ヴィトンのサイフ
まぁただの独り言のようなもんだ。
小売業に携わっていると、他の人のサイフを目にする機会が少なくない。特に注意して見ているつもりはないが、ふとしたときに気付くのは、
ルイ・ヴィトンの所持率だ。
男性の場合はそれほどでもないというかほとんどいないが、女性の所有率はかなりのものがある。極端な話、
ヴィトンとそれ以外が1:1なんじゃないか?
というくらい持ってるなと思う日もある。大抵はオーソドックスなカーキというかオリーブドラブのような例のアレだが、中には白地に派手なロゴのものだったりすることもある。
みなさんは女性にサイフをプレゼントしたことはおありだろうか。もしくはもらったことは?
サイフというのは意外と本人のこだわりというか、主張がはっきりしていたりする。ぶっちゃけて言えば、直前まで使っていたサイフと同じ使い勝手を、次のサイフにも求めやすい。がま口の人はがま口を、札入れの人は札入れを、折りサイフの人は折りサイフを、次に買うときにも求めやすい気がする。現に僕のサイフは、
20年以上黒の札入れだ。
もう少し具体的に言えば革製で、カード入れが付いてるサイフのファスナーの部分に、自分で勝手にチェーンを付けて、
※買ってきた物を付けてたこともあるけど、今はカーマ(ホームセンター)で買ってきたチェーンを自分で加工して付けている。
後ろのポッケに入れている。カードの枚数はたぶん10枚前後。それほど多くはないと思う。
ちなみに娘はクローバーのマークの入った折りサイフで、長男は誕生日に僕がプレゼントしたビレバンで買ったちょっとゴツめの長サイフに革のチェーンを付けてみたものだ。
ヴィトンの話に戻る。
なぜ女性はヴィトンのサイフなのか。よく見ていけばコーチやシャネルなんかも見かけなくはないが、比率で言えば100:1ほどだ。ん?ヴィトンかな?いや違うかな?あれ、やっぱヴィトンか。という感じに「ヴィトンに似た他のブランドと思ったらやっぱヴィトンだった」というケースすらある。
サイフはバッグ以上に持ち歩く頻度が高い。ただ、僕のようにズボンのポッケに入れて使うのは男性に限られていて、女性はもっぱらバッグに入れているから、実際はバッグとサイフの持ち歩き頻度は近しいものがあるはずだが、バッグは複数の種類をとっかえひっかえするのに対し、サイフは主に日用のものと、おしゃれ用の2種もしくはこれに小銭入れを加えた3種というパターンが多いように思う。当然ヴィトンはオサレ用に該当するが、
オサレであると思っているのは本人だけで、実際はその他大勢と言ってはばからないほど多数派である事実。
ただ、ブランドであるアイデンティティとして、その「丈夫さ」というのはあるかも知れない。サイフに限らず、ブランド品というのは、ノンブランドと比べて結構しっかり作ってあることが少なくない。サイフも、たぶんそれなりには持つのだろうとは思う。
だがそうは言っても限度もあるし、使い方にも寄るとは思うが。
ヴィトンのサイフユーザーは、ヴィトンのサイフを毎回買い直しつつ使っているんだろうか。壊れたり汚れたりしたらまた同じ型のものを買うんだろうか。以前聞いた話では、ルイヴィトンの売り上げが一番多い国は日本なのだそうな。
※バブル期の話なので今は違うかも。今は中国かな。
人によっては壊れる前から複数のヴィトンを用意している人すらいそうな気がする。
要はみんなと同じがいいってことか!?
いきなり唐突に結論が浮上してしまったので書いてしまうが、結局のところ、ヴィトンのサイフを出せば、「変なサイフ」と思われることはない。誰も彼もが持っているありきたりで無個性で普通のサイフではあるが、だからこそそこに特別なフックを印象づけたりはしない。
そんな生き方は絶対したくないが。
※誰もオマエの意見は聞いてねぇよ。
ただ、たしかにマジックテープで「ビリビリビリ」と音を立てて開けるサイフを、大人になっても、特に女性が持ち続けるのはどうかという気はする。人前で「ビリビリビリ」。割り勘の時に「ビリビリビリ」。コンビニでもスーパーでも、、、スーパーはビリビリが似合うか。ただ、
信じられないほど小さいがま口に札が八つ折りにして入ってるようなのを見ると、それはそれでどうかな、と思う。
人の嗜好はそれぞれあるから、文句があるわけではないのだけど、
出し入れが面倒だろ、どう考えても。
と思うのだ。サイフからお金を出す際、すぐ後ろに人が待つことも少なくない。僕はチャリ銭を極力軽くしておきたいタチなので、決してアバウトな出し方をよしとしないが、
※それでも後ろを待たせたりはしない。即決で正解を提示する。もはや美学と言って良い。
毎回毎回何秒かでも人生の大切な時間を浪費してるかと思うと、、、まぁ何を浪費と捉えるかも人それぞれと言うことなのかも知れないけど。
広げた風呂敷の割には途中であっさりと結論が出てしまったが、ヴィトンのサイフを使ってるような人は、自分が特にみんなのなかで浮いたり、変に思われたりするのを嫌う人だというのはたぶん待ちがない。ただ、だからといって変なサイフをもっていても、実際はその人のことを「変な人だなぁ」とも思わない。断定するのはどうかとも思うが、人は他人のサイフにさほど興味を持ったりはしないと僕は思う。
※まぁ芸能人のサイフ、とか言えばまた話は変わってくるかも知れないけど。
・・・
でも昔を思うと今は割と安物にも市民権が生まれたというか、「ケチ=悪」ではなくなった気はする。節約することを美徳だと思う人も以前よりは絶対増えていると思うし、「若者の○○離れ」の中には、ブランド物も入っていた気がする。
ヴィトンがマジョリティなのは今だけ
という気もするんだよね。でもその割には、
一向にヴィトンユーザーは減ってないとも思う。
不思議なことに、「サイフだけはヴィトンで」という人が多い気がする。ブランド物の時計とかバッグとか服とかは買わないし、実際身につけてる人は少ないように思うけど、サイフだけは別の価値観が構築されてるんだろうか、とも思う。もしくは、
サイフがヴィトンというのは、もはやブランドではない「当たり前のチョイス」なのかも。
ブランド物≠ルイヴィトンのサイフ。サイフ=ヴィトン。みたいな。そう考えると、その戦略というか、イメージをみんなに広めた手腕、、、ってそんな大層なもんじゃないのかな。ただたまたまみんな持ってるってタイミングで急拡大したシェアが、失速するタイミングを見失ってそのまま維持し続けられているだけなのかも。そうなのかも。
クリス、今日もいつも通り平常運転だな。何を言ってるか全くわからないよ。
大丈夫僕もだから。
ただ、もし娘が「ヴィトンのサイフが欲しい」と言ったとき、親であるアナタはどうしますか?ってことだ。ヴィトン=多数派で正義で普通であるなら、それを拒否することは、娘に「個性的で人とは違った生き方をしろ」と強いるようなもの、、、になりかねない。そんなオーバーな、とも思うが、実際そういう気がする。今は割とファンシーなサイフが多数派でも、高校も2年ともなれば、きっとブランドサイフのシェアが多数派を占めるようになるだろう。
サイフが彼女の人生を決めると言っても過言ではない。
普通に生きるのか、普通じゃなく生きるのか。8割くらい当たってると思うのだがどうか。
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コメント
ぱっと見ですぐにブランドだと分かるデザイン&ロゴというのが好まれている気がしますね。個人的には面白くないと思いますけども。
極力カードで払うようにしてる人なので(小銭をもち歩きたくない)、財布は薄くて小さいものが好きですね。行く場所によって使い分けていたり(ジム行くなら会員証が入ってるやつとか)します。
投稿: nyaru | 2013年5月21日 (火) 08時43分
ちすnyaruさん、クリスですまいど。
確かに「視認性の高さ」は群を抜いてますね。シャネルやディオールなんかよりずっと、
ヴィッットーーーーン!
って感じでアピールしますもんね。要は「わかりやすいブランド物」ってことなのか。
ちなみに自分はカードで払ったことは、ほとんどないですね。結婚して基本かみさんがお金を管理するようになったし、そもそも私財がそんなにないですし(^^;。
薄いのは好きですけど、小さいものだとやっぱり札の出し入れが煩わしくなりそうな気がしてなりません。使い慣れていけば違うんでしょうけど、、、。
投稿: クリス | 2013年5月22日 (水) 00時23分
クリスさんこんばんは。
私はバーバリーの財布が好きで、そればかり使っているのですが、本文中にちょっと共感する部分もあったりして。
私バーバリー自体が好きってのもあるのですが、こと財布をバーバリーにした一番の理由は、それなりに見栄えがするからでして。
例えば、女友達とか後輩とかとごはん食べにいったりして、レジ前で奢るときに、それなりのブランドの財布だと、無理して奢ってる感も薄れるし、それにより相手の気兼ねも少なくなる気がして。
私も先輩に奢ってもらったことは何度かありますが、いつも経済的に厳しいようなお話をされてる人とかだと、かえって恐縮してしまったりした思い出が強くて…w
それでいくと、バーバリーとか、それこそヴィトンとか、誰もがわかるブランドのものにしておいたほうが、先ほどの『お金に困ってるわけじゃなさそうね』って思わせる効果は強いと思うのです!
ノーブランドとか、海外の少しマイナーなデザイナーのブランドとかでも数万円以上する高価な財布ももちろんあるでしょうが、それが他の人に伝わらなければあまり意味をなさなくて。
これをヴィトンの話に置き換えると、誰もがわかるブランドの財布を持つことで、ちょこっと見栄を張りたいのかなと察した次第ですね!
多分、その女性の大多数はヴィトンが大好きでたまらないというよりは、誰もがわかる、符合的な価値をもったブランドとして、たまたまヴィトンがチョイスされたって感じなのかなー、と。
もちろん、価値観は人それぞれですし、同じブランドばかり被るのは面白く無い部分もあると思います。
私も、洋服が被るのは最悪だと思ってるので、周りの友達が買わないようなブランドでしか購入しないですし。
ただ、財布は一種のステータスにもなりうるので、わかりやすい記号として、ブランドの殻を纏わせておきたいかなって感じでしょうか。
学生のうちは特に、形で判断されがちな時期ですしね。
まぁ、衣料品の販売を職業とされているクリスさんに、ブランドがどうのとコメントするのも釈迦に説法でしかないので、非常に決まりが悪いのですが…w
若者の意見として、適当に聞き流してくださいw!
投稿: orugan | 2013年5月23日 (木) 03時28分
どもですoruganさん、クリスです。レスが遅れて申し訳ないです。
気を悪くなさらないで欲しいのですが、読ませて頂く限り、oruganさんと僕は、全く違う人生を歩んできたのだなぁとしみじみ感じました。
これは幼児体験にも似た昔話なのですが、子供の頃僕の家はそこそこ裕福で、それに伴って上級生から地味な虐待というか、いじめと言うほどでもないんだけど、ねたみややっかみを受けたんですよ。だから、「見栄を張る」とか「おごる」みたいなことは、全くやろうとは思わなかったんです。ただ嫌味に見えちゃうから。
※ただ、僕の住んでいた街は商店街で、その時代はどこの家の子もそこそこ普通に暮らしていけるだけの財力はあったので、そう言う意味でもイーブンだったのかも知れません。
中学に入っても、自分より金回りのイイヤツは友達にもいましたが、さしておごったりなんだりということもなかったですし、高校に入ったらバイトし出すヤツとかも出てきて、「金持ってる=がんばってる」みたいなところもありました。
女の子と遊びに行ったときに自分が持つケースもありましたが、結局は出そうとしたときに「見える」のは、サイフじゃなくて「その人柄」だと思うんですよね。ただ、
自分がブランドのサイフを持つことで、そういった「人柄の育成」に作用することはあると思いますから、
oruganさんは、たぶん今もうブランドじゃないサイフを持って、部下や女友達に飯をおごったとしても、そこで「申し訳ない」とか「ムリしなくても、、、」みたいな視線は浴びないと思いますよ(^^。
あと、これも「僕の生きてきた経緯」がモノを言う感じですが、自分を含め自分の周りには、そういう身につけたモノや、お金で買えるモノで人間性が上がるとか、「見栄が通じる」みたいな連中がいなかったってのもありますね。ヘタしたら「ダセェ」とすら言われかねなかったというか、友達と一緒にキャンプしたり、昼飯を作ったり、文化祭の準備をしたり、、、。
※高卒なので。
そのまま修行で働き始めてからも、僕の周りにいる連中はすべからく年下で、一緒にストIIをやるようなヤツらばかりでしたから、普通に大学行ってサークル入ってバイトして合コンして、みたいな人が身につける「平衡感覚」を覚える機会がなかったんだろうな、とも思います。
まぁ僕なんかは特に「個性的であらずんば人にあらず」くらいの価値観を、僕自身に強いているところもあるので、
※他の人にではないですよ?
人と違うことそのものはなんら問題ないですし、だからこそこんな些細なことにひっかかったりしたのかなって思いましたけどね(^^;。
投稿: クリス | 2013年6月 5日 (水) 03時02分