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2016年5月26日 (木)

バケモノの子

娘が何か映画が見たいというので、借りてきた。友人が「普通に面白かったですよ」と言っていたので、そこそこ期待しつつ。

つっても前作である「オオカミ子供のレイン&スノウ」があまりにも微妙というか、

 しゃらくさかった

ため、大きな期待はしない。っていうか、予告を見る限り、

 サマーウォーズを超えているとは到底思えなかったし。

しかし、娘も高二である。僕はつい先日46歳になったばかり。僕がトム・クルーズや役所広司ばりの素敵なおじさまであるならいざ知らず、ハゲかかったブサイクである状況で「座椅子を並べて二人で映画を見る」というのは、なかなかに貴重であり、娘のクオリティはさておき、世の中年親父としては、ある意味憧れるシチュエーションではなかろうか。まぁそれもあと1年かそこらの間だとは思うけども。
※卒業したら家を出そうだし

ともかく、そんなことでセンチな気分になったりもせず、のらりくらりと見始める。冒頭の第一印象は、

・絵がキレイ!っていうかCG使いまくりだな
・熊鉄の声優がなかなかシブくて良い>役所広司でした
・九太の声優は露骨に女の子だね、松たか子かな>宮崎あおいでした

全体的に本職声優ではなく、芸能人声優を使ってる感が凄く強く、コレは誰だろう的な話が凄く出た。これは「その話題で盛り上がる」という意味のポジティブな感想ではなく、

 つまりは物語から阻害されている悪しき状況。

結局ジブリもそうなのだけど、今の世の中宣伝が全てなんだよね。芸能人を声優に使えば、少なくとも本職よりはテレビとかの露出が期待出来るし、それ絡みのニーズが見込める。制作委員会方式で作る大多数のアニメは、そういった流れの上で作られるから、単純に監督の一存で決められるわけじゃないんだろうな、と。

 まぁタタラの声優が「割としっくり来るなぁ」と思いつつ、最後のロールで、「大泉洋だったのか~」って僕が言ったら、娘が、

 「今更感パネェんだけど」

とバッサリ。どこをどう聞いても大泉洋だろと。まぁ僕的にはしっくり聞けたからいいですけど。あと大嫌いなリリー・フランキーも、彼だと分からずに聞けたのはよかったけど、あとあと、

 津川雅彦の津川雅彦らしさはホント別格だな、と。

役柄的にもスゲェ良かったし。ヨーダかよっ!的な。つか宗士様代わる必要全くなくね?みたいな。

話的には、両親が離婚して(父親が家を出た形?)母親が事故で他界した9歳の少年が、祖父母と一緒に暮らすのを拒み、街をふらついていたとき、人間界とは別の、獣たちが住む世界の住人と接触。興味本位であとをついて行ったのち、紆余曲折あってそこで暮らし始める。みたいな。

獣の世界では、スゲェ偉い宗士様ってのがいて、今度その人が神様に転職するので、次代の宗士を選ぶ話が盛り上がっており、その勝負をする片割れが、さっきの男の子が転がり込んだ熊鉄というぶっきらぼうな熊のバケモノ。男の子は強くなりたかったし、

 とても頭が良く、理解力に優れていたため、
※超重要

お互いがお互いの足りないところをフォローし合うように成長していく。そして8年が過ぎた頃、
※それまで勝負はずっと放置かよ、と今思ったけど
それなりに強くなった九太は人間界でもっと学びたいという衝動に駆られ、家を出てしまう。心にぽっかりと大きな穴が空いたまま、熊鉄は宗士様になる勝負に挑むのだが、、、。

 これであらすじの5割。

大事なところははしょってるし、このレベルは予告を見てもそこそこイメージ出来ると思うので、特に「読んだから見なくていいや」という風にはならないと思う。

 ぶっちゃけ、かなり面白かった。

カンフーパンダのような修行シーンと、どこをどう抑えめに言っても「千と千尋と神隠し的な映像」、最新のコンピュータグラフィックスで仕上げた、

 新鮮みのあるアニメシーン

は、細田アニメらしい、、、っていうかレインスノウもそれなりにそういう技術が投入されていたのだけど、舞台が山奥ということであまりピンと来なかったんだよね。

 今回はきっちり見せてくれる。

ワンカットに「スゲェ作画!」と口に出来るものがいくつもあり、劇場で見ても十分それに耐える迫力ある絵作りは、ちょっとテレビの小さな画面で見てしまったことを後悔するレベル。

話的には終盤少し「??」ってなるところもなくはなかったけど、特にストレスフルな展開もなく、

 非常に手堅く、売れるように作られた商業作品

という感じだった。最初いいかと思った熊鉄の声優も、終盤なんか違和感が出てきちゃったりして微妙だったりしたし、

 絶対もっとベストなキャスティングがあっただろうに、

って感じだった。

ヒロインも当然出て来るが、この子と九太が「そこまでの関係」にならないのは、まぁよかったかな、と。この二人の未来は、ご想像にお任せします、的な感じ。

主題歌はミスチルで、サマーウォーズほどは良くないものの、まぁまぁイイ感じ。ただ、世界観が物語とリンクしてない、雰囲気だけのシンクロだったのは微妙だったな。流れで聞く分にはいいけど、歌詞まで踏み込めない感じというか。

クリス評価は★★★かな~。一部7点のところもあるけど、ラストがやや物足りなかったかも。でも娘と見るにはちょうどいい面白さで、あっちもそこそこ満足してたみたいなのはよかったかな。

このあと僕が「やっぱカリオストロは良かった」って話をしつつ、娘に「このシーンが!」とか、娘が「このシーンが!」とかの話をしたのは良かった。特に今回見てて初めて気付いたこととして、

 ルパンと銭形が地下から脱出してオートジャイロを奪うまでに、遠景のエレベーターから階段を駆け上がる小さな二人を見るシーン

覚えてます?あのシーン。「あのシーンは傑作だったね!」という方は見なくて結構。「え?あのシーンなんかあったっけ?」という人は是非今すぐHDDに入ってるカリオストロを見直してみて下さい。

 娘大爆笑!僕超ニヤリ!<僕も気付いたばっかなくせに

やっぱカリオストロには誰も勝てない。最新のCGとか声優とかそういうんじゃない、「魂の奇跡」があるんだよな。超細かいところにもしっかり気を抜かず「宿してる」。

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コメント

こんばんは〜! アリーナでエライ目に遭い凹み、ふて腐れてましたけど、ブログ拝見して癒して頂きました。そういえばこの頃DVD見て無いなぁ。趣味はゲームと読書です。海外作品が歳をとってようやくじっくり読める様になりました。日中1人なのでアプリ、読書と好き勝手。生け贄と雪ですがPSviteプレイ中ですが、老眼にはキツイです。設定、絵柄、戦闘余り好きにはならないので、エンディング見れないかも。もっさりし過ぎ!BGMは良いですけどね。綺麗なムービー、派手なATC求めてないから面白いRPGプレイしたいです。
出来ればトラマラのない世界を冒険したいです。

投稿: テン | 2016年5月26日 (木) 21時42分

ばんわです。っていうかハヨーゴザイマス!クリスです。もう眠い・・・。もちろん今日も仕事。今の時刻は3時44分です。今日も今日とて計算しまくってました。

 霞が晴れていく感じがとても愉快です(^^。

ああ僕も刀の極意が4つ欲しい・・・

DVDは最近とみに見てますね。あれはリズムというかクセというかで、借り慣れてくると続けて見ることに抵抗がなくなっていく感じ。間が半年とか空いちゃうとまた違うんでしょうけどね。

ちなみにテンさんのご趣味嗜好を一切考慮せず(^^;、オススメDVDを挙げるとするなら、「グランドイリュージョン」「イルマーレ」「デジャヴ」「サマーウォーズ」なんかは割と娘の評判がよかったのでオススメです。興味が沸いたら検索してみて下さい。興味が沸かなかったらスルーして下さい(^^;。

セツナはやっぱテンポが遅いんですね。とても重要な情報THANXです。もともとプレステ+に来るまで遊ぶつもりはなかったのですが、それで心が固まりました。「もっさり」は僕にとって最悪のキーワードとも言えますからね。エクスヴィアスを好きになったのはそのテンポの良さからですし。僕もムービー、あと僕はストーリーも別に重視してないので、

 モチベーターがたくさんあるゲームがやりたいです。

「あれもやりたいこれもやりたい、うーん迷う!」みたいなのが最高ですね(^^。

今ふと思いましたが、読書中に左手でトラマラするのは厳しいのかな。話が濃いものは無理でしょうけど、ライトなモノなら行ける気がします。

 あとスゲェはかどりそうな気も・・・。

投稿: クリス | 2016年5月27日 (金) 03時51分

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