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2017年5月30日 (火)

ドラゴン・タトゥーの女

2011年のアメリカ映画。2009年の「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」と原作は同じだが、キャストも製作国も違う。ダニエル・クレイグが主演なのに、なんでパッケージが鼻ピアスの女なのかって思ったら、別の映画だった。僕が見たのはダニエルの方。見る人は気をつけて。

なんとなく興味はあるけどスルーしてた。DTVにも結構前から入っていて、マイクリップには入れてるものの、見てなかった。もしかしたら他にも僕みたいに「興味はなくはないけど、まだ見てないんだよね」という人が居るかも知れない。

 十分オススメ出来る。

ただ、内容はかなり「大人向け」。例えて言うなら、

 ゴルゴ13のエンターテイメント性を楽しめる年齢向け。

何というか、全体的に劇画調というか、007スペクターのような「子供も楽しめるアクション」という感じは全くない。尺も長く2時間半以上あり、かと言って「0.1秒長い」と感じさせるシーンは皆無。

 でも話はかなり複雑。

ジャンルとしては結構純度の高いミステリーで、ともすれば1980年代のパソコンアドベンチャーゲーム、キスオブマーダーとかマンハッタンレクイエムみたいなニオイのする、

 かっこいい男が難解な事件に挑む感じ。

てか、つい昨日座頭市を見てしみじみ「かっこよくないなぁ」と思った僕の感性としては、

 ダニエルのかっこよさがたまらなく居心地良かった。

誰も気にしてないと思うけど、

 冷蔵庫の上を転がる瓶をスッと受け止めて置くシーンとか、マジ最高。

全然何気ないシーンなのだけど、何気ないからこそ「普通は入れない」。ただでさえ長尺な映画なのに、なぜこれを入れる必要があったのか。それは、

 彼がかっこよかったから。

もしかしたらアドリブだったのかも知れないけど、その洗練された動きは、ある意味007のようなスマートかつ無駄がない「美しさ」がある。彼の役は、

 かっこよくなければ勤まらない。

そう感じさせた。

物語としては、雑誌のライターを務める主人公ミカエルが、ウソのニュースを掴まされ、立場を追われる。そんなところへ、ある金持ちのじいさんが「孫を殺した犯人を見つけてくれ」と依頼を持ちかけてくる。平行して精神に「少々」障害のある「とても個性的な23歳の少女」のエピソードが描かれ、それらが中盤で一つになる感じ。で、

 かなりエロい。

ぶっちゃけ「18禁」でもおかしくないくらいハードなシーンがあり、正直ちょっとピリピリするというか、でもやっぱ主人公がモテる分には全く問題ないというか、ヒロインのルーニー・マーラは、決して日本人受けする美人・カワイイ顔ではないし、役柄的にかなり危ない子なのだけど、

 スタイルがシルヴィア・クリステルっぽくて、とてもエロい。

でも、、、

 「ハッピーエンドとは言い難い終わり」。

もうこれが凄く辛かった。てか、僕のブログを読むということは、この部分には絶対的に触れる覚悟をしてもらいたいと思うのだけど、

 正直辛かったーーー

何つかめっちゃいろんな謎が思いっきりこれでもかとちりばめられて展開するので、途中何度も「???」って感じになったのだけど、ラストだけは、「幸せになりようがないんだろうな」と。それがメチャ切なかった。つか、

 リスベット(ヒロイン)ルートでハッピーエンドにさせてくれ!

って感じだったな。つかここを知ってたとしても、

 十分面白い作品なので、クリス評価は★★★★!でオススメ!
※でも男性向けかな。ダニエルが好きなら女性でもイケルけど

めちゃ高いです。とにかく謎解きの過程に甘さがなく、じいさんが40年費やして見つけられなかった真相を、ほんの半年ほどで見つける流れが秀逸。全然簡単じゃなく、でも見てる人も一緒に推理出来る上質なカット割り。一挙手一投足がかっこいいダニエルだからこそ、悩んでるシーンでも間が持つし、秘密道具やVFXがなくてもスリルや興奮は十分演出出来るという見本のような展開がとてもよかった。

 強いて言えば固有名詞がわかりづらくてほとんど覚えられなかった、、、

まぁこれは僕がアホウだからだろうけど。

ともかく、

・話が面白い
・キャストが素晴らしい
・演技も素晴らしい
・クライマックスの流れもいい
・やや過剰なくらいのエロも最高

 ただ、最後の最後だけは、切なかった。

そんな映画だったな~。つかダニエルはホントハズレがないというか、スゲェ役者だと思うわ。てかヒロインがマジエロかったから、スゲェ高評価だわ。てかヒロインだけじゃなくて全体的にハードコアな魅力満載だったわ。ちょっと自分がオトナになった気がしちゃったりもしちゃったよ。あと書き忘れてたことあった。全体的に、

 スゲェたばこを吸うシーンが多い。

「なんでそこまで?」ってくらい。14歳の女の子とか、「たばことライターを買う」→「1本吸って残りは捨てる」とか。トータルで30回くらいあったんじゃないかってくらい。

 監督がヘビースモーカーなのか、そもそも原作にあったのか。

ある意味この作品の雰囲気を「大人向け」にするのに一役買ってたとも言えるけどさ。

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既に気に入ったシーンは5回とか繰り返し見てる。レイプとかは嫌なので飛ばす。ガチで気に入ってる証拠。

●お気に入りのシーン

死ぬほどネタバレなので、見てない人は読まないように。ちなみにタイムスタンプはDTVのソレ。もしかしたらDVDとかとはズレがあるかも。

2:14頃。字幕だと「もっと触ってて」。吹き替えだと「手、また中に入れて」。エロさも多少あるんだけど、それ以上に「内側に入った人にはとことん懐いちゃうタイプなんだろうな」、強烈なツンデレなんだろうなって感じが凄く好き。

1:19 アシスタントとして雇いに来たシーン。「リスベット、リスベットでいいかな?」ってセリフも好き。初対面でファーストネーム。意外と馴れ馴れしい。でもそこがいい。

1:28:40 暗号化したパソコンを使ってるシーン。一気に距離が短くなってる感じがいい。目をつぶって、そしてミカエルの方を見る。この瞬間に彼が味方になってる。でもそのあとの猫が死んでるシーンはツライ。

1:38:30 濡れ場。エロい。つかこの濡れ場がよもや終盤もう一回来るとは思わなかった。そこも上手い。「あなたとの仕事好き」ってセリフも好き。間髪入れずに「僕もそうだよ」もいい。訳が「あなた」なのもとてもいい。てか、今回吹き替えも字幕も両方で見てるのだけど、どっちにもいいところがあって、どっちにも微妙なところがある。

娘が敬虔なクリスチャンであることが、謎解きに絡んでるのも、ありがちだが上手い。

メガネを掛けるシーンも、よくよく考えるとかっこいい。知的な紳士を演出する。メガネ好き女子をピンポイントでノックアウト。

2:29 「綺麗だ」というシーンでホントに一瞬ニヤッとするのがかわいい。でもそのあとがかわいそう。

冷蔵庫の上の瓶を拾うシーンが見つからない!てか、最初から見直そうかな。
→1:20過ぎに発見。やっぱり何度見てもかっこいい。てか、本作は前半は主に「溜め」※特にリスベットの方 で、後半2人が一緒になってからが好きなので、後半ばっか見返してるけど、クソ寒い家に引っ越してきたとことかも、独特の雰囲気があって結構好き。

ネット価格送料込み550円ブルーレイ。買っちゃおうかな。デヴィッド・フィンチャー監督の評価も高い。ゴーンガール、ソーシャルネットワーク、ファイトクラブ、あとエイリアン3もそうだった。

ヒロインルーニー・マーラは、他にも出てる作品が当然あるのだけど、本作ほどのオーラはないと思う。それほどまでに本作の彼女は魅力に溢れていて、僕自身は評価しないけど、アカデミー賞主演女優賞とか取って欲しかったな~って思った。
※ノミネートはされたみたいだけど

ネットで探すと「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」との違いなどを紹介してくれてるサイトとかもあるのだけど、読み解く限り「こちらの方がミカエルをかっこよく描いてる」感じがして、「かっこいいダニエル・クレイグ」が大好きな自分には「ミレニアムの方は見る間でもないかな」と思わせた。やっぱリスベットが好意を寄せるには、相応の魅力が不可欠だと思うしね。

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物語はあれで終わっているのだけど、原作は三部作になってるらしく、ちょっと調べてみたら、なかなか面白い話が出てきたので紹介する。

・原作「ミレニアム」の第一話(本作)は、スウェーデンで発売され、3年で290万部も売れたらしい。「290万部」がなぜ「も」なのかと言えば、

 スウェーデンの当時の人口が900万人しか居なかったから。

日本に置き換えたら、「1冊」で4000万部」とか。笑ってしまうほど売れたんだな。
・処女作にして絶筆。5部構成の3部まで書いた段階で、心筋梗塞に倒れてしまったのだそうな。作者は第一部の発売を待たずに死んじゃったとか。めちゃめちゃ売れたのにな~。

・メインヒロインである「リスベット」は、作者が15歳の頃「女性が輪姦されているのを目撃したけど何も出来なかった、翌日謝りに行ったが許してもらえなかった」ことがトラウマになっている実在の女性の名前なんだとか。

 そらあんな話にもなるわって感じ。

本作でのリスベットは本当に強く、そして弱い。

・第二部、第三部も映画化されているらしいが、ダニエル×ルーニー×デヴィッド・フィンチャーの組み合わせではない。ただ、登場人物は継続してミカエル&リスベットらしいので、ちょっと興味が沸いた。一作目の「ミレニアム版」と併せて借りてこようかな。

・・・

つーことで借りてきた。最初「2」から見ようかと思ってたけど、せっかくだから、一旦「ミレニアム側」のキャストにフィッティングして置いた方がいいかと思い、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」から視聴開始。

同じ原作だけあって、大筋では同じような感じで始まるものの、細かなところではちょいちょい違う。ただ、そんなことより何より、

 キャストの魅力がなさ過ぎる。

一言で言って、

 見苦しい!

特に主人公ミカエル。

 なんで髪の毛が薄いの?

でもって不倫相手の編集長、

 なんで「おばあさん」なの?

もうちょっと何とかなんなかったのかと。

ヒロインリスベットを演じるナオミ・ラパス
※エイリアンの前日譚「プロメテウス」の主人公だったらしい。言われてもわからなかったけど
も、

 感情を表に出しまくりで、プロポーションも悪く、セリフや挙動にも違和感ありまくり。

これは「すり込み」みたいなもんで、一番最初に摂取したものを最良だと思ってしまうというのもあったかも知れないけど、

 序盤であっさり寝オチ。

で終盤目が醒めて、なんとなく見てたけど、全く魅力を感じない展開。強いて言えば「雇い主」のじいさんが悪くないかな、とか。あと、殺された孫娘ハリエットの当時の写真「だけは」美人だった。当の本人は、

 これまたおばあさんだったけど。

僕が「ドラゴン・タトゥーの女」で好きだったセリフとかもほとんどなく、
※「あたなとの仕事好き」とか
尺も3時間超えで長丁場。メインテーマが移民の歌じゃないのも、今思えば違和感。なんつか、

 ハリウッドじゃない=地元スウェーデンの、世界的にはマイナーな俳優で固めたのかな

って感じ。こっち先見てたら評価は★とかだったかも。下手したらもっと低かったかも。

で、あらためて気付いたのは、つまり「ドラゴン・タトゥーの女」は、

 ラブストーリーとして楽しんだ側面がとても強かったんだな、と。

メインの二人がかっこよくて魅力的。だからこの二人が出てるところの撮れ高が凄く高いし、かつ絡みも嬉しくてついつい何度も見返してしまう。最終的に事件は解決したのに、ハッピーエンドと思えなかったのも、結局二人の結末が、「事件より重要」だと感じたからなんだよね。

 ミレニアムの方は、「ラブストーリー感」がかなり希薄。

書きながら思ったことだけど、つまりこれは、

 コナン君で言うトコロの、工藤新一と毛利蘭がもっと親密になって欲しいという気持ちに似てる。

「終わっちゃう」からそうはならないんだけど、「それがイヤ」なんだよね。僕は。山岡四郎と栗田ゆう子みたいに、くっついて欲しい。まぁ美味しんぼに色気があったのかと言われると、それはそれで言葉に窮するけども。

・・・

結局映画だろうとマンガだろうと、見てる人が見たいように見ればいいと思う。感想だって千差万別で、「わがままでいい」と思うし、それをみんなに強要したり、さも総意のように書かなければ、概ね何を書いてもいいと僕は思う。だから、僕にとってのミレニアム版は「残念」だったし、クレイグ版は「最高」だったってことに、まぁなってしまうんだよな。

てか、映画の感想にしちゃかなり長くなったな。てかこの辺りは「見た人」しか読んでないとは思うけどさ。

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コメント

かなりバイオレンスであまりクリスさん好みでないと思ってたのですが、意外でした(笑)。
バイオレンス以外のゾーンがエロ含めて大きかったというところでしょうか。私もこれは劇場で見て面白かった覚えてあります。ダニエル・クレイグはやっぱりかっこいい。

それ以来見てないので、また見たくなりましたよ。

原作も三部作読んだことありますが、第1作はよかったものの、あとはピンときませんでした。何だか、作者の
「ぼくのかんがえたさいきょうのヒロイン」
という側面が強くなってサスペンスじゃなくなってしまい。第1作はかっこいいのなぁ。

投稿: ゴロー | 2017年5月30日 (火) 08時05分

どもですゴローさん、クリスです。嬉しいレスをありがとうございます(^^。何が嬉しいって、

 「また見たくなりました」

ぜひ見て下さい!そして僕がタイムスタンプを書いたシーンを確認して下さい(^^。

結局ミレニアムの方は「ちょっと見ては停止」「ちょっと見ては停止」って感じで、

 自分には見るに堪えない作品でした。

もうルックスが全てってくらい「凹まされた」感じですね。ルーニー・マーラとナオミ・ラパスは点数で言えば98点とマイナス2兆点くらい違いますわ。100点満点で。「プロメテウス」の時はそこまで嫌悪する感じじゃなかったんですが、一旦ルーニーのリスベットを「最高」にしちゃってる分、

 違和感しかない

って感じになっちゃったんですよね。2作目3作目も本音は見たいんですが、この人達のヤツじゃとてもじゃないけど見れないだろうなって感じです。

てか、ミレニアム版には「編集長との絡み」が描かれていたのですが、クレイグ版にはそれがない。そこが凄く大きな違いなんですよね。僕にとって。

 彼女との恋の顛末を描く物語に、「本妻」はジャマだって話。

それが、フィンチャー監督よくわかってらっしゃる、と。

確かにバイオレンスなシーンはキツかったですけどね。でも飛ばしたいとは不思議と思わなかったですね。「何かに期待して」見ることが出来たからかも知れません(笑。

投稿: クリス | 2017年6月 2日 (金) 13時23分

こんちはクリス。

序盤二人が出会うまでは、内容をちゃんと把握してないと面白さが半減してしまうといけないからって、
難解なところを一生懸命理解しようとしたり、劇中ダニエルが言ったまんまで、「この時点で誰が誰だか?」南かんじでこんなッ中途半端な理解でこの先ちゃんと楽しめるのかよオイッ!

て思いも随分感じながら。

ただ二人が出会ってからの展開への期待もどんどん膨らんでいった。

期待通り出会ってからの展開は期待通り面白さもグンと加速していって、二人の俳優の魅力とキャラの魅力に尽きる。ストーリーは内容を把握してないために楽しみを逃してる部分あるなぁって感じ。

彼女の道徳観が欠如してる感じが気持ちいいんだよ、
にくったらしいやな奴にその分容赦のない暴力を振るう感じが。

バイクのシーンも良かったしね。

あー、しかし、最後もう少しだけでも彼女にすくいがあったなら、、、涙

という気持ちを抱かせることが狙いだとしても、

何とかして欲しかったかな。


投稿: nori | 2017年6月 4日 (日) 18時33分

ちすnori君、クリスですまいど。なんつか僕もある意味ツンデレ的な感じなのかも知れないけど、「内側に入っちゃったら」もういろんなことを許せちゃうんだよね。入るまでは敵でも入ったら味方。味方になったらアバタもエクボ的な。

人間関係とか全然前半わかんなかったんだけど、2人に焦点が当たってからは、他のことが「取るに足らないこと」というか、まぁミステリートしても十分面白い話だったとは思うけど、メインはラブストーリー、みたいな。

nori君が僕と違って「彼女の躊躇いのない暴力」「強さ」に惹かれたのも、これまたわからんでもない話。映画なんてモンは見る人によって千差万別の魅力を発するわけで、凄まじい部数が売れた本作は、つまりはより多くの人の訴求ポイントを突いたってことなんだろうね。

 まぁ映画化に際し、どこまで原作を活かし、そして殺してたのかはわからないけど。

ただひとつ言えるのは、

 クレイグはカッケーってことかな(^^。

切ない終わりは、ラブストーリーだから仕方ないと思うようになりましたよ。

投稿: クリス | 2017年6月 7日 (水) 01時50分

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