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2014年5月10日 (土)

未来少年コナン~その2~

見終わった~。

感想を一言で言うと、「主題歌が悪い」。これに尽きる。というかこれでは正直説明不足。バタフライエフェクトで言えばチョウのタマゴが産み落とされるレベルの話だ。順に落とし込んでいく。

主題歌が悪いということは、幼少期のアニメ大好きだった僕にフックさせなかったことに繋がる。内容的には思いで補正で美化されたエステバンや、各話のアベレージが高いニルスと比べて、確かにムラが大きく、生理的に受け付けない嫌なヤツが前面に出てくるシーンが多いのもマイナスではあるが、あの主題歌から受ける印象をその内容が上手く吸収しきれていず、あまりにも牧歌的な主題歌のくせに、嫌なヤツが出てくる、主人公は割と虐待されまくってる、みたいな印象に繋がってしまった。

通しで見れば決してコナンは虐待されてばかりではなかったのだけど、とは言っても「危機一髪」や「絶体絶命」なシチュエーションが多いのは事実で、まだ幼かった僕に「その回だけで気持ちよくカタが付かない」展開は、やはりマイナスでしかなかったと思う。というか、

 僕にとっては時代の先へ行きすぎていた。

でももしあそこでハートにズキュンと来る主題歌であったなら、きっとそのモチベは負の印象を覆すほどであっただろうとも思えたわけで、返す返すも残念だったという感想になる。人によるとは思うけど、僕の中では

 アニメ本編の価値と、アニソンの価値は、ほぼ同等。

特に子供の頃の作品はその傾向が強くて、大きな声で歌ってればそれで幸せ、みたいなところもあったりしたんだよね。
※ナディアなんかはまさにその真逆。序盤の展開こそ巨大ロボットが出るわけでもなく(万能戦車グラタンは出てくるけど)、ヒロインはわがままで、イマイチ派手さに欠ける展開はコナンにも通じる(終盤未来的になっていくところもソックリ)。しかし、その主題歌はとてもメロディアスで心地よく、本放送時には存在すら知らなかったものの、ビデオで借りた際には、

 全話主題歌とエンディングを見たほど。

※ちなみにこのブルーウォーター
https://www.youtube.com/watch?v=SuujkwWuGVo
の作曲はAKBでも多くの曲を手がけ、秋元康からもっとも信頼されている作曲家の「井上ヨシマサ」が作ってた。そう言われてみれば「大声ダイヤモンド」や「Everydayカチューシャ」など、キャッチーで僕好みの曲と同じDNAを感じたりもする。

そのくらい同じNHKアニメでも導入の印象は違ってたんだけど、、、でも中だるみするところとかまで同じってのもある意味スゲェ。そう、

 コナンは、どうしようもなくタルいパートが多かった。

主題歌さえ最高なら、きっとその負のパートも乗り越えて行けたのだろうに、と思うし、当時であれば「1秒長い」なんて贅沢もまた感じなかったはず。今の目で見てしまうから感じるマイナスと、当時の耳が感じたマイナス。これが僕がコナンの評価を上げきれなかった、上げきれない理由。

ただ、

じゃあ本作が見るに堪えない駄作であったのかと言えば、それは全くもって違うと言える。確かにマイナス点はある。だが、

 クライマックスの盛り上がりは、(当時のアニメであったことを考慮すれば)文字通り異次元のレベルだった。

テレビ放送時のエヴァがそうであったように、再放送時に「発見された」ガンダムがそうであったように、ヤマトが、999がそうであったように、その時代にはあるまじきオーパーツのごとく他作品とクオリティが乖離する物語性と躍動感溢れる作画。

 なるほど今日まで語り継がれるのも頷ける。

僕が「主題歌が嫌いで」否定した側面とは全く別に、素晴らしすぎるキャラと、ダイナミックな展開、気持ちいいハッピーエンドに、それらを支える天才宮崎駿と彼をバックアップする大塚康生のタッグ。初監督作品であるという気負いと、限りある予算と、当時の文法によるいくつかの「古くささ」もあるが、
※ラスト数話は冒頭部に前回のパートを切り貼りして割増ししてたし、「1秒長い」場面も多かったし。

 ここまでやってくれれば十分だ。

中盤まで嫌なヤツのひとりだったモンスリー、彼女のキャラは今でも通じすぎる「純度100%のツンデレ」で、言ってしまえば彼女はアスカ(惣流・アスカ・ラングレー)だ。※っていうかアスカがモンスリーに意図的に似せてるのかも。「アンタバカ!?」のセリフは、モロにモンスリーの「バカね」にかぶる。
ラナはクラリスで、ジムシィや船長の「仲間感」は、ジャンプの「友情」エッセンスに高いシンクロ率を感じさせる。強いて言えばコナンだけが、

 彼オンリーの善良過ぎるキャラ

なのだが、これはNHK初のアニメというしがらみや、宮崎駿監督の子供向けアニメに対するポリシーの現れなんだろうと思う。事実、宮崎監督は庵野監督の作品を酷評していて、その裏には「子供向けならざる場面や設定、キャラクター」があったからだと思われる。

というか、

 もし「見ようかな」という人がいるなら、「全話見る必要はない」と伝えたい。

多少の不鮮明さは生まれるが、13話~17話くらいが僕的にはもう嫌なヤツが出過ぎててパスしたかった感じ。でも19~26話の展開は打って変わって最高。っていうか、

 モンスリー女史がデレていくトコが最高。

もはや彼女のファンであると明言することやぶさかでなし。作画にもそれは出ていて、序盤より終盤の方が明らかに美人で気合いが入っている。そして、

 永井一郎翁の素晴らしさ。

何というか、この作品はもはや彼の作品だったのではないかというくらい、セリフが素晴らしすぎて、見ていてニヤニヤしてしまう。ノリにノって演じているのがめちゃめちゃ伝わってくるし、「たぶんアドリブだろ」と思われる「行間の小声」にもニヤリ。そして、

 クライマックスで愛着が急増するジムシィ。

というかキャラクター(性格)的には序盤から全然嫌なヤツじゃなく、好きだったのだけど、終盤見た目に対する「慣れ」もあり、子豚の「うまそう」に対する愛情もまたニンマリ。

息が詰まるほど力が入る場面、窒息しそうな息苦しい場面は、こちらも手に力がこもる。銃撃で蜂の巣にされそうな場面を、巧みな判断とアニメならではの突飛な作画で回避するのは痛快以外の何物でもない。
※砲台の下にしがみつくとことか(^^

冒険アニメのお手本のようなトルクのある作画の連なりが、見る者をどんどん虜にしていくクライマックスは、掛け値無しで面白かった。でもまぁ負のパートも多かったので、

 クリス評価(マイナス踏まえ)★★★☆

ってところには着地しちゃうかな。

DVDを貸してくれて勧めてくれたnori君には、ホントに大感謝。30数年越しに胸のつかえが取れた思いだったな。

ちなみに僕が一番好きな場面は、20話終盤、モンスリーがコナンたちと一緒に行くことを決断するときの「あなた本当に私を信用してるのね」のセリフ。しびれまくった。モンスリー様大好き!

あ、でもレプカの死に様には結構不満。「あれでホントに死んだの!?」って感じだったもんな。せめて「断末魔の叫び声」のひとつでもあれば、、、。まぁその反省があったからカリオストロ伯爵は叫んだのかも知れないな。

そうそう、ラストのおじいさんとラナのパートも、ナディアのラストにシンクロするな。つかやっぱコナンって偉大な作品だったんだな。

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コメント

こんばんは、クリスさん。

いやはやお疲れさま一。

見る前の世界名作劇場??かよっ
て印象からは、随分と変わったようで
ホットしてます。

モンスリーがデレていくくだりね、
そこね、クリスさんに見てほしかった
とこの、一つね。

なんかやたらよくなってくんだよな。
ホントいいんだよモンスリーが。

コナンが語り継がれるのもわかる。
クライマックスが最高の言葉は、
素直に凄く嬉しいですね。

よかったよかった。

ところで永井一郎爺は誰の声かな?
調べればわかるね。

投稿: nori | 2014年5月10日 (土) 01時02分

こんにちは、クリスさん。

永井一郎翁、波平さん、ダイスね。

もちろんダイス船長の声は、パッとは浮かばないけど
もうそれはぼくらにとっては聞きなれた馴染みのある声で
他にもいろんなアニメで耳にしてるよね。

でもいまさらだけど、その馴染みのあるダイス船長等の
声優さんと一番有名であろう波平と一緒のひととは、
気がつかんかったな。

軽くびっくり。

あと、なんのかんのといって僕もコナン放映から、
15年間たってからやっと、観たわけで、

それまで見なかった理由はクリスさんが
挙げていた理由とほぼ一緒だったなと、

主題歌、コナンが虐待される、地味は、まったく
同感よっぽどのきっかけがなければやはり、
まず見ることのない作品だったなと思うよ。

中学生のころ一つ増えたテレビ局があって
平日6時~7時サイコアーマーゴーバリアンとか、
高速でんじんアルベガスとか真ゲッターロボとか、
のちょいと微妙な感じのアニメの新番組のわくが

6時からで、過去のアニメを6時半から放映してて、
赤銅すずのすけ、一発かんたくん、ガンバの冒険
とかのなかにコナンがあって

ホントチラミしたシーンがギガントの翼を走り回るコナン
だったから、

いつか見ないわけにはいかないと、それでも観賞までには
ビデオ借りるのがもっともっと一般的になる数年後
ということになるのだけど。ビデオデッキすら、ギリギリ家に
なかった時代だし。

話しそれたけどいろいろと思い出したよ。

クリスサンさんは、結局再放送一度もされてない多分
ジャイアントゴーグをビデオ録画コンプリートしてたな、
バイファム、オーガスとか、、、

んなこともね。


投稿: nori | 2014年5月11日 (日) 11時29分

ちすnori君、クリスですども。つかnori君に限っては、「クリス」と呼び捨てにしてもらってもいいですかね?なんつか、

 変なんだよ(^^;。

もし第三者がぶしつけだと思うとしても、

 んなのカンケーねぇよ!

まぁそれはともかく、アニメのユーロビートベストが届いて、シャリバンやシャイダーが超絶良くてウットリ。届く前は「買わなきゃよかったかな~」とか思ってたけど、いざ聞いてみたら、

 宇宙刑事3曲に1150円払える内容だった!(^^

やっぱシャリバンの主題歌が好きだな~。

ま、それはともかくとして。

やっぱnori君も抵抗があったんだよね~って話。「面白くなさそうオーラ」がにじみ出てたというか、

 ルパンともハイジともパンダコパンダとも違う「NHK臭」みたいなのがあった気がする。

今思えばそれは僕らの勝手なイメージでしかなかったわけだけど、やっぱそう思う。

ただその一方で、当時のアニメとして後に名を成す宮崎駿監督の最初の作品にふさわしい「熱量」が注入されていたんだな、とも思うんだよね。それはつまり大塚康生であり、永井一郎であり、小原乃梨子であるわけで、アニメがアニメ=動画であることを十二分に感じさせる作画であり原画だったと思うんだよね。場面展開とかストーリーテリング全てひっくるめて。

全然余談だけど、声優に関しては、現在中三の娘も結構反応するのが愉快。「あ、マスオさんだ」とか。「これ誰だっけ?」みたいな。もちろん今のアニメを見てのことだから、僕らが知らない人の方がきっと多いんだろうけどね。

 まぁ山ちゃんは別格だろうけど。

でも永井一郎翁が死んじゃったと思うと、ホント時代が終わりつつあるって感じがする。野沢雅子さんくらいじゃないかね。最前線で「替えが効かない」人って。一時は野沢那智以外は絶対嫌だって思ってたコブラとかでも、今だと割と近い人が出てきてる気もするし。
※つかコナンも最初一瞬だけだけど野沢雅子かと思ったんだよな。もうルックスだけで。でもよくよく聞いてたらのび太でさ、イメージのギャップって言うか、「のび太もやるときゃやるよな」って思った。

ともかく、勧めて貰ってホントよかったと思うよ。つか他にもなんか絶対あると思うんだよね。nori君がトップをねらえに涙するような、僕にとっての作品がさ。

PS.ちなみにゴーグは再放送してます。一度は間違いなく。バイファムもしてたと思う。オーガスは、、、記憶に薄いかな。バイファムは主題歌と最終話の印象が強いな。全部英語の主題歌ってのもスゲェインパクトだったし、またそれがかっこいい歌だったし、最終話の紙飛行機のシーンは今でも思い出すだけで鳥肌が立つよ。まぁ最終話にグッと来たのはゴーグも同じだけどね。思えばあれが初めて僕が涙を流したアニメだったかも知れないな。

投稿: クリス | 2014年5月12日 (月) 22時40分

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