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2015年11月24日 (火)

スーパーマリオメーカー~簡単問題~

今日はさすがに短いと思う。っていうかネタがないので引き合いに出した程度の話。ただ、

 内容は軽くない。

「簡単問題」とは、つまりはスキルや、送り手と受け手の抱くイメージ、価値観の違いによって引き起こされる、一種の誤解のことである。作った人が簡単だと思っても、遊んだ人が難しいと思えばそれは難しいのであり、「騙す気がなくても騙されたと思われたら、それは騙されたことになる」というのと似ている。

マリメカにはいくつもの悪しき慣習がある。お互いにいいねしあったり、子供が突発的なデストラップを嬉々として設置したり。詐欺だなんだとまくし立てるのも、たかがゲーム、ある意味悪しき慣習だと言えるかも知れない。

そんな中、僕が最近学び、そしてありがたく感じていることが二つある。ひとつは、「お互いにいいねをし合おう」という相互いいねを呼びかける人の、

 全てが例外なくつまらない

ということ。自分から進んで「踏まなくてもイイよ」と言ってくれているわけだから、まことにありがたい限りである。「面白いからやってみてよ」とか「何点くらいですか?」みたいな、「もしかしてホントに!?」と思わせるブービートラップよりずっとピュアで、もはやトラップではなく「自虐行為」と呼んでも差し支えないくらいだ。

そしてもう一つが、「鬼畜」「クリアできるもんならしてみろ」系のアピール。「クリア率0を目指す」とか言ってくれてる人の面は、

 例外はあるかも知れないが、99.9%以上つまらないと僕は思っている。

つまり、その手のコメントを添えることで、これまた僕が全く楽しめない面をプレイしなくても済むわけだ。まことにありがたい。自分から遊ばなくていいよ、と言ってくれているのだから。

ただ、こちらの場合はさきほどと違ってニーズがあったりもする。世の中には難しければ難しいだけチャレンジのしがいがあるというプレイヤーも(数は多くないが)いるから、そのわずかなパイめがけて突進しているわけだ。簡単で面白い面を目指す方がお互い健康的だと思うが、、、。

ちなみに「99.9%」と書いたのは、1000面に1面くらいは、そうした鬼畜面でも「度が過ぎてむしろ良い」ものもあるからだ。クリア率が0.03%とかで、プレイヤーが1万人を超えてるような面がそれにあたる。そう言う面はさすがに死にまくっても「それだけじゃないオーラ」がにじみ出ていたりするのだ。

で、問題なのはここからだ。

そうした「自ら踏まなくていいようにアピールしてくれている面」に関しては、僕自身がやらないし、やるとしても「最初からクリアする気ゼロ」なので、サクッと「あ、ゴミ」と見切りを付けて止めることが出来る。もちろんいいねはしないし、
※その人が「いいね0」とかならアドバイス的なことを残すこともあるけど、大概にしてクズを作る人は人の話を聞かない愚か者なので、それによって改善したり向上したりはしない。
お互い何も傷つかない。

 だが、それがいつも僕の面をプレイしてコメントを残してくれていたりする人の面だったり、たまたま遊んでいくつかの面がとても面白く、その人に対する信頼が増してしまっていたりするときに出てくる「地雷」が避けられない。

「避けられない」とは、つまりは、「思いっきり踏んでしまう」。

 思いっきり踏んでしまうとは、クリアまで凄く凄ーーーーく苦労してイライラして殺意にまみれて泣きそうになりながらも、止められない「負のスパイラル」に飲み込まれてしまう。

いつも遊んでくれていることに対する感謝があるから、サクッとは止められない。根底に「面白さを共感できるセンス」があると信じてしまう分、逆に始末に負えない。特に、「いわゆる鬼畜ではない難しい面」の時が根が深い。常日頃楽しさをわかちあってるだけに、「絶対的な失態」
※プレイヤーをワナに掛けて楽しむような狂った感性に基づいて作られたワナや、「嘲笑」のサウンドのこと。
がない。だから僕もがんばってしまうし、

 100チャレと違って残機に制限がない分、途中で止めるきっかけがなかったりする。

それが「謎解き面」であるなら、自分なりに解法がわからなくなった時点で「詰み」となって、諦めも付く。クリア出来ないのが明確にわかってなお続ける意味はないから。しかし、テクニックで何とかなりそうな、解法が見えていてそれが出来ない面が辛い。タイミングにしても運にしても、ある程度その面に費やしてしまった情熱や時間を「昇華する」のは、クリアするか、絶対的にムリだと諦めるかの二択しかない。

 クリア出来そうだけど諦めるという選択肢が無くなってしまう。

結果、1時間、2時間とストレスにまみれながらプレイを続け、クリアまでやり通して残るのは、

 悪態だけ。

その面のタイトルに「ハード」とか「鬼畜」とか「激ムズ」などのキーワードがあれば、まだ僕の方の心構えも変わってくる。「僕には解けないレベルの面なのだろうな」と一歩引いて、「一見さん」になることも出来る。だがしかし、

 「楽しい」

とか、

 (僕の面より)「濃くも難しくもない」

とか言われてしまったら、、、

 もうどんな負の感情にまみれようとも、「やり続けるしかない」のだ。

もっと言えば、

 やめるときは、僕がマリメカから足を洗うときという覚悟すら(冗談抜きに)抱いてプレイしてしまうのだ。

・・・

作った人は僕にそんな思いを抱かせようなどとは微塵も抱いていない。これは絶対だ。もっと言えば、作った本人はホントに楽しくて、簡単だと思っていたかも知れない。僕よりスキルが上であればそれもうなずける。しかし、ここがマリメカの難しいところでもあるのだけど、

 仕掛けの方向性によっては、作り手と遊び手の間に、大きな隔たりを生むたぐいの物がある。

これは僕自身作った面(その20など)でも感じつつあったことだが、作ってるときはその都度その仕掛けと対峙し、攻略法や難度の調整をする。その際「この攻略法ならそんなに難しくないな」という答えにたどり着いた時、

 それが初見の人に「どのくらいの時間で見えるものなのか」をじっくりと煮詰め「にくい」のだ。

テストプレイヤーが自分しかいないのもその理由。プロなら自分で作った面を、発売前に必ず、それも複数の人間にプレイしてもらって調整するステップが入るが、マリメカにはそれがない。「このタイミングで跳べば簡単に踏める」そのタイミングを見つけるために必要なステップおよび、試行錯誤がどの程度なのかを、「作り手が想定することが非常に難しい」。

 その人のスキルが高ければ高いほどそれは顕著になる。

僕は結構昔からの読者さんなら知っているかとも思うが、「初心者を蔑ろにする」スタンスを嫌う。難しいのなら難しいことをあらかじめ伝えて欲しい。何度もリトライする可能性が高い仕掛けなら、それを精神的にフォローする用意をして欲しい。具体的にはタイトルに文言を入れることであったり、落ちて死なないようにすること、キノコを増やしたり、回り道を極力短くしたり、中間地点もそのひとつだし、

 徹底的な気遣いをして初めて、「難しい面を一般に公開出来る」と僕は思っている。

難しい面≠鬼畜面。プレイヤーが正解にたどり着くのが難しい面が難しい面だ。何度もリトライを余儀なくされる面が難しい面だ。解法がなかなか見えなくて詰まってしまう面だ。

パズル面だって(人によって異論はあるだろうが)、フェイク(クリアに無関係なパーツ)を入れることに凄く抵抗がある。そんなものはプロは絶対入れない。純度が下がるということは、そのままパズルの質が下がるのと同義だし、考えの妨げになるのは結果としてプラスのストレスにはなり得ないと僕は思う。ちなみに、「3択」みたいなのはフェイクとは違うよ?念のため。迷路とかはフェイクの塊でむしろあるべきだと思うし。

 それでも「詰み」はないに越したことはないけどさ。

・・・

あとこれは僕の方法論であって、一般的なプロの仕事とは違うチューンかも知れないのだが、

 難しい仕掛けは、面の前半に持ってくるか、終盤に持ってくるならそこまで容易に到達出来る(ある種ショートカット的な)サポートが不可欠。

初代で言えば、ワープゾーンがそれにあたるが、ボスが強いゲームも多々あるので一概に正解だとは言わない。

難しい仕掛けを前半に持ってくるのは、、、というか難しさの質にも寄るが、ここで言う難しいは「一回目のクリアまでが大変で、二回目以降は容易になる」タイプのものだと考えて欲しい。「解法さえわかれば簡単」というヤツ。
※何回やっても難しいタイプの仕掛けはむしろ終盤クライマックスの勝負所にこそ似合う)

理由は簡単である。リトライがハードな物を終盤に持って行ってしまうと、そこまでのルートを何度も何度もやらなければならなくなるからだ。ニュアンスで言えば起承転結の起で「難しそうな感じを臭わせ」、承で「かなり難しい仕掛けを抜けたら」、転で「難度の手触りが変わるポイント」を見せつつ、結で「気持ちよく終わらせる」感じ。

 もちろん中間地点がある場合はその限りじゃない。中間地点直後が難しくて、そこから遠のくごとにまた難度は下がって行けばいい。

作るときはそのポイントポイントで作り込むから、個々の難度と全体の中での難度のバランスを見失いがちになる。下手するとそこで上昇係数的に「後半の方が難しくなくちゃ」などという間違った調整を「是」としてしまうかも知れない。

 それは絶対ストレスだと僕は思う。だから僕の面の「×印(死んだポイント)」を見ると、大半が序盤に集中しているはずだ。
※死なない面とかは別よ?

それが気持ちよく遊べる為の「さじ加減」だと思うのだ。

「セーブしてそこだけ集中リトライ」を強いるのなら、やはりこれもタイトルに「セーブ攻略推奨」とか「ハード」もしくはそれに類する文言を入れるべきだと思う。やはり基本何も情報がなければ、
※作り手があまりにクズで、隠しブロックを平気で大量にばらまいてるような輩という情報も、ある意味一つの情報。
普通にプレイして普通にクリアを目指すはず。

 ただ一言、「最後がきついけどがんばって」的な言葉さえあれば、印象は全然変わったはずだ。「確かにきつい」と。「でもがんばろう!」と。

・・・

前も書いたかも知れないけど、「56:スーパーロングコース」も、その文法に則って作っている。入り口の登りが大変。その後の往復がこれまた面倒。でも一旦イージーな二択ルートに入って、中間地点後は一気に転調して難度が上がる。これが「転」であり、同時に中間後なので「序盤難しい」でもある。折れないように最難関ドッスン手前にキノコドカンを置き、最後は気持ちよく1-1ライクな面で癒しつつゴール。

 気遣いの塊のような面なのだが、だからこそ僕が自分で遊んでも楽しめる。

人様の面に自分の求めるものを望むのはお門違いかも知れないが、やっぱりいつも遊んでくれる人の面も遊ばないと失礼だとも思ってしまう。結果としてそれがお互いにマイナスになってしまうリスクがあったとしても、

 それがマリオメーカーだから。

・・・誰が短いって?

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コメント

前々から思っていましたが、やはりクリス氏と私の「面白いステージ」に関する感性には大きな齟齬があるようですね
仰っていることは概ね理解できますし良いね共有ステージ等への感情等の大筋は共感も出来ますが、ステージ構成への考え方や難しいステージに対する意見など、所々私の考えとは真逆の部分もあるようです。

まぁそんな話はすごくどうでもいいので置いておくとして。
一番伝えておきたいことですが、

別に自分に合わないと思った場合は知り合いのものだろうと信頼関係がどうのなんて考えずさっさと抜けていいんですよ。

自分の意思と意地でクリアしたいと感じているならまだしも、無理矢理クリア報告するためにプレイするのは止めたほうがいいです。少なくとも私は誰かを楽しませるために作ったステージをそんな風にプレイされるのは嫌です

ご自分で仰っているように
「人様の面に自分の求めるものを望むのはお門違い」です。合わないならいいねボタンも押さずクリアもせずに抜けるべきです。
「いつも遊んでくれる人の面」だからといって、自分の作ったモノを「つまんねぇ、クソステ、ゴミ」なんて思いながらプレイされていると思うとこちらも嫌な気持ちになります。この話題で書かれているのが私のステージの話かはわかりませんが、同じことです。
そして私のステージの話だった場合は申し訳ありません。不愉快な気持ちにさせてしまったことを謝罪致します

100%純度で同じ感性を持ったプレイヤーなんていません。あなたが以前あるステージで私に苦言を呈したように、私もまたあるステージで文句を言っています。それでも私はあなたのステージの「幾つか」を気に入り、良いね星をつけたりコメントを付けています。私に合わないと思ったステージはプレイしていないか、クリアしても星がついていないはずです。あなたも私のステージの中で幾つかを選び、ありがたいことにコメントを残して下さることもありました。

このゲームは「見知らぬ他人と、互いに面白いと思ったもの&つまらないと感じたものを取捨選択しあって、面白いと思ったものでお互いに遊ぶ」ゲームです。
つまらないと感じたステージに固執してまでクリア報告の義務感を持たなければならないゲームでは決してありません。むしろその方が失礼です

「簡単問題とは、つまりはスキルや、送り手と受け手の抱くイメージ、価値観の違いによって引き起こされる、一種の誤解」…と仰いましたが
ただ単に遊ぶステージ、遊具の取捨選択で誤って自分の好みでないものを選んでしまっているだけです。好みでないと悟ったらすぐに捨てるべきものをいつまでも持っているだけに過ぎません。

そのことを、どうか忘れないでください

目上の方に対し、突然このような文章を書いて申し訳ありません。お許し下さい。

投稿: 匿名希望 | 2015年11月26日 (木) 02時52分

いろいろ言葉を浮かべては飲み込むを繰り返しましたが、最後に残ったのは、

 ゴメンね。

という感じです。「価値観の相違」という言葉でいっしょくたにするのは好きではないのですが、僕が年齢以上にガキだってことと、
※なので最後の「目上の・・・」は全く気にすることはありません。
言われるように、「クリアせずにスルーした面」が、僕に多大な「別のストレス」をもたらした
※気持ち悪さみたいな?
りしたことから、「やっぱり避けられないこと」ってあるなって思いました。そういう意味では、僕にはこのゲームが向いてなかったのかも知れませんし、ご気分を害してしまって本当に「ゴメンね」という感じなのです。

もうすぐクロスに移行するので、たぶん接点はなくなると思います。これまでおつきあい下さってありがとうございました。45歳だけど結局ガキなんだよな。大きな会社や上下関係の明確な部活とかでもまれずに育っちゃったから。

投稿: クリス | 2015年11月26日 (木) 21時52分

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