13F
今日4本目。頭痛がなければ結構見られるもんだな、と。「発掘良品」みたいなコーナーに刺さってた一本で、
おぼろげに記憶に残ってる「仮想現実」映画。
製作総指揮にローランド・エメリッヒの文字を見て借りる気になった。
正直「見たことがあるかどうか」も覚えてなかったが、ジュピター→ウォシャウスキー姉弟→マトリックスの流れで、何となく仮想現実というキーワードにフックし、借りてきたのだけど、
人間ってホントに老いるんだな、と実感した。
つまり、
僕はこの映画の内容を1から10まで覚えてなかった。
「2005年11月」にブログとして書いているのに。
11年ほどの間に、僕はこの映画のことを「仮想現実の映画」「面白いと当時言われてた気がする」この二つのキーワードしか思い出せなくなってた。キャストも監督もなぜ「13階」なのかももちろん思い出せず、そんなかすかすぎる記憶を伝って当時のブログを読み返したら、
★★★(3/5)
と言う表記が。こりゃホントに昔の話だ。まるで浦島太郎になったような感じだ。でもって、
この映画の感想に相応しい感想だ。
本作は1937年に設定された仮想現実世界にトリップするような話で、最後の最後いろんなつじつまが合うことを当時(2005年)の僕は評価してた。
そして今の僕もそうだ。
何て言うか、マトリックスのように「僕が僕であることを同じ気持ち同じ感想によって裏付ける」ような奇妙な感覚。何一つ覚えていることがないのに、僕はまた同じ映画を見て同じ感想を抱いた。
11年経っても全く成長してなかったということでもあるが。
っていうか記憶力に関しては完全に劣化しているとも言えるか。
ともかく、本作は今見ても十分過ぎるほどの傑作であった。っていうか評価だけで言えば、
★★★☆(7/10)に上げたっていいくらい。
以前見た時より「この手の映画」に慣れたせいか、話がわからなくなることもなく、
※これがある種の既視感なのかも知れないが
最初から最後まできっちり見続けることが出来た。そして、
かなりスッキリした。
直前に「サボタージュ」などという何とも微妙な、「歳食ったハリウッド俳優が冴えない演技で過去の栄光にすがってる様にしか見えないアクション映画」を見たばかりだから余計そう感じたのかも知れないが、
誰一人知ってる俳優がいなくても、監督すらも誰かわからなくても、音楽作ってる人も作ってる会社も、、、
今のこの世界で作られた映画じゃなかったとしても、、、
僕はこの映画を楽しむことが出来た。なんかそれが愉快で面白い。
あらすじがそのままネタバレになってしまう可能性を当時の僕も懸念し、特に詳細な感想を書かなかったが、つまりは(当時と同じに)「仮想現実」の映画だ。「マトリックス」みたいな、「マイノリティリポート」みたいな映画を想像して見れば、大きく外すことはない。個人的に主人公の声優がインデペンデンスデイやジュラシックパークのジェフ・ゴールドブラムで耳馴染みのある大塚芳忠氏がやってたのも凄く好印象だった。この人の声は凄くかっこよくて落ち着くんだよな。
※山ちゃんは最近「キムタク化」してきてる気がしてあんま好きじゃない。「山寺宏一がやると全部山寺宏一になっちゃう」感じみたいな。そんなことないんだけども。
ヒロインはシーンによってブサイクにもキュートにも美人にも化けるとてもイイ感じの女優グレッチェン・モルという人。華がが無いときもあって、使い手(監督)次第で良くも悪くもなる感じだったので、他にメジャーな作品がないのもかわいそうだけど頷ける。
ちなみに監督ジョセフ・ラスナックは他にめぼしい作品を撮ってないのだけど、やっぱり不幸だったのは本作が「マトリックスの2ヶ月後」の公開だったことだろうな。「真似て作れる期間」があったわけはないのだけど、どうしても二番煎じ感は出てしまう。こんなにイイ映画なのにホント残念。
ともかく、「8点を期待しなければ」十分面白い作品なので、「5点くらいを期待して」借りてくることをオススメしたい。そしたらたぶん裏切られることもなく、幸せな時間と感想を抱くことが出来るだろう。
しかし俳優も監督もホント知らないもんな。製作総指揮のエメリッヒ以外マジで「別世界」の作品って感じだよ。
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