イーグルアイ
このブログで取り上げるのはたぶん3回目くらいだと思う。たまに凄く見たくなって借りてくる。てかもう買えばいいのに、と思うが、まぁよい。こういう見方も嫌いじゃない。
監督はDJカールソーという人で、全然記憶になかったが、
※これは前回も書いていそうだけど
「アイアムナンバー4」「ディスタービア」の監督で、どちらもかなり好きな作品。ちなみにアイアムナンバー4はイケメン超能力者の「アメコミっぽい」話。ディスタービアは、本作同様シャイア主演のカップル向けサスペンス。ちなみにかなり怖い。
調べてみたら、これらの作品から結構なインターバルがあったが、今年文字通り再始動し、「トリプルX再起動」を撮ったご様子。トリプルXは一作目がヴィン・ディーゼル主演の傑作だったが、二作目に主人公を変えて大いに失速。急停止どころかバックしてしまったくらいだったが、三作目再度ヴィンを起用し、
監督がDJカールソーなら、映画館に行ってもよかったかな
とちょっと思ったくらい。DVDも出てるのかな?
→7/5発売とのこと
ともかくイーグルアイである。世間での評価はわからないが、どうやら僕はこの映画が「大好き」だということを改めて実感した。まだ見てないと言う人は居ないと思うのでガンガンネタバレを書いていくが、本作は要は「コンピュータがテロを企てる話」である。軍事的に最重要な決定事項に関して、「オススメか否か」を提案する。合衆国及びその国民に対しての安全を守るために。
しかし、「オススメじゃない」って言ってンのに、大統領が実行の下し、報復テロで多数のアメリカ人を危険にさらしてしまう。「あれほど言ったのに、、、」
「じゃあ大統領とか死んで貰うわ」
全てのコンピュータ、カメラ、無線操作可能な乗り物等にアクセス出来るという「魔法」は、いつ見ても痛快。以前も書いたけど、寺沢武一のゴクウの右目だか左目みたいな感じで、
本当に何でも出来る。
まずその「何でも出来る感」が強烈かつ痛快で、実質的悪役ではあるのだけど、
とてもかっこいい。
以前はこの「かっこいい」という形容詞を思い浮かべなかったのだけど、今回見てシミジミ思った。
この強さは、つまりはかっこよさなんだ、と。
フリーザであれピッコロであれ、いかに強い悪役を作り上げるかは、下手したら主人公の強さをアピールする以上に重要だ。最後ハッピーエンドに終わるとしても、トラブルは大きければ大きいほどいい。デイアフタートゥモローでもバイオハザードでもそう。てか、
天災ではない人災なのに、でもってSFチックではあるけどSFではない「リアルタッチ」の話なのに、ここまで「新鮮で強い悪役」が用意出来たと言うことがとにかく素晴らしい。
過去にもコンピュータが氾濫する作品は数々ある。代表的なところでターミネーターだってそうなのだけど、あれは「そうは言ってもロボットが敵」だから、「強いと言ってもその手の届く範囲」って感じなのに対し、
※まぁ最終的に核戦争とかにはしちゃうけど
イーグルアイの隙の無さ、そして「頭の良さ」はカクベツ。
僕は常々「頭の悪いヤツ」が出て来る映画が嫌いだと書いてるが、まぁ頭がいい。てか、正確に言えば、
そりゃ無茶だろ、結果オーライだけども!
と言いたくなる場面も多々あるのだけど、
※「銃を持ってる相手からアタッシュケースを奪え」とか「ここから飛び降りろ」とか
でも結果オーライってことは、「そうなることも計算されていた」と思えてしまう。
さすがコンピュータ、計算はめっぽう得意な分野だ。
そしてこれも毎度書いているけど、
カーアクションシーンが好き。
「飛んだり逆走したり」のジェイソン・ボーンでは眠くなったカーアクション。昨今CGでいくらでも派手な映像を作ることが出来る様になったのに、なぜかあまり盛り上がらないカーアクションなのだけど、これは僕が単純に「慣れてしまった」「飽きてしまった」からだと思っていた。が、
さにあらず。
イーグルアイのアクションシーンは、
何度見ても楽しめる。
何度見ても「うぉっ!」と思う。
高級車を爆発させてるわけでも、大量の車を使いまくってるわけでもないし、尺自体短すぎるでも長すぎるでもないのに、全く飽きさせない。同じシーンにうぉっ!と思ってしまう。
なぜなのか。
これは、「予測させない構成」だからだと思った。速いテンポでカットを切り替えると、ともすれば「さっき走ってた場所と違う」とか「不自然じゃないか?」と思えるような状況に容易になってしまう。「流れ」がブツ切りになるからだ。なぜここでこの車がぶつかってるのか、普通なら、普通の演出なら、「このまま進むとマズいですよ」というフリを作りつつぶつかるか避けるかの「流れ」を作るのだけど、
本作はその「溜め」がほとんどない。もういきなりガンガンにぶつかって壊れる。
そしてその破壊演出が素晴らしい。「カメラが近い」ので、単純に迫力があるし、その「ブレ」の度合いが、
ギリギリ攻めてる。
これ以上ブレたらむしろ何が何だかわからなくなるギリギリのライン「迫力と破綻」の境目ギリを攻めてる。その上で、
コンピュータが信号機の色を自在に操り、クレーンで後続車を「掴み上げ」たりする。
全てのテンポが早く、いい意味での唐突さは「慣れ」より「爽快感」を刺激する。僕がよく言う「0.5秒長い」どころか、「0.2秒短い」で構成されたテンポは、つまりはとても贅沢で、そして濃密。
もっと見ていたいと思わせるくらいがまたニクい。
要は、「遊びのシーン」が全く無いんだよね。カーチェイスシーンだけで言えば決して短くないのに、
・信号機が次々に青に
・ガンガンド派手にぶつかる>結構死ねるレベルに
・クレーンで持ってかれたり
・あまつさえドローンのターゲットにも
・そのドローンも追撃する戦闘機のパイロットを即座に射出
・トンネルにも入っちゃうし、
・ドローンのブッ壊し方もサクサク
それらにほとんど溜めがない。
キャストも十分魅力的だし、トリックも凝りに凝ってる、でもわかりやすい。場面もどんどん変わるし、イーグルアイそのもののデザインも素晴らしい。
思い返してみても、欠点らしい欠点が一切ない。少なくとも僕の感性では。
冗談でも何でもなく、最高だな、と。いつ見ても面白いのは、これが「最高の映画」だからなんだな、と。
クリス評価は★★★★。いつ見ても高い。てかカーアクションシーンがホント好き。もっと撮ればいいのになぁ>カールソー監督。
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