トルネコの大冒険2の話
伊集院の昔のラジオを聞いてたら、「シレン3」くらいの頃の話で、限界まで鍛えまくった剛剣マンジカブラに「混ぜてはならないモノ」を混ぜたことで、壊れて消えました、という話が出てきた。
直後伊集院はショックで吐いたという。
僕のシレン、、、正確には「ローグライク」の記憶は、PC8801の頃の「ローグの移植版」まで遡る。UNIX上で作られたテキストだけのRPG「ローグ」。主人公は「@」で、カーソルキーで移動し、スクロールやらアイテムやらを拾いつつ、アルファベット1文字で表されたモンスターを倒し、レベルアップして、最下層にあるアミュレットだかを拾って戻ってくるというもの。
初めて拾ったアイテムは効果がわからず、一度死んだらそれっきり。
※ただしPC版には階下に降りる際にセーブが出来たような気がしないでもない。それでも異常に難しいのだが。ちなみになぜ難しいかと言えば、序盤から「ランダムにモンスターを変える」ワナやら杖やらで、たとえば「G」ゴブリンが、
あっさりと「D」に変わったりする。
「D」がなんなのか、聡明な読者諸氏なら想像に難くないと思うが、
もちろん「ドラえもん」のことである。
他には「T」もかなり怖い。そう、
Tは、「トトロ」だ。
・・・静かにしてくれなくていい。
ともかくそんなローグだったが、別段そこまで僕的にハマることはなく、やはり自分の中で「残ること」がとても大きなウェイトを占めるのだなぁと思った。
時は流れ、スーファミで「トルネコの大冒険」が発売される。トルネコは、ローグをベースにしつつもあそこまでハードコアに寄り過ぎないチューンがされていて、特に最初の「しあわせの箱」入手までは、
かなりヌルい仕様で遊ぶことが出来る。
正直僕にはその程度で十分だったりもしたのだが、その世界に魅せられた猛者達の多くは、そのままストーリーを進めた先にある「ローグ本来の難度」に近いダンジョンに足を踏み入れていった。
そしてさらに時は流れ、「風来のシレン」が発売される。こちらはドラクエとは世界観を異にしたチュンソフトオリジナルのローグライク。ただ、そのベースは初代トルネコと同じく「序盤ヌルめ」。僕でも普通以上に楽しめた。初登場の「泥棒」も暑かったし、モンスターが進化するのも、ここから始まった気がする。
その後もシレンはその名に恥じない進化を遂げていくのだが、僕的に一番好きなのは、タイトルにも書いた、
トルネコ2、そのPS2版だ。
今でも時折無性に遊びたくなる。理由は、トルネコ2にある「魔法使い」と「戦士」モードが極めて面白かったことと、それ以上に、
セーブでズルが出来たこと。
PS2版は今では言われてもピンと来ない人も居るであろう「メモリーカード」を使ったセーブシステムを利用しており、そのファイルをコピーすることで、
「やり直すこと」が出来た。
つまり、トルネコ2に関しては、「剛剣マンジカブラに変なモノを混ぜてしまって、壊して無くしてしまう恐れが極めて低い」。なぜなら、段階を踏んで複数のセーブファイル=メモリーカードを確保していればいいから。
人によっては「そんなのシレンじゃねぇじゃん」と蔑んだ視線で僕を全否定する人も居るとは思うけど、毎度毎度書いてる通り、
他の人に迷惑を掛けない範囲でなら、楽しいが正義。
ゲームなんて、その人が楽しい、面白いと思う遊び方をすればいいのだ。誰もがギリギリの戦闘で大きな達成感を味わいたいわけじゃない。レベルをガッツリ上げて、「オレ強ぇぇ」でゴリ押ししたい人だって結構居るのだ。
魔法使いモードは呪文を覚え、戦士モードはワザを覚えていく。前者は死んだら次の冒険には忘れてしまうが、スペルブックに書き込めば、一度習得したことのある呪文は再び覚え直すことが出来る。後者は死んでも残る。
つまりは「残るローグ」。
その上でセーブでの退避も可能で、たとえソレが作り手の望んだ形でなかったとしても、「全てが台無しになるリスクを冒さずに済む」ことそのものが楽しかった。たとえて言うなら、
もしもボックスに「もしトルネコでセーブが出来たら、、、」と電話するようなもんだ。
・・・
結局人は悪いことが好きな生き物だと思う。ポケモンでタマゴを孵すにも、輪ゴムでスティックを固定して、円形の広場をずっと走り続けたり、裏技という言葉の誘惑に勝てずに、ゼビウスで無敵、ポケモンでミュウを手に入れてしまったりするのだ。ドラクエ3でカジノのコインを65565枚買おうとした人は、100万人じゃ効かない気がするし。
エクスヴィアスのスイコンとかタスキルとか、その他いくつも見つけられ、対策されてきた「運営の望まない遊び方」だって、基本はやっていいと僕は思う。さすがにプロアクションリプレイのような、データそのものを改ざんするようなやり方は行きすぎだと思うが、「やって楽しくなる裏技」なら、非公式で黙認してもいいんじゃないかと僕は思う。
実際は、それを「ねたみ、うらやむ」人達が相当数居るから、「他人に迷惑を掛けない範囲」でなくなってしまうのだけど。
あと、これもとても重要なことなのだけど、僕はトルネコ2が大好きで遊んでいたのだけど、そんなトルネコ2を「止めた」時のこともよく覚えている。セーブを退避して、育てた剣や覚えたワザがいっぱいあったトルネコを止めた理由。それは、
倒し続けられる美味しい稼ぎから抜けられず、そのままセーブやロードを繰り替えし続けて、結局遊ばなくなってしまった。
その地点ではあり得ないレベルまで上がって、口元にはニヤニヤが止まらない。そのサイクルに気付いた時が、トルネコで一番楽しかったときだったかも知れない。
でも、それが結果としてトルネコの息の根を止めることになった。
これを読んで、「ズルはやっぱりダメだ」と思う人も居るとは思うし、「自己責任」と思う人も居ると思う。エクスヴィアスでもそれをすることでゲームの寿命を自ら短くしてしまうような裏技もあるかも知れない。
でも、僕はトルネコ2のセーブ退避を使ったことを微塵も後悔してない。
自己責任がどうというのではない。罪の意識なんて全く無い。重要なのは、
僕がトルネコ2に満足して止めたということ。
もうどんなモンスターだったのかも思い出せない。経験値が美味しかったから、メタルスライムだったのかも知れない。倒して倒して倒しまくって、ボスとかクリアとか全然まだだったのに、満足してしまった。
「満足する」ことは、全ての実績解除にも優る。
僕はトルネコ2が大好きだった。今でもその気持ちは色あせてない。マンジカブラを無くした伊集院は、しばらく遊べなくなったというが、「好きだった気持ち」は、きっと今も変わらないと思う。
そんなゲームに出会えたらいいなと思う。
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コメント
クリスさーん!こんにちはー!٩(ˊᗜˋ*)و
私もダンジョン系好きでしたぁー!٩(ˊᗜˋ*)و
かなり深く潜った時のモンスターハウスが楽しかったです!笑
投稿: まぐろ | 2017年9月22日 (金) 15時31分
どもですまぐろさん、クリスです。
不思議のダンジョンは、正直出過ぎましたよね。チョコボとかポケモンとかドルアーガとか。ガンダムのもあったみたいですし。
簡単にすると凄く簡単になってしまうという意見もあるかとは思いますが、自分的にはあの「無くなる怖さ」は、もう耐えられないというのが本音です。
投稿: クリス | 2017年9月23日 (土) 01時42分