ドクターストレンジ
「こんなのもマーヴルに居るんだ」そんな感じのヒーロー。「ストレンジ」は単に主人公の名前。あだ名とかでもない。主演は覚えにくそうで実は凄く覚えやすい名前で有名なベネディクト・カンバーバッチ。監督のスコット・デリクソンは全く聞いたことがなかったけど、キアヌの「地球が静止する日」の監督だった模様。
あれはあれで嫌いじゃない。
他は、エメリッヒの「2012」でヘルムズリー博士(黒人で最後大統領の娘とキスする人)や、007で悪役だった人、でも名前は知らない、みたいな。
ストレンジの彼女であるヒロインも知らない人だったけど、それ以上に印象深かったのは、
「エンシェント・ワン」と呼ばれる、師匠(女性)。
役所的にはヨーダなのだけど、若い女性で、なかなかにかっこいい。ウィキペの写真がモノクロなくらいマイナーな人みたいだけど、今後出てきて欲しいなって思った。ただ、背が低いのが残念なところだけど。
カンバーバッチは、本作でもいつもの声優さんが声を当てていて、その口調も含め、
とても高圧的。つまりシャーロック的。
だからこそ安心して見ていられる感じもあり、シャーロックで彼のファンになった人には、普通にオススメ出来る。
話的には、天才外科医であるストレンジが、事故によって(謀略とかじゃなく自分のミス)両手がまともに動かなくなってしまう。自暴自棄になりつつもそれまでの蓄えを全て費やして直そうと奔走するが、結局どうにもならず、最後の最後にすがったのが、
東洋医学。つまりオカルト。
魔法をまるで当たり前のように扱う世界観は、マーヴルっぽくないと言えばぽくないのだけど、
「科学はそちら(アベンジャーズ)が、魔法はこちらが」
のような棲み分けも、実はされているらしい。
マーヴルシリーズには、個々の作品それぞれに「それなりの個性付け」がされているのが最近の流れだが、、、
※たとえば
・アイアンマンは、よくしゃべる天才科学者
・キャップはくそ真面目
・アントマンは元犯罪者
・デッドプールはチャラ夫にして軽い
・ソーは宇宙人
みたいな。
本作のストレンジもまた二つの大きな個性付けがされてた。
ひとつは前述の「魔法使い」であるという点。具体的には、「レリック」と呼ばれる魔法の道具の中に「空飛ぶマント」があったり、何もないところから槍や剣を出したりする。一応治癒魔法は使えないことになってるみたいだけど。
そしてもう一つが、そのまま本作の個性、そして売りになっている、
世界を変形させること。
現時点ではまだ悪玉と前述の「ワン師匠」くらいしか出来ないことみたいだけど、
ノーラン監督のインセプションの100倍くらい凄いヤツを、ガンガン見せてくれる。
それがともすれば「見たことある」と思ってしまうかも知れないし、「ウワーッ」と感銘を受けるかも知れないが、とりあえず他のマーヴル作品にはなかった個性であることは間違いない。てか、
人によっては酔いそうになるような、天地がグチャグチャになる映像
なので、ある意味「VRっぽい」言えるかも知れない。
僕的には、「悪くない」程度。正直凄いんだけど、何がどうなってるのかわからない「実写トランスフォーマーの変形」のような、ちょっと疎外感を抱きかねないレベルの映像表現だったんだよね。「視覚効果賞」とか取ってもおかしくないレベルだとは思うけど。
話的には、「生い立ち」の部分なので、とてもエネルギッシュで、結構好き。スパイダーマンもハルクも、やっぱ最初の面白さってあると思うし。もっともカンバーバッチの「強すぎる印象」から、鮮度という点では、特に目新しく感じなかった点があるのも事実なんだけどさ。
ちょっとしたコミカルな点や、明らかにアメコミ読者向けの「用語」
※アストラルボディとかインフィニティストーンとか
が散見されるところなど、大人が楽しめるエンターテイメントというよりは、基本ファン向けというか、広く新しい客層を得ようという感じはしなかったが、内側に居る人間なら、見て損したってことはないだろうなって作品だったな。てか、
かなり映画館向けの映像だったのは事実。
あと、最近のマーヴルの特徴なのか、
メインキャストを紹介する派手なスタッフロールが始まってちょっとしたら、一つ目のエピローグが流れ、ブラックバックのいつものスタッフロールが終わってから、二つ目のエピローグが流れる。
正直煩わしいとも思うが、忘れずに両方チェックしよう。つか結構ネタバレ書いてて今更何をって感じだけど。
続編の制作も決まっていて、今度はソーと一緒になんかやるらしい。「キャップvsアイアンマン」の構図が出来てるから、「ストレンジvsソー」というところなんだろうな。
あ、書き忘れてたけど、クリス評価は★★☆ってとこです。嫌いじゃないけど、極めて好きと言えるシーンはなかったな。
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