スダンドバイミー
●スタンド・バイ・ミー
http://www.youtube.com/watch?v=LyjcHLjsfVI
子供の頃から結構な本数の映画を見てきている。アニメ、SF、ファンタジーに冒険物。サスペンスやミステリーは主にテレビで見るくらいだったけど、特にジャンルとして苦手としていたのは、
ヒューマンドラマ
くらいのものだった。
スタンドバイミーは、当時も、そしてファミコンでMOTHERが発売された頃は特に話題にのぼって、「見ていて当然」「知ってて当たり前」な作品だったが、当時の僕は本作のその「人間味」の点がどうにも相容れず、結局今日まで見ずに過ごして来てしまった。
昔の映画であっても、たとえそれがモノクロ映画であっても、2時間という定められた時間の中に、ひとりの人間が何十時間、ことによったら何年も人生を費やして煮詰めた物語には、ほとんど無駄などない。もちろん、取るに足らない人間が全てを妥協して撮った作品が素晴らしいことはありえないが、何年何十年と愛され、スタンダードとして年を重ねた作品が、見るに堪えないということはない。
スタンドバイミーはそんな作品だった。
小学6年の男子4人組は、ある日隣町の森の中に死体があるという話を耳にする。「見つけたらヒーローになれるぜ!」。4人は準備をして線路伝いに30キロか40キロか先の森を目指す。
4人はそれぞれに家庭や環境に問題を抱えていたが、お互いがお互いを心からの友達と認め、時に笑い合い、時になぐさめ合って長い道のりを歩いて行く。もちろんその道中にはいくつものドラマがあるのだが、
見てない人は今日これから借りてきて見るだろうから、詳しいことは書かない。
ただ言えるのは、
友達っていいよな
ってことだ。
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主人公ゴーディはやせっぽちでひ弱だが、その横にいるクリス(リバー・フェニックス)がもうかっこよくてかっこよくて、シビれまくる。セリフも行動も、そしてビジュアルも、もしこんな友達がいたら、って男女問わず見とれてしまう魅力に溢れ、同時にもう彼がいないという事実に切なくなる。
リバー以外にもひとり見覚えのある子がいた。減らず口が絶えず、感情的なトラブルメーカーは、僕が知ってるその作品の役柄そのまんまだった。
ああ、そうなんだ。やっぱりマウスなんだ。
グーニーズでおしゃべりを演じた彼が、そのままのキャラでテディを演じていた。そしてまたふと気付く。
グーニーズとスタンドバイミーは(いろいろ)似てる。
子供達だけの冒険。でも片やファンタジックな宝探し。片やサスペンスを臭わせる死体探し。前者にはそれほど強い友情賛歌は見られず、派手な特殊効果に当時の僕がこちらの作品にのみ心を動かされたのもよく分かる。そう、正直な話、
スタンドバイミーは子供が主人公だが、子供向けの映画ではない。
物語が大人になったゴーディの視点から語られる通り、これは子供の頃のきらめきや友情を、「大人になった子供」に思い出させる映画だ。みんながみんな小六からタバコを吸い、拳銃を盗んだりはしてこなかっただろうが、多かれ少なかれ友達はいたはず。その友達と、「親には内緒の企み」をひとつやふたつきっと考えたりやっちゃったりしたはずだ。
そう考えると実は本作はヒューマンドラマではなく、ファンタジーだということに気付く。もし勉強机の引き出しが未来に繋がっていたら、、、。もし子供の頃全てを許し合い、さらけ出せる友人がいたら、、、。
ちょくちょく差し込まれる引きの絵。4人が歩く後ろ姿や影。物語のエピローグに安堵と強い寂しさを覚える頃、僕はこの作品のファンになっていた。時に手に汗を握り、時に歓声を上げ、時に切なく涙をにじませつつ最後まで楽しんだ。
正直子供達には勧めづらい。まだ彼らには良さがわかりづらいというのもあるが、バッサリ「つまらない」と言われるのが怖いというのが本音だったりもする。スタンドバイミーは大人になった僕の宝物のような作品だ。★★★★☆。
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コメント
こんちはクリスさん。
高校生の時にみたけど、凄くよかったよ。
リバーはやはり最高。
子供の頃味わってきた懐かしいあの「友達」って
感覚、一言では言い表せないけど、
なんかなんかちょっぴり切ないあの感じを、
思い出させてくれる映画だよ。
投稿: nori | 2013年9月12日 (木) 10時30分
ちすnoriくん、クリスですまいど。
高校生の頃ってなると、もう小学生くらいの記憶に「懐かしさ」を伴い出すんだろうなって思います。だからスタンドバイミーを見るときの視点も、既に今の僕らが見るのと大差なかったのかな、とも。
でもホント今も地元にいる自分からすると、当時(小学生時代)の僕たちは、「普通に外で結構遊んでた」って思うよね。今だと考えられないくらいアウトドアだった。もちろんアニメも見たし、テレビランドとか本を読んでた時間もあるんだけど、それはあくまで「日が暮れてから」って感じで、夏休みとか某山の滝に打たれに行ったり、川で(さしてきれいでもなかったと思うけど)普通に腰まで浸かって遊んでた気がする。
まぁ昔から蜂は苦手でしたけど(^^;
ちなみに本作に関しては、たぶん作者にもそういう想い出みたいなものがあって、その中にたぶん架空のヒーロー像を作り上げた、それがリバーの役回りだったのかなって思った。ほんと、憧れ過ぎるというか、かっこよすぎるんだよな。彼は。
PS.noriくんはモンハン4買ってないのかな。もし買ってたら一緒に遊びたいって思うんですけど。6時間くらい。
投稿: クリス | 2013年9月21日 (土) 21時43分