ゲド戦記
勧められた、というほどではないのだけど、「見てないのに否定するなよな」と言われて、「確かに」と思ったので見て見た。
まぁ見なくてもよかったかな、と。
見始めて一番最初に感じたことは、
「0.5秒長い」が頻出
ところによっては「0.7秒長い」と感じるシーンもあり、0.1秒でも長いだけでイラっとする僕としては、
テンポが悪い。編集がタルい。無駄なシーンが多い。
実際見ていて「なんでこんなカットにこんなに時間掛けてるのか全く分からない」ところがかなりあって、違和感というか、完成度の低さ、才能の無さみたいなのが序盤から出まくり。それだけが吾朗のウィークポイントってことはないんだろうけど、カリオストロと比べると、
100:0で悪い。
もちろんカリオストロと比べて「100:50」で悪いレベルの作品すらそこまで多くはないのだが。
そして、声優も違和感。もう名前も忘れた主人公の男の子と、ヒロインテルー。
スゲェ嫌。
男の子の方はしばらくして慣れたけど、テルーは最後まで鼻につくというか、そもそも当時結構テレビに「歌手として」出てた手嶋ちゃんが、
生理的に嫌いだったので、声とセリフも全く肯定出来なかった。
なんか、気持ち悪かった。ある意味声優として馴染みがないという点では、「君の名は」のヒロインの子にも通じるのだけど、あっちは全然良かったんだけど。
原案「シュナの旅」ということで、そっちが死ぬほど好きな自分としては、それを汚されるのがイヤで見なかった経緯があったのだけど、
全く違う話だった。
どのくらい違うかと言えば、
ドラえもんとエヴァンゲリオンくらい違う。
共通点は作者(監督)が日本人ということくらいで、あ、こじつけ的に言えば、
主人公が情けないという点が似てる。そして、ゲド戦記とシュナの旅のどちらにも「ヤク:紺色の馬みたいな家畜」が出る。
そのくらいの共通点。てか、ドラえもんとエヴァほど似てないわ。
話自体よくわからないというか、
あのドラゴンは一体何だったのか
なぜあのじいさんは旅をしてるのか
あのじいさんは「ゲド」って呼ばれてた気がするけど、「なぜその名前からゲド戦記」なのか
女の子は何者なのか
アクションシーンがほとんどなく地味過ぎる展開
そもそもあの魔女がなぜ男の子を捜してたのかわからない。捜すんなら女の子の方じゃないの?
人間→ドラゴン、ドラゴン→人間もよくわからないし、本当の名前とか、、、千と千尋が大好きなワケじゃないけど、それにしても全然意味が分からない。教えたらどうなるのか、結果どうなったのか、なんでオヤジを殺したのか、なんで剣を盗んだのか、なんで王様が殺されたのに掴まらなかったのか、なんであんなに身軽で旅をしてこられたのか、魔法が使えるのは魔女だけなんてウワサが流れてるのに大賢者が存在するのも良くわからないし、
見ていてしっくりするところがほぼなかった。
でも良かった点が二つある。
ひとつは、「最後まで眠らずに済んだ」こと。正直「早く終われ早く終われ」と思い続けながら見ていたけど、不思議と眠くはならなかった。そしてもうひとつ。劇中唯一好きなシーンが、
テルーを影が抱きしめて、ほほを染めるシーン。
「いいね!」と思った。テルーが表には出さなかったけど、瞬間「デレる」感じがとても、「いいね!」と。キュンとしたわ。
てか王様殺しておいて普通に戻って来られるわきゃないと思うのだが、その辺もまるで「些細なこと」のように収めてたのも違和感出まくりだったな。王子様だから王様殺しても許されるとでも?なわけない。そもそも祖国が今どうなってるのか、
臭いものにはフタ
って感じで一切触れてなかったからな。面倒だし、よどむから「触れなくて良かった」とは思うけど、でもスッキリはしない。そもそも原作からどの程度はしょられたりアレンジされたりしてこうなったのかもわからないけど、さすがにこのまんま「父殺しだけど普通にまた旅に出られる」ってことはないと思うんだけど。
クリス評価は前述のハグシーンが良かったので☆。他は全くダメだったな。でもある意味期待以上ではあったかも。期待値は0点だったからな。
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コメント
予想以上に辛辣で圧巻です笑
確かに、ゲド戦記は不明や疑問が多く存在しますよね。
私も理解せず雰囲気だけで観た作品なので、クリスさんの疑問には一切答えられません笑
流れというものは全て無視してる感じですよね。既存のお話をただアレンジしただけとも取れますが、本人の中では理解してるから、説明に主となる部分をいれない、伝わらない話をしているのと同じではあると思います。声優さんに関しては、不自然なので×ですね。セリフもあほっぽいですよね。菅原文太はアリだと思います。
私は好きだといった以上、この作品の良さを説明せねばなりませんね笑
ゲド戦記の良さは、まさに疑問や不明な点が多い部分に存在していると思います。これは、監督の才能のなさや、センスのなさ、模倣を重ねた結果、このような作品になったこと、を肯定しているわけではありません。たまたま、それらが悪い部分として出た結果に、問題提起が存在しただけのことです。
一見して、感情の揺さぶりや、訴えかけるものがないこの作品。これは、「作品」のありかたとしては、アリだと思います。まあ、監督が目指した芸術、世間の評価、などとは全くかけ離れているのでしょうが(本人の意図で反映されているわけでは無い、という点ではナシ)。
何が言いたいかといいますと、主人公目線で観られる映画ではない、感情移入ができないといいますか、深層心理的に感情移入「したくない」作品に仕上がっています。これが、違和感や、面白みに欠ける部分の正体。
それがなんなのかと申しますと、「理想」というフィルターを通して観られない。ということで、現実にも似た、あやふやな世界、現実では皆、理解できていないことの方が多いのに、それをあたかも理解しているかのように振る舞い生きていますよね。それをアニメーションで観た。たんたんとどうでも良い話を聞かされながら、身を置くならこんな世界も憧れるな。ということです。
そう、作品の完成度としては低い事は、否定しません。しかし、この作品の「迷走」しているところ「曖昧」なところが、人生と酷似している事で、私はこの作品を評価しても良いと思っている、という事です。不完全な模倣じゃん、改悪じゃん、ってところは拒否反応はあるにしても、雰囲気は本当に好きです。
まあ、そんなところです笑
ただ、不純物としてクリスさんに不快感を与えてしまっていたらすみません。しかし、そんなクリスさんの辛辣な意見がもっと聞きたくなってしまう笑
あ、そうそう、クリスさんは謎を解くゲームはしますか?
昔の超オススメのゲームがあるのですが、難易度MAX越えの超謎解きゲームです。もしそういうゲームするのであれば、おっしゃっていただけたら、紹介させていただきます!
投稿: レイオス | 2017年5月19日 (金) 00時58分
どもですレイオスさん。冒頭の「予想以上に辛辣で圧巻です」のコメントにちょっとニヤけてしまいました(^^。悪意を込めて書いたわけではなく、ごくごくニュートラルに書いても「こうなってしまう作品だった」ってことなんですけども!
レイオスさんが本作を肯定・評価している理由は、ちょっぴりなるほどと思いつつ、ジャッジメントポイントが違う僕が同意出来ないのは当然とも言えますよね。でも上でも書いた通り、
期待をいい意味で裏切る作品だった
のも事実なのです。だって0点かと思ったら1点だったんですから。そう言う意味で言えば、全く見て損したとは思いませんね。不快感とかもありません。ハグのシーンとか4回くらい繰り返して見てますし(^^;。ジェシー・アイゼンバーグの「エージェントウルトラ」とかのがずっと見て損したと思いましたよ。予告の方が面白いって意味で。
辛辣と言われるのを覚悟して補足するとするなら、本作は「宮崎駿の子供の作品」として世に「出なくても」ダメな作品だったと思うわけです。簡単に言えば0点か1点かの駄作間違いなしなクオリティで、言うなれば実写版デビルマンとかの「最低作」と比較されるレベル。このまま監督続けるのは勧められないよ?みたいな。
でもそんな中にあって一筋だけ光が見えた「ほほを染めるテルー」のシーンがピックアップされて、今の方向とは全然違う、言ってしまえば親父駿が全否定するようなエロアニメとかにシフトしていった方が、むしろ「いい監督」になれたのかな、と。人には得手不得手向き不向きがありますからね。
でも素直な感想が受け入れられてホッとしました(^^。まぁ正直ってのは敵も味方も作るスタンスですし、それを由として生きてきたから、なかなか変えられないんですけどね。
謎解きゲームは、、、どんなゲームのことを言ってるのかわかりませんが、
たぶん100%やらないですね(^^;。
理由は時間を無駄にする可能性が高いから。僕は時間を無駄に使わせるのが何より嫌いなのです。もしゲド戦記を隣で見てたら、僕がどれほど頻繁に、「ココで切れ!」と言っているのか驚かれると思いますね(^^;。
サクサククリア出来る「自分にとってベストな難度」のゲームは好きなんですけどね~。
もし始めても1分未満に止めてしまう気がします(^^;。歳取るといろいろわがままになるってのもありますね。
投稿: クリス | 2017年5月19日 (金) 21時53分
辛辣も辛辣で、どう自分の意見を言うか考えてしまいました笑
確かに、たまに予告の方が面白い作品ありますねー^^;
ゲド戦記の予告サブタイトル「見えぬものこそ。」ってちょっと何言ってるかわからないでしたけどね。
私は新海誠の作品が好きで、恐らく内にこもる感情を描いている作品に惹かれる傾向があるようです。
「君の名は」映画館に観にいきましたが、単純に面白かったです。しかし、あれはもはや新海誠の世界観とは違うものです。大衆に評価されるか、自分の世界を突き進むのか、芸術家のジレンマはきっと色々と大変なのでしょうね。
アニメーションだけでいうと「サマーウォーズ」は相当好きです。そして、私の中でのtop of the animation は「新世紀エヴァンゲリオン」です。
やはり音楽にしても、映画にしても、漫画にしても、人の感性は色んな視点がある中で、どこかで合致するポイントは存在するのでしょうね。全て共感しろという方が無理な話ですよね笑
クリスさんのいうとおり、人は向き不向きがありますよね。才能があるのと、技術だけがあるの差を、自分自身が見極める事ができないと壁は突破できない、特に芸術の世界では。そういう観点でいうと、芸術の世界で割と重要なのは、作り手が「受け手の才能」を持っているかどうかですね。まあ、そんな才能を持っていなくても、偶然その道に進んでいれば開く才もあるのでしょうね。
謎解きやらないんですね。確かに時間だけは使いますしね。クリアしても何も達成感もないですし、私も謎解きのゲームはおもしろくないので基本やりません。
しかし、紹介したくてたまらないのです。今まで初めてゲームで挫折という苦渋を嘗めさせられた記憶が蘇るゲーム。その名は「MYST」。
このゲームは説明もなにもない状態で始まります。セリフもないに等しく。謎の島に一人、人っ子一人いない。ここはどこ?私は誰?状態で島に投げ出されたという設定。BGMはほぼなく、奇怪なSEと美しい風景と、人工的な造形物が織り成すこのゲームは、謎解きの永久保存コンテンツです(勝手に言ってるだけ)。このゲームは五感を研ぎ澄まさないとクリア不可能です。専用ノート不可欠。IQ125~165のレイオスに二度三度の挫折を経験させた怪物です。続編もいくつかあります。
元はPCゲームで、私はプレステでプレイしたのですが、最近はDSやアプリにもなってるらしいですね。
当時、ゲームショップの中古で、クソゲー認定され180円で買った代物だったのですが、今アプリストアで見たら800円!もし全てのゲームに飽きる日が来たらプレイしてみてください笑
投稿: レイオス | 2017年5月20日 (土) 01時55分
どもですレイオスさん、スマホを充電してる時くらいしかまともにキーボードを叩く気になれないコンペ中という感じです(^^。
新海誠は、正直君の名はまで見る気になれず、かつ君の名はに関しては、
とても商業寄りの作りが逆に居心地が良かったです。
これは(世代は違うかもですが)ガイナックスにも同じ事が言えるんですよね。処女作とも言える「オネアミスの翼」は、主人公もムサくて、メカらしいメカも出ず、まことに自己満足な色気のない作品でした。しかし、この反省があったからこそ(僕的には一二を争うほど大好きな)「トップをねらえ!」が作られたわけで、
消費者のことを考えてない創作物は、基本的には全て自己満足の域を出ないと、僕は思っています。
細田守監督も山崎貴監督も、やりたいことをやっていては食って行けないのを知ってるからこそヒットメーカーと呼ばれるようになるわけです。
※逆にしんちゃんで有名な原恵一監督は「カッパのクゥと夏休み」で自らのやりたいことをやり尽くしてしまったため、一戦から退くことになってしまいました
もっとも「言の葉の庭」もそれなりによかったですけどね(^^。最後ハッピーエンドなので。
エヴァと言えば、僕のブログのサイドメニューにある
●ヱヴァンゲリヲン新劇場版-破ー名場面プレイバック!
http://cris-deepsquare.cocolog-nifty.com/top/2010/06/--1cee.html
これは読まれましたかね。僕のコアさ加減がとても出てる回で、特に「№107」のスクリーンショットに関しては、エヴァの凄さ、深さをシミジミ痛感出来ました。
レイオスさんが意図して「ヱヴァ」ではなく「エヴァ」と書いていたとしたら、テレビシリーズのことなわけですが、あっちは本放送時に「アスカ来日」から見始めた自分も、いろいろ思い入れはありますね。もっとも僕はハッピーエンドが好き、ハッピーエンド以外は大嫌いな人間なので、テレビシリーズの終盤は、完全にどうでも良くなっていましたけどね。男の戦いまでですね。
それよりも愉快だったのが、
まさかMYSTだとは思いませんでした!(^^;
ガハハハって感じです。
普通に一作目のWindows版を買ってますね。たぶん新品で。
ただ、当然のようにクリアはしていません。雰囲気ゲーって感じです。この頃は独身だったこともありゲームに掛けるコストが比較にならないくらい高かったので、「買って当然」という一本でした。面白いと思えるまで進めませんでしたが(^^;。
投稿: クリス | 2017年5月20日 (土) 21時14分