携帯ゲーム機の系譜と未来
ざっくり言えば、
ゲーム&ウォッチ(1980.4)→ゲームボーイ(1989.4)→ゲームボーイカラー(1998.10)→ゲームボーイアドバンス(2001.3)→ニンテンドーDS(2004.11)→3DS(2011.2)。ウィキペディアを見ると、3DSが第8世代らしいのだけど、「第1世代は存在しない」とかわけのわからない記述もあるので、実際国内の歴史で言えば、第3世代のゲーム&ウォッチが最古の携帯コンピュータゲーム機で、そこから6世代目が現在の3DSや3DSLLということになる。なので、このネタでは「ゲーム&ウォッチ」を第1世代として話を進めることにする。
何となくそれぞれの進化に目をやってみる。
●第1世代→第2世代~ゲームボーイへ~期間9年
・複数のゲームが一つのハードで動くようになる
・ドットマトリックス表示で、あらかじめ定められた「絵」以外のものを動かせるようになる。
・BEEP音からステレオFM音源(3音くらいだったと思うけど)になり、音楽として聴けるレベルに。
・ボタン電池から単三電池に
・テトリスやポケモンなど、第2世代から既に複数のプレイヤーによるデータ通信が可能になっていた。
●第2世代→第3世代~ゲームボーイカラーへ~期間9年6ヶ月
※第3世代にはゲームボーイライトや、ネオジオポケット、ワンダースワンなども含まれる。
・小型軽量化が進む
・液晶がTFTになり、残像が激的に軽減された。
●第3世代→第4世代~ゲームボーイアドバンスへ~期間2年5ヶ月
・画面が大型化し、表示可能な色数も大幅に増えた。
※ゲームボーイカラーが32768色中56色なのに対し、アドバンスは32768色。
・LRボタンの登場
・「ファミコンライク」から「スーファミライク」、ROMの容量も飛躍的に増えた。
●第4世代→第5世代~ニンテンドーDSへ~期間3年8ヶ月
・前世代から劇的な変貌を遂げ、任天堂の業界首位を奪還させた。
・2画面、タッチスクリーン、マイク、フロント4ボタン、バックライトに、アドバンス用とダブルスロット。前世代でも下位互換はあったが、ダブルスロットはここから。
・充電池の採用
・スーファミライクから64ライク(クオリティ)にスペックアップ。
・インターネットへの無線通信機能も。
・同時発色も26万色に。
・音源もサンプリングで生音に近い物が出るようになり、音声の再生もよりクリアに。
●第5世代→第6世代~3DSへ~期間6年3ヶ月
・裸眼3D立体視対応
・高解像度化 256*192→(正面)800*240(左右別映像なので実質400*240)
・1677万色表示
・SDカードスロット
・64クオリティからGCクオリティへ(ちょっと言い過ぎだけど)
・スライドパッド追加
・ネットへの親和性UP
・カメラ搭載
・モーションセンサー、ジャイロセンサー
※ウィキペ見てのことだけど、現在3DS用タイトルには「4GB」もの容量を持つROMがあるのだとか。一層式DVD並であり、GCやドリームキャスト以上の容量だ。意外とスゲェ。
●第6世代→第7世代~次世代へ~現在3年3ヶ月経過
・・・果たして。
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ここからどうなるのか、が今回の本題でもあるのだけど、過去の流れを考えると、「3年3ヶ月」では、まだ明確なブレイクスルーは期待薄というのがまずひとつ考えられる。ゲームボーイと初代DSは、それぞれポケモンと脳トレで文字通り世界を一新するほどの結果を残したが、3DSがそうなれたかと言えば答えはNOだろう。シェアや台数こそそれなりの成績を残してはいるが、勢いや(曖昧な表現ではあるものの)「人気」という点では、もう一歩爆発力に欠けていたという印象が残る。
しかし、これも当然のことながら、それらの印象はあくまで「ソフトありき」だ。ポケモンやテトリス、脳トレなしに過去のハードがブレイクしたわけではない。3DSも、今後そういったタイトルがリリースされないとも限らないし、そもそもスペック的にはこれで「かなり十分」なレベルに到達しているという気もする。
漠然とだが、アドバンス→DSと比べ、DS→3DSのスペックアップは地味だった印象があったが、こうして文字にしてみると、あながちそうとも言えない。26万色が1600万色になったときの印象が、56色から32000色に増えたときの印象を凌駕するとは言えないが、立体視以外にもカメラやネット、そして外部ストレージの採用など、結構な「付け足し」をしていたのだ。
・・・
3年3ヶ月ではまだ新しい、次世代の任天堂新型携帯ゲーム機がリリースするには早すぎるとも言える。だが、別にこれが6年だろうと10年だろうと、次のことを考えることそのものは悪いことじゃない。まぁ世界中でそういう会話は為されているのだろうが、クリス的な視点をあらためて見つけてみようと思う。
まず、ゲームボーイアドバンスがDSになったレベルの「落差」を、3DSから感じさせようとした場合、その変化は、絶対的にハードルが高い。なぜなら、先も書いたように、1600万色はすでに発色数の事実上の上限であり、それ以上綺麗にするには、
高解像度化するしかない。
ただ、これは他社ハードに対して特に任天堂が後れを取ってきた
※もちろん確信犯的な物も含めて、だが。
分野であり、いきなり携帯機でフルHDというのは、バッテリーや液晶の歩留まり、耐久力などの点で、「少々行き過ぎ」という気もする。ただ、そうは言ってもPCエンジンが256色だったときにいきなり32000色(4096色をすっ飛ばして)同時発色を売りにした過去があるのもまた任天堂。
いきなり4K2Kを携帯機にぶつけてくる可能性も、全くゼロとは言い切れない。
今回は特に「明確な完成機」をイメージしているわけではないので、勝手気ままに妄想を吐露していく。
そして、インパクトという点でも、DSのデュアルスクリーンに匹敵する、立体視を超えるものと考えると、なかなか難しいところではある。ただ、DSが出るまでは、たとえそれがパソコンだろうとガジェットだろうと、「スクリーンが2枚ある機械」はなかったわけで、発想としては、
ニンテンドーQS(クアッドスクリーン:4画面)
というのはちょっと面白いかな、とも思う。要するに、
□□□
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こういう配置で、情報表示領域を右上と左上に増やす、というスタイルだ。「パタンパタンパタン」と3回ヒンジを稼働して展開させるため、故障や耐久力の点で大いに不安が残るが、そんなことばかり考えていても夢として面白くない。パッと思い浮かぶのはそれこそレースゲームや、情報量の多いRPG、シミュレーションゲームくらいだが、このままコネクト(他のプレイヤーとのつながり)要素が強化されていくのなら、
上段左右に、同時プレイヤーの状況を表示
というのも、意外と面白いのかも知れない。これまでは、「パーソナルな画面」が携帯機の売りのひとつで、麻雀やトランプなど、他のプレイヤーに見せないことがメリットになっていたが、ここで再び他のプレイヤーの情報を開示することで、新たなゲーム性が生まれるかも知れない。
システム的なことではない進化としては、
※これは現状の任天堂の資本力では難しいのかも知れないが、
ネットにどこでもフリーで繋がるようになる
これがもし実現するとしたら、
間違いなく「3回目」のブレイクスルーたり得る。
ただ、この威力を本当に活かすには、「オモチャであり続けることを捨てる」必要もある気がする。ガワがトイライク「ではない」タイプをリリースしたり、それこそギャルからおじいちゃんまで「持ちたい」と思わせるプレゼンが重要になるだろう。フリーでネットに繋げられるという「ファイナルウェポン」は、もし実現するとしたら、それこそ一企業がどうこうというアプローチでは済まない気もするのだ。
でもまぁさすがにそれは無理だろうから、、、せいぜいドコモやソフバン、auと業務提携しての、「ニンテンドーハード限定の超低価格な定額制サービス」というところか。
どこまで規制出来るのか、インターフェイスをどうするかなど課題は山盛りではあるが、その昔DSが大爆発した際言われた、
ひとり一台持っているということが、凄く大きな意味を持つ
※それを標準として世界が組み替えられ得る、という意味だったと思う。
という言葉が、本当に本当の実現を見る気もする。
なんだかカタストロフィみたいだけど(^^;
インターフェイスに関しては、今スマホ業界も腐心してるように、なかなか強力な新機能というのが見えてこないのが実情だ。正直防水やフルセグ、お財布機能が任天堂携帯機に必要かと言われれば、それは違う気がするし、指紋認証とか音声入力とかも、
※多少はあってもイイかも知れないけど
「面白いゲーム(およびコンテンツ)」に直結するとも思いにくい。
スライドパッドや各種ボタンの使い勝手が向上して欲しいという気持ちは山盛りあるが、こればっかりはどんどん劣化してる部門だけに、僕的には全く期待できないというのが本音だ。せいぜい「ダブルスライドパッド」がいいところだろう。
※背面タッチパネルは絶対要らないと思うし。
地味な機能かも知れないけど、個人的にあってもいいんじゃないの?という機能としては、上画面のピボット、つまり縦横に回転する機能はあってもいいと思う。スマホのようにフル画面がタッチであるなら持ち替えるだけで済むが、DSのようなスタイルだと、どうしても縦画面のソフトを作りづらい。横を縦にするだけでどんどんゲームが面白くなるなら世話ないが、選択肢としては面白い気がする。
あと、さっきは「面白いゲームに直結しづらい」とは書いたけど、音声認識の精度は上がるに超したことはないとも思う。前もブログで書いた気がするけど、「声で操作出来る」というのは、実はまだまだ開発の余地がある分野だと思う。両手がふさがっていても、口で指示することでコマンドが入力出来る、というなら、それはそれで無数の強力なインターフェイスが増えることに相当する。モンハンで必死に逃げてる時、「ボス!」の一声で視点がボスに移動したり、走ってる最中に「回復G!」でサッと薬を飲んでくれたりすれば、プレイアビリティは明確に良くなる気がする。言いたくない声に出せない状況なら、これまで通りで良いわけだし。
※ただ、マイクの精度に対して慎重にチューンしないと、「お隣のプレイヤーの指示を聞いてしまう」ケースはあり得るかも知れないけど。
また、「実現して欲しいのになかなか実現しない」のが、「リアルサウンド」機能。つかこれは既に実現していてその上でそれを利用したタイトルが出てないだけなのかも知れないけど、例えばヘッドフォンをして音を聞く時、「あたかも直接人が息を吹きかけてるかのようなリアリティ」を持たせる技術。昔普通のテレビ放送時に僕自身が体験したことなので、別段特別な再生機械や高級なヘッドフォンが必要なわけじゃないけど、
※音声を収録する側には当然必要だろうけど。
任天堂が好きな「五感刺激型」の機能としては、もう一段階進化の余地がある気がするな。Qサウンドとかももっともっと強くアピールしてくれたら、「ヘッドフォンで聴こう」という気になるんだけど、なかなかアピールしてくれない=それをゲーム性に応用したタイトルが出てこないんだよな。実質この分野は「風のリグレット」だけだもんな。
※前述のリアリティがあったわけじゃないんだけど。
ソフトウェアに関しては、これまた個人的な希望になってしまうけど、「ラクガキ王国」や「マインクラフト」のようなクリエイティブなソフトを、本体機能に入れてしまって欲しい。あのペンで書いたものがそのまま送れる今の内蔵ソフトと、Miiを作る機能とかをもっと「遊べるもの」にして、他のプレイヤーにも見せたりやりとり出来たりすると嬉しいかなと。つかラクガキ王国のエディット機能をこのまま埋もれさすのは、凄く惜しい気がするんだよな。
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ソフトウェアに関して、未来の形のひとつとして、
フリーウェアがひとつの大きなカテゴリーとして成立する未来が来る気がする。
今の流れからだと何とも言えない部分もあるけど、例えばアイテム課金とか、体験版とかの「疑似フリー」ではなく、こないだ紹介したPCのフリーゲームや、マンガボックスのような「完全にフリーな」コンテンツを、かなり自由にダウンロードして見たり聞いたり遊んだり出来るようになる気がする。
言い換えれば、「フリーのコンテンツでもお金を生む仕組み」が出来ていく気がするから。それは広告かも知れないし、クリエイターの名前が売れて、仕事が増えていくことかも知れないし、何がどうリンクしてお金になるのかはまだわからないけど、
多くの人間が強く指示するものは、実際にお金になっている。
※なめことかミクの作品群とか
そのためには十分なストレージや、取捨選択の仕組み、有料との明確な線引きとかが必要になっていくとは思うけど、これからの時代は、どんどん「求められるもの」の価値が上がっていくのは間違いないと思う。フリーウェアは絶対その一翼だと思うんだよね。
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あり得そうなものからとても無理なものまで、根拠も知識もない人間がのらりくらりと書いてみたりしたけど、重要なのはそれが実現するかどうかじゃなくて、
楽しい未来が待っているかどうか
なんだよね。全て外してしまっても、3DSの後継機が、自分の暮らしを豊か愉快にする物であって欲しいなぁと思う次第ですよ(^^。
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