スマホを落とした場合
昨晩娘が塾から帰ってくる際、「電話してくるかと思った」と言ったら、
「スマホ落としたからムリ」
とシレッと言った。一瞬、
「ご飯コンビニで買ってきたからいい」
くらいのトーンだったので、聞き流しそうになったが、冷静に考えてみるとかなり大変なことだ。当然のトーンで、
「回線止めたよね?」
と言うと、
「は?そんなの知らんし」
ええーーーー!?!?!?それって超マズいんじゃないの?っていうか一般常識(この言葉自体は大嫌いだが)として、パスワードを他人に教えちゃダメなのと同じくらい、携帯やスマホ落としたら一旦まずはロックするなり回線止めるなりするのが「当たり前のこと」なんじゃないの?
「そんな当たり前知らんし」
まぁそうっちゃそうなのか。っていうか本人は落としたショックで他のことは考えられないのかも知れないが、
親としてはそんなわけにはいかない。
なぜなら、「落としたスマホで有料コンテンツを買われまくったりしたら」それこそスマホ代うんぬんのレベルじゃない、
何十万円という請求が来るやも知れないのだ。
昔なら「買って送る」、すなわち「物」にお金が支払われたが、今は「情報」だけでもお金は取られてしまう。今やってるFFのソシャゲーだって課金コンテンツを買おうと思えば安易に買えちゃうのだ。・・・たぶんだけど。
いつ気づいたのか、かみさんには言ったのかなど問いただしてはみたところ、
「朝学校でなくしたことに気づいたから登校中に落としたんだと思う」
「かあちゃんに言ったのは夜6時くらいかな~」
背筋がゾッとする。とりあえず契約うんぬんは全て本人とかみさんが行っているので、僕は暗証番号やらなんやらもわからない。っていうか驚くことに、
本人が自分の携帯番号すら知らない。
止めるもクソもないだろそれじゃ。
ともかく一旦電話してみたところ、「電源が入ってないか電波の届かないところに、、」的ないつものヤツが流れてきて、不安がより強くなる。もし落ちて「壊れていなければ」学校についてから電源を落とすと言っていたスマホは「生きている」はずだ。誰かが拾って何らかの操作をしたからこそ繋がらなくなっている可能性が「高く」感じられる。
これが赤の他人だったら「痛い目見ればいいよ」くらいで済むのだが、自分の子供となればそんなわけにはいかない。とにもかくにも一秒でも早く回線を停止しなければ、枕を高くして眠ることも出来ない。
こういう時ネット環境が充実している我が家はありがたいなぁと思うが、
※3Gの僕のスマホと、Wi-Fiルーター関係の受信機器が、PC3台、PS4、PS3、VITA、3DSに、長男のお古のi_Phone4、僕のお古のネクサス、友人から買ったSONYのタブレット。ネットが使えなくなったら「窒息ししそう」なレベルだ。
即座にソフトバンクのサポート(24時間)に掛け、電話番号と暗証番号で止められるという。
「・・・暗証番号がない」
本人も全然知ったこっちゃない感じで、軽くムカつくが、今はそんな話をしている時ではない。仕事で出先だったかみさんに電話し、しばらく繋がらずに30分後くらいに掛かってきて、「ここを探せ」という場所を探しまくったあげくに見つからない。試しにそれっぽい数字(かみさんや長男の暗証番号)を入れてもダメで、娘に、
もし「4桁の数字を入れろ」と言われたとき、入れる可能性がある数字は?
という機転の利いた質問を投げ、見事にソレがBINGO!まさにこういう時に使う言葉だな、と今になって思うが、そのときはそんなことを言う余裕はない。ともかく、まずは止めることが出来た。
今日一日でどの程度「使われたのか」もしくは「使われていないのか」はわからないが、ひとまずは枕を高くして眠れる。
本人は「人生オワタ」レベルのショックで何も手に付かずにマンガを読んでる(手に付いてるじゃん!)だけだが、
元気づけられるカードは今の僕にはない。基本貧乏だしな。
・・・
翌日、ふと思い立って「警察に届け出がないか」訊いてみることにした。スマホなんて美味しいおもちゃ、拾ったって届けるバカはいないだろ、と考えるのは簡単だが、可能性の問題は軽視しない。ダメで元々なのだ。
たまたま落とした付近に交番があったので、そこの電話番号を聞こうとしたら、「落とし物は全てこちらに集められる」というので、状況と機種やカバーなどの話をまくし立て、ひとしきり熱弁を終えると、
「たぶんこれですね」
の言葉が!ただ、画面がロックされていて、その解除方法がわからないので、最終的な判断が下せず、本人ではないのでひとまずは返せないという。そりゃそうだ。それは期待していない。ただ、一両日中の間にここから他の場所に搬送されるということもないみたいだし、
まずは凄くホッとする。
拾ってくれた人にお礼で1万円くらい支払いたい気持ちになったが、善意で届けてくれて、連絡先も言っていかなかったという。何か申し訳ないやらありがたいやら。
ただ、ここで軽く疑念も湧く。
もし落とした時点で電源が落とされていないのなら、こちらから掛けた時点で着信および、何らかの反応が返ってきてもいいはずだ。電波の届かないような立地ではないし。ただ、本当に善意で、操作うんぬんを一切していなかった場合、
壊れている可能性も捨てきれない。
恐ろしい。だがこれも「何十万」と秤に掛ければ、それほど凶悪ということもない。不幸中の幸いレベルだ。しばらく娘の小遣いが減り、僕がちょっとだけ助力し、かみさんが渋々サイフのヒモをゆるめる程度で済むはずだ。
そのときはまだ娘が学校なので詳しいことはわからなかったけどな。
---------
しかし一旦スマホなりネットなりのある暮らしに慣れると、それが無くなったときの「空虚感」というか「虚無感」というかがハンパない。それこそ半身をもがれたような感覚になるのもうなずける。
ただ、僕もある時期そうした状況に身を置いたが、「覚悟」があれば、案外平気だったりもする。
娘にそれがあったとは言わないけどな。
| 固定リンク
コメント