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2017年8月22日 (火)

テレビの現実とウソ

「ウソ」の反意語は「ホント」、「現実」の反意語は「虚構」だと思いつつ、あえて「現実とウソ」というタイトルにしたのは、

 大した意味はない。何となくそんなニュアンスだったから。

こないだイッテQを見ていて、

 「イッテQ、予算あるな~」

と。そして同時に、

 「これって結構ヤラセなんだろうな」

とも。

ちなみにこれはよくあるネットの邪推や思い込みによる決めつけではなく、単なる僕の想像なので、あまりめざとく反応しないで欲しいのだけど、

「陸海空こんな時間に地球征服するなんて」の部族アースの「リアリティ」を見たあとだと、イッテQの「ぬるい感じ」が、何か凄く滑稽に見えた。

画面が変わった瞬間にスタッフは「部族アースで何週にもわたってようやっとたどり着いた」イキトスに居て、真っ昼間からナマケモノを含む様々な動物を矢継ぎ早にカメラに収めたりしている。

 そもそもナマケモノは夜行性だったと思うが!?

日中にそんな簡単に見つかってしまうところには居ないのでは?居たら簡単に捕られて食われてしまうのでは?移動速度超遅いわけだし。

ゴールデンの「1分単価」は、部族アースのそれとは比べものにならないくらい高い。それは制作費的にも「期待値的にも」。だから、ひとつひとつの動物を見つける為に何分も尺は取れないし、往復の移動時間に「意味を持たせる価値などない」のかも知れない。もちろん、

 結果それが「面白いか否か」が最重要であり、撮れ高さえあれば、どんな時間を掛けようとも何ら問題はないはずなのだが、、、

言っても部族アースのゴールデンスペシャルの視聴率は10%に届かず、さして大きな爪痕を残せたとは言い難かった。てか、まめに見てはいるが、

 過去の映像を繰り返し流すだけで、以前のエネルギッシュな驚きは、最近とんとなりを潜めてしまっている。

ぶっちゃけ「豪華客船アース」の方が遙かに面白い。REINAの巧みな話術と、易々と落とされていく金持ち&船のクルー達を見てる方が、「単位時間当たりの満足感」は上だ。

言ってもたかが2人のスタッフが9日ほど豪華客船クイーンメリー2に乗ってるだけの話。言うほどコストは掛からない。が、

 撮れ高はコストに比例しないことを強く感じる。

煽るほどクイーンメリー2の操舵室への潜入に価値があるとは思わないが、その過程はとても痛快で、見ていて普通以上に面白い。名もない日本女性が、「ドレスより着物の方がウケがいいから」という理由で着替えて、キャプテンとツーショット写真を撮る。当たり前の話、そこにやらせは一切無く、「操舵室への取材」を言い出せずにその場は終わってしまうが、そのあと別の場面で「キャプテンの方から」見に来るかい?と振られる。

 「ガチ」という言葉は、テレビにはそうそうないのが現実だと思うが、この番組にはまだそれがあることを痛感する。

取材カメラとディレクターが大挙して移動するゴールデン枠。昨日見てた佐藤隆太がサメを釣る番組でも、ヒットした瞬間、3台のカメラの映像が次々と切り替わった。船外のカメラには当然「その人を乗せるための船」もあるわけで、クルーザーに並走出来る船がクルーひとりってことも考えにくい。海外ロケで、天候によって滞在期間が延びることも想定されているだろうし、いざとなったら「釣れなかったとき」のための保険も十二分に掛けているだろう。もしかしたら本当にそこに「ウソ」が折り込まれるかも知れない。

 でも僕はその番組を最後まで見る前にテレビを消している。

「ガチ」や「真実」「現実」が全て作り物を超えて面白いとは「全く思わない」。実際「ノンフィクション」を題材にした映画は、少なくとも僕にとって「まずツマンネー」し。

ただ、よりガチに近い「本物に近い」映像でしか得られない領域があるのもまた真実だなと思った。ただ普通に日本の撮影クルーが取材交渉したところで、クイーンメリーの操舵室、つまりブリッジへ入れたかどうかはわからない。人数が多いことで相手に警戒心を抱かせることもあるだろうし、ヘタに笑いを取ろうとして余計なこと(ボタンに触ろうとするとか)をしかねないとも限らない。事前に打ち合わせをして、そう言う「絵」を撮ろうとする可能性だって、、、むしろゴールデンなら「やって当然」かもとすら思う。

 でもそれが果たして本当に面白くなるのかどうかは別の話。

残酷であるかどうかは、そこに暮らす人でない以上「測りきることは出来ない」はずだ。毎日を生きていくために、「裸という衣装」に着替え、半ば強引なまでの押し売りで民芸品を買わせる。一方ではナイキのTシャツを来て、「ネットは来ているが料理は直火」みたいな生活もしてたりする。

 こちらもこちらで、「それが本当に面白いのかどうか」はまた別の話。

「ウソ」であるか「ホント」であるかは、実際のトコロ「面白さを測る尺度」として成立しない。そして、「予算の額」もまた、面白さに直結しない。ただ言えるのは、

 枠(ゴールデンか深夜か、みたいな)によって、「作られ方」が全然違うんだな、と。

伊集院のラジオでも、「伊集院のばんぐみ」でも、基本彼の作ってる物は低予算だ。「人気の割に」と書いていいかどうかはわからないが、同じ番組でも日中の帯番組のように「採用されたら3000円」みたいなことはしないし出来ない。さんま御殿みたいに53000円なんてとても無理。スタッフの弁当は230円とかだった気がするし。

面白いか面白くないかは、作り手ではなく、受け手で帰結する。単なる好みと言ってしまえばそれまでだけど、少なくとも前回のイッテQは面白くなかったし、地球制服するなんてのあとだと、いくつかの「ドキュメンタリータッチ」にウソくささを感じてしまうようになった気がする。

 もしかしてちょっと損してる可能性もあるが、、、

でもやっぱり「騙すなら綺麗に騙して欲しい」と思うんだよな。予算を割くのは、個人的にそこだと思う。てか、「川口浩探検隊」が当時とんでもなく面白かったのは、つまりは「小学生の僕を綺麗に騙してくれていたから」。そう言う意味では、高校野球とかワールドカップ、オリンピックは、「間違いなくガチ」で、ドラマが確約されている分、安心して見られるのかも知れない。

 ウソであるかホントであるかは、問題じゃない。重要なのは、

 ホントっぽく見せるなら、徹底的にやらないと、結構ほころびとか見つけちゃうよ、って話。

 でもってそれは、予算だけが決め手になるわけじゃないよな、って話。

ちなみにそんな地球制服するなんてだけど、ツイッターの発言が、(当初より注目度が高まったからだろうけど)かなりつまんなくなった気がするのはとても残念。

当たり前の話否定的な意見も大量に、それこそ僕があれほど楽しめている豪華客船アースでさえ「46%」の人が「この企画を止めた方が良い」と言ってるわけで、単純に考えたら、リアルタイムに表示されるツイートの46%が「検閲されている」ということになる。

 それに気付いた時、全体的な「ガチさ」がかなり薄れてしまったりもした。

46%全て出せとは言わないが、もう少し丁寧に拾い上げた方が、「この番組」としての魅力は上がるんじゃないのかなぁって思った。適当に好意的なコメントだけアップしてたら、それはつまり、

 撮影のためにナマケモノを取り寄せるのと同じことだからな。

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