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2014年7月20日 (日)

アナと雪の女王

お袋から借りたDVD、結局土壇場で見たくなって見てから返した。

 ちょっと泣いた。

でもトータルすると、

 浮き沈みが激しい映画だった

面白くテンションが上がる場面と、居心地の悪さでよどむパート。特に一部を除いた歌のパートの「ダレる感じ」が強くて、

 ああ自分はミュージカルとか、あんま合わないんだな、

と。

でもこれはその昔見た「美女と野獣」にほぼ酷似する。

ディズニーアニメは、ピクサーがトイストーリーを作るまで、CGを使ったと言ってもセルアニメの延長で部分的なもので、美女と野獣やその先駆的作品だったのだけど、その後のアラジンでむしろ歌の部分の重要性が低下し、結果として僕好みの、展開の速い、高密度な物語にシフトしていった。

それでもストーリーはディズニーのそれであり、親子、正確には「母と子供」が安心して楽しめる作風と、勧善懲悪なクライマックスは外さない。

でもやっぱりどんなスタイルも飽きが来るものなのか、

 今、あらためてミュージカルスタイルのディズニー映画に光を当てることにした。

それが結果としてこれほど世界中から熱狂的な支持を得ることになるとは、ジョン・ラセターすら予想だにしてなかったのではないかとも思うのだが、

 傑作というのは、とかくそう言う物なのかも知れない。

僕にとって傑作でなくとも、世界にとってこの作品は間違いなく傑作だと思う。いや、確かに「LET IT GO」が掛かる場面の心理描写には違和感があるし、マッハな展開で二股かよ、と思わせるアナの心模様にも抵抗を禁じ得ないが、

 イイシーンはやっぱスゲェイイんだよな。

エルサが歌うシーンの突き抜けた「気持ちよさ」は、確かに一緒に歌いたくなる気持ちがよくわかる。
※まぁ歌う子供達は誰ひとり抑圧されてはいないだろうが。

「雪だるま作ろう」の歌で、一緒に作ってくれないエルサに対しアナの口にする「♪わかったよー」も結構グッと来る。

ところどころでラプンツェルの白馬マックスにかぶるトナカイスヴェンにもニヤッとさせられるし、

ともすればノイズになりかねない雪だるまオラフの美味しい役所も良い意味でディズニーらしい。

CGのクオリティはもはや美女と野獣の頃とは比べものにならない迫力で、映画館で見ることの意味を強力にアピールしてくるし、

吹き替え声優のクオリティにも全く不満がない。もう一度見るときもまた、吹き替えでいいかな、と思えるほど。

つまり、ぶっちゃけにぶっちゃけてしまうと、

 雪だるま作ろうと、LET IT GOありのままで以外の歌がない方が、僕はたぶん楽しめただろうな、と思った。

「それじゃあアナ雪じゃないじゃん」というご意見も当然あろう。だが僕はそうだ、という話。そして、

 正直に言って「シンドバッド」の方がずっとずーーーーーっと面白かった。

好きか嫌いかは言うに及ばず、僕が嫌いな嫌なヤツも出ないし、テンポもメリハリもあって、歌でよどむこともない。セル系アニメなので、CGの本作とは同列に語りづらいところもあるにはあるけど、

洋物アニメベスト5には入らないかな、というのが僕の、クリスの評価かな。

アナと雪の女王 ★★☆ってところ。良いところは8点レベルだけど、よどみがそれを打ち消してしまった感じ。ラプンツェルのが好き。カンフーパンダやヒックとドラゴンのが好き。レミーのクライマックスのが好き。ウォーリーのが好き。モンスターズインクのが好き。逆に、

トイストーリー、カーズ、ニモ、モンスターズユニバーシティとかよりは全然アナのが好き。

ぶっちゃけ中学生以上の男子男性の評価が気になる。シンドバッドと見比べてみて、ホントの本音で、
※かみさんや彼女の手前ではなく、
アナ雪のが良かったって人は、少ないんじゃないのかなぁ。

 まぁ圧倒的シェアで女性票を勝ち得ているからこそのこの評価なんだろうけど。

つかそう考えると、「女性に受ける」作品ってのは、やっぱ強いというか凄いんだなってことが良くわかった。千と千尋もそうだし、タイタニックもそうだけど、男性票はしょせん「彼女のつきあい」で映画を見る人が多いのかな、って気にさせられた。もちろんみんながそうだって言うんじゃないけど、単純に彼女やかみさん、子供のいない男性が、このアナ雪を見て、

 スゲェよかった!

ってもし言ったとしたら、、、冷静に考えて女性から見てその男性の感覚を評価共感出来るんだろうか。素直に「だよね~最高だよね!」みたいな感じになるには、なにかひっかかりがあるというか、

 正直ちょっとキモいと思うのだけど。

それほどまでにアナ雪は「女性的」な話だった気がするんだよな。つか、

 熱狂的なファンとはとてもじゃないが会話出来そうな気はしないってのは、伊集院のこの映画の感想に凄く通じる感じではあるんだよな。

ウチの娘も近々見ることになるとは思うけど、たぶんヤツもそれほどは評価しないと思うな。いや、わからんけどさ。

あ、でも見て損したって映画じゃないですよ。これは本当です。LET IT GOのとこはホント最高です。っていうか、あの盛り上がりをクライマックスには持って来れなかったのかなぁって気もするんだよな。あと、スタッフロール後のワンカット。嫌いじゃないです。今後の彼の孤独を思うとむしろちょっと涙が出そうになります。


蛇足

もう一回美味しいとこだけ見直して気付いたのだけど、

 ディズニーシーにこの冬スケートリンクが出来そうだよな。

っていうか作らない意味がわからない。まぁ作ったら作ったでお客さんが多すぎて、とても制御出来なくなっちゃうのかも知れないけど、あのラストシーンをリアルに再現したスケートリンクとかあったら、

 ファンなら絶対の絶対に行きたいだろうからな。

もっともオリエンタルランドは全てを商売に直結させないかっこよさがあったりもするから、出来るとしても焦らず次の次の冬になるのかも知れないけどな。

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