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2016年9月 4日 (日)

バックドラフト

1991年のアメリカ映画。監督はサイモン・ペグに似てるロン・ハワード。他の代表作はアポロ13、ダヴィンチコード、最近だと白鯨との闘いなど、比較的しゃらくさい映画が多い、、、というのはあくまで僕の見立て。個人的にはウィローが氏の作品では一番好きだったが、近年見直してみたら殊の外しょっぱかった。

主演はウィリアム・ボールドウィという全く見覚えのない若者と、ポセイドンやワイルドスピードで見覚えのあるカート・ラッセル。あとハンガーゲームで一躍有名?ドナルド・サザーランドや、マイ・インターンで大好きになったロバート・デ・ニーロ、バーティカルリミットで山に詳しいじいさんを演じたスコット・グレンなどが見た顔。

「バックドラフト」がどんなことなのかは、みなさん既にご存じのことと思うけど、本作ではそれが不自然なくらい多発する。

 不自然だと思ったら、実際不自然だった。

もう古い映画なのでネタバラししてしまうけど、要は「人為的なバックドラフト」だった。なるほど頻繁に起きすぎるわけだ。

シカゴの消防署に勤め、巡視した父親を持つ兄弟が、大人になって消防隊員になり、まぁがんばる話。兄は優秀で弟はそれに劣等感を感じ続けてるってのもアメリカ映画にはよくある話だし、最後兄も死んじゃって弟がその後を継ぐ流れもステロタイプっちゃステロタイプ。

映画は当時非常に話題になり、僕自身スンゲェ見たかったのだけど、どこか説教臭い感じがしたというか、

 つまりはロン・ハワード特有のしゃらくささがにじみ出てたのだと思う。

僕はアカデミー賞全否定の人なので、「それっぽい媚び」が大嫌いなんだよね。その点どこか本作にはそれを臭わすというか、、、がんばってる消防士さんをバカにするわけじゃないんだけど、それをネタにして一儲けしようとしてるように思えると、なんだかいくら名作だとか傑作だと言われても手に取るまでで借りるとこまで持って行けない、みたいな。

だったら何で見たのかよって話なんだけど、単純にDTVの配信終了が迫ってたから。あの期間限定配信ってのはもう一回見たいって時にネックになる可能性はある反面、本来見るつもりが無かった作品に触れる機会を与えてくれるメリットもあって、案外悪くないよな、、、って話は前も書いたと思うけど。

個々のシーンは、派手な爆発もあって撮れ高が高く、見ていてダレるところはほとんどなかったのだけど、

 反面古さを伴ったマイナスの溜めが散見され、そこは数分飛ばしちゃったりした。

弟が間違ってマネキンを救出したことを笑われるシーンなんて、「マネキンを救出した時点で」もう見え見えのストレスだから、全然飛ばしたって平気。そりゃ緊急事態ならそういうこともあり得るだろうと思うし、僕の価値観では真剣に仕事してるヤツを笑うのは、いくらそれが滑稽なミスであっても許せないんだよね。だったらオマエその場に居たのかよ、って思うから。

ちなみにこれは仕事場で「いらっしゃいませ」という挨拶を店員に言ってしまうのと結構似ている。僕はこれを笑うことを否定する。なぜなら、「もし本当にお客様だったら、店員かお客様かをジャッジする前に挨拶すべき」だと思うから。真剣に仕事をするってのはそう言うことだと思うから。あと、一度挨拶した方に何度もおはようございますを言ってしまうのも平気。「さっき言ったのに」って思われるのと、「この人挨拶しないのかな」って思われるのは、後者の方が圧倒的に罪が深いから。これは単純に僕の価値観の問題かも知れないけど、大筋で間違ってるとは思ってない。

閑話休題

正直もっとマジメというか、ドキュメンタリータッチの話かと思っていたのだけど、途中から雲行きが怪しくというか、エンターテイメント性がムクムクと顔を出してきて、

 実は放火犯が消防隊に居たというオチにはちょっとビックリ。

ヒューマンドラマのジャンルで借りたつもりが実はサスペンスだったという話。もちろんだからこそ見た人の評価が「良い意味の裏切り」として高まった可能性は高いし、横糸の質としても悪くなかったけど、

 その理由が、消防署を解体しようという市長?への反抗

ってのは正直どうなんだ!?って思った。消防署とか減らすもんじゃないんじゃないの?みたいな。アメリカってそういう国なの?みたいな。

あくまでフィクションとしてならわかるんだけど、自分の感覚だと理解出来ないんだよね。もし事実だと言われても。シムシティでも警察署とか減らして良いことなんてないわけで、絶対不可欠だと(僕が)思ってる物を、安易に無くすってプロットに凄く抵抗があった。話は面白くなるかも知れないけど、説得力に欠けてしまう気がして。

ただ、さっきも書いたけど全体的にダレる、テンポの悪いシーンはなく、
※ストレスのある所を飛ばしたからかも知れないけど
「料理の鉄人」でも使われたBGMが流れてきたときには、

 ああこれバックドラフトのBGMだったのか!

●Backdraft(1991) - Theme music
https://www.youtube.com/watch?v=9o6I6OOPlTc

って思った。コレ以外にもBGMはなかなかかっこよく、舞台を盛り上げてくれた。

時代的には1989年がアビスの年なので、CGも使われていたと思われるけど、炎のリアリティは概ね高く、撮影が大変だったことを思わせた。これも個人的な感想ではあるけど、「タワーリングインフェルノ」よりは火災の怖さが伝わってきたと思うし、同時に撮れ高も高く、満足感も上だったかな。

クリス評価は★★☆。当時なら★1つ分加算してもよかっただろうけど、今だといろいろ(見る僕側に)贅肉的思考が乗ってしまって、完全には楽しめなかったかも知れないな。

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コメント

クリスさん、おはようございます。
この映画、僕、大好きなんですよ(笑)
二人兄弟の長男だからか、当時結構感じるものがあったのか、今だに好きと言える映画です。

投稿: KC | 2016年9月 4日 (日) 09時48分

ばんわですKCさん、クリスです。

絶対好きな人居る映画だと思いました(^^。自分は妹しか居ませんが、兄弟だったら思う所はあったでしょうね。
※ザスーラとかもいいですよね。兄弟愛が。

当時見てたら絶対今より評価が高くなった映画だよなぁって思いましたよ。

投稿: クリス | 2016年9月 4日 (日) 20時26分

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