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2017年10月14日 (土)

美女と野獣※エマ・ワトソン版

歳を取るというのはもどかしいものだなぁと思う。見ている最中は、「これもブログに書きたい」「これも」「ああこれも触れたい」と思っても、

 思うそばから忘れてしまう。

再生を止めて部屋の灯りを点け、メモとペンを探してもいいと思うのだけど、歳取るとこれまた面倒になってしまう。

 スゲェ言いたいことがたくさんある映画だったと思う。

思い出せるままに書きだしていくが、半分くらいは書きそびれてしまうだろうな。

ちなみにネタバレは大いにあるが、今更だと思うので気にしない。ちなみに僕としては珍しく字幕で見た。最初吹き替えで見ていたのだけど、違和感があって変えた。

 外人の顔を日本人の声だからではない

それが理由ならいつも吹き替えで見たりはしない。違和感があったのは、

 何度となく見てきたアニメ版とこの実写版の「世界やBGMが同じなのに声が違う違和感」。

「ベルに合わせた声」じゃなく「エマに合わせた声」になってた気がするから。

字幕ならほぼ問題はない。

※以下順不同

・ビーストが小柄過ぎる

 アニメの印象が強かった分、「人間ではない時」のガタイ、特に上半身が華奢すぎて、なんか、「バケモノ」というより「デミヒューマン」「ミュータント」みたいな感じになっちゃった。ニコラス・ホルト演じるX-MENのビーストみたいな?

表情が出る作りだったのは、2014年のレア・セドゥ版美女と野獣の野獣より原作に近く、悪くはなかったと思うが、

 ちょっと人間的過ぎるきらいはあった。

何つか「野獣の中で表情がある」というより、「人間が付け毛してる」みたいな?上手く言えないけど、違和感があったのは事実。最終的に人間に戻ったときの背格好も、

 もうちょっとノッポであって欲しかった

つかガストンと並んだときに「野獣とガストン同じくらい?」ってそりゃどうなの?って思ったもんな。

・・・でも、今DTVでセドゥ版を見直したら、こっちのがさらに華奢というか、細身だったんだよな。でも違和感は薄い。作風がダークファンタジーみたいで、全く違う作品になってたからかも。エマ版は、どうしてもアニメと比較しちゃうからな。

・最後の「ヒゲ生やしたら?」みたいなセリフは超良かった。実写版で一二を争う名台詞がこれだと思う。なんだベル、野獣の時の彼に未練があるんじゃん!みたいな。

・BGMは2014年版と違って1991年のアニメ版を基本踏襲しているが、

 ほぼほぼ最高なので、全く問題なし。

映画のBMGは、スティーブン・スピルバーグをして、

 感動の半分はBGMで決まる

と言わしめたほど重要性が高いが、本作ではまさにその効果が最高に発揮されまくって、

 思わず目頭が熱くなった。

特筆すべきは、ベルがビーストの元を去るシーン。アニメ版ではここに歌はなかったが、今回はビーストのソロ曲が挿入され、

 これがスゲェ良かった。

オリジナルからアレンジされたことで微妙になったポイントが多い中、これは「やってよかった」ヤツだな。

 ま、未練がましいとも言えるが。

ちなみに、エンディングロールでの主題歌は、オリジナルがセリーヌ・ディオンで、本作がアリアナ・グランデだった。まぁセリーヌのがいいって思っちゃうのは仕方ないところ。ただ、逆に劇中の歌に関しては、

 個人的にアニメ吹き替え時の歌詞および歌が一番好き

なので、今回のも悪くはなかったと思うが、惜しかったかな、って印象止まり。てか、

 ♪おずおずと 触れあうわ 指と指、、、

ってとこが好きなんだよな。「おずおずと」って日頃全く使わない表現だけど、この2人には凄くしっくりしてて。てか、字幕時のサビの歌詞を「美女と野獣」で直訳しちゃうのは、仕方ないとは思うけど風情台無し。挿入歌部分、特にこの歌の部分に関してだけは、吹き替えのがいいと思うな。新旧問わず。

・CGの使用人達が辛すぎる

 アニメ版のルミエルとコグソワス、ポット夫人やチップを100点としたら、実写版は1点か2点。擬人化はアニメの特権みたいなところもあるから、ピクサーみたいなCGアプローチではない「実写擬人化」は凄く難しいとは思うけど、

 やっぱりダメだった。

あれではベルも親しみの湧きようがない。ちなみに、コグソワスの人間時がマグニートーだったのはちょっと嬉しかったな。

・カメラワークがダメ過ぎる

 特にキモ中のキモとも言えるダンスシーン。アニメ版の大胆なカメラワークを期待していた分落差が激しく、寂しさと失望でゲンナリしてしまった。エマのダンスもフットワークが「どたどた」した感じで、

 そこは加工出来ただろ、台車に乗せるとかさ

ゲンナリ。ビーストが嬉しそうな顔で使用人の方を見るシーンも大好きだったけどなし。その時の使用人達のガッツポーズ的表情もなし。室内であそこまで大胆なカメラワークは難しいとか言って欲しくない。全編通してこれでもかとCG使って作ってるんだし、

 「気合いが足りないっ!」て思った。

・雪合戦シーンもガックリ

「寒く雪に閉ざされた城」のイメージに反するから入れられなかった小鳥たちはともかく、

 ベルが投げた雪玉で、かきあつめて大きな雪玉を作ってたビーストが自らそれを被ってしまうコミカルな場面、

 まさかのビーストの雪玉も命中!ぶっ倒れるベル

何が言いたいのか意味が全くわからない。あれでベルがビーストに印象を良くするようなフリでもなかったし、

 監督バカなのか!?

スゲェ思った。

・ガストンが良くできすぎ

 一目見ただけでガストンとしか言いようがない風体にグッと来た。性格的には僕の大嫌いなタイプだから、アニメ再生時はまず飛ばしてしまうし、今回も嫌々彼のシーンを見たって感じだったけど、「再現性」は非常に素晴らしい。ホントに嫌なヤツまんまだったから、死ぬことに関しても一切同情の余地無しだった。

ただ、

その死ぬシーンはこれまたゲンナリ。なんで銃2発で足場が崩れて落ちるのか。アニメ版のように「刺してきてバランスを崩して落ちる」方が遙かにしっくり来ていたと思うのだが。

極めつけは、クライマックス。

「時間を過ぎたら永遠に元の姿には戻れない」と言いながら、

 あっさりと魔法使いが蘇生しちゃってるでしょ。

何このドライな対応。確かに使用人達が「固まってしまう切ないシーン」を入れたい気持ちはわからなくもないけど、

 だったら「もし時間切れになったら」的なアプローチで途中にそれっぽく差し込めばいいだろ。

確かにアニメ版はラストもうほんの少し丁寧に書いて欲しいな、とは思った。

 でもコレジャナイ。魔法使いが全て解決出来るんだったら、何もバラとかイラネーじゃんって思った。

人間に戻ったあとの「ベル、僕だよ」のセリフも好きだったのになかったし、変にアニメ版を踏襲した変身シーンもなんか白けちゃったし。
※特に手の指。演技に命が宿ってない。
最後のダンスシーンも、

 みんなで踊る必要なくね?

てか、もっと目立つ位置で2人は踊って欲しかった。なんか埋もれちゃってたし。

 それにこれ凄く言いたい!

「なんで住民があっさり城に来る」んだよ!?数分前まで殺し合いしてたのに和解するのは早すぎるってか、おかしいだろ常考。アニメ版ラストではもともと城にいた連中が2人のダンスを見守る形だったのに、ガストンの舎弟まで仲良く踊れる感性を疑うわ。

・絵的には馬が白くなってたのは悪くないけど、庶民のベルが白馬を持っているのはちとムリがあるにはある。

・書庫の時のカメラワーク及び書庫そのものも迫力不足。ああいうのは「やり過ぎ」くらいがちょうどいいのに、

 何この書庫、アニメ版の10分の1くらいしかなくね?

みたいな「こぢんまり」とした感じになっちゃってたな。

・オオカミから助けて貰ったシーンからの治療シーンもスゲェ重要で大好きなシーンだったのに、

 まさかの放置!

傷の手当てとかしてやれよ。っとに冷たいヤツだなぁ。

・呪いが解けて城が生まれ変わるシーン、尖塔にある悪魔みたいな像が、

 膝を付いた騎士に変わる。

 ・・・そこは天使だろ!

騎士に平和の印象はない。天使は確かに不自然かも知れないが、オリジナルを知ってる身としては、天使を期待してしまう。あと、

 最後ステンドグラスにならないのは、、、まぁしょうがないのか。

・エマよりセドゥの方が、「ベルっぽい」と思ったかも。エマはかわいいけど、どこか「キツさ」が足りないというか、、、。でも黄色いドレスに金の刺しゅうが入るシーンは良かったし、

 やっぱこのドレスじゃなきゃな!!

って思わずヒザを叩いちゃったりしたけどね。

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他にもいっぱいこれ以上にあったと思うけど、パッと思い出せたのはこのくらい。すぐさまアニメ版を見直したくなるレベルだったし、勝ち負けで言えば全然アニメ版の方が優ってるのだけど、、、

 それでもラスト感動しちゃったし、涙も溢れて来ちゃったんだよね。

もう10割音楽の力だと思う。そのくらいBGMが良かった。

クリス評価は★★☆。あれほどマイナスがあったのにこの点数。内訳的には新ソロ曲を含む音楽が4点分くらいある。あとは「あの作品をほぼそのままに焼き直してくれたこと」。2014年版みたいなアプローチも「有り」だとは思うけど、歌の点で「勝てるワケない戦い」になっちゃうからな。あ、人間の時のチップがかわいかったな。加点するほどじゃないけど。

改めて自分が主題歌と、オリジナル版が好きだったことを痛感した。てか脚本とかカメラとか、あれと全く同じで良くね?って気もしたけどね。正直言って。

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