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2014年5月 7日 (水)

キャラクターコンテンツの寿命の話

我ながらイイ感じのネタを思いついたな、と思っただけで書き始める、行き当たりばったりな話。

今妖怪ウォッチが「空前の」というにはオーバーだけど「(ただの)大人気!」というには物足りない程度の人気になっているのだけど、

 これって何年くらい持つのかね。

僕の記憶(衣料品店の店主として)では、とりあえずキャラクターで現状確固たる地位を確立した、もしくは確立しているのは、

・ディズニー(ミッキー、ミニー)
・ポケモン
・アンパンマン
・ハローキティ
・ジブリ(トトロ、ジジ)
・ドラえもん

こんなところ。ディズニーとキティは、かなり昔からしっかりと地に足を付けて展開してるように思えるけど、ぶっちゃけキティが今ほど普及したのは1996年華原朋美がテレビでファンを公言してからだと思う。それまでは幼児向けキャラの域を出てなかったはず。

ディズニーはディズニーランドがいつまでも未完成であるのと同様に、今後も(作品のクオリティ管理も含めて)継続して人気者でいられるだろうし、キティもまた、時にティーン向け、時に幼児向けと微妙に舵取りを時代に合わせて調整している。実はこの二つはとてもフレキシビリティの高いコンテンツなのだ。まぁ悪く言えば売れ線にうるさいわけだ。

ジブリ、というかトトロは、もはやジブリとはあまり関係ないところで、そのハイクオリティな商品管理により、他のキャラクター物とは一線を画すアイテムをリリースし続けている。タオルの産地として有名な今治(いまばり)でキャラクタータオルを作ってるのは、たぶんジブリだけ。

その分価格も高いが、同時にちょっぴりお金がある層へ、差別化をくすぐる展開ともなっている。駿が存命中は手堅くテレビでの再放送(トトロや魔女宅に限らないジブリ作品)がなされるだろうし、人気も続くだろうけど、問題は死んじゃったあと、その資産、商品の品質をしっかり管理できる人間が引き継げるかってとこだと思う。

つか僕個人の感性から言えば、トトロ関連の商品開発部隊は、たとえば任天堂とかがヘッドハンティングしてもいいんじゃないかってくらいハイレベルな「唯一無二のクオリティの」グッズを作る。駿が死んだらそうした人材も流動する可能性があるかな、とも思うんだよね。

ドラえもんは正直時代に乗り遅れてしまった感がある。作品自体キャラクターよりも物語(少し不思議なワクワク感)が魅力の根幹であったし、それはとどのつまり高度成長期の物のない時代からの脱却が追い風になっていた気がする。昨今のコミュニティやコネクト、リンクというキーワードからしたら、のび太の交友関係はどう考えても少数派であり、魅力薄。ドラえもん単体のキャラクタービジネスとしても、「男の子からはかっこいいと捉えられにくい」し、「女の子からはかわいさが物足りない上に青い」。一時代は築いたものの、あと20年後にはほぼ消滅してる可能性も高いキャラだという気がする。

僕の子供は既に中学以上なので、フックという点においては希薄になってしまったが、アンパンマンもまたジブリほどではないにしても、クオリティ管理が上手く行った例。こちらは幼児向けという点で、正直「子供だまし感」が拭いきれない面もあるにはあるが、あのオレンジ、肌色、赤というカラーコーディネイトは、実は他のキャラには余り見られない希有なもので、幼児にはとても安心感がありキャッチーな色目だったりするのだ。

かっこよさという点ではドラえもん同様弱いが、もともとそういった感性が未成熟の世代(未就学児)が対象であり、両親が安心出来る(商品のクオリティ的にも)作風は、今後も(作者が他界してしまっていても)継続してリリースされ、一定の人気を維持していくと思われる。

僕個人としては「あのパイ」は、他が奪おうとすれば奪える可能性があるトコロなのだと思うのだが、
※アンパンマンのキャラクター商品は、価格が割高の割にジブリほど品質が高くないのだ。
子供用のコンテンツをゼロから立ち上げるリスクと体力が、今の企業にはたぶんないんだろうなって思うんだよな。みんな「だんご三兄弟の悪夢」を忘れてないからな。

つか、

子供用のコンテンツでも、それをしっかりと育てよう、維持しようという「徹底的な管理とそれが出来るコスト」を割かない限り、その多くは短期間で消滅してしまう。その最たるものが「戦隊ヒーロー&(現在では)プリキュアシリーズ」。毎年メインを入れ替え、鮮度を維持しつつ、クオリティが低くても一定の利益を上げ続ける構造を作り上げている。これだと強力にして長寿命なコンテンツは生まれにくいが、商売としてはそれで必要十分だとも言えるんだよな。

もっとも、それでもセーラームーンや初代プリキュアが登場したときの熱量たるや凄まじいモノがあった。正直セラムンなんて今でも下着がリリースされて、奪い合いになってハタチ以上の女の子が買ってるくらいだもん、

 当時どれほど凄かったのかって感じ。

プリキュアも、その前の「明日のナージャ」が見事にこけて、そのせいでマーケティングの重要性を再確認&徹底的に磨き上げた結果生まれた「売れ線の塊」だったんだけど、それでも今風の性格とルックスに、キャッチーな主題歌、小学生以上をバッサリ斬り捨てた訴求対象
※セラムン時代はまだ「未就学児~小学校低学年」くらいが対象だった。
などが奏功し、大ヒットしたんだよね。

 もっとも、一度ヒットを出せばそこに追従していくことで数年は安泰になる業界でもあるんだけど。

閑話休題

そして最後がポケモン。ときメモやベイブレード、そして妖怪ウォッチなど、僕がそのブームの最も熱かった頃を逸してしまったコンテンツはいくつもあるのだけど、ことポケモンに関してだけは、入り口からピークまで、しっかりと渦中で楽しむことが出来たと思う。

もっとも人によってそのピークをいつとするかは意見が分かれるかも知れないが、僕的には、(以前もブログで書いたと思うけど)第9回頃のワールドホビーフェア(1998年)がそうだったと思う。朝10時に大阪ドームに並び始めて、入れたのは17時半。閉館時間17時に間に合う為には、開館時間より早く到着しなければならなかったという、冷静に考えるとちょっと意味がわからないというか、平衡感覚を失いそうになるレベル。

店頭にあるポケモンカードをどん欲に探し求め、存在してるのを確認しただけでテンションが上がる状況。ヤフオクの立ち上げ前後、「オークションで買う」という行為そのものがある種イベント的で、日本にトレーディングカード(ゲーム)の文化を根付かせたのは、間違いなくポケモンカードだったと思う。

もちろんゲームの盛り上がりもかなり強烈で、今でもワイドショーに取り上げられていたシーンを思い起こすことが出来る。冷静に考えればわかることだけど、くまモンのように版権料がないわけでもない、通常のキャラクター商品で、フィギュアやガシャ、カードのみならず、パンやヌードル、電車や飛行機にまでペイントされたキャラは、たぶんポケモンくらいだろう。

正直新しいキャラ(=ポケモン)の魅力が著しく希薄になってきていて、新商品の展開によどみが生まれているのは非常に残念なところではあるけど、
※ポッチャマとかアチャモはかわいかったんだけどな。
先日のオリジンやXYなどで初期のポケモンに再び光を当てるような展開は、十分アリだな、と思った。次のスマブラでもリザードンがついに参戦することになったみたいだし。

正直ゲームメーカーや、アニメ制作会社主導で、「超強力」なキャラクターコンテンツを生み出すことは至難の業だと思う。なめこでもこびと図鑑でも、「一時的に大人気」になることはあっても、それが何年も何年も継続する、継続させることが出来た例は、ホントに上記のものくらいだと思う。例えば他に、

・クレヨンしんちゃん 劇場版で大人層も引きつけたが、根本的なルックスが弱い。

・機動戦士ガンダム 身も蓋もないけど「かわいさが足りない(というかゼロ)」。かっこよさを求める層に訴求するアイテムが非常に限られていて、正直一般的とは言い難い。
・ワンピース チョッパーのルックスが「化ける」かという時期もあったが、物語が続いている以上、逆に自由度が狭く、かつ少年誌であることが対象年齢を狭めてしまっている。これはドラゴンボールも同様。

なんかがあるけど、これらはまだスタンダードとは呼べないと思う。

そんなことを思いつつ妖怪ウォッチを見てみると、

 メイン妖怪であるジバニャンのキャラが、意外とチョッパー寄りでありつつ、マンガ原作ではない分原作に縛られず、自由度が高い。主人公のルックスはサトシたちと比べてやや弱いと思うが、キャラクターコンテンツとしては全然問題にはならないだろう。

Mステで「小学一年生に聞いた好きな歌ランキング」で一位になったダンス「ゲラゲラポー」は、ブームを加速する役目として十分だが、一方で失速させる要因にもなり得てしまうのが怖いところ。

ジバニャン以外の妖怪のルックスにかわいさが薄く、
※ポケモンで言うところのゼニガメやヒトカゲのようなセカンドベストなキュートキャラがいない。
物語が男の子向けである分、女性票の確保に苦戦するかとも思ったが、お客さんの話を聞く限り、男女ともにかなりの人気があるという。まぁつっても女子は男子以上に飽きっぽかったりするから何とも言えないところはあるけど。

そんなことを踏まえつつ「妖怪ウォッチ」が今後どうなるのかに関してのクリス予想は、

 ゲームのIIや年末の劇場版で、ジバニャンに匹敵するくらいのキャッチーでキュートな、たとえて言うなら仮面ライダー1号に対するV3のような、アンパンマンにおけるロールパンナみたいなキャラクターを生み出せるかどうかに掛かってる

って感じかな。今のままだと、レベルファイブ商法で持ってあと2年。久々に面白いコンテンツが出てきて(商売人として)ワクワクを禁じ得ない反面、仕入れるだけ仕入れさせさせて一気にポシャッは勘弁して欲しいって感じなんだよな。

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