言の葉の庭
新海監督の「君の名は」が良かったので、以前の作品も食わず嫌いだったのかも、と思って見ることにした。幸いDTVにあったというのもあるし、
監督自身は今作(言の葉・・)もハッピーエンドだと捉えていたようだったし。
キャラクターは、君の・・と比べるとややクセがあり、訴求力が下がった感じ。でもだからと言って極端に悪いというほどでもない。背景描写も、比べるとかなり落ちるものの、「過渡期」だと思えば合点のいくクオリティで、書き加えるとするならこっちにはSF要素はない。ある意味ジブリにおける「耳をすませば」のような手触りと言えばわかりやすいかも。
っていうか、スゲェ「耳を・・」っぽかった。
あっちはあっちで別の職人目指してた気もするし、
※あんまよく覚えてないけど
意図して似せたわけではないだろうが、印象としてはかなり似てた。
普通の高校生をしつつ靴職人を目指す主人公と、たまたま雨の公園で出会う年上の女性とのラブストーリー。コミカルな要素はなく、ともすればその「ウリ」は、新海監督の背景描写にあるのかなぁとすら思えたが、「君の・・」と比べて一番強く感じたのは、
そこで終わりかよ!
という短さ。「君の・・」がラスト冗長に感じた真逆の感じというか、これがこうだったからあれがああなったのかなぁというくらい、最後が何か物足りないというか、「もうちょっとあっても」って感じだった。
一応スタッフロールの後にワンシーケンス挟まるけども。
ただ、この映画のあと発表された小説版、漫画版では、物語はさらに進み、より明確なハッピーエンドまで描いているらしく、
そっちが正解、、、だったのかなぁ
という感じ。っていうか、スゲェ下世話なことを書くけど、、、あと、ネタバレになるので興味がある人はここで読むのを止めて欲しいと思うけど、、、あ、
クリス評価的には★★くらい。
そんなに悪くはないけど、君の・・と比べたら全然「全ての面で」物足りない。大江千里の「RAIN」を秦基博がカバーした主題歌も、悪くはないけどRADWINPSのインパクト、迫力には大きく劣るし、背景作画、人物描写、声優、物語、起承転結、テンポ、メリハリ、「全ての面」で「言の葉・・」が優っている点はなかった。
なのでどうしてもこのくらいの点数になってしまう。
それを踏まえてなお「4点あるのか」と思い興味が沸くようなら、見てもいいと思う。ボリュームもかなり短めだし、、、
※君の・・が125分で、言の葉はわずか45分しかない。それを知らずに見始めたから余計にラストが寸足らずに感じてしまったのかも。つか構成的には「序破急」の構成だったと思うし。
で、ネタバレなのだけど、
ラスト、抱きしめ合う二人は、あのまま部屋に戻って「言」ならぬ「コト」を致しちゃったんでしょうか?
というか、そうでなくとも、そこで「恋人同士」になったんでしょうかね。というか、
そうじゃなきゃ先へ繋がらないんじゃないの?みたいな
そんなことを、スタッフロール中に考えていたのだけど、、、
文字のキレイな最後の手紙を見て、「これはまだ恋人への手紙って感じじゃないよな、」って。どこか「先生と生徒の関係になってる感じ」がする。「男女の関係になってない感じ」がするな、と。
感じだけだから分からないけども。
終盤いろんなことが明かされる学校のシーンとかでは、結構なマイナス、ストレスがあって、必要なシーンだと思いながらも、好きじゃないな、と。何をどう言えばとも思うけど、
これでは売れないよな、と。
僕好みではないな、と。
「見て損した」まではいかないながらも、オススメの度合いで言えば「君の名は」とは比べるべくもなく、描写のクオリティは確かに悪くはないけど、まぁ普通の作品だったって感じかな。
・・・
ちなみに「秒速5センチメートル」に関しては、「ハッピーエンドを望む人は見ない方がイイ」という感想を目にしたので、完全スルー体制です。っていうか、いつの世も、「障害のある恋」「叶わぬ恋」と、「ひかり輝く青春時代」ってのは、多くの人にとって魅力的なものであり、かつその結末は、今の世界ではキレイに気持ちよく幸せに終わって欲しいって思うもんなんだろうな、って思いましたわな。
ある意味ディズニーが常にハッピーエンドなのも、「それが望まれているから」だとも思いますしね。
もっとも、新海作品が「どのくらいの濃度でバッドエンド、ハッピーエンドなのか」は見る人に大きく依存するみたいではありますけども。
つかやっぱ15歳と27歳じゃ、肉体関係はないわな。これが20歳と32歳だったらたぶんいろいろ違ってくるとは思うけども。
※小説版のラストらしい。
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