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2014年11月17日 (月)

「いいらしいよ」の話

オフの友人であるnoriくんがLINEで

 「シドニアの騎士がいいらしいよ」

と送ってくれた。「いいらしいよ」。つまり本人はそれを知らないが、友人がそれを勧めてきている。それを僕に勧めてきたわけだけど、

 これってかなり弱いよな、と今思った。

その時は深く考えず、「シドニアってアニメ?マンガ?何なんだろ。今やってるヤツなのかな。でもあんま今話題に上ってるの見た事もないし、、、」という感じだったのだけど、

 ただでさえ自分以外の人と価値観を共有するのは難しいのに、それが人づてとなるとその弱さは、

 「ほぼゼロに等しい」

特にそれが「桃屋のラー油」みたいに、「多くの人が美味しいと言ってるらしい」とか、自分自身で「テラリアはスゲェ面白いらしい」と発信してるのと違って、

 あまりに情報が少なすぎるよな、と。

僕のブログをずっと読んで来てて、例えばある作品に対して共感し、ある作品に対して意見が合わないなどを繰り返し繰り返しきた果てに、

 「これはクリスにも訴求するかも」

と本人が言うのと、僕のブログを読んだ事もないかも知れない、顔も知らなきゃ話した事も、コメントやメールでやりとりしたことも、性別も年齢も他の趣味も知らない人の、

 「いいらしいよ」

は、結果としてむしろ、

 「よくないらしいよ」と何ら変わらないことに気付いた。

nori君は幼稚園に入る前からの、実家同士は歩いて10秒ほどの距離にある幼なじみだし、その趣味や嗜好、こだわりや共感など、かなりの面で理解してはいる。ただ、

 そのnori君が摂取してないコンテンツというのはどうだろう。

念のために言うが、これはnori君を責めているわけではない。人はつい、「いいらしいよ」を使ってしまうものなのだ。実際僕も使った事があるのだ。

 ただ、それが相手にどういう印象を与えたかを考えた事がなかっただけ。

つまり、

 「いいらしいよ」が持つ負の側面を今さらながらに気付いたという話。

「負の側面」とはつまり、「もしかしたらホントにイイのかも知れないけど、人づてであることがその可能性をむしろマイナスに引っ張ってしまって、結果摂取しなくなってしまう」という可能性が生まれるということだ。

ただ、

今回のケースのように、全く別の第三者から「いいですよ!」と勧められると、これはこれで全く意味が変わってくる。「いいらしいよ」の負の可能性が払拭され、「複数(多数)の人間の支持を得ている」という追い風になる。

まぁ多くの友人知人と頻繁にやりとりするコミュニティを持っている人ならば、むしろその「いいらしい」はそうしたプラスに作用する効果の方が高いかも知れないと思いつつ、昨今ほとんどそうしたコミュニケーションを取ってない自分には、

 やっぱり難しい言葉だよな「いいらしいよ」は、、、。

と思ってしまうんだよな。

・・・

で、その「シドニアの騎士」に関しても以前触れたけど再度触れる。つまり、

●シドニアの騎士~その2~

キャラのモデルは2話を見た段階ではまだ「こなれている」ところまで来ていないが、見ていていろいろ「いいところ」が見えてきて、

 ああなるほど「人に勧めたくなる」のもわかるかも

ただ、一方で、「フックするポイントがどこにあるのか」は冷静に自己分析しておきたい。

 シドニアは、意外と牙狼(初代)っぽい。

誤解する人が5割%くらいいそうな表現だが、実は共通点が多い。

・エロがある
・バトルシーンと日常シーンの温度差がある
・バトルシーンのクオリティが際立って高い
・お金が掛かってるオーラがある
・オープニング曲のタイトルが表題「シドニア」「牙狼」
・CGを巧みに使っている
・カット割りが細かい
・絵的な「かっこよさ」を売りにしている
・主人公がかっこいい上に強い

見ていて「おおかっけーな!」と感じるツボが、牙狼の時に近い気がする。アニメと実写の違いはあれど、そのクオリティは高く、まだ2話までしか見てないながらも、しっかりと1話内で「見せ場」が用意されている点も近い。

物語はシドニアの方がずっと「続き物」感が強いが、
※マンガ原作なので当然と言えば当然なのかも知れないけど。
順番に見ていく限りにおいてその違いはマイナスにはならない。

主題歌の曲調がどこか「サクラ大戦の歌(帝国華撃団だっけ?字が違う?)」を喚起させたけど、こちらは牙狼に軍配。まぁ好みの領域かもだけど。

牙狼より優れているというか、「イイ感じ」なのは、間違いなくヒロイン。というか主人公がモテ属性で、その点少しギャルゲーテイスト。でも正直顔で誰が誰か未だに区別が付かない。やっぱキャラモデリングは弱いと思う。

ロボは、「オーガスの顔にギャプランのフォルム」な感じ。以前どこかで見たような気がしていたのが、ようやっとまとまった。だからなんだって話だけど。

ポリゴンピクチャアズという制作会社の名前に偽りはなく、そっち系の絵作りのクオリティが極めて高い。その分冒頭で「前回のおさらいパート」が長く、実際の尺が短くされてたのはちょっぴり残念ではあったけど、まぁこれだけのクオリティで作ったら「そういうのも」しょうがないのかな、とも。マトリックスのように敵の周りを周回するカメラワークなんて、

 ゾクゾクした。

「質量兵器」というのも、「まさに質量兵器」という風体で愉快だったし、1話同様あまり小難しい話を広げないのも好感が持てる。

 ただ、このままずっと行ける可能性は、、、どうなんだろ

と思ったり。結局マンガ原作だからどこで終わるのかもわからないし、
※むしろ終わらない可能性のが高そう
気持ちいい節目が来て終わってくれればいいけど、、、という懸念が頭をもたげてしまう。

・・・ともかく、

エヴァほどの作家性、オーラはないものの、十分人に勧めたくなるレベルのCG作画の作品であることに疑いの余地はない。nori君も、

 自分で見てから勧めてくれたら、きっとたぶん間違いなく、

 「らしいよ」じゃなくなった

だろうにな~。

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コメント

こんばんは、クリス。

ハハハ。ちらっとは観たんだけどね。

絵がしっかりしてるな~くらいには思ってたんだけど。

今から観ますっ!

投稿: nori | 2014年11月17日 (月) 22時42分

どもnoriくん、クリスです。既に電話で話してるから今さらって感じだけど、見ればそれなり以上にはよかったんじゃないかなぁって思いました。もっとも、好みとか「熱量」という意味では、どうしても「あるラインを超えられない感じ」は否めないですけどね。

余談ですが、寄生獣の2巻(厚いヤツ)をかみさんが借りて来て読了。1巻ほど加速感はないものの、それなりに楽しく読めました。パラサイトたちがあまりに知恵を付けすぎるのも、テンポが悪くなってしまうなという感じ。でも、田村玲子は悪くない。今まであまりいなかったタイプのヒールですが、知的でかっこいいね。強いし。

投稿: クリス | 2014年12月 6日 (土) 21時21分

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