座頭市海を渡る
オフの友人nori君が「スゲェ面白い!でもオススメは出来ない」とオススメしてきたので、とりあえず見てみた。勝新太郎主演の50年くらい前の日本映画。
いわゆる「チャンバラ」で、CGどころか特殊効果、特殊撮影すらほとんど使われていない。「海を渡る」と言っても海外に行くわけでもなく、せいぜい本土から四国に渡るくらいのレベル。
正直言ってこれを勧められる人間は、僕のブログの読者には居ない。黒澤明の「七人の侍」や「隠し砦の三悪人」と比べれば、エンターテイメント性も薄いし、監督も知らない。言ってしまえば、
ただの古い映画。
でも紹介してくれたnori君が絶賛するのもわからないでもない。無骨で目の見えない主人公座頭市は、人斬りではあるが、悪人ではないし、自分から進んで殺したりもしない。要所要所で圧倒的な強さを感じさせるシーンもあるが、言っても盲目。限界はある。
正直「海を渡る」というタイトルの意味が一番不明だったと言ってもいいが、要は悪いヤツに襲われてる村を助ける話である。てかほっとくとそれで終わってしまうのでもう少しだけ詳しく書けば、
序盤いきなり襲われた座頭市。殺しに来る理由を尋ねるも相手は応えず、やむなく殺してしまう。
そいつが乗っていた馬に促されるままに付いた一件の農家。そこで若い女が座頭市に斬りかかる。殺したのは彼女の兄だった。
兄は金貸しに「殺しても殺されても借金をチャラにする」と言われ、座頭市に斬りかかってきたのだ。
最初は兄の敵と思っていたが、座頭市の誠意ある対応に胸を打たれ、次第に心を開いていくヒロインお吉(おきち)。
てか、座頭市って何歳の設定なの?
見た目だけなら30歳くらいにも60歳くらいにも通じるんですけど。
ともかくそんなこんなで村を乗っ取ろうとする金貸し兼山賊の藤八(とうはち)をやっつけるって流れ。
冒頭で北の国からで知られた田中邦衛や、お吉の友達の若者に「あばれはっちゃく」のオヤジ役(「父ちゃん情けなくて涙出てくらぁ!」の台詞が有名)だった東野英心が出てきた以外は、一切知ってる人は居なかったが、ヒロインお吉を演じた安田道代はなかなかの美人。ちなみにご存命で年齢は71歳。1965年の映画はデビュー2年目で、逆算すると当時まだ19歳。まだ駆け出しだったはずだが、その演技は素晴らしく、
この子が居なかったら途中で見るのを止めてただろうなって感じ。
ただ、逆に言えば僕にとってはその程度の映画だった。
古さ故に台詞は聞き取りにくいし、分かりやすい物語ではありつつも、
とにかく座頭市のルックスと年齢不詳な感じがよろしくない。
若いなら若いでもうちっと
※多少は色気のある展開も無くはない
ラブラブにして欲しかった気もするし、そもそも勝新太郎は、
男がかっこいいと思うルックスであって、女性受けするとは到底思えない。
脚本もかなり古さを感じる文言の連なりで、
ぶっちゃけ何言ってるかよくわからなかったり。
あと、クライマックスのチャンバラシーンでも、半分くらいは逃げてばっかだったり。
見えてるだろそれ、って感じだったり。
クリス評価は☆。その内ヒロイン分が☆。座頭市を含むそれ以外は別段0点。良さは一切感じなかった。強いて言えば点数には乗らないが悪玉の藤八がわかりやすくて好感が持てたくらい。あと馬が綺麗過ぎるなって思った。
こんな綺麗なサラブレッド、時代劇には不似合いだろって。
自分的には「隠し砦の三悪人」の方が、ずっとヒロインが魅力的で話も面白かった気がするな~。
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古い映画でも、今見て楽しめる作品があるというのは「ローマの休日」で学んだので、全てが全てダメだとは思ってない。でもやっぱり合わないのは合わないし、楽しめないものは楽しめない。それを曲げて書く意味はないと思うので、時として、、というか概ね「バッサリ」って感じになってしまったりはするけど、それでも「古くても有名な作品」の中には、何かしらキラリと光るものがあるかもって思って見るんだよね。
今回のは、一言で言って、
勝新太郎が嫌いだわ
ってことに尽きちゃうかも知れないな。アレがもっとイケメンで若ければ、お吉とラブシーンも絡めてもっとハイテンションで見ることが出来ただろうにな~って思った。僕にとっては、
意地汚く飯を食らう、盲目のパンチパーマオヤジ。たまに人斬り
って感じだったからな。ぶっちゃけ僕はイケメンが好きなんだよ。
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コメント
こんばんわクリス。
でも、もしかしたらって感じでチャレンジしたのね。笑。
凄く想像出来る評価と感想でもあるけど、
万が一どこか楽しめるかも??という気持ちが全く無い訳でもなかったのも正直なところ。
でも、あ、やっぱりそうだったかぁて。
食べ方が汚い、カッコ悪い、なんてのはその通りで、
座頭市のセールスポイントで、メチャメチャこだわってる部分で食事のシーンなんてのはもうお約束として毎度登場する。
だから、こだわってる所が嫌いってのは、
まんま一言で嫌いってことなんだよなぁ。
もっと若くてイケメンでスマートな人がやるのもありだし、いいかもしんない。
『両さん』や『寅さん』と違ってギャグやヒューマンドラマでなく、悪を斬る正義のヒーロー、、、アウトローではあるけども、
だから若くてイケメンでスマートなでも全然成り立つし、需要もあるかも
でも従来のファンからすると、
『両さん』『寅さん』をイケメンで若くてスマートな
俳優さんにしてみては、と言うのに限り無く近い感覚だと思う、、、、、
そ、それは『座頭市』じゃなくなっちゃうじゃん。
みたいな。
色んなニーズがあるから『座頭市』でなくなっても
ノー問題だけどさ。
上手くもない例えであれだけど、
「このプリンのやたら柔らかくて滑らかですぐに口のなかで熔けていくような所が大っ嫌い」って、
滑らかプリン、とろけるプリン食べると思うからね。
そのこだわって売りにしているところこそが嫌いだというかんじね。
ちなみに、『ブレードランナー』の敵役のルドカーハウアー(かっけーよー!!)が『ブラインドフューリー』として座頭市のリメイクはしてるんだよ!!
あ、あと香取慎吾くん笑 綾瀬はるかちゃん
そして北野武も座頭市やってるね。
投稿: nori | 2017年5月29日 (月) 00時44分
どもですnori君、返事遅れてごめんちゃい。つってもそこまで書くことがあるわけでもないのだけども。
なんつんだろね、「楽しめた部分がなかったわけでもない」というか、寝たり飛ばしたりしなかった点はある意味合格点だったというか。ただ、これは座頭市に限らず、
スゲェわがままになってる。
これは間違いない。年齢的なことだと片付けたい自分が居たりする一方で、全く別の、つまりは僕が単にわがままな人間だって事なのかも知れないけど、
ここ最近見た3つの映画に対する扱いが悪くて悪くて、、、
一つは途中で気に入らないヤツが出てきて、飛ばし飛ばし視聴。90分の内見たのは20分くらい。気に入らないヤツやシーンが出てきたら、もうガマンしないんだよね。「その溜めの先にカタルシスがあるかも」とも思わない。
ムカ付かせる映画を作ったヤツが悪い。
言い換えれば、
僕に合わない映画を僕が見る理由がない。
これはまぁほぼタダみたいな額で見放題になったDTVの影響も大きいかとは思うけど。
そして次の作品なんかは、
序盤10分ガマンして、「もう耐えられない!」ってなって停止。
こっから先見てても絶対僕好みの展開にならないことが明白、みたいな。3本目はレンタルで借りてきて、結構凝ったSFXを見せてくれるのだけど、
やっぱり展開にイラ付いちゃって15分で停止。
性格が悪いヤツというか、頭が悪いヤツというか、「隙」が見えちゃうともうダメなんだよね。「見続ける理由」がなくなっちゃう。
まぁそう言う意味で言えば、座頭市は最後まで見ることが出来たとも言えるわけで。
返事に戻るけど、「悪を斬る正義のヒーロー」とは到底思えなかったってのはあるかもね。僕が見たのはこれ一本だから、「正義の味方っぽさ」が皆無だったと思う。何つか、前後に何本か見ていればまた感想が変わった可能性はあるかも。てか、
見る前の僕のイメージでは、「あんなペチャクチャしゃべる男じゃなかった」
ってのがあるかも。つまりは「うるせぇよ」と。「だまってやることヤレ」的な。なんであんなヘイコラしてんだよ、と。強いんなら強いでもっと毅然とした態度でいいだろうと。
ちなみにルドカーハウアー?のブラインドフューリーも少しだけ見たけど、こっちの人のが僕好みかな、とは思った。てか、
見えてんじゃないの?
って思いたいみたいな?
あ、座頭市でイッコブログで触れなかったけど好きなシーンがあったのを思い出したよ。
階段をイッコ飛ばしで登っていくところ。
「杖で触れた段」に足を置くから、結果それがイッコ飛ばしになってても本人は気付かないんだな~って。
投稿: クリス | 2017年6月 2日 (金) 13時21分