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2015年3月 7日 (土)

娘の中学卒業式

なかなかいい卒業式だった。というか、特にストレスの溜まる事のない卒業式だった。歌の時に声が小さくて「マジメにやれよ」と思う事もなく、寒すぎて泣きそうになることもなく、天気が悪くてテンションが下がることもなく、あ、今気付いた事として、桜が咲いてなかったけど、あれはむしろ入学式の風物詩か。

娘がボッチで孤立するでもなく、先生とかと撮りたい写真がないとかでもなく、以前仲が良かった友達と険悪な雰囲気になってるわけでもなく、かみさんと別の車で来たから、僕だけ「もう少し写真撮っていたい」と気兼ねするでもなく、、、。

式の時の席が悪くて、全然何も見えないということもなく、娘のテンションが低くて、涙のひとつも流れないってなもんでもなく、クラスの集合写真が撮れないということもなく、カメラ目線で撮れないということもなく、男子だけ、女子だけでしか撮れないということもなく、笑顔と泣き顔が混ざり合った感じが心地よい、ホントに「なかなかいい」卒業式だった。

 っていうかほぼベストだったんじゃね?

ってくらいの卒業式だった。

中三の娘に対して、というより、平日に執り行われた分、男親の出席率はそれほど高くなかったのだけど、特に式が終わり、学活が終わったあと、校舎の前でやっきになって写真を撮ってる親、、、

 僕だけだったかも。

それでも娘と一緒に次から次へと撮っていく感じ。スマホやiPodがあれば、自分達で好きなように写真を撮る事は出来る。だけど、

 片手はどうしてもふさがれるし、ポーズも限られる。

10年くらい前のカメラであっても、みんなを笑顔にして収めるのに特に困るということはない。100枚くらい撮って、20枚くらい厳選する感じ。ハンディカムで式を収めたり、娘や息子の晴れ姿だけを収めていく親ももちろんいる。それもほとんどがそうだろう。

 でもそういうのは、それほどハートに残らないと僕は毎度毎度思う。

思い出になる写真、残る写真というのは、文字通り「思い」が「出ている」写真だ。友達や先生や好きな子が「ずっと大人になるまで」そこにあり続ける。二度と会わなくなってしまう友達たちを、最後になってしまうかも知れない別れを、あとから振り返ったときに見つけることが出来る「しるし」だ。

前日の夜10時過ぎに、ふと娘に言った。

「前夜祭的な集まりとかはないんだね。もう少し時間が早ければ、仲のいい友達たちを誘って、西中に写真でも撮りに行ったりしたのにな・・・」

夜の学校というのはなかなかにテンションが上がる。思い出というのは、勝手に出来るタイプのものも確かにあるが、能動的に自分からアクションを起こす事でしか出来ないタイプのものもある。優劣は付けられないが、少なくとも動けば量は増える。

 あと2日という残りわずかな中学生活。増やせるならば増やすのも良いのでは?

最初その話をしたとき、娘は友達と連絡を取り合い、「じゃあいつにする?」と僕に訊いてきた。そう、ここで言うべきは、

 「今でしょ」

※ごめんなさいジッサイはそんな言い方はしてません。かっこつけてしまいました。

軽い驚きと、電話の向こうの友人の上がる熱量を感じつつ、保護者が送り迎えするならいいんじゃね?という空気に押され、

 夜10時過ぎに、中三の女子3人を連れて母校へ・・・

10時半を回った頃だったと思うけど、体育館や職員室には明かりが灯り、先生達が卒業式の準備でもしているかのよう。前夜ってそんなだったんだな、軽く自分達の頃もそうだったのかな~と思う。

ホントかウソかわからないが、「センサーがあるよ」とか言うので、校内に入るのはためらわれた。っていうか、今思えば、もし見つかっても別段悪いことをしているわけでもないし、卒業式の前夜に、想い出作りに来たと言えば、夜の学校、夜の職員室、夜の体育館で、先生達と「オンリーワン」な思い出写真、、、いや、思い出そのものを作ることが出来たかも知れなかったな、と思った。忍び込むというと聞こえは悪いが、

 登校する?

「思わず早く来過ぎちゃった・・・」

二度と着ることはないと思っていた体操服を着て、「寒いね~」なんて言いながら3年間通った校門の前の桜並木。振り向けばあっという間。振り向かなくてもあっという間。友達のひとりが言う、

 「絶対忘れないと思う」

ギリギリまで「男子は誘える子はいないの?」と訊いたけど、結局連絡しなかった。中学時代男女混合のグループで仲良くしてた友達がいた僕としては、絶対男子もいた方が「より良い」思い出になったと思うのだけど、まぁ娘には娘のコミュニティがあり、友人の「常識」や「質」も違ったのかもしれない。

近くの山の上の展望台に登って、数枚の写真を撮り、みんなを送って家に戻る。たかだか1時間ちょっと。遊ぶというほどじゃない、ただ写真を撮りに行っただけの夜。でもこの夜は一生に一度だったと僕は思うし、娘やその友達たちも、きっと僕の戯れ言につきあったことを後悔してないと思う。

つか長男の時も(卒業式前夜じゃないけど)夜中に連れ出して写真撮ったこと、あったしな。

・・・

卒業式、証書授与で何人か見知った顔が見える。最近の卒業式がそうなのか、たまたまこの中学がそうなのかはわからないけど、40インチくらいのテレビが保護者席の近くに数台置かれていて、顔のアップが見えるようになっている。親御さんの中には、そのモニターをずっと録画し続けてる人もいたけど、

 見ないんだって。

まぁあとから見る為に録ってるわけでもないんだけどな。「録りたいから録る」。それもまた卒業式というものだしな。

先生の話、来賓の話、送辞と、さして心に引っかかることもない話が続き、卒業生代表の答辞、、、。

 声が震えてる、、、

涙でしっかりしゃべれない。元生徒会長の女の子。内容も通り一辺倒じゃない、自分の言葉で綴られ、その時の風景が目に浮かぶような、気持ちが手に取るようにわかるような、とてもリアルで、そして瑞々しい言葉の連なり。

 「イイネ」ボタンがあったら押してた。

卒業の歌一曲目は、エグザイルの「道」。卒業のプログラムに書かれた歌詞は、確かに卒業ソング。でも歌ってるのが「職業アーティスト」だと思うと、どこか並べられた言葉に「上っ面さ」を感じてしまう。「みんなイヤって言ってた」とは娘の弁。誰が決めたのやら。
※余談だけど、卒業生を送るときに流れていたGreeeenのキセキの方が、ずっと「泣ける」と思ったわ。その時はインストだったけど。あとはベタだけどアンジェラアキの手紙とか。

 でも旅立ちの日はヨカッタ。

卒業生が前に、在校生が手前に座っていたのだけど、歌の時は中央に指揮者が居て、卒業生と在校生が向かい合う形になる。旅立ちの日は、1番を卒業生の方へ向けて、2番を在校生の方に向いて指揮をして歌った。娘は名簿でたまたま一番後ろの席だったので、

 卒業生の一番前でこの歌を歌った。

常日頃、それほど熱くなることのない娘である。僕が大泣きしてる映画やドラマでもクールに「普通」と言い放つ娘である。今時の中三の娘である。

 その娘が指で涙を拭って歌ってた。

そりゃ僕も泣けるって話。っていうか娘の成長とかそう言うんじゃなくて、

 旅立ちの日にって超いい歌だから。マジで。

●20150305 愛知県の某中学で歌われた「旅立ちの日に」後半

・・・貼ろうとしたけどなんかエラーが出てダメだった。ギャフン。せっかく手間掛けてサイズも小さくしたのに・・・。聴きたかった人、ごめんなさい。

・・・

クラスに戻って、つつがなく学級活動。そのあと油断したらそのままおしまいになってしまいそうだったので、あわてて「先生、集合写真撮りたいんですけど!!」思わずしゃしゃり出る僕。そう言うヤツ。

机を動かしてみんなに並んで貰って、それでもなかなか上手く撮れなかったりもするのだけど、

 僕はこの写真を撮りに、今日学校に来た!

という気持ちで図々しく仕切らせてもらい、何とかいい感じの写真が撮れたので、個人情報とかあるかも知れないけど、貼らせて貰う。
※これも1MBの制約があるのでやや縮小してたりするし、もっと言うと一枚に入りきらなかったので、途中で「2枚を切り貼りして1枚にしてる」けど、まぁ大きな問題にはならないだろう。

150305b_2


←他にもいっぱい良い写真が撮れた。「口を大きく開けて撮ってみよう」とか「小指を二人でくっつけて撮ってみよう」「ジャンプしてみよう」「右手を高くまっすぐ突き上げて」「みんなで左上を指さして」「肩を抱いて」「もっと顔をくっつけて・・・」

昔はこういうことにそれほど協力的じゃなかった娘だけど、あとから振り返ったとき、こういう写真が心に残ってるっていうか、「イイ」んだよね。友達のウケもいい。っていうか、

 「あの面白いお父さん、○○のお父さんだったんだね!」

なんて言われると、ブサイクで髪の毛が薄いクソ親父でも、娘にとってちょっぴり誇らしそうに見える。ぶっちゃけこれを見て「親バカ」だと思う人はまだまだ甘い。

 僕は僕の幸せのために、僕が楽しいからやっているのだ。

学校中でイケメンと評判のショートカットの「女の子」。小学校も同じで、娘ともそこそこ仲がよかったから、当然のように一緒に写真を撮って貰うのだけど、、、

 「壁ドンしてもらえ!」

後ろから女子の歓声(っていうか悲鳴!?)がマジスゲェ。っていうか今日イチの大歓声で、

 オレ、テンションMAX!娘、超ドキドキしてる感じ。

毎日通った弓道場の階段で写真を撮ろうと走って行く、その後ろ姿をパシャリ。

 絵に描いたようなイイ写真。まるで卒業式の日みたい・・・

男子は「パイ」をぶつけ合って、白くなった制服が逆にキレイに見える。

 今日で最後なんだよね。

多くの子が笑ってる中、仲の良かった友達のひとりが、目に涙を浮かべてる。

 「だってこれが最後なんですよぉ」

この子はカワイイ子なので、正直ちょっとズルいと思う。カワイイのにみんな笑ってる中、ひとりだけ涙ぐんでてズルいと思う。

 今思えばその涙を写真に収めておけばよかった。

先生の写真も何枚も撮った。自分の担任はもちろんだけど、2年の時の担任や、仲の良かった先生の写真も・・・。

もう後悔はない?「大丈夫」。僕は学校をあとにした。

・・・

家に帰ってさっそく数回に分けて選別。最後に残った写真を画像調整して、それなりに見えるようにして、そしてそれをUSBメモリに。

 「明日数学を教えてもらいに学校に行く」

ぜひこれを先生に渡してくれ。きっと喜ぶから。イイ写真だから。

 「先生喜んだよ!カメラが壊れてたから嬉しかったって」

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高校はまだ決まってない。それに高校生になったら、ただの変質者かと思われてしまいそうで、そうそう写真も撮れないと思う。だからこれが最後かなとも思いつつ、僕自身後悔が少なくなるようにシャッターを押しまくった。

子供達の卒業式に写真をいっぱい撮る親は少なくないと思う。でも、

 僕ほどイイ写真をたくさん残せた親は、それほど多くないと僕は確信している。

150305c_2


←女子の親だけど、どう、この男子の写真。超イイ写真じゃね?5人の格好がそれぞれ違っていて、学校にもたれてて、でも表情は明るくて、、、。

150305d_2


←あとコレもお気に入り。一番右の男子が特に良い味出してる。っていうか2ショットばっかでこういう大勢の写真撮るのって意外と大変なんだよね。ポージングするのとか「一秒でも無駄に出来ない」時だから、、、。

つかやっぱ女子の親の方が有利だよな。男子の写真も気楽に撮れるから。男子の親だと女子の写真はなかなか撮りづらいもんな。っていうかやっぱ男女混合の写真がもっと欲しかったな。っていうかクラス写真も男女混ぜ混ぜで撮らせて貰いたかったな。っていうかそれやろうとしたら空気悪くなっただろうから無理だな。

 ま、オレ的に★★★★のイベントだったな。娘的にもきっと似たようなもんだったと思う。

もし「内側の人」で写真欲しい人いたら、娘に連絡くれたら回します。っていうか誰が僕のブログを読んでるのかって話ですけど。

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