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2013年7月24日 (水)

アラクノフォビア

こないだ借りてきたDVDのうちのひとつであり、タイトルの意味は「クモ恐怖症」である。この場合のクモは、「蜘蛛」ではなく「雲」であり、あの白いモクモクしたヤツをみると途端に将来の不安で押しつぶされそうになるという話である。ああもちろんウソである。

作品自体は結構前。西暦1900年頃の南アフリカが舞台である。これもウソである。というか、ウソを映画の感想に折り込むのはどうかとも思うが、最新作なわけでもないし、ちょっとやそっとのウソに文句を言うような方は、僕のブログなんて読んでないと思うのだ。つか毎日毎日ウソとミスがてんこ盛りのブログを読んで下さって誠にありがとうございます。

都会の仕事に疲れ田舎に引っ越してきた主人公の家族。そこで開業医をしていたクソジジイが廃業するってんで代わりに引っ越してきたわけだが、

 着いた途端にそのクソジジイが「やっぱ廃業すんのやーめた!」とほざきやがる。

ということはどういうことかというと、田舎でカルテもなくお客さんもいない状態で開業医を始めるというわけで、お先真っ暗行く末不安だらけ2ちゃん風に言えば人生オワタな感じになるわけである。

そんなおり、唯一患者さんになってくれた近所のおばあちゃんが謎の死を遂げてしまう。つか冒頭でいかにも怪しそうな蜘蛛がカメラマンを殺し、かつその柩(ひつぎ)に入り込んでこの「田舎」に運び込まれるシーケンスがあるのだが、まぁすっかり書くのを忘れていたわ。

要は蜘蛛に殺されたばあちゃんなのだが、田舎なのでそれを解剖するとかは罰当たりということになり、新人開業医の立場はますます悪くなっていくのだが、

 ほどなくしてクソジジ医も死ぬので大丈夫安心して!

実は総監督をスピルバーグがやっていて、要所要所でドッキリさせられるこけおどし演出も、

 ジョーズの手腕が活きてるかと思わせる上手さがある。

こういう「上手いビビらせ方」をさせてくれると、自分がいきなり大きな音が鳴る演出そのものが嫌いなわけではないということをあらためて感じる。「来るぞ来るぞ来るぞ~」と思っていて来る分には問題ないのである。やっぱりいきなり唐突に脈絡なく驚かされるのは良くない。そんなのは演出でもなんでもないただのびっくり箱である。

蜘蛛は毒蜘蛛で、特別個体が大きいわけでも、異常に繁殖しまくりなわけでもない。だが、非常に攻撃的であり、いろんなシチュエーションで人間を襲っていく。この辺りはクリーチャーホラーの基本であり見せ場でもあるからして、とても重要な部分ではあるのだが、

 その辺りも抜かりなし。

おっぱいこそ出ないものの、シャワーシーンは出るし、老夫婦からスポーツマンまで、適度なバラ付きで死んでいく。主人公の奥さんは美人だし、脇役の役回りにも無駄がなく、そこらの駄監督が何となく作った作品とは一線を画する出来になっている。時代的にCG前夜であり、個々の蜘蛛も、

 ラスボスを除いて非常に良い出来。

というか本物としか思えないレベルで、
※というかたぶん本物。
こういうのを見ると、CGが絶対的正解じゃないよなぁと思わせる。

ラストの盛り上がりも、相手の大きさが小さい(せいぜい20cmほど)割りには上手く昇華していて、とってもいい案配。子供達と見ていたけど、みんな「面白かった!」と満足出来る内容だった。軽く書いたけど、最近の子供でこうしたホラー系の映画はあまり好まないと思うので、「よほど出来が良かった」んだと思う。つかふと思い出したけど、かみさんと昔見たときもかなり楽しんだんだよね。

全体的な絵作りは確かに古くさく感じさせるところもあるけど、特に無駄で冗長な場面があるわけでもないし、地味ながら伏線&回収もきちんとしているので、見ていてストレスを感じることは少ないと思う。僕は既に何回か見たことがある作品だったので、ラストで「ああこんなだった」って思い出しちゃったけど、初見の方になら★★★☆くらいオススメ出来ると思うな。まぁ「ガチでクモ恐怖症」の方には、さすがにオススメしませんが。

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