だだっ子
今日お店に来たお客様の話。推定3歳の娘と、5歳の息子を連れたお母さん。ひとしきりお買い物を終え、帰る談になって娘が、
これが欲しい!
と駄々をこね始めた。とりあえずお母さんは娘をだっこして、こちらはこれで収束。しかし息子の方も、
これが欲しい!
と追い打ちを掛ける。しかしお母さんは既に娘をだっこしていて、両手がふさがっている。
ダメ。前買ったでしょ。もう帰りますよ。
丁寧ながら毅然とした口調で諭すように言う。
いーーーやーーーーだーーーーー買ってーーーーーーーーー
絵に描いたようなだだっ子である。正直振り回してる商品が落ちて割れてしまわないか心配になる。
※持っていたのは弁当箱。さすがにこれはいくつもいらない。
しかし、ここで僕がどうこう言うのもどうかとも思う。というか、このお母さんの口調だと、
たとえ弁当箱が落ちて壊れても、たぶん謝ってそのまま帰ってしまいそうだ。
途中見かねたウチのお袋が「よく絵を見て、今度来た時にまた買ってもらおう」と助け船?を出すが、そんなのは彼の心に届くわけはない。とにかく買ってもらうまでは帰らないという様相だ。
しばらく、、、回数にして10回ほど、母と子の攻防は続いたが、途中息子がそのまま持って帰ろうとするとさすがにお母さんもそれをたしなめる。というか、
それはお金を払わずに持って行ったらダメです。
キッパリと言ってはいるが、買って上げるつもりはないらしい。結局特に口調が荒げられることもなく、最終的に息子が折れて、
ここに置いておく。
その直後、
だっこだっこだっこーーーーー
そりゃ無理だ。両手がふさがってるんだもの。
退店。
見ていて一番思ったことは、
自分の子供はあんな風に駄々をこねたことがあっただろうか。
少なくとも何かが欲しくて駄々をこねたことが一度でもあっただろうか。
買って買って買って-と喚き散らしながら、親と舌戦を繰り広げたことはあったであろうか。
僕の記憶にはない。
長男はたぶん一度もないし、娘も「駄々をこねたのは2回」。どちらも寝転んでわーわー言ってはいたが、
むしろ新鮮にして愉快だったので、笑顔で対応。
というかこれも「買って欲しくて駄々をこねていたわけではない」。たぶんどっかに行きたいとかそういうのだったと思う。
まぁ親としてのつとめというのは、幼少期だけに責任があるわけではない。当然思春期から、それこそ自分で働いて給料を稼ぐ直前までは、事実上親の責任だ。
だから、どの時点での子供が「いい子」であるか、どの時点での子供が「いい子であって欲しいか」もまた、多少なりとズレががあるとは思う。未就学児の時点でだだっ子でも、思春期に不良にならずマジメに学校に通い、人生をエンジョイしてくれればそれが一番かも知れないし、第一反抗期にわがままし放題だった結果、大人になっても親離れできないのを、
親が望むかも知れない。
少なくとも現時点で長男が僕に何らかのコンタクトを取ってくることはない。高校を卒業する頃には、僕もそれほど親父と話したりもしなくなったし、
※まぁ中学入学の頃からという言い方もあるけど。
特段仲が悪いわけではなかったと思うが、お袋や妹と距離を置いた記憶もない。
まぁ第一次反抗期は凄まじかったらしいが(僕の場合)
自分の子供が「こうではなかった」と思う一方で、この子が今後どう成長していき、どんな中学生、高校生になるんだろうと考える。妹の子供達も、「それは甘やかしすぎだろう」と僕から見て感じることがあっても、
※特に勉強面とか
それがそのまま落ちこぼれになるとは限らない。
人生は何がその人にとって幸せなのか、第三者からは全くわからない。
妹は出戻りで、子供達も小学生、保育園時代に転校を経験しているが、毎日のように近所の子供を呼んだり、遊びに行ったりしているのを見ると、それはそれで問題がないどころか、これが幸せだったのかな、とも思う。特に長女に至っては、小学校入学時にランドセルが背負えるのか?というくらい体が小さくひ弱だったが、今(中一)は普通にクラスの真ん中辺だ。
もし自分が大学生で卒論を書くような状況になったとしたら、このネタを掘り下げてみたいかな、と思った。子供の頃から中学高校大人に至る過程で、反抗期の度合い、親への依存度、親の対応等々。
まぁ多くは恥ずかしくて語りたがらないプライベートな内容になってしまって、研究もクソもないのかも知れないがな。
しかし、正直な話、自分の子供だったら絶対あんな「駄々をこねさせ続け」はしなかったな。人生の浪費だし、外堀からもっと追い詰めていったと思う。
これを買うなら、他に何を犠牲にする?今月のお小遣い。来月のお小遣い全部ナシでもいいのか?一週間テレビ禁止でもいいのか?二度とお母さんがだっこしないけどいいのか?
子供を追い詰めることが正解かどうかはわからないが、少なくとも早く帰るという目的は達成できると思うのだ。
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