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2014年5月 3日 (土)

ザ・エンド

これも借りてきた映画のひとつ。図書館戦争はともかくとして、4本、それもひとつも知らない、俳優も監督も
※一部たまたま出てるとかは別にして
知らない映画を続けて見るというのは、意外と僕の人生において希有な体験であった。正直内容に関しては(まぁ4本とも)話題作と言えるほどのものではなかったが、自分の知らない、そしてもしかしたらこのまま死ぬまで知らずに過ごしたかも知れない2時間前後の映像を見たという「経験」は、これはこれでアリだった気がする。

以前このブログか、もしかしたらメールや他の掲示板でのやりとりだったかも知れないけど、映画の2時間というのは、実は他に代え難い。まぁ代え難いと言えば他の全てのことが、生きている時間全部が代え難く、かけがえのないものだとも言えるが、映画の2時間を体験するには、その映画を見るしか無く、見るためには、限りある人生を2時間消費しなければならない。

もちろん中には見るに値しない、無駄な浪費とも言える作品もあるし、そうじゃない作品もある。ただ言えることは、

 映画の2時間は、結構な大人数が、2時間どころか何日も何ヶ月もヘタしたら何年も費やして作られた2時間だということ。

 他の人の長い時間、人生の多くをもらって、僕らは映画の2時間を体験する。

この4日間で得た「4本の映画を見た」という経験は、その内容からすればさして大きなことではなかったかも知れない。でも、そう大した作品じゃなかったと思えるからこそ、その作品に触れる機会を得たことを、ちょっとだけ感謝したくもなる。誰にも勧められず、誰にも勧めないような映画。それこそ道ですれ違い、生涯二度と会うことがない人と、たまたま面と向かって話をするような、ある意味奇跡的な出会い。

 内容がイマイチでも、それはそれで無駄じゃなかったかもな~と思った。

さて、そんなセンチでシュールな気分にさせられたのが今日の一本「ザ・エンド」。ちなみにこれは邦題で、原題は「FIN」という。まぁ日本で言えば「終」というところか。つかなんで「ジ・エンド」じゃなくて「ザ・エンド」なのかも理解に苦しむところではあるけど、ともあれなかなかに微妙な作品だった。

いつもなら内容にオブラートをかぶせ、これから見る人に配慮した感想を書いたりもするが、本作に関してはぶっちゃけ誰も見ないだろうから、思いっきりネタバレ全開で感想を書いていく。ちなみにクリスの評価は★★。オススメ出来る最低ラインである5点を下回ってはいるものの、駄作で超つまらなかったという訳でもない。実は僕が4点を付けるのは10点を付けること以上に珍しいことなのだけど、まぁそれはともかく。

山間のロッジに20年ぶりに集まったクラスメートとその恋人。再会を懐かしむ一方で、それぞれがそれぞれに悩みや不安を抱えつつ、ちょっとした口論で険悪な雰囲気になる。そしてその刹那、空が赤く光ったかと思うと、ロッジの灯りは消え、携帯もそして車のエンジンも掛からなくなる。聞けばこの小さなクラス会は、この場に居合わせない友人アンビルが、ひとりに「みんなを集めてくれ」と呼びかけ開かれたことだとわかる。しかしその友人アンビルは、

 精神病院に通わされ、みんなから変人呼ばわりされ、「予言者」と言われていた男だった。

電話も車も動かない状況で一夜明けるとメンバーのひとりがいなくなっていた。周囲を探しても死体はおろか出かけていった痕跡すらない。ここにいても始まらないので、全員で隣人の家を訪ねるも、まるでついさっきまで人がいたかのような、食べかけのパンに開け放たれた窓。窓から入ってきたハゲワシが食べ物を漁っていた。

距離はあるが麓の町まで行くしかない。一行は崖沿いに山を抜け、町を目指すことにした。

崖際に掘られた道は幅2mほどで、右は断崖。遥か下方には流れる川が見える。その時前方からゴゴゴゴーーと音がしたかと思うと、数十頭もの山羊が走ってきた。そして、

 仲間がまたひとり消えた。

不安に駆られつつ夜を過ごす際、空の星が少しずつ消えていくことに気付く。そして翌朝またひとり・・・。

つぎつぎに仲間が消えていくなか、崖下に転落した車を見つける。その中にはこの会を企画し、みんなを呼び寄せたアンビルの死体と、一冊のスケッチブックがあった。

スケッチブックにはまさにこれまでの状況が、文字通り予言書のように描かれていた。最初8人いた仲間もわずか3人になっていた。町に着いても人がいる気配はなかったが、いきなり女の子の声が。

 「ママー」

3人は彼女を追い、船着き場にあるヨットの中、「私にも子供がいるの」とマリベルがその女の子に手をさしのべた刹那、ついに、

 目の前で人が消える場面に直面する。

うっすらと消えていく影。その直後うなるような咆吼が聞こえたかと思うと、桟橋の向こうからライオンが現れる。縄を解き、船を出そうとするが、マリベルは桟橋に残り、ひとりライオンに向かって歩いて行く。

ヨットの中二人きり。女の子エバは、主人公フェリックスがかりそめの恋人としてクラスメートに紹介するために雇った子だったが、最後にお互いがお互いを必要としていることに気づき、次の日の朝も消えなかった。

 が!

ヨットはそのまま霧の中に消えていき、

 ザ・エンド!

なんじゃそりゃーーーーーー!!!途中山の上の方に一瞬見えた人影、アンビルだけ死体のまま存在している事実、ぼっちになって消えるならもっと早く消えてて不思議はないだろうメンツ、なぜか別行動をして消えていく仲間、、、

 なんじゃそりゃーーーー!!

でもまぁね、それはそれでいいというそういうタイプの映画だったのかな、とも思うわけですよ。物語が無くても、結末が無くても、違和感と不気味さで綴っていくだけで、それはそれでひとつの「監督が作りたかった物」だったかも知れないわけで。

 でもって僕がこのブログを書く気になったりもしたわけで。

さっきも書いたけどオススメはようしませんし、これだけ純度の濃いネタバレを読んでなお借りに行くというのは、もはや自虐以外の何者でもない気もしますが、

 いっそのこと全てわかった上で、友達とつっこみまくりながら見るのも一興な作品かも知れません。

好きな映画が個人個人で違うように、映画の楽しみ方もまた人それぞれですからね(^^。つかこんな映画ですら水野晴郎さんだったら「映画って本当にいいものですね」って締めたりしたんだろうか。

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