電卓の話
仕事によっては今度の増税が全く関係ない方もいらっしゃるかとは思いつつ、僕なんかは、
猛烈に関係する
ので、勢い対策を考えつつそれ絡みのアイテムを探したりする今日この頃。まぁ興味のない方はスルーしていただくとして、興味のある方に向けてまず僕は問いたい。
消費税5%から消費税8%の価格にするには、どうしたらいいのか。
※どういう計算式を取ればいいのか。
単純に「÷105×108」でいいんじゃね?というのは、まず第一段階。税抜き100円の物なら、もちろんこの式できっちり気持ちよく108円が出る。
が、これが税込み99円だとどうなるか。
99÷105×108=101.82・・・
税込みは101円になる計算だ。が、この商品の税抜き価格がいくらかと言えば、
95円。
※94円に消費税がかかると98.7円。端数切り捨てで98円。95円に消費税がかかると99.75円。端数切り捨てで99円になるため。
で、95円に1.08を掛けると、
102.6円。端数切り捨て102円になってしまう。
99÷105×108の式では、正しい8%価格は導き出せないということになる。
自店の税理士さんに相談した結果出てきたのが、第二段階。
5%売価a÷105×5=税額b
bの端数をカットし、
a-b=本体価格c
c×1.08=8%売価d
というもの。現行価格は5%が乗ってる価格なので、まずは105で割って「1%分」を出し、それを5倍して消費税分を出す。その額の端数をカットし、本体価格から引いたものが、消費税抜きの価格になる、というもの。
たとえば前述の99円を例にとって言えば、
99÷105×5=4.714・・・
端数カットで消費税「4円」
99-4=95
95×1.08=102円
で、第一段階で矛盾が発生してしまった額もクリア出来る。
しばらくはこの計算式が最も正しいものだと考えて、売価変更のリストを作っていたのだけど、
(5%売価)3380円だとこれがまたおかしくなった。
※もちろん他にも例はある。
3380÷105×5=160.95・・・
税額160円
5%売価3380-税額160=本体3220
ここまでは問題ない。だが、この本体価格に、「消費税率5%」を掛けると、、、
3220×1.05=3321円
今の売価とズレてしまう。だったら1円減らせばと思うと、、、
3219×1.05=3379円
これまた税込み3380円にならない。要するに3380円の現行売価の品は、
正しい税抜き本体価格表示が出来ない価格
ということになる。まことに煩わしいったらない。ただ、本体価格そのものは3220円で正しいと思われるので、8%になった際、
3220×1.08=3477.6≒3477円
にすることは問題ない。問題なのは、消費税が増税される直前、店頭の表示価格に本体表示も併記し、レジで5%を掛ける時および、表示する本体価格をいくらにしたら良いか、だ。
ぶっちゃけてしまうと、前述の「5%を掛ける際」に関しては、どこをどうがんばっても誤差が生じてしまうのは避けられないという結論に至ったので、最悪レジに1円玉を相当数用意し、もしお客様に、
これ1円高いんじゃないの?
と言われたらソソッとフォローするくらいしか思い浮かばなかった。4月1日以降に本体→税込みレジ打ちとする案もなくはないが、特に入学衣料が大量に販売されるタイミングで、レジの変更をするのはあまりにもリスクが高すぎる。やはり10日なり半月なり前に、「外税レジ打ち」の体制にしたいところなのだ。
で、問題は後の方。どうやって本体価格を計算したら良いか、だが、最初は、
5%売価×0.0476≒5%消費税額
として算出し、それを丸めて(「丸める」端数をカットする用語。エクセルでも使われるが、僕が学校で習った記憶はない)税額を出し、本体から引く、という手順を踏むつもりでいた。2段階の計算と、丸めるという「人間の判断が絡む」ステップがある分、ミスも起こりやすいが、これに関してはある程度一覧を作成し、それに則してやるしかないかと考えていたのだ。
つい昨日までは。
だが、ついに消費税対策委員会のステップは第三段階へ進むことになる。
今まで何気なく見ていた電卓にある「税込」「税抜」ボタン。もちろん僕も過去何度も使ったことがあるのだが、スマホの愛用電卓でこのボタンを、たとえば3380円で税抜きと押すと、、、
3219円と表示されてしまう。
これは僕が端数の丸め設定を「CUT」にしているためなのだが、再三計算してきているとおり、3380円の税抜き本体価格は、本来3220円でなければならない。つまり、内部の計算が、前述のような2ステップではなく、
3380÷105×100=3219.0476・・・
という1ステップで算出され、丸められているからだと思われる。エクセルでの計算でもこれは同じような結果になった。
だがしかし!である。
自店にあったCASIOの電卓で、同じようなステップを踏むと、、、
3380→税抜き(CUT設定)=3220!
そして!再度税込みにすると、
3220→税込み→3380!!
理由は全くわからない。もっと言うと、「再度」ではなく、「真っ新から」3220円を税込みにしても3381円にしかならない。だがとにかくひとつ確かなことは、
このCASIOの電卓は、エクセルよりスマホ電卓より精度の高い「税抜き本体価格」を算出してくれる、ということだ。
ホントどうやって内部計算してるのか全くわからないが、
伊達に「カシオ計算機」という社名だけのことはある、と思った。
それまでは一覧を作ったり、面倒くさい計算を何度もしつつ自分で小数点以下を丸めたりする手間が掛かると思っていたのが、
ボタン一発「税抜」だけでOK!
これにはホントにビックリした。理由がわからない分スッキリは出来ないが、ともかく、この電卓さえあれば、当面の課題はクリアできる。
問題は本当にこの電卓がベストなのか、だ。
というか、まず言ってしまえばベストではなかった。価格的なことは、この電卓と全く同じ電卓がネットでヒットしなかったためわからないが、
僕が大嫌いな「MC」と「MR」がひとつのボタンになっている・・・
これだと計算中に「メモリをリードせずに、メモリをクリアすることが出来ない」。これが異常に不便で、正直、
何を考えてこの二つのボタンを一緒にしてるんだよ!?と思う。
それこそ、「AC」と「C」が一緒になってる電卓レベルに「低脳」な仕上げだと感じるほどだ。
また、これは使い手の環境にも大きく影響するが、「0」と「00」の配置にも不満はあった。仕事上ウチでの使用頻度は、「00より0の方が上」なので、最も使う「0」は「1」の下に配置されていて欲しい。
※正直言うと00はなくてもいいくらいなのだが、ある程度高機能な電卓を志向した場合、そのチョイスはあり得ない。
結果1の下に0がある電卓の場合は、2の下に00が来て、00の横に「.」が来て、その横に「+」そして一番右下に「=」が配置されたりする。「+」の使用頻度が高いご家庭であれば、一番右下に「=」ではなく「+」があることを優先させたいかも知れないし、「0」より「00」を使う人であれば、1の下に「00」があり、その左に「0」が、右に「.」「=」が配置されている方が使い勝手がいいかも知れない。
凄くわかりづらい話になるが、実際に電卓を高頻度で使っている人なら、きっとわかってもらえると思う。
そして、さっきもちょっと触れたが、「AC」と「C」が別であること、そしてその二つのキーが「離れていること」も重要だ。
電卓を価格.COMやネットで「使いやすい電卓」等で検索した場合、まず目に入ってくるのが、
税込、税抜表示もあるし、1の下に0があり、=が右下なのも「エンターキー」を「リターンキー」と呼んでパソコンを使ってきた世代からするとかなりしっくり来る。が、
この電卓のAC(CA)キーはCのすぐ上にある。
これはいただけない。Cキーは僕のように「頻繁に押し間違える」人には、重要度が高く、よく押すキーなのに、
間違ってACを押してしまっては目も当てられない。
隣接していては、思うと思わざるとにかかわらず、触れてしまうこともあるだろう。
そして、
この電卓には、時間計算キーがない。
電卓によっては「HMS」キーとも呼ばれているが、要はタイムカード等の時間計算が出来るボタンが、仕事上地味に欲しかったりするのだ。
※まぁそれ専用の電卓があればいいという話もあるが。
そんなこんなを紆余曲折して僕がたどり着いた究極の一台が、
というか「たどり着いた」とは言ってもまだ買ってないので、打鍵感等の使い心地はわからないが、これまでずっとカシオの電卓を使ってきているので、その点での不安は少ない。
※ちなみに前述のシャープの電卓は個人的に打鍵感が好きじゃない。ファンも多いみたいだけど。
この電卓は、、、
・MRとMCが別々なだけでなく、MCがちょっと離れている
・GTキーや「一文字消去」キーがある。
・時間計算キーがある
・端数カットのスライドがある
・税込、税抜がある
・CとACが離れている
・1の下に0がある
・+が大きい
・+-×÷マークを画面に表示してくれる
これら全てをクリアしつつ、
余分な機能がない(僕が使わないチェックや検算、関数電卓のようなボタン)
そして、
価格が安い→2127円!
※AMAZON価格。定価は7350円もするが。
※ちなみにさっきのシャープのはAMAZON価格3454円
今まさに勢いで3台ポチってしまった。
重ね重ね言うが、「0より00」「=より+」の重要度が高い人にはオススメしない。というか、そう言う人には、
←JF-120GT-N
※定価6300円 AMAZON価格1827円
こちらの方がオススメかも知れない。
ただ、こちらは、
×MCがM+、M-、MRより押しやすい位置にある
×ACとCが隣接している
という僕的なマイナスポイントもあるので、もし購入されるときはその点にご注意を。
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予想外なまでの長文になってしまったが、言っても電卓であるからして、使い勝手には相性が大きく影響する。前述のシャープの電卓でもそうだし、カシオでも定価1万円超、実売5000円前後の人気機種もある。
※たぶん打鍵感や耐久度が違うのだと思われる。配置とかはあんま変わらないし。
使用頻度にも寄るし、僕が必要なキーが要らないという人も少なくあるまい。ただ、
着眼の一例としては、意味があったのではないかと期待する。
まぁブログの一ネタとしては悪くなかったんじゃないかな、とね。
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コメント
クリスさん、こんにちは。
『CMとRMは違うボタンでないと駄目』
死ぬほど同意。
僕は、建築系の仕事なので、それに加えて√が無いと困ります。
そんな僕が見積りで使っているのは
SHARPの『ELSIMATE EL-S882』
特徴は、メモリーボタンがテンキーの上でなく、右側に縦に配列されていること。
『00』でなく『000』な事ですね。
ちなみに小数点以下0桁モードで、『3380』を税抜きにすると『3220』。
再度、税込みにすると『3381』になりました。
投稿: じあんとー | 2014年1月24日 (金) 13時46分
どもどもじあんとーさん、やっぱり使う人によって、優先順位が全然違うのが面白いですね。言われて見れば確かに「000」がある電卓もありますね。でもほとんど見かけないですから、
それを必須としちゃうと、選択肢はグッと狭まってしまいそうですね。
ルートは、自分の職種だと全く使わないのですが、建築系だと違うんですね。ホントその道じゃないと見えないものってあるんだなって思います。
税抜計算は、「3380」を税抜にして「3220」になった直後に、
※入力しなおしではなくて、
税込を押すことで「3381」になっちゃったとすると、カシオの電卓とは内部計算が違うってことになりますね。カシオだとACを押してまっさらから3320の税込を押すと3381になりますが、3380→税抜→3220→税込だと、3380に戻ります。
※CUT/0設定
これも「こちらの方がいい」というニーズがある事なのかも知れませんね。
投稿: クリス | 2014年1月28日 (火) 00時07分