ピクセル
映画館で見損ねてしまったので、レンタル開始をそれなりに待ち焦がれていたが、いざ借りる段になると軽く及び腰。でもせっかくだしということで借りて見た。
思った通りの微妙さ。
当たり前のことを当たり前に言うけど、映画というのは「見ないと見たことにならない」。見てもないのにその映画を「見るまでもない」と切り捨てるのは、愚か極まりないし、さすがに僕にも出来ないことだが、
この映画はまさにそういう映画だった。
つまり、
見なくても10割方想像通りというか、良い面も悪い面も思った通りだった。
クリス・コロンバスが子供の頃楽しんだと思われるアーケードゲームを、大いにリスペクト&フィーチャーしつつ、今風の派手なSFXで「ドット(ピクセル)化」した作品。
つまり、
非常にオナニー臭が強い。
とにもかくにも自己満足というか、「オタク度」が出過ぎてて、例えば本作で取り上げられるメインタイトルが「ギャラガ」「パックマン」「ドンキーコング」まではいいとしても、「センチピード」「Qバート」はどうなんだろうと思ってしまう。アメリカでは大ヒットだったって話を聞いたことはないし>Qバート。センチピードだったらまだミサイルコマンドの方がメジャーな気がする。あくまで僕の気のせいかも知れないが。
話的には、主人公が子供の頃参加したゲーム大会のイベントで、その模様を録画した映像を宇宙に送った。そして20年後くらいに、その映像を見て「地球人の宣戦布告」だと勘違いしたエイリアンが、その時のキャラクターを模した「電子体」みたいなモンスターを地球に送り込み、「先に3勝した方が勝ち」もし地球が負けたら、我々が地球を貰う、みたいな、、、
書いていて軽く鬱になる内容。
まるでゴーストバスターズのような風体の「アーケーダー」は、正直かっこいいとは言えず、主人公の声優も、
誰かは分からないけど、これがベストじゃない気しかしない
※ちなみに柳沢慎吾だった
とか、
神谷明久々だな。
とか。つか神谷明は悪くはないのだけど、「オマエはもう死んでいる<うろ覚え」とか「アタタタタ」みたいなセリフを恥ずかしげもなく言わせちゃうあたり、
※まさかアドリブじゃないと思うけど、アドリブかも。彼ならやりかねない。
コロンバス監督のせいなのか、日本語キャスティングスタッフのせいなのかわからないけど、
かなり気持ち悪い。
何つか「マジメに不真面目しました」とドヤ顔で言ってる感じで、背筋がゾッとする感じがする。
ヒロインは39歳ミシェル・モナハン。どっかで見たことあると思ったら、イーグルアイの母親役で、今回の方が(歳は行ってても)メイクで若作り。なかなかの美人役というか、ギャラクシークエストのシガニー・ウィーバー的ルックスと言えば分かる人にはわかるかも。つかこの人は他にもいっぱい見たことある作品に出てて、ちょっとビックリしたな。
脇役では、まさについこないだ見たばかりのショーン・ビーンや、前述したゴーストバスターズのダン・エイクロイド、僕は気づかなかったけど宮本茂御大も出てたようで、
金に任せて好き勝手してる感
が随所に出まくってた。
・・・
全体的に気持ち悪いオナニー映画の域を出ないが、ドットのエフェクトは新鮮かつ心地よい手触りがあり、絵的な満足感は高かった。同型作品としてシュガーラッシュがあるが、あれほど映画オリジナルなキャラを全面に押し出しているわけじゃなく、かつ強引な感動を演出しようともしてない点はむしろ潔くて好き。つか、デブのオタクが美人とハッピーエンドを迎えるとことか、
むしろ欲望に正直でちょっと安心するレベル。
ところどころでテンポが失速したり、あまりの気持ち悪さに目を背けたくなるところも無くはなかったけど、冒頭に書いた通り、「見なければ語れない」。僕はこの映画について書きたかったし、内容も知りたかったから、「きっと自己満足の塊なんだろうな」と思いながら借りて、そして見たが、結果その通りだったとしても、まぁ何も問題はないって感じだな。
つかウィキペ読んでたら、コロンバスの趣味というより、主演のアダム・サンドラ-がプロデューサーを務め原作もある作品だった。まぁどこまでが原作からの出自だったかはわからないけども。
クリス評価は★★くらいかな~。ミシェル・モナハンの側転?がかっこよかったのと、デブのオタクが美人と上手く行ったのが良かった。あと子供の頃の友情が大人になっても維持されてるのもよかったし、ぶっちゃけ、
アーケードゲームをネタにしなくてもそこそこよかったと思う。
むしろドンキーやパックマンが出てきたからどうだというか、むしろそこはオリジナルにしてオナニー臭を抑えた方が、映画としては素直に楽しめる作品になったんじゃないの?って気がしたかも。それと、音楽はシュガーラッシュの人がやったらしいけど、
これこそオリジナルの曲をもっと派手にアレンジ&フィーチャーしてBGMにして欲しかったな。
ところどころ流れたりもするけど、もっとバリバリ全面に押し出して。それだけで雰囲気は一気に変わったと思うし、「ゲームを題材にしてる感」が強く出た気がしたな。
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