娘の運動会にて
中三の娘に「写真を撮りに来て欲しい」と言われた運動会(体育祭)。正直中学生ともなれば、色気づくのが普通で、頭のハゲはじめたクソ親父が学校に来ること自体、「マジウゼェんですけど」みたいな感じになっても不思議はないとも思うのだけど、僕とて中二病のはしくれ。子供の気持ちはわからなくても、
中学生の気持ちはわかる。
とにかく「イイ写真」を撮りたいし、「イイ写真」は娘や、娘の友人からもウケがいい。何度も言うけど、「自分が走ってるところ」とか「組み体操」「ダンス」をしてるところの写真なんざ、本人には一ミリの価値もない。
※注:親御さんにとってはあるかもですけど。
重要なのは、「思い出」として保存に値するシーン
例えば好きな異性であったり、友達とのイイ感じの笑顔であったり、笑える変顔であったり、、、。
そういう写真こそが最も大切で、最も意味がある。
だから子供が小さい頃から意識して演出を加え、最初写るのを嫌がっていた娘にすら、共感を勝ち得るまでになった。
今回の体育祭は中三。これから先、子供たちの自然な写真を親が撮れるチャンスは卒業式しかない。卒業式では、撮った写真をクラスの友達に共有することも難しいし、そもそも自由に撮れるチャンスが果たしてあるかどうかも・・・。
ただまぁウチの娘に関しては、特に「特定の異性」が同学年にいるわけじゃないようなので、主に娘の友人の意向を汲んで、「撮ってあげたい」「撮りたい」と思い僕の母校でもある中学校へ向かった。
ぶっちゃけ自分の時もそうだったけど、種目を見て欲しいとか見て楽しいということはそうない。まぁ小学校の運動会よりは運動神経も発達している分、リレーなどは熱くなってたりはするけど、別段「そっち方面で」秀でてるわけじゃないので、娘的にも特に言うことはないだろう。
なので、「僕らの体育祭」は、つまりは「昼飯後、次の種目が始まるまでのわずかな時間」が、全てであり、勝負ということになる。
時間を合わせて僕が行くと、まだ娘の席周辺には誰もいない。刻々と過ぎる時間にイラ立ちを覚えつつも待っていると、
イケメン発見!
マスクをしていて顔がよく見えないが、漂うオーラが間違いなくイケメンのそれである。
ちなみに僕は中学二年、三年くらいの「男子&女子」が一番好きだ。高校になると、男子は中学より遥かに「非協力的」になるし、女子はエロくて直視できなくなる。中学生でも一年はまだ小学生の延長で子供っぽすぎるし、二年三年くらいが一番、男子は「ピュアさを残しつつ見た目が大きく成長する」し、女子は「化粧したりスレたりしない魅力」がある。だから、男子の写真も率先して撮ったりしたいわけだが、
とりわけイケメンともなれば、後々娘の友人から、
「あの写真、貰えますか?」
とか言われたりして、、、とにかく胸熱なのだ!やっぱそうでなくてはならない。リアル片思い。本人には言えない、でも写真は欲しいっ!
そういうの、マジ最高だからっ!
そんなこんなで写真を撮ったわけだが、正直その時から違和感を禁じ得なかった。
つまり、娘のデジカメ
※画素数は多いが、映像素子の大きさはわからない。
の使い方をよく教えて貰わなかった分、イマイチキレイに撮れているかがわからなかった。
男子3人に「変顔」してもらって撮った写真、じゃれてる男女二人が「イイ感じ」の空気を出していたので、「写真撮らせてーー」って撮った写真。
※ちなみに僕は二人とも知りません。二人には僕が娘の父親であることと、地元の衣料品店の人であることは割れてます。
でもやっぱり違和感があったので、そこから先は一緒に持ってきた自分の、今では化石的に古い5メガピクセルのデジカメに収めていった。
※こういうところ僕もソツがないと思う。使えなかったら、を想定してデジカメとスマホも用意する。スマホの写真は確かに「物によっては」古いデジカメ以上にキレイに撮れるけど、手ぶれ補正の精度や、映像素子の大きさ、本体が加熱によってカメラを停止させてしまうなどのリスクもはらんでいる。
油断はしないのだ。
その後娘と合流し、いくつかのポーズでイイ感じの写真を撮る。その際娘の友人YKNに小声で、「あの人の写真撮って下さい・・」と言われ、
ホラ来た、と思った。
つまり、「あの人」=僕が最初に目を付けたイケメンだったから。特に娘と仲の良いYKNには、「大丈夫もう撮ってあるよ」と。あと、
「出来たら二人で撮ってあげたいけど、それにはYKNの協力が不可欠なのだが」
と言うも、なかなかチャンスに恵まれず、結果「そういう写真」は撮れなかった。
その後も他のクラスの男子や、担任の先生
※結構若くてかわいらしい感じ。「かわいい」ではなく「かわいらしい」と表現したところに、読者諸氏の推理力を問うている。わかるな!?
始まった大縄飛びの写真なども少々収め、その場を後にする。つか、オレが演出して撮った「ジャンプの写真」で、こっそり後ろから「雇われカメラマン」が撮ってたのがちょっと悔しかった。
そりゃアンタのカメラのがイイ写真でしょうよ、と思った。
でも「この写真を作った」のは、オレと子供達だかんな!とも。
どっちの写真だろうと、卒業アルバムに使われて欲しいですけどね。娘にも言ったけど、「これ以上の写真は、そうはないと思う」って感じに撮れたから。
・・・
家に帰って速攻チェックすると、やはりというか何というか、
最初のカメラで撮った写真が全てピンボケ・・・
ああ、あのイケメンくんや変顔してくれた子、ツーショットで撮った写真もピンボケか、YKNにはホント申し訳ないことしたな・・・。
そんなことをひとしきり思いつつ、娘に「謝っておいて」などと伝えたのだが、ショックは別のトコロからやってきた。
「この写真欲しいって言われてんだよね」
娘が僕に言ったのは、あのツーショットのピンボケ写真だった。つかピンボケなので勢いでアップしてしまうが、
※ちなみに言ってしまえば「軽くタッチしてピントを合わせてから強く押す」感じだったのだけど、最近スマホのカメラに慣れてしまって、「軽くタッチして」の部分が抜け落ちてたんだよな。
「楽しそうにじゃれてた」のは、「僕の目にそう映った」のは、
ホントに女の子の方が男の子のことが好きだったから、、、だった
そう思ったら、もういてもたってもいられないくらい悲しくなってきた。っていうか冗談抜きでちょっと泣けた。
この二人はクラスも違う。でも小学校は同じ。ということは9年間の最後の運動会だったかも知れない。高校は別々になってしまうかも知れない。一緒にカメラに写れる最後のチャンスだったかも知れない。
女の子は上半身を男の子の方へ傾けていて、満面の笑み。男の子は恥ずかしそうなはにかみスマイル。
なのにピンボケ!!!!!
マンガかっ!
きっと女の子は僕の写真をスンゲェ胸を膨らませて楽しみに待っていたに違いない。あまつさえ「一回目ピンボケくさかったのでもう一枚」って2回も撮らせて貰ってるんだ!
※見ず知らずの中学生二人を!<だってイイ感じだったんだもん。
それがピンボケ!!!
泣くでしょ。っていうか僕なら泣く。絶対泣く。でもその写真が欲しい。「ピンボケでもいいから欲しいって」と娘が言う。その子も同じだった。
それこそが中学生!付き合ってない二人のツーショット写真!
吐血しそうだったわマジで。「今から二人を呼び出せ!」娘に言ったわ。華麗にスルーだわ<当然。
僕の経験上、もしこれがホントにキレイに撮れてたら、この写真はヘタしたら一生物の宝物になったかも知れない。高校で別々になり、別々の好きな子が出来て、卒業して大学行くなり働くなりして、結婚して子供が出来ても、
思い出の一枚は永遠の一枚。
ピンボケは泣くほど悲しかったけど、たぶん二人には鮮明に見えるはず、、、。そう信じたい。
| 固定リンク
コメント
クリスさんがめっちゃいいお父さんすぎて僕も泣けてきました。
僕もこんなお父さんになりたいな...w
本当に娘さんが羨ましいです( ´ ▽ ` )
投稿: | 2014年9月27日 (土) 01時29分
とても嬉しいコメントありがとうございます>名無しさん
クリスですども。
正直「めちゃいいお父さん」ということはないと思うのですが(^^;、
自分が楽しかったシーンを、子供達にも見て欲しいという
気持ちはありますね。
以下余談です。
木曜の夜、「金曜(前夜)の夕方日暮れ前にクラスメートと校門
の前で肩を組んだ写真とか撮りてぇ」って言ったら、娘は
「めっちゃ楽しそう!」って言ってくれたりもしたんですが、
さすがに何にもない日にいきなり学校に行って写真撮る
わけにもいかないし、娘は僕より普通なので、なかなか
そういうのを先陣切ってやる感じでもなく、結局スルーに
なってしまいました。
彼女にとっていいお父さんかどうかはわかりませんが、
僕自身が中学校生活に対して、並並ならぬ思い入れが
あるのは、間違いないところなのでしょうね(^^;。
投稿: クリス | 2014年9月27日 (土) 23時54分