X-ミッション
スパイ・レジェンドでブロスナンのイカした相手役を務めたルーク・ブレイシー主演のサスペンスアクション。つかあまりにも「実写にこだわった」みたいな触れ込みが強すぎて、
これってドキュメンタリーか何か?
と勘違いしてしまっていたが、
※タイトルもどこかソレっぽいし。個人的にはもっとベタで良かったと思う。それこそスパイレジェンド並に。ちなみに原題はpoint break。どういう意味?一点突破?
元はハートブルーという映画らしく、それを今風にリメイクしたらしいが、タイトルだけで見たことはない。監督はワイルドスピードで撮影を任されていたエリクソン・コアという人。主演はルークの他に南米系のアクション俳優と、「魔法使いの弟子」や「アイアムナンバー4」で名前を調べるレベルの美人だったテレサ・パルマー。まぁテレサとルーク以外は知らない顔。
ともかく、事前の印象がドキュメンタリーかノンフィクションを元にした、、、的な作品だと思い込んでいた分、ハードルが変な感じに乱高下してしまっていたが、何のことはない、
普通に派手なアクション映画だった。
エクストリームスポーツのプロアスリートであるユタ(ルーク)は、撮影中、自分の甘さにより友人を失ってしまう。自戒の意味を込めてFBI入隊を目指し、その初仕事として任されたのが、ハイレベルなエクストリームスポーツを犯罪に使う集団。同レベルのチャレンジをこなすことでチームの一員となり、彼らが目指していた「8つの修練」達成をこなしつつ、犯罪を止める手立てを練る、、、みたいな話。
サスペンス要素を絡めないと物語が成立しづらいのはよく分かるのだけど、同時にアクションシーンの説得力が薄れてしまう気がした。何て言うか、たとえば「一年に一度の大波にチャレンジする」のであれば、ドラマはそこに集中するし、パルクールで街中を追いかけっこするのも、「その場にいるならしょうがないやるしかない」という説得力が生まれると思うのだけど、
わざわざウイングスーツで滑降したり、高難度の壁を登ったり、スノボで雪山を下ったりに、どこか「遊びの要素」が見え隠れしてしまう。
だったら最初からライバルとして設定しつつ、8つでも10でもイイから二人が競い合うべき舞台を大がかりに用意して、ストレートにチャレンジしちゃった方がいいんじゃないの?って気がした。ダイヤや札束を盗んでばらまくとか、僕的には雑音にしか感じなかったんだよな。まぁ絵的な撮れ高は上がるのかも知れないけど。
ワイルドスピード出身ということで、ビキニの女の子も多数登場。車はさほど出ないが、その分体当たりのスタントをプロアスリート達に演じて貰っているので、見た目の迫力は十分。
いろんなエクストリームスポーツ、オフロードトライアル、サーフィン、ウイングスーツ、スカイダイビング、スノーボード、フリークライミング、急流下り?あとなんかあったかな、、、あ、殴り合いもあったわ。ともかくかなり手を代え品を代え見せてくれるので、メリハリも密度も高いはずなのだけど、前述のサスペンス要素の縦糸が、どうもテンポを崩してしまうと言うか、
面白いんだけど、手放しで面白いと言えなくさせてしまっている感じがした。
ルークはメチャかっこいいし、「コレ、マジでリアルなのかよ!?」と言いたくなる大波や、「リアルよりリアリティがある」アクションシーンの撮り方は、事前の印象を大きく覆す満足感があった。
当然CGも使っているはずだし、全部が全部本物だけってことはないと思うけど、「それっぽく」見せてるのはやっぱ撮影監督出身だからだろうな。
ただ、似たような映画にヴィン・ディーゼルの「トリプルX」があるが、そっちと比べると、ぶっちゃけ「話がつまんない」。ここもまた撮影監督ゆえのアキレス腱かも知れないが、個々の絵作りにこだわるあまり、流れや脚本が軽視されがちになってた気がした。その点はワイルドスピードとの比較でも強く感じるところで、
驚きや気持ちよさはあるが、どこか感動や共感に薄い内容だった。
終盤のフリークライミングのシーンなんて、ホントに凄いことをやってるはずなんだけど、ぶっちゃけミッションインポッシブル2の冒頭でトムがやってたほんの数カットの方が、音楽とスローモーションの演出、無駄にかっこつけたトムの魅力などの点で印象が強く、トータルで「負けてしまって」いた。
「実写が最強」だとは思うが、その実写を100%活かしきるためには、CGも不可欠。こだわりすぎて結果魅力が下がってしまっては、正直本末転倒だと思うんだよな。いや、使ってるんだけどね。きっとCGも。
クリス評価は★★☆。思っていたより良かったけど、もっとずっと良くなる可能性を感じる惜しい作品だったってところかな。ある意味007になれる可能性もはらんでたと思うけど、、、その点ルークは「まだまだ若い」って感じだったな。イケメンだけど。
エクストリームスポーツが好きな人なら、そこそこ楽しめるとは思う。
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