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2015年7月14日 (火)

岩田社長死去

え?え?って感じだった。

ゼノブレイドのミーバースで、「岩田社長ありがとう」みたいなコメントが続けて二つあり、

 「は?」

って感じだったのだけど、そのままたどっていったら、

 11日に腫瘍悪くして亡くなられた

ええええええーーーーって感じ。そりゃ確かに前回のニンテンドーダイレクトでは、若いイケメンが代わりにしゃべってたけど、ゼノクロもスプラトゥーンも「社長が訊く」を継続してやってて、
※読んでないけど6/24にはファイエムifのヤツもアップされてたらしい

何つか、

 そんなに悪かったの!?

って感じだった。山内相談役に見込まれてHAL研の社長になり、任天堂入社してからも2年くらい?あっという間にトップまで登り詰めた男だけど、決して運と社交性だけで駆け上がったわけじゃなくて、

 誰が見ても納得出来る「あの」任天堂の社長だったと思う。

これほど人前に出てしゃべる「ゲーム会社の社長」は後にも先にも居ないだろうし、そのトークにも嫌みがない。実力があって知識があるだけじゃなく、

 一番大事な「ゲーム愛」もあった人だったんだよね。

ウィキペのコピーだけど、

「立場は社長でも、頭はゲーム開発者であり、心はゲーマー」と語って喝采を浴びた、とか、アーケード版以上のなめらかな動きを実現したバルーンファイトは、(アーケード版の)プログラマーがレクチャーを求め、後のスーパーマリオ水中ステージに活かされた、とか、「このまま直していくと2年掛かるが、一から作り直せば1年以内にやります」と危ぶまれていたMOTHER2発売を実現させたとか、、、

 スゲェよマジで。

何つか任天堂ってのは、ある意味みんな天才っていうか、職人っていうか、「つわもの」の集団だったのかなって思う。

ただ、

悲しいか悲しくないかで言えば、悲しくはない。でも驚いた。まだ55歳だったと言うし、荒川さんや山内さんの頃と違って、

 岩田社長の代わりがピンと来ない。

ミヤホンさんが社長というのも、、、まぁ開発者が社長になった代表例が岩田社長なわけだし、「なくはない」と思うけど、もう一人の専務なんかは、

 名前聞いても覚えられない感じ。

社外にだって任天堂の社長になれる器の人間がいるとは到底思えないし、腐っても任天堂。名ばかり社長で毎日ハンコだけ押してた人じゃないだけに、影響はかなり大きいのだろうなぁと思う。

身近なところで言えば、岩田社長じゃなきゃゼノブレイドクロスはリリースされなかったかもなぁと思うし、岩田社長じゃなきゃ高橋組の次回作のことは出てこなかった気がする。もちろんDSの盛り上がりで64の冬の時代を払拭した功績は絶大だとも思うけど、何だろ、

 何か凄く大事な感覚を思い出せないというか、忘れてる気がする。

この業界が岩田社長を失ってしまったことで、何か「特別なマイナス」が発生してることに、自分が気付けないでいるような、、、。

・・・

正直任天堂に限らず、SONYにしてもSTEAMにしても、今の僕が心から欲するようなゲームは、以前と比べてかなり少なくなってしまった。だからもし、今日この瞬間に、

 今後発売されるゲームが全て凍結されてしまう

ような自体になっても、存外(驚きはするだろうが)悲しくないかも知れない、とも思う。ぶっちゃけFFは予定に入っているけど、ドラクエは入ってないし、FFの代わりと言っていいレベルでゼノクロを楽しむことが出来た&FF13には大いに裏切られてしまったわけで。

社長がいたからリリースされることになったタイトルがある一方で、社長がいなくなったことでリリースされることになるタイトルも当然あるかも知れない。任天堂の新ハードやソフトに影響がないわけはないと思う一方で、売り上げやシェアには(マイナスの)影響が出ないかも知れない。

 何がどうなるのかなんて、誰にもわからない。

ただ、

 時間だけは留まることなく流れていく。

僕の親父が死んで、今日法要があったけど、気付けばもう10日以上経っている。岩田社長だけじゃなく、堀井雄二さんも、みやほんさんも、すぎやまこういちさんも、青沼さんも、業界有名人はほとんど僕より年上だし、いつ死んでも何もおかしくない。昨日妹の友人(42歳)がガンで死んだけど、自覚症状は一切無かったと言うし、

 (今のところ)絶対に人は永遠には生きられない。

楽しみにしているシリーズがずっと(同じスタッフで)続いていくなんてことは、ぶっちゃけありえない。同時に、自分がそのシリーズを遊び続けていられるということも、一切の保証はない。
※まぁそう考えるとFFの「商品性」は逆に凄いことだなぁと思うけど。今でも歴としたブランド力が維持されてるってことは。

社長が他界されて、どうなるのか。変わるのか変わらないのかもわからないけど、たぶん明日も太陽は昇り、そして沈む。冥福は祈るが、それはどこかマンガの中のキャラクターの死みたいな、結局自分と「どう関わりがあるのか、ないのかわからない人」の死であること以上の感覚は薄い気がする。

ゼノブレイドクロスを遊ぶことが出来たのは、岩田社長のおかげだと思うから、そこは凄く感謝してる。バルーンファイト、、、というかバルーントリップも大好きだったし、HAL研がなかったら遊べなかったタイトルも結構多い。でもその一方で、僕の毎日に岩田社長は出てこない。伊集院や爆笑問題のように毎週ラジオを楽しみにしているわけでもないし、ハイスコアガールのように唐突に続きが読めなくなったりするのでもない。当然職場や取引先のバイヤーほど血が濃いわけでもないし、、、

 やっぱり「驚いたけど悲しいのとは違う」というのが、岩田社長の死って感じかな。

つかこんな言い方すると、社長が大した人じゃないみたいな感じだけど、

 「驚きもしない」人の方が圧倒的に多いからな。今のゲーム業界だと。

つかやっぱ山内相談役が死んだことを知った時のが悲しかったな。岩田社長は凄い人だったと思うし、氏より凄い経営者はいないかも知れないけど、

 山内相談役は(僕のイメージでは)もっとずっと凄い人だった。

ドラゴンボールの孫悟空と、鳥山明先生くらい違う。

何となく天国で相談役に「いくらなんでも早すぎる」と怒られてそう。「私もそう思います」と言ってそう。

やっぱり冥福は祈る。祈りまくる。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。

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コメント

自分は、ひたすら悲しいと感じました。
偉大な人を亡くしたとかではなくて、まだまだ任天堂社長としてやりたいことばかりを残して、さぞ無念だっただろうと思うと。

なんでこの人なんだろうって思います。

世の中の社長には早朝から幹部に利益を上げろと圧力かけて、結果粉飾決算に導き、多数の社員を不安のどん底に叩き込む者がいる一方で、どうして、楽しませられることをしようと矢面・前面に出てこられる方が先に亡くなってしまうのか。※自分は某大手電機メーカーの社員ではないです。

楽しいことをしたいだけでなく、社長として、利益をあげなければならず、常人では耐えられないプレッシャーの中で立場を下りず最期まで戦い続けた姿は、本当に敬意を払えます。いちリーマンとして、いろいろ自戒する機会となりました。

後任と会社に、氏の遺志が受け継がれるのか、まったく分かりませんが、その無念をわずかでもやわらげられる方向に進んでもらいたいものです。

投稿: ゴロー | 2015年7月14日 (火) 06時47分

どもですゴローさん、クリスですまいど。

>自分は、ひたすら悲しいと感じました。

内面的なことを掘り下げるには、オフでの面識のない方は難しいのかなぁと思いつつ、単純に「価値観の違い」だけでない「何か」も感じたりして、、、。

父親の死について触れた話にも書きましたが、自分は「泣けないと思っていた」んですよ。悲しくないと思っていた。子供の頃死んじゃってたらまた違ったとは思うし、親父がバリバリに仕事して、コミュニケーションを取ってたらまた違ったと思うのですが、僕の中での「死別による悲しさ」というのは、その人への依存度、接触頻度に大きく影響されると思う。ゴローさんが「さぞや無念だったろう」と書かれていたのを見ても、

 そうだったんだろうか

って思ってしまう。歯がみしながら「私にはまだやらなきゃならないことがある。こんなところで死ぬわけには行かない!」そう思って死んじゃったんだろうか。

 僕は全然そう思わなかった。

もちろん事実はわからない。わからないんですけど、僕の中の岩田さんのイメージ、死に直面するまでの課程を想像すると、

 当然のように「出来ることと出来ないことを取捨選択して行動していた」って思う。

交通事故や、火事、突発的な食中毒、ウイルスなどで「予期せぬ死」であるならともかく、腫瘍が見つかった時点で、ある程度は覚悟が生まれ、いろんなことを想定すると思うんですよね。

 ・・・僕より頭のいい人が、「自分の死」についてどう向き合うのかなんて、わかるわけもないんですが。

同時に「僕と社長の距離」も考えてしまう。ゼノクロを遊ばせてくれたことへは感謝するけど、結局これは結果論で、もしかしたら社長の裁量でリリースされなくなったタイトルにも、僕好みのものがあったかも知れない。

 本当に社長が僕にプラスの影響を及ぼしていたかどうかは、考えれば考えるほど不透明になっていく。

それがつまりは「依存度と接触頻度」ってことなんですよね。毎週のように声を聞く伊集院や、毎日のように顔を合わせるパートさんの方が、やっぱり自分に対する影響が大きい。当たり前のことを当たり前に言ってしまいますが、やっぱりそうだと思う。むしろ、

 無念だろうと思う「感情移入」を抜きに、岩田社長の死を悲しく思える理由がわからない。

僕が冷たい人間だからわからないのかも知れないし、「普通は悲しいものでしょ」と言ってしまえばそれまでなのかも知れないけど、僕の感覚だったらまだゼノクロのディレクター?である高橋さんが死んでしまうことの方が悲しい気がする。ブラッドボーンとかダークソウルの宮崎さんが死んじゃうことの方がショックな気がする。

 軍平さんの訃報の方が明確に悲しかった記憶がある。
 ※奇しくも岩田社長とほぼ同い年くらいだった

なんだか人間として欠陥があるような物言いになってしまっているけど、やっぱり悲しくないことを悲しいというのはおかしいし、ゴローさんの感じた悲しさを否定するわけでもない。何なんだろうねこの感覚。ただ、

 ミヤホンさんが死んだら、絶対悲しむと思う。

そういえばイノケンが死んだことを知ったときも結構悲しかったな。彼は僕と同い年で、ビックマウスではあったけど、風のリグレットもDの食卓も普通に楽しめたからな。

気を悪くさせたらゴメンね。つか読み返すと支離滅裂さがパないな。

投稿: クリス | 2015年7月15日 (水) 20時35分

クリスさんに余計な気遣いさせてるのと、フェアじゃないなあと思えてきたから打ち明けますと、私名前変えてますが、昔こちらの常連だったので、当件でクリスさんがおっしゃりたいことは理解できます。性格悪いとか、私が気を悪くすることないです。

むしろ私が書きかけたのが、もっと早く死ぬべき悪人はたくさんいるのに、なんで社長なのか?!でしたから、そちらのが悪質です。
でも本心ですからね〜。
実際命は平等じゃないので亡くなるタイミングも不条理だなと、空しい気持ちです。
ゼノブレイドクロス、コメントしてませんがかなり遊んでいるさいちです。こちらは別途コメントさせて頂こうと思ってます。

投稿: ゴロー | 2015年7月22日 (水) 07時57分

ちすゴローさん

>名前を変えてる

ムムッ(C:川平)!思わず「誰?」って感じで目星をつけてしまったり。違ったら恥ずかしいけど、「n」から始まる人?違うかな。

それはともかく。

確かに「この人より早く死ぬべき人」はいますね。それも凄くたくさん。そういう意味で言えば確かに「早すぎる」。変な言い方ですが、「長生きしてくれても構わない」人でした。

死んだあとだと、誰がなにを言っても何にもならないというか、本人には届かない(届いていてもそれがわからない)じゃないですか。でも岩田社長の場合は、生前からかなり多くの人からその価値を認められ慕われてきたわけだから、なんつか幸せだったのじゃないかなぁと思ったりもします。ゴッホとは違うというか。

こないだキックスターターだっけ?お金集めるヤツでシェンムー3が7億以上集めてましたが、結局その人の価値というのは、「価値を感じてる人」が一番感じてる。鈴木裕氏は、僕の中ではスペハリの鈴木裕氏で止まってるわけで、なんつんだろ、岩田社長も、十分過ぎるほど多くの人に「プラスの価値を抱いてもらった」って気がします。本人の未練や苦しみはわかりませんが、「死を悼まれる」だけで、その人は幸せだよな、と思ったりしますね。それこそ、生きてて「ヘマ」をしてみんなから「死んでたんだ。へ~」なんて言われる可能性だって(トップに立ってたら)あるわけで、、、

 上手く言えないけど、人の生死ってのは「上手く言えなくて当たり前」だと思う次第です。

ゼノクロ、遊んでるみたいでなんだか嬉しいです。「最終回」のネタも既に書いていますが、
※アップは今晩くらいかな
僕にとっては、

 ドール装備やデバイスが、英語表記だったのが一番ダメだった

って感じですね。そこまでで満点の楽しさを享受できたので、不満というのとはちょっと違うかなぁとも思うのですが、あれが日本語だったら、もっとずっと長く遊んでただろうにな、とは思いましたからね~。

今はどの辺りなのかしら?

投稿: クリス | 2015年7月23日 (木) 21時40分

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