サイレントマジョリティ
欅坂46のデビューシングル。センター平手ちゃんのオーラや、記憶に残る振り付けが印象的な曲だが、歌詞もまたデビュー曲にふさわしい気合いの入った物になっている。
※メロディ的にはAKBの「風は吹いている」に結構似てる
「大人達に支配されるな」というのも、何とも秋元康らしい。大人が書いてる歌詞なのに、大人に反抗する。でも「大人の言うことを聞くな」ではなく「支配されるな」。つまり「自分を見失うな」であり「わがままを押し通せ」ではない。それっぽい歌詞で字面はいいものの、ちゃんとつじつまは合わせてあるのがさすが。
表題のサイレントマジョリティという言葉の語感もいい。「a」の音は一文字目で通りやすいし、
※「伊集院」とかだと「い」がともすれば「ぃ」になってしまう。だから伊集院光深夜の馬鹿力のタイトルコールをする際、彼は「いっじゅういんひかる」と「いっ」と特に強調して発音したりする。「あ」音はそういった必要がない。
今の時代まさにトレンドと言える。というか、
僕にトレンドと言えた。
ゲームの掲示板で、声高に叫んでいる連中がマスではない。だが、黙って見過ごしている大多数の人間は、そんな声高に叫ぶ者達に同調しているのと同義「なのか」。アメリカ大統領ニクソンは、「物言わぬは賛成と見なす」みたいなことを言った。だから声を出して意見を言わなきゃ「ダメだ」と言ってるのだと僕は思う。
もっとも、実際のネット掲示板は、「声を出したマイノリティが標的にされること」がままある。
傍観者で居られるなら、それはそれで気楽だし、何も自分から進んで茨の道に分け入る必要はない。
僕みたいに「迎合を由としない」人間以外は。
こないだテレビで小林麻耶が「ブリッ子を貫き通して嫌われる勇気を持つ」云々の話をしてた。ルックスも立場も真逆の彼女だが、僕はとてもシンパシーを感じた。
強い子なんだな、と。
そして、
オレもそれがかっこいいと思うぜ?と。
自分が言いたいことやりたいことがあるなら、声に出して伝えるしかない。黙っていたらそれは認めたことになる。ただ、
「真性の弱者」も居るから、そんなのにまともに組み合うのは徒労以外の何物でもないがな。
だから実際はさじ加減が不可欠なのだが、まぁそこまで14歳の女の子に歌わせる意味もない。ただ、
NOと言いなよ、YESでいいのか
と言わせるだけで十分だ。
っていうか平手ちゃんのルックスが、まさにこの言葉を言わせるのにピッタリな「強さ」を感じさせる点も大きい。前述の小林麻耶は、言ってもかわいい女の子然としたルックスで、そこには「か弱さ」こそあれ強さは感じない。だがしかし、僕がブサイクな中年であっても匿名の傘を着て弾の飛んでこない安全地帯を嫌うように、彼女も自分がやりたいと思ったことをやった。
他の誰でもない、自分のジャッジで。
たぶん実際の平手ちゃんはそこまでのことを考えて口に出来るほど大人じゃない。でも、そこは秋元プロデュース。「アイドルは偶像であっていい」。彼女に求められたのは、強い目力やキレのある動きであり、「14歳の女の子が持つ弱さ」ではない。それをアピールするなら、こんな曲は充てられないし、そんな曲が充てられても彼女の良さは際立つまい。
・・・
僕がマジョリティだとは思ってない。というか僕の感性は間違いなくマイノリティだ。だから、掲示板で僕に同意して欲しいわけじゃないのだが、僕の言葉にニーズがないとは思っていない。僕は僕が知りたかったことや、知って嬉しかったことを伝えたいと思う。生産性がない言葉は紡ぎたくないし、バッシングだけの「ノイジーマイノリティ」よりは遙かに、、、「0と1の差」くらい貢献していると思っている。
だけど、正直言ってみんなは小林麻耶でもクリスでもないことを知っている。「サイレントマジョリティ」は、つまりは「みんなそう」なわけで、「みんな」である以上、少数派はどうあがいても太刀打ちできない。「NOと言いなよ」と言われてNOと言った時点で、彼は「みんな」からはみ出してしまう。そこは弾も飛んでくるし、痛みも感じる場所。そこでしか得られないことは確かにあるが、今の世の中それが割に合うとはぶっちゃけ言えないと思う。
僕は「黙って賛成」には絶対されたくないから、口に出すがな。
今45歳だけど、小学生の頃からそうだったわ。▲▲。
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