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2014年8月 5日 (火)

交通事故

今日僕が昼飯を食っていたら、家のすぐ外でかなり派手な効果音が鳴った。瞬間「事故だ!」と思い、同時に「ウチの車か!?」と思ったら、3mほどの距離で、バイクと車が衝突してた。

 ウチの車じゃなくてよかった、、、って良くない!

すぐさまかみさんに告げ、事故った人に声を掛ける。

「救急車呼びますか!?」

「読んで下さい」

車のドライバーがバイクのドライバーに「大丈夫ですか!?」と必死に声を掛けている。かみさんが軽く動転して、「救急車、救急車って、、、」というので、「119だろ」と僕が電話する。既に話しているのにかみさんがよこから「119!」。大丈夫もう掛けてるから。

こういう時は落ち着かなきゃダメだと自分に言い聞かせる。比較的落ち着いている方だと思うのだが、実際にはそれは見せかけで、ホントはちっとも落ち着いてないことがありそうなので、それも踏まえて「落ち着いているフリをすることで実際に落ち着いてくるかも知れない」と考えながら電話をする。

ここの住所を告げる際、油断して自店のを言いそうになるが、努めて冷静を装い、間違いなく告げる。番地のところで詰まったのは単純に忘れかけていたからだ。

「救急車で運んで欲しい人の年齢と名前を聞いて下さい」

かみさん経由で車のドライバーに聞いて貰う。

「気を失っていてわかりません!」

「それでは何歳くらいに見えますか?」

「僕からは見えません」

かみさん経由でまたもドライバーに聞いて貰う。

「40代に見えます」

他にもいくつか会話を交わした気がするが、ほとんど覚えていない。あまり深く立ち入るのも怖かったし、かといって最低限人間としてやれることはしたつもりだ。

救急車が来る前に、例えば出血がひどい場合は、包帯なりなんなりを持っていくという選択肢もあったが、そうではない。となれば、つまりは「頭を打って気を失っている」可能性が高い。ということは、

 動かすのは得策ではない。

ヘタに動かして今より悪い状況になることも考えられる。そして何より、

 そのトリガーを自分が引くのは絶対に避けたい。

こういう時最低限自分の身を守りたいと考えるのは、別段おかしなことじゃないと僕は思う。人によっては「冷たい」と思うかも知れないけど。

車の状態を一瞥するに、バイクが側面から派手にぶつかったように見えた。つまり、

 普通に走っていた車を、優先順位の低い道から飛び出したバイクがぶつかった

という状況らしかった。

 「車のドライバーがかわいそうだな」

交差点での事故は、どうがんばっても10:0にはならない。そして、いくら相手が悪くても、車とバイクでは、、それもバイクのドライバーが気を失っているような状況では、

 どうしても悪いのは車に見えてしまう。

 たとえ真横から避けようのない(と思える)激突に見舞われたとしても。

いろんなケースを想定してみる。

もし僕が車のドライバーだったら。果たして気がついたバイクのドライバーに、「いきなり横から突っ込んで来やがって、もし助手席に誰か座っていたら、アンタいったいどうするつもりだったんだ!」などと問い詰められるだろうか。真実はわからないにしても、優先道路を走っていて、いきなり脇道から衝突されるというのは、、、

 でも視界が悪かったわけではないんだよな。

で、問題は相手のドライバーが40代に見える、ということ。若気の至りでもなければ、老人ボケでもない。普通考えれば分別の付く年齢で、この道幅で車の脇腹に衝突、当然意図的ではないにしても、

 自分の非を認められる年齢だ。

だが、逆にそちらの立場になってみると、自分は今にも死んでしまうかも知れない状況になっていて、いくら心配してくれているとは言え、結構高そうな
※黒いステーションワゴン。今はそんな呼び方じゃないのか。
車にこちらから突っ込んでしまった。こっちが悪くなると自分の治療費とかも全額自己負担になって、保険も利かなかったんだっけか、、、。

 まぁ頭を打っているから、ここまでのことはなかなか考えられなかったとは思うけど。
ただ、逆に言えば衝突された側、車のドライバーや、最寄りの民家、つまり僕の家の家人が協力的であったのは、気を失ったドライバーとしては僥倖だったとも言える。あの状況は、

1.どうかんがえてもバイクが悪いから、オレが詫びる必要はない。当然修理代も出して貰わないと割に合わないから、とにかくたたき起こさないと。ホラ、起きろ(揺する)。

2.どうかんがえてもバイクが悪いが、ヘタしたらこっちにとばっちりが来かねない。相手は気を失っているようだし、そそくさとこの場からトンズラしよう。

この二つの選択肢もありえなくはない。つまり、

 どっちにしろ、状況次第では死ぬ、もしくは脳に障害が残ってしまうかも知れない。

僕もそれなりに冷静に、極力早く救急車を呼んだが、人によっては焦ってしまって言うべきことを伝えられないこともあるだろう。悪意がなくとも常に最善の選択をとり続けることが出来るとは限らない。

・・・

救急車が来て、次にたぶん警察や、レッカーが来たと思う。バイクはとりあえずその場に放置されたが、仕事から帰ってきた頃にはもうそこにはなかった。

 自分(もしくは自分の知り合い)じゃなくてよかった

とはシミジミ思った。突っ込まれる側はもちろんだが、突っ込む側に自分がならない保証などないのだ。ちょっとした油断や気のゆるみで、「そういうこと」は充分に起こりうる。

 だからこそ「もし自分だったら」を考えて冷静に「自分だったときに周りの人にやってもらいたいこと」をやった。

そりゃもちろんその場に一緒にいて欲しかったとも思うけど、それはさすがに怖い。なにがどうなって自分に責任が降りかかってくるともわからないのだ。

僕の取った選択に、僕は後悔がない。でも、もし僕があの二人のうちどちらかだったときも、後悔のない選択が取れるかどうかはわからない。言えるのは、

 僕も気をつけて運転しよう

これだけだ。

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