キングコング 髑髏島の巨神
※多少ネタバレしてるけど、この作品にそんなのカンケーネェって感じだと思う
「髑髏」って一生書けるようにならないだろうなって思う。
放送当時のテレビCMが、立木さんナレーションで「安っぽ!」と思い、華麗にスルー。でも結構見た人の評判は良くて、レンタル開始、そして借りるタイミングを測ってた。
ズバリ感想を一個で言うと、
「安っ!」
VFXとかCGはかなり本気で、キャストも「どっかで見たことあるけど、思い出せないなぁ」と言う主人公トム・ヒドルストンや、ジョン・グッドマン、相変わらずどこにでも出てるサミュエルLジャクソンと、悪くない布陣。ちなみにトム・ヒドルストンは、
マイティソーのロキだった。
なるほどソックリ。そりゃそうだ同じ人だもの。
ジョン・グッドマンは、古くは「フリントストーン」の中の人。見覚えがあったのは誰か別の人と勘違いしてたのかも。
「安さ」を感じたのは、ズバリ話の筋が、「子供だまし」だったから。
多数の部下を殺された隊長がその仇を取ろうとするのは至極当たり前の話なのに、
いつの間にか悪役にされている。
見ている子供たちが、よりドキドキワクワク出来る様に、
あのキングコングを「善玉」として応援できるように、
割と強引に話が進んでいく感じ。ヒロインはさして美人でもなければ、サービスカットもなく、
※なんか「劣化シガニー・ウィーバー」って感じ
主人公も「僕が見てかっこいいとは思うが」いわゆるイケメンではない。
主役はあくまでキングコング。
悪いモンスターや島を守るために痛い思いをしてがんばる。でもって女の子には優しい。
・・・そんな都合のいい野獣が居るか!
あるシーンでは人間を「食らう」のに、最後には池に落ちたヒロインをそっとすくい上げる。
・・・オマエは、、、誰?
個人的に、僕の中のキングコングと言えば1976年のキングコング。コングがヒロインに惚れてしまう流れが丁寧に描かれ、だからこそラストも切なさを込めて盛り上がる。
コレ、そゆんじゃないから。
とにかく、「怪獣映画」のソレ。日本で言えばガメラ3みたいなもんで、結構人間も殺しちゃったけど、「根はイイヤツだから」で最後強引にハッピーエンドに持っていく感じ。
それで、、、それでいいと思う。
全ての怪獣映画がクローバーフィールドみたいにシリアスタッチになる必要もなければ、シンゴジラのように政治だなんだのリアリティを突き詰めることもない。金子修介監督の大怪獣総攻撃のように、「ある意味ファンタジー」でケリを付けたってイイし、ジュラシックパークみたいに「本物っぽさ」を磨き上げたっていい。
本作のように、子供向けで盛り上がれる怪獣映画があったって当然いい。
僕が見た印象は、76年の「巨大生物の島」みたいだな、と。
「巨大生物の島」は、つまりはクモとかサソリとかハチみたいな生物が巨大化した島に迷い込んだSFファンタジー。原作はウェルズで、当時はそう言う映画が結構ヒットして、テレビでも何度も再放送してたりした。
それの現代版。
当時ワクワクした気持ちが甦る、クモやタコそしてコング。巨大感のあるカメラワークは時代の恩恵を感じさせ、迫力のある戦闘シーンは、監督のこだわりと、「予算の掛けどころ」を感じさせた。
原住民の壁画が「異常に上手くて」、むしろ違和感しかなかったり、兵隊の人数が多すぎて、「もはや大量虐殺」なテイストが、より「安っぽさ」を助長。どう考えても失策なのに「いい絵が欲しい」という理由で墓場を横断。銃をしこたま撃ち込んでも全く平気なバケモノが、発煙筒一発でひるむ。足一本ちぎられただけで死ぬタコ、
※見直したら直前にワンパン入れてた
いかにも何か出てきそうなのに全く何も出てこない沼、ヒロインはカメラのフラッシュを使わないのに、所長のカメラはフラッシュバンバン。妙に美人のアジア系研究員。適度に黒人も配置。日本人とおぼしき若者も序盤で抑えて、、、
全てがご都合主義、そして売上のためのマーチャンダイジングのたまもの。
でもそれを悪いとは言わない。だってそれなりに楽しめたから。クリス評価は★★☆って感じだったから。またクモと戦ってるトコとか見ても良いかなって思ったりもしてるから。
なるほど立木さんがナレーションする映画だわ。
スゲェ納得。
今回のブログを全部読んでなお「見たい!」って思った人は、まず裏切られないと思う。
まぁアレだ、「渡辺謙のハリウッドゴジラ」以上にケレン味タップリで仕上げたキングコングってヤツだわ。
・・・褒めてるぞ?
もう少し書く。
コングの造形、、、というかCDだろうからデザインは、ぶっちゃけかなりブサイクで、でも妙に直立してる。「ゴリラってあんなにまっすぐ立ったっけ?」と思わずには居られないシルエット。あと、大きさも時々「縮尺がちがくね?」と思ったりもしたけど、これは僕の勘違いかも。てか、
これまでのコングより大きいんだよな。たぶん。
だから妙な違和感があったんだと思う。あと、いつもなら都会に連れてきて終わるところを、シリーズ物にする気満々の展開で幕を閉じる。「地底空洞説」のフリは、明らかに次への布石だと思ったし、「まだまだ地下には我々の知らない未知の巨大生物が、、、」で、
いくらでも稼げる。これが売れていれば。
新しくそして強力なIPをゼロから立ち上げるのはなかなか難しいから、過去の遺産を使うのはかしこいと思うし、流れとして当然とも思う。サメ映画のロストバケーションや、ターミネータージェニシス、猿の惑星もかな、結構焼き直しで成功した例は多いし、個人的にクリーチャー系にテコ入れしてくれるのも嬉しい。
ぜひアリゲーターや巨大クモ軍団の襲来、人喰いアメーバの恐怖辺りもリメイクして戴きたい。
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