過去へ
伊集院のラジオを少しだけ聴いたら、「25年前にいきなりタイムスリップしたら」という、いかにも僕が好きそうな話をしていた。だが、まぁ今日は大売り出しであったので、途中で就寝。とりあえず、
コンセントは同じだろうから、iPhoneと充電用ケーブルは常に持っていよう
などという話をしていた。あと過去に行っても、誰も自分を知らない状況についても少し話していたが、ウトウトしてしまったのでその辺りの詳しいことはわからない。
当然のように「自分なら」を考える。
今日の話は既にぐったり疲れているのと、1時前という時間もあって、一回では終わらないかも知れないが、とりあえず何となく当てもなく支離滅裂に書いていこうと思う。ああそうとも、クリスのブログなんていつもそんなもんだ。
・・・
25年前というと、1988ということになる。僕が高校3年生の頃であり、当時を振り返るに様々な思いが去来する。
僕はホントに高校では勉強が出来なかったので、たぶん浪人するだろう前提で遊び倒していたこと。その当時はまだ家がそこそこ裕福で、バブルもはじけてなかっただろうこと。親父が脳卒中で倒れる前でバリバリに働いていたこと。天皇陛下の崩御は年が明けてからだった気がするから、まだ年号が昭和だったこと。クラスメートに今のかみさんがいて、ずっと片思いしていたこと・・・。
激動の1988年だったな、と今は思う。親父が倒れるのは翌年の夏。ペーパードライバーだった僕が倒れた旅先の熱海へ車で向かったこと。看護婦さんに「弟さんですか?」と言われたこと。まだ19なのに。
25年前に今の僕が「ジャンプ」する際、伊集院のように、肌身離さず持っているとしたら、それはつまりはノキアの携帯電話と、ギャラクシーネクサス。そしてサイフ。最近だと3DSも結構な頻度で持ち歩いている、、、が、
当然充電ケーブルは持ち歩いていない。
88年当時には当然のようにミニUSBどころか普通のUSB端子すら出ていたかどうか怪しいレベル。PC98の接続はSCSIだったはずだから、たぶんまだ出ていたとしても実用レベルでの普及はあるまい。
とりあえずここで充電ケーブル(ACアダプター)を持っているかどうかが、大きなターニングポイントになる気がした。
もし持っていなければ、過去に戻っても数日を待たずしてそれら電子ガジェットは機能しなくなってしまう。もちろんネットに繋がることはないし、もし仮に繋がったとしても、そこには何もない。だが、そのスペックと現物は、
その世界で僕が生きていくために、大きな拠り所になる。
だがまずはその日の飯である。
ふと気付くと、サイフにある小銭は、
全て平成以降に作られたモノばかり。
いくら銀貨で100と刻印されていても、そこに「昭和」の文字のないコインを「平成が生まれる前」に見せても、だれもそれを日本の「正規の」硬貨だとは思うまい。偽金か、偽造かと思われるのがせいぜいだ。
だが、一方で、それが日本の正式なお金、お札であることが理解して貰えたとしたら、自分が間違いなく未来から来たことの証明になる。
まぁそのハードルは高いわけだけど。
ともかく、まずは実家に行く。どの場所で25年前に飛ばされたのか、飛んだのかはわからないが、普通にしていれば特別仕入れ先にいるときにタイムスリップするとは考えにくい。今の自宅から実家までは徒歩30分ほど。今の仕事場から実家までは徒歩1時間ほど。歩いて行けない距離ではない。
だが、まず実家に行ったとしても、そこで家族にいきなり「僕が長男です」と言っても、それはなかなか理解が追いつかないだろう。ここはまず近所の交番に行き、財布をなくしてしまったことを伝え、実家に電話を掛けさせてもらうところから始めるのが賢明か。いや、
そこでどの面下げて「未来から来たんだけど」なんて警官の前で口に出来るものか。
はっきり言って不可能だ。となれば、
その時代には存在しないとわかっていても、五千円札なり千円札なりを(こっそり)使って、小銭を確保しなければなるまい。この時代にはまだ公衆電話が何カ所かあったことを覚えている。まずはその時代のお金を手に入れなければならない。つか千円札はともかく、100円玉や10円玉は、「平成」って刻印されていても自販機で使えたりするのかも知れない。試してみるだろう。
電話では、、、いや、電話をするのもまず「何時に」掛けるのかが重要だ。僕がジャンプしたことで、「その時代にいる僕」がいきなり消滅するパターンのタイムパラドックスもありえる。普通に半日、、たとえば朝から昼まで自宅の周辺が平穏であれば、僕が朝普通に起床し、朝食を取り、学校に行ったと言うことだ。いくら半日でも、子供がいきなり消失したら騒ぎは大きくなっているだろう。
ここで先ほどのように(充電器を持っているかとか)選択肢を次々用意していくのも悪くはないが、とりあえず「僕がいる」前提で話を続けることにする。
僕がいる場合、昼過ぎに僕は学校に行っていて自宅にはいない。18歳の僕は43歳の僕と見た目はそれなりに違うが、声は既に声変わりしていてそれほどは変わるまい。口調や口癖が変わっている可能性もあるので、その辺りは気をつけなければならないが、まずはお袋に電話を掛け、、、
なんと切り出すのが正解なのか。
ヘタな話運びをしてしまったら、そこでサクッと受話器は置かれてしまう。とにもかくにも、「タイムトラベル」ではなく「タイムスリップ」「ジャンプ」であるなら、「戻れる保証などない」と考えて行動しなければならない。ということは、「衣食住」を確保することが最優先ということになる。
「僕だけどねぇ、、、」
オレオレ詐欺かと思われそうだが、まだこの時代にオレオレ詐欺はなかったはず。つか自分の本名を名乗ってもなんらおかしくないのだが、さすがにブログでそれを書くのは躊躇われる。なんだか細かいところにうるさいヤツだな。相変わらずだが。
「実は凄く困ったことになっちゃって、お母さんに助けて欲しいんだけど・・・」
当たり前のようなことを当たり前に言うようだが、やはり正直に事情を話していく以外にはない。人間あり得ない状況が発生したとしても、
そこに「人間性は残る」と僕は思う。
仮に学校から帰ってきたとき、25年後の未来から来た自分が、自分の部屋にいたら、、、当然のように自分は自分と自分の部屋で暮らしていくことをイメージする。幸いなのは当時の実家がそれなりに裕福で、人ひとり増えても食うには困らないだろうことと、実家で働くとしても、そこに居場所があるであろうことだ。今の僕の仕事の環境は、当時の実家とはいささか乖離してはいるが、接客の基本や商品知識などは、やはり、
人間性でクリアできる部分かとも思う。
パートさんたちは凄く違和感を感じるとは思うけど。
もし母親や父親に事実を話しても、受け入れて貰えない場合は、正直言って凄くツライ。記憶喪失を装って、、、と言っても結局はばれてしまうかも知れないから、それだったら最初から、
「未来から突然来てしまったんですけど、、、」
と警察に行くしかない気がする。誰を頼ると思っても、誰も信じては貰えないだろうし、未来のお金や、知識、持っているものを見せて、それを「誰でもいいから誰かに」信じて貰わなければならない。バックトゥザフューチャーでも、マーティがドクに「その事実」を信じて貰うのが一番キツかったように思うが、やはりそこが最も重要なところだ。
過去に行っても自分は生きていきたいし、生きるためには食べなければならない。
自宅に入れたなら、とりあえずは充電が切れる前に、、、その当時はまだデジカメなんてないから、銀塩か使い捨てカメラで、僕の持っているものを撮ったり、もしくはいきなり大手家電店、、、と言ってもその当時はそれほど自宅周辺にそういうたぐいの店もないのか、、、
夢だけで言えば任天堂やSONYに、それを持って行って、とも思う。
だが、やはりそれにはハードルがいくつもある。その最大のハードルがやはり「バッテリー切れ」だ。せめて常日頃仕事に行くにも持ち運んでいるレッツノートの入ったバックがあれば、それにはACアダプターが付いている分、「未来の残り香」をみんなに見せることが出来るのだけど、、、。
一旦そっちのデジタルな話は置いておいて、「当時の僕」との出会いについても考えてみる。
当時の僕、つまり18歳の僕の部屋には、PC8801markIIFRがあり、ほとんどゲームばかりやっていて、ろくに受験勉強もしてなかった。今自分が親になって、長男が遊んでいるのを見てマジギレしそうになることを考えると、当時の親も心中穏やかではなかっただろうとシミジミ思うが、やはり親の心など子は知らないもんなのだ。
だが、子供は子供の心を知っている。僕は僕を知っている。
僕はたぶん僕をそれほどは嫌わないと思う。最初はもちろん抵抗があるだろうが、いくつかのジャッジをしていって、「もし自分が逆の立場だったら、過去の自分にどう接してもらいたいか、どう接されるとツライか」をきっと考えるはずだ。
未来の自分は童貞ですか?
結婚出来てますか?
子供はいますか?
こんな質問がポピュラーではあろうが、たぶんきっと間違いなく僕はこう質問する。
未来のゲームってどうなってるの!?
ドラクエとFFはまだ続いてるの?
ドラゴンボールはどうなった!?
それと、
地球はまだあるの?
みたいな大きな質問。そして、、、
「なんで来たの?」
最後の設問に関してだけは確実に言える。
「来たくて来た訳じゃない」。
もし自分が過去に行ける、たとえばピンポイントで25年前に、その状況、どうやってジャンプするとかの状況を忘れてしまう覚悟を持ってなお「可能」であるという現実に直面した場合でも、
それが強制で不可避でない限り、当然絶対間違いなく僕は過去に行こうとは思わない。
さっき書いたよなさまざまなハードルもあるし、それが片道切符の可能性を考えたら、
今の家族と永遠の別れになる可能性が極めて高い。
もし僕が行ったことで歴史が全く変わらなかったとしても、当時の僕が出会う子供達は、「当時の僕」の子供だ。今の僕の子供じゃない。それは僕に選択権があるなら、絶対にチョイスしない選択肢だ。
だが、「未来のゲーム」や「ドラゴンボール」に関しては、いくらでも饒舌に話をすることが出来る。それこそ僕がこれまで綴ってきたこのブログ以上の密度で、未来がどうなっていくかを語ることが出来る。
それが果たして当時の僕にとって本当に「嬉しい話」なのかはともかく。
まぁ少なくとも「楽しい話」ではあるだろうけど。
つか88とかファミコン、当時だとドラクエIIIくらいの頃に、その数世代先のゲーム機やコンピュータを持った「知り合い」が顔を出してしまうわけである。
胸が躍らないわけがない。
冷静に考えて、今から25年後68歳の自分が今の時代の来たとしても、、、まぁ「まだ生きてたんだ」とはまず思うだろうけど、
そういう娯楽のことをまず(いろんな怖い想像を忘れる意味でも)訊くと思う。
いくらなんでもすぎやまこういちさんがまだご存命と言うことも考えられないし、そもそもそんな未来に「ゲーム機」という概念が残っているのかどうかも怪しいもんだ。だいたい「携帯ゲーム機」の先駆けとも言えるゲームボーイが出たのが1989年のことなのだから、
まさか据え置きゲーム機が携帯ゲーム機にほぼほぼ駆逐され掛けてるなんてことは、
想像の斜め上どころじゃないだろう。今更だが伊集院も「25年」とは何とも絶妙な時間設定をしたもんだ。
スーパーファミコンが出て(PCエンジンは既に出ていた)、ネオジオが出て、プレイステーション、セガサターン、ニンテンドー64、ドリームキャスト、プレイステーション2、XBOX、ゲームキューブ、XBOX360、プレイステーション3、Wii、WiiU・・・
まだプレイステーションすら出てないのに、来年にはその4が出るなんて話は、
まさにめまいを禁じ得ない、「まるでウソ」のように聞こえるに違いない。だが目の前にある「3DS」を見たら、きっとそんな未来も「本当に来るのかも」と思うのかも。
話はグッと夢のないものになってしまうが、ネクサスにしても携帯にしても未来からのガジェットを、仮にそれらの専門家に見せるチャンスがあったとしても、
その所有権が僕にあるということを、誰も証明出来ないというのは、恐ろしいけど事実としてある気がする。
それほどの「超ハイテク機器」を、なぜ43歳の普通のオッサンが持っているのか。普通考えたら、
盗んだとするのが妥当。
仮にそれを盗める先が全く想定不可能だったとしても。で、しかるべき検査機関みたいなお堅い部署でそれらはバラバラにされて、、、
誰も組み直せない。
未来ってきっとそういうもんだと思う。当時まだ社長であったであろう任天堂山内博氏に、直接見せることが出来たとしても、まだ存命中だった横井軍平氏に見せることが出来たとしても、
それを受け入れるだけの設備も技術もない。
ということは、それは、「ただ単体で存在するだけのもの」でしかなく、企業として今それをどうこう出来るもんでもないってことになってしまう気がする。ただ、
充電器は開発してくれそうだけど。
っていうかまともな技術者だったら、それが本当に未来から来たもの、もしくは「未来から来たとしか想定しようがないもの」だったとした場合、研究したくならないわけがないと思うんだよね。社長レベルで「見なかったことにしろ」って言われたとしても。
となると、任天堂以外の会社がそれを、、、ああこういうのを考えるのは愉快で痛快だけど、
きっと現実とは乖離してるんだろうな~。きっとゲーム会社とかコンピュータ会社とかとはコンタクト出来なかったりするんだろうし。っていうか、
直接ビルゲイツに会えたりしたら、、、とかも考えちゃったりはするけどさ。
またも話を一転させる。
翌年親父が倒れることを、家族に伝えるべきかどうか。今から精密検査をして、それを事前に防ぎきることが出来るのか。バブルがはじけ、景気が悪くなり、どんどん貧乏になってしまう未来を伝えるべきなのかどうか。
ギャンブルで勝ちを残せるような記憶は僕にはない。
※競馬とか興味ないし。
ヘタなことを口走って「当時の実家」から追い出されでもしたら本当にどうしようもない。凄くいろんなことを考えて、、、
本でも書くかね。
とも思うけど、今以上に当時それをお金に換えることは難しいだろう。っていうか、
未来は未来の時間と物があり、過去には過去の時間と物がある。
当たり前だが、それらは相互に干渉しあったりはしないし、させようとしてもさせられない気がする。
僕は地味に実家で働きつつ、ひとり暮らし出来るアパートを借りて、そこで慎ましく生き、そして死んでいくだけな気がする。現実はそんなもんな気がする。
思いの外勢いづいて、結局書きたいことは概ね書いてしまったので、続きは(たぶん)ありません。つかこの話、伊集院にメールとか出来ないのかな。▲▲。
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