喪中
まぁ親父が死んだわけです。字面だけ見ると、「そりゃ大変だったなぁ」とか「ご愁傷様」とか「ご冥福をお祈りします」的なことを思ったり書いてくれそうになったりする方もいらっしゃるかも知れませんし、実際多少は大変だったし、多少は泣いたし、冥福を祈るのは僕も同じなのですが、
※ちなみに決して仲が悪いとかではなかったのですが、まぁここ数ヶ月の間骨折リハビリ入院してて、急激に痴呆が進んでしまい、僕が誰かもわからなくなりかけてたし、母上や妹が介護してて、そっちのが大変だろうなぁとも思ったりしていたので、いわゆる「意気消沈」な感じとはちょっと違ったりします。
ただ、さすがにこの3日、4日はブログを書く感じになれず、、、というか、
僕が喪主だったので、通夜と葬式の挨拶をかなりの時間掛けて書いてた。
その甲斐あってか120人ほどの通夜参列者の方には、
かなり泣いて頂くことが出来て、
あと長男に、
「さすが過ぎる!」と号泣してもらって、
ある意味僕らしかったというか、まぁ僕も泣きましたけどね(^^;。
ただ実際のところ、僕がやったことは、人前に立って話をすることと、喪主として先頭に立つことくらいで、弁当やら食事やらの手配とか、隣組の人に頼んで受付やら何やらをお願いすることとか、店のパートさんにお願いして回るようにして貰ったりとか、
さほど大したことはしてない。
全部一人でやるってことになったらそりゃもう大変だっただろうけど、葬儀屋に頼んで自宅やお寺での葬式じゃなかったし、葬儀屋も実家から歩いて行ける距離のところだったし、
通夜の夜、僕一人で式場に泊まって、
※ちなみに豪雨の日
深夜、「ガタッ」とか音が鳴って、結構怖い思いをした程度の話。
※実際はエアコンの通風口だか室外機だかが、強風の時にはガタつくってだけだったみたいだけど、、、っていうか教えといてくれよ!
僕は今45歳で、こうした局面に対峙する同世代、もしくは対峙した同世代もいるかとは思うけど、ぶっちゃけ「人の死」ってのは、「人に寄って全然違う」。悲しみや重み、残された者としてのプレッシャーや事務的な手続き、単純にお金の面で路頭に迷ってしまうケースもあると思うので、今僕が「こうしたらいいよ」とか「これはオススメ」みたいなことを書いても、実際に役に立つかどうかは全くわからない。だけど、
とりあえず自分はこうしておいてよかった
と思うことは書けるので、軽くそれを書いておく。もしかしてもしかしたら、参考になる人がいるかも知れないし。
●身なりを整える
つい先日半年ぶりの床屋に行ったばかりだったのがラッキー。あと滅多に入らない風呂(というかシャワー)に入り、ひげを剃り、ウエストが全く入らなくなっていた礼服を新調。その際、靴下、数珠、ネクタイ、Yシャツ等と並んで、
ベルトと靴も要注意。
ぶっちゃけベルトは、「全く届かないとかそんなレベルを超越するほど短かった」。具体的には、
ウエスト85cmの僕が、ウエスト60cmのベルトをはめようとしてた。
慌てて自店で購入。でも礼服は近所のアオキで購入。つかアオキではタイムリーに半額セール最終日&プレミアム商品券を使うことで、
著しくお得感のある買い物が出来た。
つか風呂とかひげとかは、社会人なら普通にこなしてることだよな。
●いくら掛かるかをしっかり把握する
葬儀屋を使ったケースしか言えないけど、とりあえず打ち合わせの際、どこまでがサービスに含まれていて、どこからが含まれないのかを、それこそ1円単位までしっかり確認する方がイイ。例えばカタログやサイトに「798000円が598000円!」などと書かれていても、
それには香典返しや通夜返し、食事代が含まれていないことが多い。
あと、導師(和尚様)へのお礼?とか、霊柩車出すときは市にお金払わなきゃいけないとか、火葬場の使用料とか、
結構いろいろ掛かる。
特に香典返しは、10人単位で簡単に前後するので、あらかじめ返品可能かどうかとか、追加する際のタイミング
※残りいくつを何時の時点で切ったら、誰が誰に言うのか、みたいなこと
だとかは、しっかり確認して置いた方がイイ。
あと単純に進行表とかも、家族全員がしっかり把握しておいた方が安全。結構簡単に「勘違いする人」が出てきたりするから。
※15時と夕方5時は特に危うい。なぜなら、「17時開始なので1時間前の16時で」という情報が、「16時開始なので1時間前の15時で」とクロスして、本気で曖昧になるから。
●いつ誰が何をしゃべるか把握
今回僕のケースでは、しゃべることはほぼ全て僕がしゃべったのだけど、
※当然和尚さんとか進行の人は別ね。
最近のトレンドでは、通夜:葬式の人数が、7:3くらいで通夜が多かったりする
すなわち、本気で挨拶文を考えるのは通夜の方で、葬式はぶっちゃけ手を抜いても構わない。もっとも、面倒だとなればネットや葬儀屋が持って来る見本丸写しで言ってしまえばそれでおしまいではあるのだけど、
少なくとも僕はそういうの、絶対嫌だったからな。
あと、進行の人とかがありもしない理想の物語を勝手に紡ぐのもマジ勘弁って感じ。「亡くなられた方のご趣味や性格をお教え下さい」みたいなヤツはすなわち、「あとはこっちで適当にねつ造加えるから」ってことなので要注意。あと香典に入れる手紙とかも、下手したらありもしないことを書かれかねないので要注意。
葬儀が終わった後、火葬場に行く時にも少ししゃべるし、火葬場で昼飯を食うとき、三日七日の払いの前にも少ししゃべる。気負い過ぎることはないけど、簡単な定型文をいくつか練習しておくのは無駄じゃないと思う。
僕は、(恥ずかしげもなく言うけど)自分のしゃべる内容に自信があったので、他の人、例えばお袋や妹に何か言わせるとか、弔辞を読んで頂くということは一切しなかった。あと、進行の人に、
てきぱきしゃべってくれ。あと、語尾の気を抜くようなしゃべり方はやめてくれ。
とリクエストしたりした。ただの好みだけど、あの「はっきり言わない方が悼んでる感じがする」みたいな文化は、まっぴらごめん被りたいと思ったんだよな。
それでも2日目人が変わったら「やられちゃった」けど。
●移動時の手配もしっかりと
火葬場に行くバスに何人乗れるとか、急遽来てくれることになった、急遽来れなくなった場合の車およびドライバーの手配とか、単純に葬儀屋と自宅や葬式のあとの振る舞いをする食事会場までの移動手段なども、当然のように把握しておいた方がいい。特に急な増減はそれで車一台変わってくることも全然あるので、マジで要注意な。
●マナーとか作法とかは、割とどうでもいい
これは経験の薄い人が陥りやすいワナなのだけど、ぶっちゃけお焼香の時とか献花の時とか、その他諸々、ちょっとやそっと間違えても何にも問題はない。「ご愁傷様でした」なんて定型文は、口にするのも恥ずかしいお年頃だったこともあるわけで、
黙って頭を下げるだけで、大抵の場面はのり切れる。
あと、宗派やら経験やらの違いで、平気でみんな間違えるし、
全員が正しいと思っていて、全員が違う作法を摂ることもある。
そんなもんなのである。特に「ここだけは気をつけなきゃいけない」みたいなところは、葬儀屋や導師が言ってくれる。逆に、葬儀屋を雇わずに自力でやる場合は、
なおさら細かいことを気にする必要はない。
故人がそう言う作法に異常にうるさい人だった場合で、かつそれを遺族みんなが守りたいと思うのならいざ知らず、大抵の場合故人が口出しすることはないし、
※ちなみにウチの親父はまさに「異常にせっかちで全く気にしない」真逆のタイプだったので、ある意味気楽だった。
自分が喪主になるならなおのこと、「文句は言わせない」で大丈夫。
●夜一人で泊まる場合は、、、
・意外と寒いかも知れないので、簡単な毛布があると良い。
※暑いならクーラー入れればいいだけだけど、なかなかこの季節暖房は入れにくいものよ。
・スマホや携帯の充電器がないと、結構不安になる。これはマジな話。みんなが帰ってから、翌朝まで何もないってのは、結構ツライものなのだ。つか、
テレビはあったけど、なかなか一人で見る気になれなかったりするもんだしな。
・お菓子やジュース、軽食があると安心
そしてこれが重要!↓
・入り口の鍵を掛けていいか確認しておく
宗派によってはダメなこともあるし、全然OKなこともある。あと、自宅で執り行う場合は、夜遅く来る人もいるので要注意。つっても10時くらいまでだろうけど。
つか深夜ひとりで泊まってると、
※遺体は近くにあるけど
結構不安になったりするんだよな。最初は「親父の霊ならまぁ大丈夫だろ」って思ってるんだけど、
そう言やここは葬儀会館だから、親父の霊とは限らないんだよな、、、
とか思い出しちゃうと、結構これが怖くなるからな。
つか他にもいっぱいあるんだろうけど、その辺はお袋と妹がやってくれたので、イマイチ僕から言えることはない。ただ、
●挨拶は、どんなに礼節に反していようと、自分の言葉の方が参列してくれた方に届く
と僕は思う。「皆様のご健康とご多幸を・・・」とか「変わらぬご厚情を賜りたく・・・」みたいなことは、
どうせ言っても聞いてない。
だったら言わなくても大丈夫って話。あと、今日日ネットで例文を見るのは、自分だけじゃないってこともよく肝に銘じておいた方がイイ。
あ、あのサイト見て書いたな
とか思われたら、流す涙もすぐ乾くって話。
僕なんて「ですます」「である」が混在してるのを承知で話してたからね。
そして最後↓
●時間は流れ続ける
どんな時も止まることなく、必ず先へ先へと進んでいく。しゃべるのが大変だなぁとか、焼いちゃうのが悲しいなぁとか、もっと言うと死んで欲しくないなぁとか、死んじゃったなぁとかいろんな思いや、準備があって、例えその過程でミスの一つや二つしたところで、
絶対に通夜と葬式は2日で終わる。
※飛び石でやる人はいるかも知れないけど。
一週間続くこともないし、逃げて逃げ切れるもんでもない。だったら、
過度なプレッシャーはむしろ不要。
名前を書き間違えたからって不合格にする人はいない。挨拶を噛みまくったからってリテイクが掛かるわけでもない。
気にするな。
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気が向いたら通夜の挨拶もアップします。よく書けたと思う文は、みんなに読んで貰いたいし、聞いて貰いたいんだよな。つか妹の娘(中二)にも、「おじちゃんの挨拶でめちゃめちゃ泣けた」つって号泣してくれたからな。
顔で泣いて心はドヤ顔
そんな葬式だったな。つか何度も言うようだけど、悲しくなかった訳じゃないんだぜ?
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コメント
お父様のご冥福をお祈りいたします。
投稿: KC | 2015年7月 6日 (月) 12時44分
ありがとうございます。KCさんはそう言って下さるだろうな~と思っておりました。気を遣わせて申し訳ない。
投稿: クリス | 2015年7月 6日 (月) 21時04分
ご愁傷様です。
かつてこの言葉はなんとなく軽いのでは?と思い、いろいろマナー心得を見たりしたことがあったのですが、けしてそんなことはないとのことで、心よりお悔やみ申し上げるため、使わせていただきます。
自分の父・母は健在ですが、正直クリスさんのお話の前からいつ来てもおかしくはないと思っていました。
そのため、クリスさんの今回の件、自分にとって分かるような・分からないような、でもあえて考えないようにしていることだよな・・・と改めて考えさせられました。
自分は三男なので喪主にはならないと思いますが、それでもその時には裏方などには回らず、クリスさんのように心を尽くしたいと思います。
って、まずは今のうちに親孝行なのですが。って、たまに家に帰ってもほとんど話さないのですが~。猛省。
投稿: ゴロー | 2015年7月 8日 (水) 17時49分
どもですゴローさん、クリスです。「ご愁傷様」の返しを知らないので、
お心遣い感謝です。
と当たり障りのない言葉でご容赦願いたく思います。
僕も「ご愁傷様」に関しては、抵抗があった頃がありましたし、正直言うと、今でもちょっと抵抗があるというか、
本当に親しい方が他界した時には、たぶん別の言葉を口にするのだろうなぁ
と思ったりもします。「ご愁傷様」はあくまで残った遺族に対する言葉で、軽さ重さではない定型文だと思うのですが、本当に親しい人が死んだら、その家族に対しての言葉ではなく、「亡くなった当人に対する言葉」をまず口にするのだろうなぁと。言い換えれば、結局他界した人との距離がある場合は、「ご愁傷様以外言いようがない」ということなのかなぁとも思ったりします。
三男に関しては、僕が長男な分、思うところも違うとは思いますが、当たり前の話自分の親であることに変わりはなく、
長男が20歳の時に親父が死ぬのと、
三男が20歳の時に親父が死ぬのは、
どちらも同じだけの長さ「親がいた」ことに変わりはないわけです。
つまり何が言いたいかと言えば、例えば会社や友人知人の親族ではなく、自分の親や兄弟、家族が他界した際には、
尽くそうと思わなくても尽くしたくなるだろうし、喪主でなくとも弔辞を読みたくなるんじゃないのかな、
ということです。何も一人しか挨拶をしてはいけないわけではありませんし、三男だから悲しさが長男より薄いということもないはずです。
※その後に負う責任の重さは違うかもですが。
親孝行に関しては、もはやそう言う教育を受けてきたかどうかでしか僕からは言えないのですが、自分が子供に親孝行してもらいたいと思ったことがない、そう考えるように自分の親に育てられた、と考えると、僕の両親も、特にそれを期待したり望んだりはしてなかった(してない)のではないかなぁと思ったりします。もちろん親孝行の形にもいろいろありますから、全てが全てってことは断じてないんですけどね。
※親より長生きすることも一つの親孝行ですし、僕のやりたかったこととは言え、結果として僕がみんなに届く言葉を伝えることが出来たことも、お袋にとっては親孝行だったのかも知れませんしね。
自分がどう思っていても、「家族に見守られながら苦しまずに逝けるかどうか」は、運の要素が強いと思います。そう言う意味では、「もしそういう時が来ても」後悔しない接し方をすべきなのかも知れませんね。
わかんないですけども(^^;。
投稿: クリス | 2015年7月 8日 (水) 20時12分