ORI AND THE BLIND FOREST~その2~
RPGのように、ダラダラと逃げ道があるタイトルであれば、再開時のハードルはかなり低くなる。「とりあえずちょっと護石マラソンしようかな」とか「スキルポイント少し溜めてからストーリーに手を付けようかな」とか。
しかし、アクションゲームの場合は、、、特にこの歳になって前日のモチベーションが普通にリセットされがちになってたりする場合は、始める際に「よし!やるか!!」と気合いを入れる必要がある。逆に言えば、「気合いが入らない」場合は、そのまま放置してしまうことになる。
※最近の例で言えばバットマンがまさにそれだった。あんなに値段高かったのに、やる気にならないものは仕方ない。
本作もまた、そういった意味で言えば再開に気合いが必要なタイトルであったわけだけど、同時に「昨日はホントに面白かったな~」という思いも去来した。
「あの面白さは本作のピークだったかも知れないな」「続けて遊んでもあそこまで楽しめないかも知れない」「むしろアクションで詰まって捨てゼリフでも吐いてしまうかも・・・」。ネガティブなブレーキと、「でもせっかく面白いって思ったんだから、、」「10時間くらいでクリア出来るらしいし、、、」「今日スルーしちゃったら操作とかいろいろ忘れちゃうだろうし、やらなくなっちゃうだろうな、、、」。ポジティブなアクセルが拮抗し、
アクセルが勝った。
結果それは、
非常に正解だった!
もうね、「面白いとしか言いようがない」。「面白いとしか言いようがない」のだ。つか、下世話な僕みたいな人間からしたら、「なんであんなお涙頂戴の世界観にしたんだろ」とすら思ってしまうほど、
アクションゲームとして良質きわまりない内容だった。
つまりはあのルックス(主人公もなんだかよくわからない白い獣?みたいなのだし)だったから、みんなの目に止まることが出来た、、、のか?
ぶっちゃけ普通にサムスみたいなキャラで、惑星ゼーベスみたいな世界でも、十分過ぎるほど普通に楽しめたはず。ファンタジーで主人公が魔法使いでも全然モチベは保たれたはず。
でも個性がなくて埋もれちゃったかも。
僕の推測だけど、このソフトハウスは、アクションゲームを作る上で必要になる「バランス感覚」に極めて秀でたスキルがあったのだと思う。自らが作るゲームは、誇りを持って勧めることが出来るし、自分たちが遊んで楽しいゲームを提供したい、ストレスになるところ、緊張感を煽るところ、爽快感、焦燥感、達成感、、アクションゲームを楽しむ上で重視されるポイントがどことどこで、それを実現するための取捨選択は何かをしっかり持ってる。
でもそれをそのままマリオ然としたキャラで作っては、埋もれてしまう。
たぶんプロデューサーのスキルが凄く高かったのだと思うのだけど、マイクロソフトの肩書きで、XBOXONEでもリリースし、次世代機に必要十分美麗なドット絵と、よどみのない展開、
ハードという器だけではない、ソフト面での「次世代のアクション」とは何か、それを訴求できる仕上げとは何かを、熟考し、コストも十分に掛け、丁寧に丁寧に仕上げられた「作品」にすること。
手ざわりとして感じたのは、PS3初期にプレイしたリトルビッグプラネット。LBPのプレイフィールを思い出せる人なら、
本作が、「超絶神掛かってるLBPのエディット面」みたいな印象も抱くかも知れない。
そこをスタートとして、モチベーションが高まるグラフィックとシステム、良質な音楽と個性的な世界観をこれでもかと磨き上げていったモノ。
正直言って、ゼノブレイドクロスのあとは、どんなゲームでも楽しめなくなってしまってるんじゃないか、そんな不安すらあったが、
何のことはない、面白いゲームというのは、やっぱり面白いのだ。
僕も大概結構な数のゲームを遊んできたけど、サイドビュー任意スクロール型のマップデザインにおいて、本作より優れている作品は、もしかしたら「ない」かも知れない。スーパーメトロイドも確かにうなるレベルではあったものの、今の目で見たらやや「無駄に迷わせる」ところが気になってしまう気がするし、スチームワールドディグもかなり面白かったけど、ボリューム、メリハリ、アイテムを取得していく課程の「加速感」「高揚感」で及ばない。悪魔城ドラキュラ月下の夜想曲ほど多種多様なモンスター、ボスが登場するわけではないが、その分マップの構造はずっと練られていて、
探索していることが心地いいゲーム
になっている。かと言ってパズル要素が強すぎて興を削がれるということもなく、難しいと思いつつも結局一切ノーヒントで最後までクリアできてしまったということが、何よりそのバランス感覚のすばらしさを物語っていると思う。
※一点だけ「わかんねーよ!」と調べたくなったところがあったけど、最後の最後だったので、「あと4、5回やってみてわかんなかったら、、、もう4、5回やってみよう」という気持ちで臨んだら、まんまと次の回で解法が見つかり、「ウグッやっぱこやつやりおるわ!」ってなった。
ちなみに回収アイテムは、
・エナジーマックスアップ
ポイントを消費することで任意でほとんどいつでもセーブ出来、スキルを上げるとセーブ時にHPが少し回復するようになる。
※回復に絡むのでクールタイムもあるが、10秒程度で全然待てる。
また、溜め攻撃でも消費する。回復は随所にある(時間で復活もする)鉱石や、敵からのドロップ。
全部で15個のうち、14個を集めた。残り一つは、再挑戦不可能なエリアにあった模様だが、そこまでナーバスになってなかったのでさほど悔しくもない。っていうか、僕は溜め攻撃をほとんど使わなかったので、
※つまりセーブ回復にしか使わなかったので
エナジー不足を感じたことは一度もなかったな。
・HPマックスアップ
文字通りのもの。ただし、全部で12個まで取ることが出来るが、
※初期値3なのでマックス15。
マップ内にはそれ以上にある。
少なくとも13個は確認。ミスを許さないわけじゃないみたい。ちなみに、前述のようにセーブを任意で設定出来、かつリスタートが超早いので、
即死トラップや、一撃が超痛い攻撃がメチャメチャ多い。
それでもHPはあるに越したことはないけどね。
・能力アップ
経験値を貯めて手に入れるスキルポイントを、1ポイントそのままもらえる、つまりは「1レベルアップアイテム」。
※それまで溜めたのが無くなるわけじゃない。
スキルは全部で30個くらいあり、3つのレーンで後半に行けば行くほど1スキル辺りに必要なポイントは増えるが、
普通にクリアして25個くらいアンロックした。
取り逃しの能力アップは1つだけ。
※全部で20個だと思われる。
つまり、全てアンロックするには相応の「稼ぎ」が必要になるとも言えるが、ぶっちゃけどのレーンでも詰むことはない。火力が上がれば敵を倒すのは楽になるが、
本作にはボスが一体もいない※後述
なので、特に不可欠ということはないし、「隠し通路が見える」という効果も、アンロックせずにほとんどのアイテムを取得出来た自分には不要だったとも思う。
強いて言えば三つ目のレーンの最終スキル「敵からのダメージを軽減する」が一番魅力的かなぁとも思う程度だけど、これも「なきゃクリア出来ない」ってことはない。
お好みで取得していけばいいけど、とりあえずダメージ軽減もあるから、一番右を早めに取るのがオススメっちゃオススメかな。
前回も書いたけど、クリア後はもうそのファイルをプレイできなくなるので、集めるなら「集められるうちに」というところ。ちなみにアイテムを全て集めなくても、達成率は100%になる。
※再挑戦不可のパートも含め。
・・・
先ほどちょっと触れた「ボスがいない」について。
雑魚に毛が生えたような中ボス(復活しない雑魚)はいるが、姿が巨大で苦労して倒してヤッター!みたいな相手は、本作には一体もいない。
ボスが一体もいないなんて・・・
そう思う人も当然いるだろう。だが、
心配はいらない。
前回も触れたが、ダンジョンのクライマックスには、高揚感を煽るアグレッシブなBGMと一切セーブ出来ない「緊張感のある脱出パート」がある。
ソレ、超イイからっ!
もうね、やってる時の楽しさ、充実感マジパネェからっ!めちゃめちゃ死にまくるし、ファンシーな見た目からは想像を絶するアクションを要求してくるけど、リスタートが早いこと、それまでにないBGMが、まるで洗脳するかのごとくこちらの戦意を高めてくれる。
クリアしたらもう出来なくなるオーラ出まくりのパートゆえに、「クリアするのがもったいない」気持ちにかなりなるのだけど、
心配するな。どうせ簡単にはクリア出来ないから。
スゲェ死んでスゲェ死んで、「そろそろクリアしても惜しくないかな」ってくらいで、下手したら「もうクリアさせてくれてもいいよ?」「頼むからそろそろクリアさせてくれ」「いや、クリアさせて下さいお願いします」くらいのタイミングでクリアさせてくれる。
そのさじ加減、もはや神レベル。
メトロイドやゼルダでも、新しいアイテムを手に入れたらそれまで行けなかったところが行けるようになるという仕掛けは多々あるが、本作では、
・アイテムを手に入れる→そのダンジョンを攻略出来るようになる
だけでなく、
・そのダンジョンをクリアする→全てのマップにその影響が出る
という大がかりな変化もある。つまり、「ここは泳げるようになったら来よう」と思っていても、一気に「泳げるポイント」が増えてくれたりする。
楽しいでしょ、どう考えても。
「そのアクションを使うことで越えられるハードル」というのが、局地的じゃない感じ。
唸らせられる。
そのアクションそのものも、よくある二段ジャンプや泳ぎだけでなく、本作が「発明した」と言って良いユニークなものもあり、控えめに言っても「楽しいとしか言いようがない」。
・・・
エンディングもなかなか良い感じで、ちょっとグッと来たが、ストーリーや世界観なんかは、このゲームの「ゲームらしい面白さ」からしたら、取るに足らない枝葉末節レベルのことだと僕は思う。あくまで本作に興味を持ってもらうためのきっかけに過ぎず、遊んでしまえば、いかにこのゲームが「ゲームとしての面白さ、楽しさ」に満ちているかわかるはず。
本音を言えば満点を付けてもいいかというくらい素晴らしい作品だったのだが、残念な点が二つほどあって、クリス評価は8点のままとする。
ひとつは、
とにかくクラッシュする!
前回も触れたけど、「脱出パート」を終えた後のデモシーンで初回は全てクラッシュ(ゲームの強制終了)した。再開するとまた脱出の前からで、まぁ楽しいからそれほどこれは苦にならないし、二回目は先へ進めたので、致命的というほどではなかったのだけど、
これが最後の最後でも発動。なんと、「クリア」になってしまって、再スタート出来ない状況になってしまった。
※つまり、エンディングを見ることが出来なくなってしまった!
おーいって感じ。だがしかし、本作にはタイトルメニューの中に「シーンを見る」がある。それでクライマックスのデモを見れば、、、
別のところでまたもクラッシュ!
おーい、、、。悲しすぎるだろコレ。悪いのがソフトなのかハードなのかわからないし、軽く検索した限りでは対策も見つからない。
※そもそもそれほど国内で数が売れてるわけじゃないみたいだし。
何とも切ない状況だったのだけど、今はこういう時頼れるヤツがいる。
そう、Youtube!
まんまと、それもHD画質でのプレイ動画が見つかり、無事エンディングも拝むことが出来た。もちろんある意味本末転倒な感じは否めないし、人によっては憤りを感じるところではあると思うが、
それすらも許せてしまうくらいゲームが面白かったのだ。
そしてもうひとつ。これは「あくまで残念」であって、不満とか文句とは違う。それは、、、
SteamとXBOXONEでしか、本作が遊べないということ。
Steamは前述のようにトラブルを抱えている可能性、ONEでのリリースとあって、そこそこのマシンスペックを要求していることもあり、
いくら面白くて、それをみんなに遊んでもらいたいと思っても、そのスベが非常に狭き門であるということ。
ゼノブレイドクロスのように、「ハマれば300時間以上遊べるよ」ということであれば、それこそ本体ごと勧めるのもやぶさかでないが、
さすがに10時間そこそこのゲームにXBOXONEごと買えとはよう言えない。
かと言って「遊ぶのが楽しい」ゲームに、前述の動画を見て満足して、などとは口が裂けても言いたくないし、
ああもったいない。ああもったいな過ぎる・・・。
ちなみに満足度を価格で表すとしたら、
※あくまでクラッシュがなかったとして
5980円くらいは十分あったと思う。
僕のブログを読んだ上で「面白そう」と思って買う分には、Steam定価1980円は絶対後悔させない価格。思い返せば思い返すほど「面白いゲーム」だったのだ。
・・・
ちなみに僕のクリアデータは、
クリア時間12時間17分
死亡回数 437回
前述のようにクラッシュした分が計上されてるかどうかわからないけど、
ま~死んだよ。
上手い人なら初見プレイで8時間切るとか、実績には3時間以内クリアがあるとかもあるけど、ぶっちゃけクリア時間とかはほとんど問題じゃない。というか、
僕が仮に30時間掛けて初見クリアしようと、あなたが5時間で初見クリアしようと、
本作の面白さは全く色あせることはない。
あー面白かった!あ~~面白かったぁ~~~!!!!
スーパーメトロイド、月下の夜想曲と並んで3大メトロヴァニアにオレ認定。こんなゲームがまだ作られるんだなぁって感心するやら驚くやらだよ。シャンティも結構面白かったけど、これ見ちゃうと全然なんだよな。シャンティは英語だし。
娘とかやってくれないかな~。ちょっと骨がありすぎるかなぁ。
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