乃木坂46の歌
新曲のことはよく知らない。以前から「嫌いじゃなかった」曲を、より深く歌詞までかみしめてみたら、思った以上にいい曲だということに気付いた&それ以外のことにも気付いちゃったので、そのことについて触れる。
そもそも乃木坂というのは、デビュー当初から「曲で優遇されている」印象があった。独自の劇場を持たない分、ファンの目に触れる機会はテレビなどのメディアと、握手会にほぼ限られる。
※そりゃ日常生きてりゃ見かけられることもあるだろうけど。
ルックスで言えば確かにAKBよりも完成度が高く、「美人が多い」印象はあるが、それだって他のモデルや若手有名女優と比べて際だって偏差値が高いというわけではない。ただ突っ立てるだけなら、たぶん乃木坂より光を放つ女性はたくさんいるだろう。
だから、その楽曲に対しての重要性も勢い高まってくる。こんなこと言っちゃなんだが、SKEの曲なんてホント(僕みたいなミーハーからしたら)売れるのが理解出来ない曲が多いが、
※乃木坂とは逆に新曲は嫌いじゃないけど。
名古屋という地域柄か、ファンの熱量は、ある意味AKB乃木坂全ての中で最も高い気がする。冷静に考えて、「あの扱い」で、あれだけのランカーを送り込んでるというのは、ホントおかしいと思う。HKTみたいに「イレギュラーなトップ」が率いてるわけでもないのに。
ともかく、ぐるぐるカーテンやおいでシャンプーも嫌いじゃなかったし、走れバイシクルやカップリングの「狼に口笛を」も大好きだ。もっと言うと、
ぶっちゃけシングル曲で嫌いな曲はないと言って良いほどだ。
※まぁバレッタは結構飽きちゃったけど。
そんなこんなで、、、
●気付いたら片思い
http://jplyrics.com/j-pop-lyrics/kidzuitara-kataomoi-pv-kasi-full-mv.html
歌詞を丸ごと貼り付けるのはマズそうなので、一部だけ抜粋するが、
♪人は生まれて何回の出会いがあるの?
今度こそ運命だなんていつも信じて
それでもなぜかすれ違って傷ついて
絶対 恋なんかするもんかとあれから決めていたのに…
紹介された時に興味ない振りをして
無愛想だったのは自分を守るためだった
誕生日もクリスマスもバレンタインデーも
一人でも過ごせる強さを
ようやく身につけたはず
(だめよ)あなたがどこにいるか気になるし
(無理よ)電話掛けて声を聴きたい
(嫌よ)あんなに苦しくてつらい日々
涙だって もう枯れた今の私よ
----
この「普遍性」が僕の心にズキュンと突き刺さった。秋元康は本気でスゲェと。いつまでもこういう「王道ラブストーリーを書ける」ことがスゲェと。永遠にBOYS BE・・・であり続けられるのがスゲェと。
今時こんな女子はいない。だが、今でもこんな女子が居て欲しいと思ってる男子は、
スンゲェいる!
まさに少年コミックにおけるラブストーリーの王道テンプレートの主人公のような、
※少女漫画じゃないのがミソ。
桂正和の描く漫画の主人公のような→当然主人公は男性。
僕が学生の頃、クラスメートに相談された恋愛話のような、
※注:これだけは妄想ではありません。
切なさをかみしめる女の子のかわいさが良く出ていて、
同時に性別を換えた男性目線での共感もにじみ出てる。
ありきたりの言葉で紡いでありつつも、それが薄っぺらじゃないところが秋元康の凄いところだと思う。つまり、
いわゆるビジュアル系ロックシンガーとかが作りそうで「作れない」開き直りが素晴らしく、僕的に突き刺さったトコロ。
今日日「普通」ということはもはや褒め言葉以外の何物でもない。なぜなら「良い」とは言われないから。「悪いか」「普通か」。こんなにも普通な歌詞、こんなにもステロタイプなラブストーリー。
でもって僕が特に好きなのは、「涙だってもう枯れた今の私よ」の部分。「枯れちゃった」でも「枯れてしまった」でもない「枯れた」という突き放すようなキャラ。弱さと強がりが見え隠れするこの短いフレーズが、
その前にある「(だめよ)(無理よ)(嫌よ)」絡んで、歌の中でスゲェ映える。
正直一番の完成度からすると、2番のそれは格段に落ちてしまってハートには届かないのだけど、その辺りもある意味プロっぽいかなぁと思う。しょせん重要なのはラジオでもテレビでも1番だけだって気もするし。また、さっきも書いたけど、
これは男性目線の歌でもある。
つまり、「ファンとして乃木坂ちゃんに片思いしてる」ことをサブリミナルに共感させる、非常にズル賢い歌でもある。何の気なしにテレビを見ていたら、「いつの間にかあなたも彼女たちのことが好きになっちゃってるんだよ」。もはや催眠術のたぐいである。
が、それも商売だし、プロだと思う。
秋元康のパワフルにしてためらいのないマンネリズムは、つまりは王道で、スタンダードで、より多くの訴求対象を得られる切り札なのだ。みんなそれが出来なくなって人気も下がっちゃったりするのに、彼はそれがない。なぜなら、
作詞だけに自分の役割を特化しているから。
これがきっと曲も振り付けも、となるとまた変わってくるのだろうけど、、、。やっぱスゲェな、と。同じようにマンネリでかつ人気が維持できてるのなんて、B’zくらいしかないんじゃないの?ってちょっと思うもの。
※でも彼らは秋元先生ほどハイペースではリリース出来てないのだけど<まぁある意味当然でもあるけど。
そしてもう一つ、
●君の名は希望
https://www.youtube.com/watch?v=CYj2bLGGCPY
これはもうSuperCellの「ヒーロー」とスゲェかぶってるのだけど、軽く引用してみる。まずは「君の名は希望」から、、、
♪僕が君を初めて意識したのは
去年の6月 夏の服に着替えた頃
転がって来たボールを無視してたら
僕が拾うまで
こっちを見て待っていた
透明人間 そう呼ばれてた
僕の存在 気づいてくれたんだ
厚い雲の隙間に光が射して
グラウンドの上 僕にちゃんと影ができた
いつの日からか孤独に慣れていたけど
僕が拒否してた
この世界は美しい
こんなに誰かを恋しくなる
自分がいたなんて
想像もできなかったこと
未来はいつだって
新たなときめきと出会いの場
君の名前は“希望”と今 知った
---------
そんでもって「ヒーロー」
https://www.youtube.com/watch?v=GYmhtVISnfY
♪友達と喋ってるその子の笑顔はあまりに可憐で
その姿は思い描いた漫画のヒロインのようだ
ひとめ見て恋に落ちた
ホンキのホンキで好きになった
でもね 僕の容姿(みてくれ)じゃ
きっと嫌われてしまう
ほらまただ くすくす笑う声
いいんだ そんなの慣れっこだから
忘れてしまえ だけど胸は張り裂けそうだ
~中略~
少女達はささやいた
「あの子さっきからこっち見てる
なんなのあれ 気味悪いわ
近づかないでネクラさん」
すみませんそんなつもりじゃ……
うつむく僕に彼女の声
「私この人知ってる!」
周りは唖然 僕も呆然
「見ちゃったんだな あの机の絵をね
全部キミが描いてたりするの?」
ああ!また笑われる
だけどキミは
「ああいうの好きなんです」
少年はそして出会う
たとえ何億何万光年離れていようがさ
絶対惹かれ合うから
そこにどんな障害があっても
乗り越えていく
それを運命と呼ぶなら
彼はまさにヒーローだ
---------
言うほど似てないと思ったでしょ?でも、
心に投げかけられてくる「形のない何か」は、どちらも同じだと思う。
どちらも、「モテない冴えない男の子」に光を当ててる歌!
僕の妹はSuperCellが大好きなのだけど、彼=RYOさんの書く歌詞ってホント中二のハートに刺さるというか、
※僕中二ね。中身だけだけど。
いかにしてスタイリッシュにカッコワルイことを綴るのか
という点で、秋元康とRYOさんはスゲェ通じるモノがあると思う。っていうか、
二人は同一人物か!?<言い過ぎ
歌の歌詞がひとつの物語として成立する感じ。わずか数分の中に始まりがあってドラマがあって、終わりがある感じ。違いがあるとすれば、
乃木坂はアイコンが実在するアイドルで、
SuperCellは妄想と想像をより容易に許容する二次元ベースだってこと。
しかしまだまだいい歌はあるよな。乃木坂の2曲合わせて★★★☆!言っちゃなんだけど、車の中で聴いててちょっと泣けちゃったからね。
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