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2014年6月17日 (火)

ジャッジの話

最近は伊集院の「のはなしし」をぼつぼつ読んでいる。ホントにぼつぼつなので、まだ数話程度なのだけど、その中に、とあるギョウザ屋の戦略の話があった。

テレビの企画モノとして、3件のギョウザ屋がその売り上げを競い合うという話。最終的勝ったのは、序盤から中盤に掛けて、いくらお客さんが並んでいても作り始めず、行列が伸びてから作り始めたお店。そのやり方で「煽り」、結果お客さんも「美味しいのかと思って」並ぶ。

ふむ。

これだけを読むと、単純にそのお店に対する疑念みたいなものしか浮かびかねないと思うが、僕の感想は二つある。

ひとつは、

 行列の出来る店は、概ね裏切らない

僕はゲームの発売日から昼飯の一風堂まで、行列に並ぶ、ともすれば「行列の先頭に並ぶ」ことをいとわない。それはその行列が、「必ず報われる」ことを知っているからだ。というか、一風堂であっても、僕が通い始めた当初は、それほど行列が出来ていることはなかった。しかし、何度か行って食べているウチに、

 ああ、ここのラーメンは僕の口に合うな

と結論づけた。当然そのあとであれば、行列が出来ていてもその意志は揺らがないから、並ぶのも問題はないということになる。

実際にはその列に釣られて並び始める方もいらっしゃるだろうし、僕自身そういう状況に過去なったことがないとも言い切れないから、まぁ単純に「行列というのはそれだけでアピール効果が高い」そして、「それを商売に利用しようと考えるのは、至って正常な商魂である」と言えると思う。勝つための方法を考えて実践するのは、当然のことだからだ。

ただ、重要な点として、その行列が出来たお店から出てきたお客さんが、

 「並んで食べるほどでもなかったね」

と一言でも言わなかったという点がある。ほんの2、3日前にもテレビでやっていたが、
※坪あたり売り上げが高い店ってヤツ。
一番重要なのは、回転率とか、値段が安いとか、おまかせコースとかじゃなく、

 美味しいか否か。

やり方には物議を醸したとしても、実際そのギョウザ屋が、他の2店舗よりも「不味かった事実があるわけじゃない」。出てきたお客が最低限の満足をしたからこそ、その列は途絶えず、最終的に勝者になりえたのだ。重要なのは、

 実力を活かすマーチャンダイジング

だったということだ。ぶっちゃけ「中には味の全く分からないお客さん」もいただろうとは思うけど。
※並んだからには美味しくないと、、、と自分を無理矢理納得させるパターン。バンゲリングベイ、面白いよ!と友達にいろいろ力説するヤツみたいに。

・・・そしてもう一つは、

 (昔の僕はわからないが)今の僕なら、絶対自分の味覚でジャッジする。

美味しいか美味しくないか。好きか嫌いかを、周りの空気を読まずに口に出せると言う人は、実はそれほど多くない。特にパートさんが善意で東京ディズニーランドからわざわざおみやげに(それも僕がリクエストして)買ってきて貰ったカレー味のポップコーン。これまた善意で少しでも湿気らないようにジップロックに入れて持ってきてもらったものを、

 一口食べて、「ジップロックについた化粧品のニオイがキツくてとても食べられない」と突っ返すことがあなたには出来ますか?

 僕には出来ます。

こういうことなのだ。せっかく買ってきたのに、という気持ちを踏みにじることにはなる。当然そのパートさんはそのニオイに慣れているから、僕が凄くきつく感じたニオイに全く反応しない。

 だが事実は事実。

コンビニのお菓子や、金のカレーが激ウマであったことは以前書いたが、それは、

 実際にそのカレーが美味かったからだ。そして、

 2度目にはもう飽きてしまっていたこともここに書き加えておく。

別のパートさんが、「タピオカ入り杏仁ミルク」一杯280円くらいもする飲み物を買ってきてくれた。値段を聞いた瞬間、「もう二度と買ってこないでくれ」と口にしたが、「たまにはいいでしょ」と言う。僕に変わった飲み物を飲ませたいというこれまた善意で買ってきてくれたものだ。

さすがにこれを残すことはしなかったし、それなりには美味しかったのだが、

 ぶっちゃけ自分が買うとしたら90円は出せない。
※出せて80円まで。

かみさんが以前買ってきた「うなぎ弁当」。うなぎの大きさ厚さ、飯の硬さ、汁の上手さなど、

 どれを取っても「生ゴミ」かと思うほどの激マズさだった。

正直1000円くれると言っても1個食べ終えることは出来ない。タダでももちろんいらない。これだけ貧乏でも、「それ以上にマズい」食べ物。正直「こんなものを売る人間の感性が理解出来ない」と思った。お金と一緒に配っているのか!?「どうか食べて下さいお願いします」・・・。もっともそんな謙虚な店主なら、こんなクソマズイ食べ物を人様に出そうなどとは思うまい。

 死ねと思った。

※ちなみにウナギの量は、吉野家のうな丼の5分の1くらい。あ、面積比でそのくらいで、厚さも3分の1くらいだから、実質15分の1くらい。それでいわゆる「3色とりそぼろ弁当」くらいの大きさなのだから、殺意だって沸こうというモノだ。

行列が出来るようなたこ焼き屋であっても、本当に美味しかったらまた次に行こうと思う。結果つぶれてしまったのなら、やはりその行列は「かりそめ」の行列だったということだ。

昼飯に外食をする人は少なくないと思う。まぁ晩飯でも構わないが、果たして本当にその飯屋の味と価格は、コンビニや吉牛を上回っているのか。僕は屋台で絶対にカラアゲと焼き鳥、ポテトを買わない。というかポテトなんて、

 日常もっと安くて美味しいファーストフードやミニストップのがあるだろ

と心の底の底から思う。
※フランクフルトはよく買う。理由は、コンビニで付けてくれる粒入りマスタードより、屋台の「ぐで~ん」としたヘラで付けるマスタードの方が大好きだから。「大」好きだから。

外食産業や、コンビニの総菜、お菓子もそうだけど、「美味しい」と「安い」を両立できる食べ物を扱う職種はホント大変だろうなと思う。というか、

 両立せずに(高いまま)人を満足させる店というのは、僕にはもはや不要だ。

合成着色料と合成甘味料に洗脳された、悲しき貧乏人というのなら、それはそれでもう仕方ない。だが、

 貧乏人にも、取捨選択出来ることはある。

そして

 その選択は、必ずしも金持ちのそれに劣るものじゃない。

回転寿司でレーンを回ってくる皿は絶対取らない。注文して来たヤツが、「今作ったのじゃない場合」換えさせたことだってある。チョコバナナはカラフルなふりかけは掛けさせないし、「チョコが固まる前の、浸けた直後のヤツ」をすぐもらって食べることにしている。

 同じ値段なら、可能な限り美味しい状態で食べたい。

 当たり前の話。

僕は今日、当たり前の話をしているのだが、その当たり前が通じないことがなんと多いことか。ただだからこそ、今の日本で普通にご飯を食べていられる人も多いのだろうとは思うのだがな。全員が全員ギリギリの勝負を挑み続けられるわけもない。

 だが、自分は挑ませて貰うよ、と。

みんなもそうしろとは言わないんだよな。巡り巡って自分の首を絞める可能性もあることだからな。

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