ちょっと感動した話
大阪仕入れの帰り道。最寄りの駅から実家まで、徒歩8分の道のり。
時刻は夕方の6時半を回ったくらい。日は沈んでるのかな?まだまだ明るくて、夕焼けというほど空は赤くない。
雲は遠くにうっすらと赤みを帯び、風が体を駆け抜けるように強めに流れる。時に向かうように、時に追うように、「勢いの塊」が四方から僕を薙いでいく。
スマホから流れてきたのは、「アクエリオンEVOL君の神話」。爽快感のあるメロディラインと、加速感を煽るテンポの良さ、気持ちの良い歌詞が高揚感を高め、僕はおもむろにボリュームを上げる。
肌にまとう風の波がリズミカルに音楽とシンクロする。サビの歌詞、
風のはじまりの音奏でよう
・
・
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気持ちいい!
気温は18度くらいかな。誰もいない帰り道、僕は空を見上げながら歩く。まだ青みが残ってる空が、徐々に赤みを帯び、
向かい風に汚れない
なんだろね、この感覚は。
別に涙が出るとかトリハダが立つとかじゃない。わかりやすい「感動の症状」が僕にあったわけじゃないんだけど、この
一瞬こそすべて
って気持ちになって、久しくなかったなって思う。
風と光と音楽が気持ちいいこの感覚。
五感が研ぎ澄まれていく感覚
空が飛べるとしたら、こういう時なのかもって思う。
こんな気持ちになれたことになんだか嬉しくなる。
喜びを喜び、悲しみを悲しみ
いのちを生きて目覚めたまま夢見よ
響かせるよずっと この世の果てにまで
ふたり光の舟に乗る 神々の眠りさます風になる
周りの温度と僕の体温がシンクロする錯覚。田舎の小さな町の路地の中に、自分が溶け込んでいくような、目に見える鮮やかさ彩りが徐々に薄れていく黄昏時。
愛してるよずっと ふたり光の舟に乗る
風のはじまりの音奏でよう
僕はこの時、風のはじまりの音を奏でてた気がする。
そんな気がする。
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