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2017年2月 1日 (水)

オーロラの彼方へ

最近めっきり映画ブログになってるけど、まぁしょうがない。そういう時期もある。

しかし映画というのは本当に侮れない。気合いを入れて楽しみにした作品が肩すかしに終わることもある一方で、時として、「え!?こんな聞いたこともない映画が!?」という作品に巡り会うこともある。

 これは後者。

ハードルを上げることで「ニュートラルな状態だったら楽しめたものが、逆に楽しめなくなる」ことは、ままある。なので、過度な煽りはとても危険だと承知した上で、あえて言う。

 面白かったーーーー!!!(^^!!

僕の映画の感想・批評は、かなり独りよがりで凄く偏ったところに価値を見出してると思うので、読んでて不快な気持ちになったことがある人も一人や二人じゃないとは思う。だから、そんな僕が勧めたとて「見るわけねぇし」という人もまた、少なくないとも思うのだけど、

 個人的に、そして久々に、「強く」オススメしたい。

タイトルは「オーロラの彼方へ」。洋画である。ちなみに「オーロラの彼方」でも「オーロラの彼方に」でもない。もっと言えば「オーロラの彼岸へ」でもないので注意。「オーロラの彼方へ」である。年式は2000年のアメリカ映画で、監督は聞いたこと無い人。何をきっかけに僕がこの作品を見たのかと言えば、最近見てた作品に出てた俳優が、他にも出てるのないかな、とDTVで検索した際ヒットしたから。で、評価がそこそこ高かったから。

ここでまず釘を刺しておきたいのは、「検索はするな」ということ。予告は必要最低限の情報を得るために不可欠という人もいると思うし、見終わった後「あの程度のあらすじなら知っておいても損はない、いや、知っておいた方がイイんじゃないの?」という人も居るかも知れないけど、

 僕的には極力情報をシャットアウトした状態で見て欲しいな、と思う。

あ、でもさすがに「ジャングルブック」や「アナと雪の女王」を期待されるのも困るので、最低限ジャンルだけは書いておく。

 サイエンスフィクションファンタジーサスペンスヒューマンドラマ。

あえてSFを略さずに書いたのは、ただ字面が無駄に長くなるのが愉快だと思ったからで、深い意味はない。もちろん、

 ちっとも愉快になってなってないことも承知だ。

 ・・・まだネタバレに踏み込まない感想を続ける・・・

全体の尺を10等分した時、まず引き込まれたのは、いわゆる物語の起承転結の「転」にあたると思われる部分が、「3」くらいで来てしまったこと。「え?これってショートムービーだっけ?」とマジで思うほどの展開の早さが序盤からあり、

 特に序盤~中盤のテンポの良さはかなりのもの。

めまぐるしく変わる場面に、ジジイとしては追いつくのも大変だったりもするのだけど、キャストが魅力的で、話が「僕好み」だったので、グイグイと引っ張られ、全体の「7」くらいのところで、

 このまま割としょっぱい終わりになっちゃいそうだな、序盤中盤は凄く良かったのに残念、、、

とクールダウンしてしまったかと思いきや、

 さにあらず。

ラスト「9」「10」が、いい意味で最高に気持ちよく、フタを開けてみれば、

 クリス評価、★★★★☆!

結構久々じゃないかと思う高得点。「うわー!!」とか「えええええーーー!!」とか「面白れーーー!」「カッケーーー!!!」とか思わず声に出てしまったし、思い出すだけで目頭が熱くなる。感動巨編では断じてないが、ちょっぴりウルウルするくらい物語に引き込まれてしまった。

 まぁ僕自身安い男なので、深く物語を読んだり楽しんだりする人からしたら、「この程度で!?」って思う可能性は、無くはないけども。

DTVの中でも、パソコンでは画質もHDではなくSD画質で、かつ吹き替えもない字幕のみ。正直誰が誰だかわからなくなったこともあったし、
※これは僕の記憶力に問題があると思うけど
さすがに荒唐無稽過ぎるだろ、と感じる人も居るとは思う。でも、

 僕にはスゲェ面白かった。これは紛れもない事実。

かなり密度の濃い話なので、あえてDVDを借りてきて、今度は吹き替えで見直した方がいいのかもなぁと思ったりもするのだけど、より多くの人に見て貰いたいが為にいっそのこと買ってしまってもいいんじゃないか、とすら思ってるレベル。

ぶっちゃけ一番の欠点は「タイトルがあまりにホームドラマっぽい」ことか。先にも書いたように、本作にはSFの要素もファンタジーもサスペンスも入っている。オーロラだからって「南極物語」みたいなお涙頂戴では全く無いし、「彼方へ」という言葉から強引に想像出来る「宇宙旅行」のような話でもない。ちなみに原題は「Frequency」で、本作に当てた意味は「周波数」というところか。まぁ日本でこのタイトルが通じたかと言われたら、それはそれで難しかったとは思うけども。

さて、ここまで書いて「見てみようかな」と思った人、手を挙げて!ここから先は、ネタバレに入っていくよ?

 もう見た?

見たなら読み進めてOK。見てないなら借りてこよう!

ああもちろん「面白くなかった」って言われても責任は取れない。ただ、10人に3人くらいは「悪くなかったかな」って言ってくれたら嬉しい。もちろん書き込みがなくて平気だ。あと、もし本作を見ていてコメントをくれる際は、ネタバレに重々気をつけて欲しいな。

-----------------ネタバレ含む------------------

ソウルサーファーを見て、デニス・クエイドが出てる作品が見たくなり、バンテージポイントを探すもDTVには見あたらず。適当に出演作品にカーソルを重ねて行ったら、出演者に「ジム・カヴィーゼル」の文字が。

「ジェームズ・カヴィーゼル」と似た名前だな、デッドプールのところで彼がヴィランだったらよかったのに、と書いた精悍にしてヒールも善玉も出来るちょっとトムに似たイケメン俳優だが、

 いくらなんでも「カヴィーゼル」なんて名前がそうそうあるか!?

同一人物であった。てか、デニス・クエイドもカヴィーゼルも、直前に意識したばかり。ましてやDTVの評価は「4.2」。ちなみにYAHOO映画は「4.5」とすこぶる高い。タイトルには抵抗があるが、こりゃ見るしかないだろうって感じで見始めたところ、、、

 序盤始まってほどなく動きがある。

僕はあらすじを読んでしまっていたのだけど、本作が「時を超えたSF」であることが、始まってほどなくわかってしまう。

 え!?そんな早くにバラしちゃうの?

正直そんな気持ちだった。オヤジさんが死んじゃうのを何とか食い止める、そう言う映画じゃないの?

 こんな時間に食い止めちゃって、ダイジョブ?

そこからの展開の密度が高いこと高いこと!誰がどうなるのか全く分からない。そもそも、

 病院に登場したと思われる犯人の顔をよく見てなかったことが、スゲェ悔やまれた。

どんな奴だっけ?と思いつつ、話はガンガン流れていく。要所要所で映る家族写真が次々に更新され、

 え!?誰が居なくなってる!?ええ!?なんで!?

置いてけぼりにならないように必死に食らいつきつつも、こっちの思惑を華麗にかわして、「僕レベルの読みが全くあてにならない」展開が続く。

 とても心地よい。

僕は気に入らないところで「こう言えよ」とか「こうしろよ」と思う人間だが、「僕ではこうするしか出来なかった」ことの上を行かれると、

 もう全面降伏するしかない。

クライマックスの展開はまさにそれで、

 文字通り「唸った」。

ウグググゥゥ!!!って感じに。でもって爽やかすぎるエンディングに目頭が熱くなり、涙もポロリ。感動したというより、「あまりに面白く、いい意味での裏切りによって感心させられてしまった」涙。

 もちろん僕だけかも知れないよ?

確かに過去と現在がハムで繋がるのは荒唐無稽過ぎると思う。オーロラだとか太陽の黒点だとかを理由にするにしても説得力はない。特に本作ではそこを掘り下げたりもしないし、科学的に原因究明しようとかの話でもない。

 ただ、そのタイムパラドックスのエッセンスの使い方は、「バックトゥザフューチャーの少し下」くらいだったと思う。

お袋さんも美人で嫌味がなく、級友は「セルラー」で悪徳警官やってたけど、本作では普通に善玉の薄味も出来るんだな~とか、

 クライマックスでオヤジが出てきた時の「オレ的喝采」は、マジテンション振り切れてた!

なんつか、繋がる先を探し続けてたロープの、もう片方を見つけ強く結びつける感じ。それがそのまま抱き合う父と子にフィードバックして、、、

 良かった!

まだまだ僕が知らない傑作はあるんだなと思った。あとやっぱりジェームズ・カヴィーゼルはかっこいい。デニス・クエイドもカッコイイ。つか彼はインナースペースの「チャラ夫」を黒歴史として封印したいだろうなぁってくらいこの中年になってからのがイカス。とにかく、

 笑顔がイイ。

 ハッピーエンドがイイ。

まさか、見る前にここまで読んでないよな?

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コメント

こんばんはクリス

やっぱし★★★★☆

こんな知ってる人が圧倒的に少ない映画
地味なタイトルの映画

なのにこんなに面白い映画があるって嬉しかった
反面なんか焦ったよ。

投稿: nori | 2017年2月 1日 (水) 00時37分

おもしろい物は人から聞くのが一番ですね!
さっそく楽天で買ってみます!

投稿: レイオス | 2017年2月 1日 (水) 01時52分

こんにちは、クリスさん。
だいぶ前に見た記憶がありますが、タイトル完全に忘れてました・・
当時、兄とレンタルで見てクライマックスにどよめきが走走りましたね。クリスさんのレビューを見て、もう一度見たくなりましたよ。

映画の話でいえば、先日ローグワンを見たとき予告で、スカヨハのゴーストインザシェルと、未知のSF作品パッセンジャーを見ました。期待度は50%くらいですが、ちょっとでも見たくなるSFがある年だと分かり、映画熱が高まりましたよ。

投稿: ゴロー | 2017年2月 1日 (水) 08時24分

映画ネタにコメント貰えると普通に嬉しいですね(^^。どもですクリスです。


>nori君

だよね~やっぱ9点あると思う。つかもう一回見たいと思ったらDTVの期間限定だったらしく、1月で見られなくなっていたので、

 今日DVD借りてきた(^^。

今度は日本語で見る予定。つか画質が綺麗だったらいいな~。

みんなに布教したくなる映画だったね。


>レイオスさん

うーん、、、(^^;。僕の映画の趣味がレイオスさんの映画の趣味とシンクロしてればいいんですが、、、。買うのは早まらず、まずは借りれば良いのでは?(汗

 僕的には全く買って損はないと思いますけども!


>ゴローさん

「どよめきが走った」とは、映画に対する最高の賛辞ですよね。わかります。

 本当、そういう感じがありました。
※バックトゥザフューチャーにもありましたが(^^;

僕の場合はキャストのウェイトが人より高いと思うのですが、たまたま主演二人とも大好きだったってのも大きいですね。話が面白く、キャストが好きなら、もうそりゃ評価が高いに決まってるって感じ。「13F」も話は面白かったですが、キャストがイマイチだった分、「オーロラの、、、」には追いつけませんね。

ゴーストインザシェルは四郎正宗のやつかな。僕はあんま氏のマンガは好きじゃないんですが、スカ子がやるなら見てみたいかも。でも映画館じゃなくていいかな(^^;。

今日「オーロラの、、」DVDを借りに行ったら、旧作にある「LUCY」が3本とも貸し出し中でちょっとニヤリとしましたね。あの映画は決して名作や傑作ではないと思うんですが、どこか「もう一回見たくなる何か」がある映画だった気がします。警官の「オレ、要る?」みたいなセリフとか大好きでしたから。ついスカ子の話題が出たので触れました。

SFに限らず、「最初から最後まで飽きずに眠らずにストレスを感じずに楽しく面白く見続けられる映画」のハードルは、近年凄く上がっていますね。DTVで気軽に見られるようになった分、「気軽にシーンを飛ばす」ようにもなりましたし、ちょっとでも「嫌なヤツ」が出てきたらもう見るのを止めてしまいます。わがままな見方だとは僕も思うんですが、やっぱり嫌な気持ちになってまで見るのはおかしいと思うんですよね。あくまでその人その人の価値観はありますけど。

 悪いヤツは好きだけど嫌なヤツは嫌い!byクリス

投稿: クリス | 2017年2月 2日 (木) 01時15分

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