどれも凄くいい曲!
でもって、
どれも超上手い!
彼女の全盛は16歳でデビューした1982年からDesireでレコ大を取った1986年までのわずか4年間だったかも知れないが、その間にリリースしたシングルのクオリティ、そのアベレージは、
歴代最強だった気がする。
安室奈美恵よりも山口百恵よりも、当然AKB48よりも。
しかし逆に改めて「AKBは歌じゃないんだな」と感じさせられてしまったりもしたかな。というか、AKBの歌も大好きなんだけど、ぶっちゃけ僕は、
秋元康がAKBに書いてる曲と歌詞が好き
なんだよな。AKB以外が、もっと上手い声やオーラで歌ってくれるなら、楽曲としての魅力はもっとずっと強いものになるかも、とすら思う。まぁメロディ的に彼女たちが歌うのが一番フィットするだろうとは思うけど、
※そうやって作られ、チューンされてるわけだから。
もしなんなら、中森明菜が有名所をカバーして出してくれるなら、久々アルバム買う用意はあるぜ!?
とも思うんだよね。Beginnerとか、唇触れずとかの「黒系」もいいいし、10年後の君へとか、右肩みたいな「白系」も絶対「イケる」と思う。
以前書いたけど、ボーカロイドが凄く進化する10年くらい先の未来には、Aという曲データから、ボーカルの声やクセを抽出、データ化して、Bという曲を歌わせられるようになったりするんだろうか。美空ひばりにヘビーローテーションを歌わせたり、尾崎豊に難破船を歌わせたり出来るようになったりするんだろうかね。
そうそう、さっき書いたかも知れないけど、書き忘れてたかも知れないので、念のためにもう一度しっかりと、そして強く書いておく。
デビュー当時の明菜のかわいさは異常。
笑顔のキラキラさ、ことばひとつひとつの純粋さ、歌っているときの力強さとのギャップも含めて、
ビジュアル的にも一流だったと、いまさらながら思った。
カワイイって言うと松田聖子や小泉今日子、河合奈保子って声も聞こえてくるけど、いやいやどうして。
中森明菜のかわいさとは、尺度が違うだけだ。
ああでもこれも「AKB効果」なのかも知れないな~。「良さを見つけるスキル」が磨かれているのかも。いやいやそんなことはない。
かわいいは正義って誰か言ってたしな。<上手くまとめたようなフリ。
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